木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

木釘削り

2010-04-30 23:41:48 | 木工
朝から木釘削り


ひたすら削りました。


3時間で2種類合わせて約300本!! さすがに腕が疲れました。
尊敬する氷見晃堂は、「指物の基本は木釘打ちにある」と言ったそうです。
このくらいでへこたれていてはだめですね。


削った木釘、すべてこのように削れればよいのですが・・・


削った釘は糠で炒ります。何とも言えない香ばしいよい香り。


午後からは抽斗の組み立て。


使った錐は、あらいの錐、この錐に勝るものはありません。


抽斗の組立が完了。のりが乾いたら仕上げ削りです。


仕上げ削りが完了。


取っ手をつけて完成。汚れ止めに薄く蜜蝋ワックスをぬりました。
アンティークな雰囲気が出たでしょうか。


抽斗を開けると中は新しい桐材です。
Yさんお待たせしました。明日納品させていただきます。

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小間物箪笥 続き

2010-04-29 22:08:06 | 木工
制作中の小間物箪笥

仮組みが完了 11枚の棚板もなんとか収まりました。


組み立て完了。12段は圧巻ですね。


桐材が変色しているので、打った木釘が目立ちます。色を付ければよかった。
天板に節穴が・・・でもこうしか木取れなかったのです。


取っ手は桑で造り、石灰でアクだしをしました。


抽斗の部材がすべて揃い、加工も完了しました。
後は組み立て・・・しかしその前に難問が。
木釘を作らねばなりません。その数・・・約300本!!
明日は朝から卯木を削ります。
どこかに木釘売っていませんか?
コメント (2)
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小間物箪笥

2010-04-27 21:36:00 | 木工
長持の材を使った小間物箪笥。


まずは帆立の内側に、棚板を差す小穴を突きました。
抽斗に手芸用の糸などを入れるので、浅い抽斗を数多く、というYさんからの注文で、抽斗を12段にしました。
固定式の定規を造り、トリマーで小穴を突き、鑿で角を整えました。


棚板には板を補充しましたが、色が違うので全面のみ長持の板を接ぎ合わせました。


天板、地板と帆立は7枚の組継ぎにしました。


11枚の棚板を嵌めると、こういう状態になります。
もう一方の帆立板がうまく嵌められるのでしょうか・・・ちょっと不安になってきました。


組み立て前に、鉋削り。良い桐材は使っていませんが、古材らしい色つやは良いですね。


話は変わって、前回紹介した「組子削り鉋」
tachibanaさんのブログで、別名飛行機鉋といい、そのいわれは、削るとバネの部分から空気が漏れて「ヒュー」という音がする、と言うことらしいので、試してみました。
(音がしたという記憶はなかったのですが・・・)

木を削る音はしますが、「ヒュー」という音はしないようです。
構造の違いでしょうか。
でも削っている時バネが動くわけではないので、空気が漏れるというのも???

この鉋の構造は、

上端のネジを外すと、このようになっています。


押さえ木は、樫に竹を張り、滑りを良くするのとネジの固定を兼ねています。


刃の出具合を見る時は、上端のネジを締めて押さえ木を引っ込めると押さえ木が邪魔になりません。

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ステンドグラス入りドアと欅座卓

2010-04-26 21:47:57 | 木工
野沢パトロールさんより写真が届きました。


お納めした、ステンドグラス入りドアと欅の座卓です。
こうして実際に使われている様子を見せていただくと、本当にうれしいですね。
野沢パトロールさん、ありがとうございました。

次なる仕事は・・・

昨年秋にお預かりした、この長持の材を使って、小間物箪笥を作ること。


すでに昨年秋に分解して、材にして保管していました。


ベンガラが塗られていましたので、自動鉋盤で削り、木取りをしました。


天板と地板、帆立、それに抽斗の前板に長持の材を用い、他は新しい板を補充します。
古い板と新しい板の色合いの違いをどう処理するかが課題です。
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木工フェスティバルが終わりました

2010-04-25 22:29:46 | その他
京都木工フェスティバルが終わりました。


別のフロアで、花と緑の市民フェアを開催していたこともあり、2日間で本当にたくさんの方においでいただきました。
元職場の同僚の方や木工仲間の皆さん、そして、思いがけない方との出会いもありました。
また、今回出品されていた木工家や関連業種の皆さんとも交流でき、充実した2日間でした。
おいでいただいた皆さん、何から何までお世話になりました今野さん・吉田さんをはじめとする出品者の皆さん、本当にありがとうございました。
そして、つまらん話を聞いていただいた学生の皆さん、頑張ってください。

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京都木工フェスティバル 搬入

2010-04-23 23:31:51 | 木工
明日24日から、京都木工フェスティバルが始まります。
今日は午後から作品の搬入。


一部、明日搬入されるところもあるようですが、夕方にはほぼ準備が整いました。

当工房のブースは、

一画はお茶と書の道具コーナー。和の雰囲気です。

そして、こちらはテーブルウェア。

今までの作品を寄せ集めたら、こうなっただけの話なのですが・・・。


テーブルや四方棚も並べました。


昨日組み立てた栃のテーブル。まさにできたてのほやほやです。

会場には、13人の木工家と、7社の木工関連企業のブースに様々な作品が所狭しと並べられ、皆様のおいでをお待ちしております。
会場は、みやこめっせの地下1階の特別展示場です。






