木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

信州への旅の続き

2010-10-29 22:01:38 | 故郷信州にて
信州への旅3日目は久しぶりに塩田平を訪れました。

信州の鎌倉と言われるこの地には、名刹が点在しています。


今回訪れたのは、前山寺。この欅の大木に対面するのも9年ぶりです。


「未完成の完成の塔」と言われる前山寺三重搭。室町時代の建築で、窓も扉も勾欄もない未完成の状態らしいですが、何とも言えない調和のとれた美しさです。


色づきはじめた銀杏の樹とのコントラストもきれいでした。


次に向かったのは、「無言館」。ここを訪れるのは初めてです。
書き続けたい絵を断念して戦地へ向かわなければならなかった画学生。
絵に込められた思いを少しでも感じとりたいと、一点一点じっくり見てきました。
どの絵からも、少しも悲壮感は感じられず、むしろひたむきさや優しさを感じました。それがまた悲しくもありました。


第二展示館の外には、たくさんの絵筆をはめ込んだモニュメント。
そこには、「画家は愛するものしか描けない 相手と戦い 相手を憎んでいたら 画家は絵を描けない」という文字が刻まれていました。

4日目は、飯田を出発し、雨の中清内路峠を越えて南木曾へ向かいました。

このところの冷え込みで、紅葉も一気に進んだようでした。


ろくろ工芸の店をいくつか見て回ったあと、お目当ての工房ヤマト小椋商店さんへ。
ここの社長の正幸さんとは、その昔一緒に刳り物や漆を勉強したことがあります。
今まで2回ほど旅行の途中で寄った時も、正幸さんとはお会いできませんでしたが、今回も出張中でした。


店内には、ひと味違う洗練された器が展示されていました。
2階のギャラリーには、正幸さんのお父さんの栄一さんの作品が展示されていました。
その中に、桑で挽いた銘々皿と茶托を見つけました。
その清楚な美しさに感動し、両方とも譲っていただきました。


銘々皿


茶托
一生の宝として、また、もの作りの手本として、大切に使わせていただきます。


こちらは正幸さん作の器。
すべての無駄を省いた美しさのある、とても使い良さそうな器で、妻はいたく感動していました。
正幸さんとはお会いできませんでしたが、電話で20何年かぶりでお話もできました。
そして何より、ご家族の皆さんには大変歓迎していただき、大変うれしく思いました。
とても満ち足りた気持ちで家路につきました。本当にありがとうございました。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信州への旅 秋編

2010-10-28 23:40:50 | 故郷信州にて
信州への旅・・・と言うと良く聞こえますが、実は田舎への帰省。
25日に出発しました。
はじめに寄ったのはここ。

中央道駒ヶ岳サービスエリア。
このサービスエリアは、中央道が開通して依頼おそらく一番利用している所なのですが、知らないことがあったのです。

それはこれ、

駒ヶ根名物ソースカツ丼。

Tachibanaさんのブログ「越後の大工道具販売日記」で紹介されているのを見て初めて知り、その機会を待っていたのです。
それがやっと実現しました。
このソースカツ丼、スナックコーナーでも食べられるのですが、今回はTachibanaさんに先を越された悔しさを跳ね返すために・・ではないのですが、最近入ったことがない「レストラン」へ

さらに、

普通のソースカツ丼でなく、地元産の南部豚を使った「ワンランク上のソースカツ丼」を注文してしまいました!


どんぶりからはみ出るようなカツで、厚みもありました。
とてもおいしかったのですが、私の好みで言うと、ちょっと揚げすぎなのか、ワンランク上と言うには少し肉が硬かったのが惜しまれます。


こちらは妻が頼んだ「ミニ丼セット」。こちらの肉もおいしかったようです。
そばやうどんが一緒に食べられるのも魅力です。
満足して一路佐久へ向かいました。

そして、

WAさん宅へ書道テーブル、椅子を納品させていただきました。


椅子机とも高さもぴったりで、十分な天板の広さにも満足していただけたようです。
ここですばらしい書を書いていただきたいと思います。WAさん、ありがとうございました。

