木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

あれから6年

2018-08-14 20:52:21 | 炭山災害
6年前の8月14日、宇治市東部は豪雨による水害に襲われました。
工房のある炭山地域も大きな被害を受けました。
一晩の雨でこれほど大きな被害を受けるとは想像だにしませんでした。
あれから6年。果たして復旧は進んだのでしょうか。


工房の裏の大きな崖崩れの現場は手つかずの状態です。


応急的に積み上げられた土嚢は一部袋も破れ、また大雨が降ったら危うい状態のように感じられます。

この夏も各地で水害が起こり、大変な被害が出ています。
自然・・ということで繰り返される災害。
地球温暖化のためか、年々深刻になっているように思います。
猛暑の中、避難生活を余儀なくされている人もたくさんおられます。
日本の技術力、財力をしてみればもっと何とかなりそうに思うのですが・・・

6年目の今日は朝から仕事ができました。

これは煎茶の立礼卓。

今年春にお納めした東京の煎茶の先生から追加の注文をいただきました。
ラワンランバーコアを使い、縁に桧の薄板を貼りました。
ラワンのランバーコアを使う所が味噌です。黒漆で仕上げますが、軽く、狂いが無く、安価にできます。
シナとちがいラワンはつなぎ目がないのであたかも一枚板のように見えます。


黒漆を塗り、漆風呂で乾かします。


漆風呂に入りきらない天板の一枚はそのまま外で乾かしました。

不安は抱えながらですが、こうして毎日仕事ができるということは嬉しいことです。
当たり前のことなのですが・・・。




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府道通行止め!

2018-07-06 17:56:45 | 炭山災害
降り続く雨、宇治市地域には大雨・洪水警報が出っぱなし。
京都府下各地でも被害が出始めています。
工房のある炭山には避難勧告も発令されています。
仕事も大詰めの今朝、炭山へ行く府道が土砂崩れで通行止めの情報が入りました。
幸い炭山林道は通れたのでそちらを回って工房へ。
万が一帰れなくなってしまった時にそなえ、食料も少し買い込みました。


林道の横を流れる志津川は凄い水量でした。
6年前の水害を思い出してしまいました。


工房の裏もかなり水位が上がっていました。
最低限の仕事を済ませて、早々に帰宅しました。
府道の通行止めは雨がやむまで続くそうです。

これ以上雨がひどくならないことを祈るばかりです。

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炭山水害から1年

2013-08-14 21:33:22 | 炭山災害
今日は8月14日、集中豪雨による大水害から1年が経ちました。
現在の炭山の復旧の様子を当時の写真と共に少しお知らせしようとおもいます。

府道二尾木幡線の本格的復旧工事は、この春から進められています。

ここは道路が陥没した箇所です。



土砂が流れ出したゴルフ場入り口

土砂は完全に取り除かれ、しばらく道路の中央に建てられていたH鋼も取り除かれ、きれいになりました。
しかし、先日の夕立の際、道路にかなりの量の土砂が流れ出していましたから、これからの台風シーズンに不安を残しています。


土砂と倒木が道路をふさいだ崖崩れの箇所。

ここは一応の工事が完了したようです。
しかし、この二尾木幡線は48時間の総雨量が80mmを越えると今でも通行止めになります。


笠取に抜ける谷山林道入り口。ここはまだ復旧工事のため通行止めになっています。


ここは崩落した土砂が志津川をせき止め、家が土砂に埋まった箇所。

H鋼と矢板で擁壁が作られています。でもまだこれは応急的な処置だと思われます。


私の工房から見える、最大の崩落箇所。

下にたまった土砂や倒木はすべて片付けられ、3段にわたって土嚢が積まれています。

近くへ行ってみると、

巨大な土嚢の壁が築かれていました。
しかしこれも応急的な対応でしかなく、近所の住民の方は不安な日々を過ごしておられます。
いつになったら安心して住める炭山の里になるのでしょうか。

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炭山窯元まつり2012

2012-10-17 22:19:08 | 炭山災害
水害で開催が危ぶまれていましたが・・・今年も開催します!




秋の1日、是非炭山の里を訪れ、水害にも負けず元気に頑張る窯元の姿をご覧下さい。


会場へはシャトルバスも運行されます。

当 木工芸市川もささやかながら出店させていただきます。
それに向け制作を急ピッチで進めています。


その一つ、コーヒーのペーパーフィルタースタンド。炭山でお世話になっているOさんのリクエストです。
フィルターにもいろいろなタイプがあるのでそれに合わせて作って見ました。
当日は小物を中心に展示します。
よろしくお願いします。

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炭山被災から1ヶ月

2012-09-13 22:54:43 | 炭山災害
先月の炭山水害から1ヶ月が経ちました。
炭山に置かれていた対策本部も南部集会所に移りました。
この間、町内会の役員さんをはじめ、頑張っていただいた皆さん本当にご苦労様でした。
笹谷さんのHPにも掲載されていますが、「明日への一歩炭山通信」9月10日号掲載します。



