木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

欅座卓 拭漆

2009-11-30 21:51:54 | 木工
11月も今日で終わり、明日からは12月。

工房の裏の景色も晩秋から冬の気配へと変わりつつあります。

しかし、座卓の納期が迫り、そんな感傷に浸っては居れません。

一昨日捨て刷りした漆もほぼ乾き、耐水ペーパーでの1回目の研ぎ。

天板の表。
わずかな鉋境や見落とした逆目もシビアに浮き上がります。


こちらは裏。裏だからと鉋仕上げの手を抜くとあとでえらい目に遭います。
とわかっていても、やはり表よりも仕上げは荒くなります。(反省!)


こちらは脚や貫、摺り桟
一部、座卓に関係ないものも入っています。

水気が乾いたら、漆を刷毛摺りして木に吸い込ませ、余分な漆はヘラでとります。

脚や貫は漆風呂で乾かします。風呂内はヒーターで20度に、湿度もほぼ80%に保たれています。


風呂に入らない天板はそのまま乾かします。
これからしばらく研ぎが続きます。

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紅葉を求めて 宇治散策 

2009-11-27 22:07:48 | その他
紅葉を求めて宇治を散策しました。

出発は

ここ、源氏物語ミュージアム。
建物には入らず、裏庭を抜けて


大吉山に登りました。
こちらから登ると道もきれいに整備されています。紅葉がきれいに色づいていました。


小さな山ですが、茂る森の中を歩くのは気分爽快。多く見られる木はシイでしょうか。


平等院、宇治川、塔の島を眼下に見下ろす、大吉山展望台からの眺め。


もう少し登って大吉山の山頂へ。

下山は、興聖寺の裏手へ。


興聖寺の参道の琴坂も紅葉の名所。きれいに色づいていました。

昼塔の島でお弁当を食べていると、近くの岸辺からアオサギが飛び立っていきました。


橘橋を渡り、久しぶりに平等院へ

鳳凰堂はいつ見てもきれいな姿ですね。
鳳凰堂の内部もゆっくり見学した後、宇治橋商店街へ

お目当ては、これ、

中村藤吉本店の「生茶ゼリー」
前々から一度食べてみたいと思っていましたが、やっと実現しました。
甘さを抑えた抹茶アイスと生茶ゼリー、それに小倉あん、白玉団子のハーモニーが絶妙のおいしさ。
量も多く、おなかがいっぱいになりました。
器も竹というのが良いですね。これでスプーンがプラスチックでなく漆塗りだったら完璧です。

帰りは宇治橋を渡って宇治川右岸を上り、宇治神社から宇治上神社へ。


宇治川沿いの紅葉は、西日を受けて燃えるような美しさでした。

さわらびの道を歩き、散策の終点の源氏物語ミュージアム

こちらの紅葉もまたすばらしかったです。
深まりゆく秋を満喫した一日でした。
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欅座卓 木地完成

2009-11-26 22:01:33 | 木工
欅の座卓の制作も最終盤
ここからは、仕上げの鉋削りをしながら、それに合わせて大入れの加工をしていきます。


まず、貫を鉋で削って仕上げ、脚に大入れの穴を掘ります。
貫の胴付きがしっかり当たるよう穴の深さを決めます。


次に、脚を鉋で削って、胴張りに仕上げます。


面を取って4本完了。


脚を蟻桟に嵌めて墨を付け、トリマーで荒堀します。トリマーを使う事により、穴の深さを正確に掘る事ができます。


穴の側面は、極浅の外丸鑿で、墨に沿って正確に仕上げます。


脚が蟻桟にしっかり収まりました。


最後に蟻桟の仕上げ削りをして部材の加工が完了。
念のために仮組みをしてみます。蟻桟を天板に嵌め、


脚に貫を嵌めて


蟻桟に差し込みます。これで木地が完成しました。
もう一度分解して、拭漆の工程に入ります。

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寄せ蟻

2009-11-25 22:02:35 | 木工
寄せ蟻(送り蟻)の加工。


蟻溝を10等分し、一つおきに蟻の底の幅まで、鑿で蟻を落とします。


蟻桟の方も同様に10等分し、一つおきに蟻を落とします。
蟻溝の広げた箇所に合わせて蟻桟を嵌め、蟻桟の木口を叩いて寄せていきます。
比布倉鉋で蟻桟の蟻を少しずつ削って、奧まで入るよう微調整していきます。

この時、すべての蟻がしっかりかみ合わなければ意味がありません。
蟻溝の肩を鉛筆で黒く塗り、均一にかみ合うよう、かみ合い具合を見ながら慎重に調整していきます。


一方が完了。


こちらもしっかり収まりました。
毎回同じ作業の繰り返しですが、ここまで来るとひと山越えたという感じがします。

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比布倉鉋

2009-11-24 21:46:46 | 道具

欅座卓。


部材のほぞの加工が完了し、次は寄せ蟻の加工

今日の道具の主役はこれ、

比布倉鉋(ひぶくらかんな)
先日インターネットで大変安く販売されているのを見つけ購入し、今日が初使い。取りあえず、右勝手を仕立てて使いました。

この鉋、蟻桟を先にいくに従い細くするために、側面を削るのに使います。
通常は蟻作理鉋を使うのですが、木目を考えず木取りしたため逆目になってしまうので比布倉鉋を使うことにしました。