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短冊掛け

2010-04-21 22:00:12 | 木工
木工フェスティバルにむけて、短冊掛けを作りました。
その昔、Tさんから、「芭蕉の弟子の書いた短冊を見つけたので、これに合う短冊掛けを着くってほしい。」という注文をいただき、さんざ頭を悩ました末に作った物です。

材料は茶神代杉の柾目板。

頭の部分は緩い丸みを鉋で削りました。


下の端も内丸にしますが、ここは小刀で削りました。
千代鶴貞秀作の小刀、木口もサクサクと削れます。


表面は鉋で削って仕上げます。


木端も長台で削って仕上げます。


短冊の止めは神代欅で作り、ほぞで板に接合します。


これで完成です。
久しぶりの白木の仕事。気持ちもすかっとしました。


テーブルの拭き漆もようやく完了。明日は組み立てです。
間に合った!
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姫重三段 再び朱漆塗り

2010-04-20 20:59:48 | 
姫重の内側の朱漆塗り
ブツがひどかったので研ぎ直して塗り直すことにしました。


今回用いたのは、日華の本朱、いわゆる銀朱です。
漆は艶の良い素ぐろめ漆。そのままでは発色が悪いので、活性を殺したものを80%混ぜました。
朱の量も多めにして、混ぜる、と言うより、ヘラの弾力性を使いひたすらこねました。
銀朱というと毒性が気になるようですが、通常の使い方では安全性に問題は無いとされています。


だいたい良いようです。


これを吉野紙で漉します。


研ぎ直した姫重の内側に塗りました。


こちらは蓋。
ちょっと漆が足りず、刷毛の調子ももう一つでしたが、なんとかのばして塗りました。


漆風呂へ入れて乾かします。銀朱は重く沈むので、裏返しにして乾かします。
また、ゆっくり乾かすために湿度はあまり上げてありません。

暫くして見ると、やはりブツが・・・・。
こうなれば、あとは、「気にしない」か「あきらめる」かのどちらかしかありません。

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組子削鉋

2010-04-18 22:25:15 | 道具
三条のtachibanaさんのブログ「越後の大工刃物販売日記」で組子削鉋を拝見しました。

懐かしくなり、早速写真を撮り掲載してみました。


この鉋、もう、20年以上前になりますが、何かの本で見つけたのを参考に作ってみたものです。
神代杉の四方盆の部材を同じ厚さに仕上げるのに使うためでした。
古い鉋刃を用い、台も自分で掘りました。


tachibanaさんのブログにあるのは、桟をネジで止めているようですが、これは、木ねじの引独鈷(ひきどっこ)を使っています。


こうすることで、いろんな厚みの桟を簡単に作り取り替えることができます。
つまり、この桟の厚みに正確に部材の厚みを揃えて削ることができるのです。
一番薄いのは、1分半(4.5mm)です。


この部分にはバネが仕込んであります。このバネで削る部材を押しつけながら削り、刃が薄い部材を吸い上げ部材の中央部が薄く削れてしまうのを防ぎます。


このバネは、台直しの時などは、裏のネジをゆるめて取り外せるようになっています。

機械を使うようになり、ほとんど出番がありませんが、いつでも使える状態です。
本当は機械に頼らず、道具を使ってじっくり仕事をしたいのですが・・・。

追加
この鉋を使う場合、当止めは、横桟式のものでなくダボ式のものを使います。
また、薄く長い材料を削る時は、削り台の先に釘を斜めに打ち、板の厚さより短く残して頭を切り、
これに板の先を叩き込んで削ります。こうすると薄い板でもたわみません。
先を両面テープで止めることもありました。但し、両面テープで止めた部分はテープの厚みだけ薄くなります。
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パーティション・ポール その後

2010-04-17 21:03:42 | 木工
パーティション・ポールをお納めした、いーポート世屋さんからパーティション・ポールの画像が届きました。


雰囲気にも合い、気に入っていただけたようです。ありがとうございました。

ところでいーポート世屋では

5月1日、N響主席チェロ奏者の藤森亮一氏を迎えて、チェロリサイタルが開かれます。
年3回開かれる音楽会の第1回目です。
年間会員にもなり、里山の食材を使ったディナー付きの音楽会を今からとても楽しみにしています。


ところで制作中の栃テーブル

5日間研ぎ続けた、捨て摺りと研ぎが終了。
時間短縮にとサンダーを使ってみましたが、あまりスピードアップにはつながらず、やはり手でこつこつ研ぐのが一番。


しっかり漆で固めた木地ができました。こうみるとあまりきれいとは言えませんが・・・


木地に漆を塗り、綿布で拭きあげると一変します。
これから拭き重ねて仕上げていきます。


並行して進めている五稜箸


杢を合わせた1膳、先の形状も合わせながら研ぎます。


合鹿椀も並行して塗っています。何れも24日からの「木工フェスティバル」に出品する予定です。



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