今日の炭山への道。

ここの道路を半分仕切って、通行止めなどに対応していたガードマンさんもいなくなり、通常の状態に戻りました。



都カントリー入り口には、H鋼と矢板で巨大な擁壁ができています。
これで、かなり雨が降っても土砂の流失が防げるようです。


お隣の、柳原さんの工房。

床を完全にめくって、泥出しをして乾かしています。



消毒も済み、ほぼ乾いたようです。



はじめに泥出しが済んだこちらの部屋は大工さんが入って床の張り替えをしていました。

炭山全体では、危険箇所の整備など、まだまだ完全復旧への道は遠いですが、やっと通常の生活や労働のできる状態に戻りつつあります。

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炭山被災 17日目

2012-08-30 21:59:02 | 炭山災害
信州から帰り、27日から開通した二尾木幡線を通って通勤。

山科自動車教習所の先には、大型車通行止めの看板。



道路の路肩が崩れた箇所は土嚢が積まれて応急処置がなされていました。



土砂に埋まった箇所。両側に土嚢が積まれ、道路標識も倒れてました。



土砂は都カントリーの入り口から流れ出たようです。



道路の反対側にあったWさんのお宅は無残にも土砂に埋もれていました。



この土砂は、また流れ出す恐れがあり、少しの雨でもここは通行止めになります。
昨夜も6時過ぎの雨で一時通行止めになったそうです。


「一木一優」の仲間の柳原さんの工房も、床下にたまった泥を撤去する事になりました。
そのためには床をすべてめくらねばならず、今日は工房の片付けの手伝いです。


ボランティアさんの応援も得て、工房内の木材などを隣の倉庫に移動させました。



若いボランティアさんの活躍で、見る間に工房は片づいていきました。



ボランティアの「チームレスキュー」の皆さん。遠くは愛知県からも参加。今日で一週間になるそうです。
本当にご苦労様でした。




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炭山被災 12日目

2012-08-25 21:58:06 | 炭山災害

「明日への一歩 炭山通信」第7号 8月24日発行です。

今日は土曜日、炭山陶芸の建物にボランティアセンタ-(炭山サテライト)が開設され、朝から沢山のボランティアさんに来ていただきました。
stadio木壺さんの工房に小型ユンボを繰って来てくれたボランティアさんは愛知県から駆けつけてくれました。
福島、宮崎・・・と全国を駆けてボランティア活動をされているそうです。
地主さんの都合で作業は明日に延期になりましたが、本当にご苦労様です。



裏の崩落箇所。



その上の部分。かなりの急斜面です。
工房のお隣のKさんはここで生活されています。
「いつまた崩落するかと思うと、何か音がする度に不気味に感じる」と言っておられました。


こんな状況の中ですが、私は明日より、一週間延ばしてもらった納品を兼ねて実家へ帰ってきます。
今年は庭の草刈りも墓掃除もまだできていませんでした。



松本に納品するウォールナット肘掛椅子4脚。なんとか完成する事ができました。



桑小抽斗は諏訪の叔母さんに。



朱塗りの椀と杯、真塗りのお膳。こちらは佐久に納品です。

そんなわけで、明日から「明日への一歩炭山通信」は、笹谷さんの「香福籠ー暁陶房」のホームページに掲載されます。そちらをご覧下さい。

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炭山被災 11日目 窯元さんの状況

2012-08-24 23:51:08 | 炭山災害


「明日への一歩炭山通信」第6号


京都陶磁器協同組合連合会から私のブログを教えてもらったという、朝日新聞の記者さんが見え、現場を見ていただくよう案内させてもらいました。

まず、裏の崩落現場に登ってみました。

倒木によってせき止められた上部には大量の土砂がたまっています。



地盤は崩れやすくなっており、もしまた大雨が降り、これが流れ落ちるような事になると、その土砂が志津川をせき止め、さらに大きな二次災害を引き起こすような事態になりかねません。
せき止めている倒木もやがては腐るのですから、このままではこの土砂が流れ出す事態は必ず起こるように思えます。


調査に来ていた宇治市の関係者も、「もし大雨や、雨が長く続くような場合には、ご近所声を掛け合って安全な場所に避難してください。」と言っておられました。
台風シーズンを控え、どうなるのでしょう。

床下浸水した「studio木壺」さんは、床が低く、床下にたまった泥を撤去しようとすると、床を全面剥がさねばなりません。大型木工機械が運び出せない状況のなかでは、撤去を断念せざるを得ない状況になっています。