なかなか良い調子で削れます。


基本の蟻と蟻溝ができたので、次は嵌める箇所を切って嵌め、硬さの調整をしながらて寄せていきます。

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三木へ

2009-11-24 21:07:30 | 道具
いつもお世話になっている、千代鶴貞秀さんが、兵庫県の技能顕巧賞を受賞されました。
それを祝う集いに招かれ、三木へ行って来ました。


親子二代にわたる受賞。本当におめでとうございます。


集いには、山口県、長野県、愛媛県、名古屋など遠くから千代鶴貞秀作の鉋に魅せられた大工さんや木工家が10名ほど集まり、道具談議に花を咲かせました。
地元三木のS棟梁は、ご自慢の2寸5分の突きのみや、乱れ刃の鉋、ご自分で作られた、赤樫や鉄刀木(タガヤサン)の下端定規などを魅せてくださいました。
2寸5分の突き鑿はさすがに圧巻でした。


道具や木組みについていろいろ話をお聞きし、大変勉強になりました。
話をいていると、4時間ほどが瞬く間に過ぎてしまいました。

お弟子さんも最近めきめきと腕を上げられ、将来がとても楽しみです。
千代鶴さん、これからも元気で良い鉋を作り続けて頂きたいと思います。



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集塵機掃除

2009-11-21 22:52:31 | 木工
欅の座卓 構造について方針が決まり、制作再開。
その前に、ふと気がつくと集塵機がいっぱい。
それで、まず集塵機の掃除をする事にしました。


はずしてみると・・・なんと満杯で、木屑がホッパーの上まであふれていました。


このままでは下の袋がはずせないので、十能で上から掘りだしました。


下の袋いっぱいにたまった木屑はちりとりですくい出してゴミ袋に移します。
埃まみれになる作業です。


木屑は、業務用の少し大きなビニール袋4つになりました。
この木屑は近所の人に畑に撒くために引き取ってもらいます。
もちろん自分の畑にも入れました。


機械が使えるようになったので、変更に合わせて脚、貫、蟻残の部材の木取りと荒削りをしました。

ところで、部材を取った後の木ですが・・・

たまりにたまります。
少し大きめな材は次に使うために保存をしますが、細かな材も捨てられないのです。


白太や割れなどがあり使えないものはストーブの薪になります。
鉋屑も取っておくと良い焚き付けになります。
ほぞを切った木片は、前にも紹介しましたが、子どものよいおもちゃや工作の材料として使ってもらいます。
したがって、いわゆるゴミとして出すものは床に散らばった細かな木くずを掃除したものくらいで、ほとんど捨てるところがないのです。
何十年、いや何百年と生きてきて今ここにある木ですから、少しも無駄にはできません。

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欅座卓 制作再開

2009-11-19 22:21:21 | 木工
中断していた欅の座卓の制作を再開しました。


今回、天板を脚に乗せる構造にし、リバーシブルに使用できるようにしようと考えています。
反りの問題等を考えると摺り桟を入れて脚を固定した方が良いかも・・・という迷いもあるのですが・・・。パトロール隊員さんどうしましょう?
製図はCADを使っています。


天板の表面の仕上げは、前にほぼ完了しています。
鉄砲の穴(虫の穴)を埋め、割れ止めの契りを黒檀で入れました。
接着は麦漆を使ったので乾くのに少し時間がかかります。


その間に、脚や貫の木取り、仕口の加工を進めます。


寒くなったので、ストーブを設置しました。
ちなみに今日の帰りの炭山の気温は5度でした。

早速試し炊き。
暖かいというのは良いですね。
今シーズンはいろんな方のお世話で、昨シーズンの倍の量の薪が確保できています。
おかげで、暖かい環境の中で仕事ができます。本当にありがたいことです。


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テーブル納品

2009-11-15 19:10:08 | 木工
完成したテーブルを納品しました。
納品先は、神戸三ノ宮駅近くの居酒屋「ひの」さん


オープンを一週間後に控え、準備が進められていました。


納めさせていただいたテーブル


こちらはもう一方のテーブル


お店の雰囲気にも合い、気に入っていただけたようで安心しました。
「ひの」さん、本当にありがとうございました。

ところで、

「ひの」さんは、播州の地酒を中心に、全国の銘酒100銘柄を集めた居酒屋さん。
テーブルの上には好みの燗をつける事ができる器具を置くなど、おいしくお酒を飲むことにこだわっています。


カウンターの中の棚にはいろんな銘柄のの日本酒が所狭しと並べられ、開店を待っていました。

オープンは11月24日
 
三ノ宮の駅から歩いて5分ほど。
こぢんまりしていてとても雰囲気の良いお店になりそうです。オーナーも若くて実に感じの良い方です。
お近くの方、三ノ宮に行かれた方は是非立ち寄ってみてください。

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看板

2009-11-12 21:51:03 | その他
大学時代の先輩のKさんから写真が届きました。

 
先日書いて送った看板、岐阜駅前の児童虐待防止啓発活動に使われたとのことです。
少しでもお役に立てたこと、そして、昔のことを思い出して看板の依頼をしてくださった事が何よりうれしかったです。

 
その看板は、今月いっぱい福祉農業会館の窓に設置されているそうです。
結構大きな看板だと思ったのですが、建物が大きいので小さく見えますね。

欅テーブルは完成間近

2回目のオイルを塗りました。

一方こちらは塗りの中椀

くろめ漆による中塗りが3回目になりました。


同時に進めている中匙。半分ずつ塗ります。
どちらも時間の合間を見ながらゆっくり進めています。
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