信州での2日目は、母のお世話になっているグループホームへ。

「家族参加の紅葉狩り」に参加しました。
行き先は、佐久穂町の古谷地区にある臼石荘。

寒い一日だったので、歩くのはやめて、車の中から色づいた山々を眺めました。


久しぶりに母と一日をゆっくり過ごす事ができました。
90を越え、車椅子生活になってしまいましたが、いつまでも元気で長生きしてほしいと思います。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陶器まつり2日目

2010-10-24 20:30:42 | その他
陶器まつり2日目は朝から曇り、午後からは雨の予報でした。


それでも朝からたくさんのお客様においでいただきました。


ろくろ体験コーナーでは、子ども達が優しく教えてもらいながら、熱心に取り組んでいました。


当木工三工房は雨に備え、今日はテント内にこじんまりと出店しました。
9月の「一木一優」作品展に来ていただいた方も何人か来てくださいました。
午後からは雨になりましたが、幸いたいした降りにならずに済みました。
たくさんの皆様においでいただき、本当にありがとうございました。
また、炭山陶芸・青年部の皆様には大変お世話になり、ありがとうございました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

炭山窯元ふれあい陶器まつり

2010-10-23 23:52:46 | その他

陶器まつりが始まりました。


晴天に恵まれ、朝からたくさんのお客様にお越しいただきました。


それぞれの窯元の前には、普段より大変安い陶器がたくさん並べられ、
皆さんお気に入りの品やお買い得品を見つけて、ショッピングを楽しんでおられました。

こちらは、木工芸の3工房のコーナー

木工芸市川


工房こもれび


スタジオ木壺

今回は小物を中心に展示しました。
このブログを見て、遠く奈良から来てくださった方もおられ、大変うれしく思いました。
ありがとうございました。
梅原英光園さんの山野草も展示即売しました。むしろこちらの方が人気があったような・・・・


陶器まつりは明日4時までです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日から炭山陶芸まつり

2010-10-22 12:40:24 | 木工
明日から炭山窯元ふれあい陶器まつりが開催されます。



このまつりでは、それぞれの窯元の前のテントには、様々な陶器が破格値で並べられています。
ろくろ体験教室の他、おいしいこんにゃくやうどん、ぜんざい、コーヒーなども用意されています。


このまつりに、炭山に工房を持つ「一木一優」のメンバー3人も出店します。
今回で3回目の出店になります。



昨年の様子です。
今回も、梅原英光園さんのご協力で山野草の販売もします。
秋の一日、炭山でのんびりとお過ごしください。お待ちしております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉テーブル納品 そしてJazz Night in Shiogiri 2010

2010-10-17 22:54:20 | 木工
完成した(座卓用脚はまだですが・・・)杉テーブルを納品させていただきました。
納品先はここ。

宮津市上世屋にある、古民家。


ここを、Mさんを中心とするNPOが改修し、学生やNPOの研修施設として使われています。


こちらは、他にあったものを移築されたそうですが、太い貫を使った構造などがとても美しい古民家です。


ここで、蕎麦打ち体験や研修に使われるそうです。


落ち着いた雰囲気の中に溶け込んでくれたでしょうか。
Mさん本当にありがとうございました。座卓用の脚はもう暫くお待ちください。


隣にある建物は、いたんだ建物を補修し、学生を中心に数年がかりで笹葺き屋根の葺き替えをされたそうです。
茅葺きとはまたひと味違う趣がありますね。


納品が済み、夕方から同じ上世屋にあるいーポート世屋で開かれた「Jazz Night in Shiogiri 2010」に。
まずは夕食。

春に引き続き、地元で取れた食材を生かした里山ビュッフェに舌鼓。

そして、夜8時からジャズライブ。

このライブ、「IKETANNG」と称し、もう16~7年続いているのだそうです。
この日のためにボストンから来日されたピアノのパート・シーガーの他、ドラマーの池長一美ベースの吉野弘志、
女性トランペッターの藤井美智、トロンボーンの谷口知巳、アルトサックスの浅井良将という、日本を代表するミュージシャン。
ジャズにはあまり馴染みのない私ですが、そのリズムと音色に思わず引き込まれ、3時間近い演奏時間があっという間に過ぎてしまいました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉テーブル完成

2010-10-15 22:16:47 | 木工
天板のオイル塗装1回目が乾いたところで組み立ててみました。


組み立てと言っても、脚に貫を通し、くさびで固定し、天板を乗せるだけですが・・・。


こんな雰囲気になります。


内側から見た様子です。太い貫で脚部をがっちり固定しています。


脚にはゴム滑り止めのゴムを貼りました。床に接する面にはフェルトを貼っています。


くさびは、ブラックウォールナットで作りました。無くなりやすいので少し多めに作りました。


最後に、天板にもう一度撥水性の高いオイルを塗って拭き取り、完成です。


くさびを打つための木槌もお作りしました。
Mさん、大変お待たせしました。予定通り明日納品させていただきます。よろしくお願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

完成間近

2010-10-14 21:28:11 | 木工
杉テーブルも完成間近

今日も、妻の手を借りて、脚と貫はオイル塗装の2回目。2回目は撥水性の強いオイル(ドイツリボス社のクノス)を使いました。


天板は、オイルを塗る前に割れ止めの契りを入れました。ブビンガの契りに合わせて鑿で掘り。


糊をつけて軽く叩き込みます。


後は鉋で削って表面と面一に仕上げます。2枚の天板に2カ所ずつ入れました。


最後の天板の鉋削りも完了。


1回目のオイルを塗り、耐水ペーパーで磨いてから拭き取ります。1回目のオイルは、同じリボス社の「メルドスハードオイル」を使いました。
浸透性・撥水性が高く、表面を硬くする硬化があるので針葉樹に向いています。
明日まで乾かし、「クノス」をもう一度塗って拭き取ります。


こちらは塗装の完了した、脚と貫。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天板削り

2010-10-13 21:13:47 | 木工
杉テーブルの制作もいよいよ佳境に入り、16日納品に向け猫の手も借りたい状況。


我が家に猫はいないので、妻の手を借りました。
オイル仕上げを妻に任せ、私は一日天板削り。


まず、木端。耳付きにしたいと言うことですが、このままではあまりにきたない。


そこで、反り台鉋と外丸反り台鉋を使って、耳付きの雰囲気に仕上げました。


次は天板の表面。製材をしただけの状態なので、寸四の鉋で荒削りから。


仕上げは寸八の鉋で。


反対側も削ります。


仕上げ削りが完了。
杉の場合鉋が切れないと仕事になりませんので、1枚削ったら荒仕工、中仕工、仕上げとも刃を研ぎ直します。


削りが完了した天板に妻がオイルを塗り、#320の耐水ペーパーで軽く研いだ後、布で拭いて仕上げます。
2枚天板を並べると、その大きさを改めて実感します。


天板3枚目の削りが完了したところで体力的にも限界。最後の一枚は明日の仕事に。


鉋屑の山ができました。研いでは削り、削っては研ぎ・・・さすがに疲れました。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脚部完成

2010-10-12 22:37:26 | 木工


脚をすべて組み立てました。
床に接する部分は、やわらかい杉では傷みやすいのでウォールナットの板を貼りました。
最後にここにフェルトを貼る予定です。

次は貫の仕上げ。

楔を入れる穴にはテーパをつけるたブビンガを嵌め込み補強しました。
このテーブル、座卓でも使われます。
おそらくいろいろな人が分解したり組み立てたりするでしょうから傷みやすい部分はできるだけ補強しました。


貫の仕上げ削り。
鉋は千代鶴貞秀作。節がある杉材ですが、気持ちよく削れます。


脚部を組み立ててみました。楔を軽く締めるとがっちり固定できました。


これなら杉の天板を乗せてもビクともしません。
後は天板の削りと塗装を残すのみですが・・・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする