夜毎見る夢

　夢の話をしよう。
　夢と言っても、もちろん将来の夢などという、夢のような話ではない。
　夜毎見る夢の話だ。

　夢は脳が記憶の断片をつなぎ合わせて作るというのは、厳密には証明されてはいないが、一般的に言われていることだ。
　そして悲しいかな、それは自分でコントロールできない。
　
　私が毎晩見る夢は、ほとんどが在職中の記憶から構成されている。
　要は、30年から10年ほど前の記憶に基づいているようだ。
　それ以前、もしくはそれ以降の記憶に基づく夢もあるが、それは割合としてはごく少ない。

　たぶん、記憶の量は、それぞれの時代に過ごした年月に比例するのだろう。
　登場人物の８割方は知らない人物で、2割ほどが旧知の人物だ。

　それらの夢はほとんど同じような展開だ。
　しかし、当然、夢の中では、それがわからない。

　場面は、会社の中や出張先が多い。
　自分が望むような楽しい夢を見ることは皆無に近く、焦りややるせない夢が多く、思い通りにいかないもどかしさに、目覚めた時には、ああ、夢でよかったと思うのが常だ。

　子供の頃は、結構楽しい夢を見たものだ。
　どうすれば、スペクタクルSF映画のような、手に汗握る面白い夢を見ることができるのだろう。
　

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