記者さんを対策本部へ案内し、副本部長の笹谷さんに炭山工芸村の窯元さんを案内してもらいました。


最初におじゃましたK陶房さん。窯の下まで水に浸かり、窯を少し上げて乾かしておられました。



裏は、一面泥水が走り、おびただしい量の泥が残りました。ようやくそれが撤去されたところでした。


Kさんの案内で山手一番奥のOさんのお宅に行ってみました。

裏の小さな谷筋を流れ下った土石流で、家の中のものはすべて押し出され、



まさに想像を絶する光景でした。
幸い、住人のOさんは、尋常で無い物音に目を覚まし裸足で家を飛び出し、間一髪事なきを得たそうです。



家の裏に回ると、土砂は屋根にまで達していました。



さらにその土砂は下に流れ下り。



この2件のお宅の床下や工房に流れ込みました。



床下の泥は、ボランティアさんの協力で取り除かれつつありますが、



まだまだ大変な状態が続いています。



ここでは学生のボランティアさんが大活躍でした。





工房の中に流れ込んだ土砂に汚れた製品や道具、資材の片付けはまだまだこれからです。
窯に水が入り、使えるまでに時間がかかりそうな窯元さんもおられます。

案内していただいたKさんは、一番はじめに京都市内から工房を炭山に移された方と聞きました。
いわば炭山の陶芸村の先駆者。当時のお話しも少しお聞きしました。
近年の不況の中で仕事が減り、窯元さんにとって厳しい状態が続いています。
その中でこの被災。
何とかまた活気を取り戻し、みんなが元気になることを願うばかりです。
そのためにも多くの皆さんに、この陶芸の里炭山を知って欲しいと思います。
もちろん少ないですが木工の工房もあることもです。



こちらは下の川沿いにあるTさんの工房。
道路を流れ下った水が、滝のように川に流れ込み、その勢いで対岸の石垣を崩し、ここにあった窯の小屋が崩れ落ちてしまいました。
写真にある大きなコンクリートの板は、窯小屋のコンクリートの床です。この上にあった2つの窯と建物はすべて流されてしまいました。
仕事ができなくなり、Tさんはこれからどうしていったら良いのかと途方に暮れておられました。




炭山陶芸の建物がボランティアセンターになっています。



その前まで来ると、ボランティアの青年達が今日の活動を終えて戻ってきました。
この青年は京都だけでなく東京からも駆けつけた学生さん達。



全身泥だらけになりながらも明るく頑張ってくれる姿に、炭山の皆さんもとても励まされています。
本当にお疲れ様でした。


復旧は進んではいますが、まだまだ残っているところも多く(ボランティア要請があった25カ所のうち、9カ所はまだ未派遣)、この土日が復旧の大きな山場になります。
渡辺区長さんは、「皆さんの協力を是非ともお願いしたい」と呼びかけておられました。


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炭山被災 10日目

2012-08-23 22:01:12 | 炭山災害

「明日への一歩炭山通信」第5号です。

二尾木幡線の木幡方面への道路は、中学生のスクールバスでの通学確保のため、2学期が始まる8月27日までの開通を目指して、24時間態勢で工事が進められています。



ヘアピンカーブの上の土砂や倒木はすでに取り除かれました。



反対側の谷のガードレールは落ち、土砂崩れのすごさを示しています。



ヘアピンカーブの下もきれいになりました、が・・・



その先には道路の崩落箇所があります。 広さがありますので、片側の通行はできそうです。
この先では、道路に積もった土砂の撤去作業が続けられています。
土砂の撤去は木幡方面からも進められていると言うことです。



村内では、八幡宮の広場に流れ込んだ泥の撤去が始まっていました。



Wさんが、ご自分のユンボを運転して積もった土を寄せ、町内の皆さんで片付け作業が行われています。



中炭山の土砂が川をせき止めた現場では、川の掘削が始まり道には水が流れなくなりました。
しかしがれきの撤去はまだまだこれからです。
10日目に入ると、さすがに皆さんの疲労もたまってきています。
皆さんお身体にはくれぐれもご注意ください。
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炭山被災 9日目

2012-08-22 23:06:00 | 炭山災害


本日発行、「明日への一歩炭山通信」第4号です。
暗くなってから撮ったので見にくくて済みません。
昨日は沢山のボランティアさんが入り、復旧も着実に進んでいます。



「studio木壺」の柳原さんの工房では、一昨日よりお父さんのお友達の山本造園さんが入ってくださり、
倉庫の中に積もった土砂もすっかりどけて、貴重な板材を掘り起こしてくださいました。



倉庫の中から見ると、表は7~80cm高くなっています。それだけの土砂が積もっているのです。



工房の上の道路には土嚢が積まれて道から水が流れ込まないように宇治市がしてくれました。、



工房の周りにも溝を掘って、



応急処置として、少しぐらいの雨なら水が川へ流れ込むようにしました。


そして残るは床下。今日めくってみると・・・

床下にはおびただしい量の泥、泥、泥、・・・
これを出さねばなりません。工房の木材や道具をすべて運び出し、機械も移動させて床を剥がさないと取り除く事ができません。
作業にはかなりの人手が必要となりそうです。

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