木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

欅拭漆テーブル

2015-11-30 22:34:25 | 木工
年内最後の大仕事。Iさんからの注文の欅のテーブル作りに取りかかりました。
まずは天板から。

天板はとっておきの欅の一枚板。
この板、入手したのが2006年。樹輪舎おなじみの赤いテープが貼ってあり、昭和55年と書かれていました。
つまり昭和55年には板になって樹輪舎に来ているわけですから、製材されて少なくとも35年以上は経っていることになります。
板の幅は90cm、長さ210cm。


ところがこの板、反りやねじれがほとんどありません。
白太のついた板目板で厚さが45mmしかないのですからこれは驚きです。


このままの大きさで使いたいところですが、指定の寸法に切ります。
それでも幅80cm、長さ170cmの大テーブルです。


工房に運び込んで、ルーターで平面出しと厚さ揃えの荒削り。(写真は荒削り前。)
荒削りで板厚は43mmに。


そして鉋掛け。中仕工から上仕工へ。


平面を確認しながら仕上げます。


こちらは木表。一気に仕上げました。
ルータによる傷が以外に深く、なかなか取り切れませんでした。
それでも厚さは41mmに仕上がったのですから、いかに狂いのない板かわかると思います。


一昨日からお目見えしたストーブですが、今日は焚かずに良い汗をかきました。
明日は筋肉痛か?


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ピアススタンド

2015-11-27 22:47:36 | 木工
完成したピアススタンドをMさんに納品しました。
このピアススタンド、昨年の「一木一優」作品展でMさんのお嬢さんからアイデアと注文をいただき、1年がかり?で考え制作したものです。


「めっちゃかわいい!」と喜んでいただき、早速ピアスを付けた写真を送って下さいました。
今回後ろに棚をつけたので、そこには時計やブレスレットを置いているそうです。

若い方の感性に合ったものができるか心配でしたが、気に入っていただけたようで安心しました。
Mさん、お嬢さん、ありがとうございました。
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楢テーブル天板

2015-11-25 21:06:59 | 木工
煎茶秀作展への作品発送が済み、遅れている仕事に取りかかりました。
まずは、楢のテーブル天板。

この材は、与謝野町のSさんからの依頼。森林組合で伐採された楢をご自分で材に挽き、乾かしておいたものです。
お友達の新築祝いに贈ると言うことで、削って接ぎ合わせて、テーブルの天板に加工する依頼を受けました。


この楢の板、大きな問題がありました、それは虫食いです。
おそらく伐採する前に入ったものと思われますがその数半端ではありません。
このままテーブルに使うのはどうかと思うので虫穴を埋めることにしました。
爪楊枝で埋め始めましたがとてもやっておれず、


パテ埋めに切り替えました。パテでも穴を一つ一つ埋めていかねばなりません。


表の全部の穴を埋め、乾いてからサンダーをかけます。


この楢材板にして数年は経つのですが、まだまだ乾燥が十分とはいえません。
材が痩せ、蟻桟ではいずれ緩みが出ますので、今回はビス留めとしました。


塗装が完了。


表は虫穴もほとんど目立たなくなりました。

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第26回煎茶工芸秀作展

2015-11-24 22:12:53 | 煎茶
第26回煎茶工芸秀作展のお知らせです。


この秀作展は、全日本煎茶連盟の主催で開かれる東京大煎茶会と同時開催されます。
小生も、欅拭漆手前盆など数点を出品する予定で、本日発送しました。


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秋の煎茶会「白秋」

2015-11-16 23:04:29 | 煎茶
黄檗売茶流主催の秋の煎茶会「白秋」に妻と行ってきました。
会場は西宮駅前のホール。
小春日和の晴天に恵まれたのですが、交通は大混乱。神戸で朝から人身事故。
それが復旧したと思ったら神戸元町間で架線切断事故。
大阪で阪神電車に乗り換え、やっと会場に到着しました。


今日のお手前は、二人が向かい合って同時にするという珍しいお手前。
雲に見立てた白い花。手前座のむこうには蒔絵の屏風。


更に広い会場には、雅楽の生演奏が響き、家元の『白秋』最後の年にふさわしい設えでした。


お茶をいただいたあとの家元のお話しにも聞き入りました。


お道具も詳しく拝見。次の制作に向けていろいろヒントをいただきました。
帰りも電車の遅れは続いていましたが、比較的スムーズにかえってくることができました。

最近遊んでばかりいるようですが、仕事もしています。今日も家に帰って早速仕事に。

十角形建水に輪っぱの弁当箱、五稜箸の修理・・・等々
建水は、27日から東京で開かれる煎茶工芸秀作展に出品予定。間に合うのでしょうか。


こちらはピアススタンド。「一木一優」展で追加の注文をいただきました。
えっ、私にピアススタンドは似合わないって・・・自分でもそう思のですが・・・

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アートを巡った2日間

2015-11-12 22:12:53 | その他
隔年で実施している近畿支部木竹工部会の研修旅行。今年は直島に行ってきました。

フェリーで渡る旅もなかなか良いものです。


遠く瀬戸大橋が見え久しぶりの海はきれいでした。
直島は現代アートの島。
数日前、俵屋宗達や正倉院の宝物の美に浸っていた身が突然「アート」に向き合い、?????ムムムムム・・・・


それでも地中美術館を見学する頃には、「感じる」ことに目覚めはじめたような・・・

夜は美味しいイタリアンのフルコース料理にワイン!
お酒も入って遅くまでの楽しい語らい。


翌日は気持ちの良い青空が広がり、朝から海辺を散歩。


家プロジェクト巡り いろんなアートを楽しみました。


最後に訪れた「はいしゃ」


草間彌生の赤カボチャの前で記念撮影。


帰りのフェリーの上では村山先生を囲んで、「アートについて」語った・・・わけではありません。
楽しく和気藹々とした2日間があっという間に過ぎてしまいました。

最後に旅行中に撮影した私の「アート」を一つ


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美を巡った2日間

2015-11-06 23:03:14 | その他
木工芸・漆展後の工房の片付けを午前中で済ませ、昨日は京博の「琳派 京を彩る」展へ

平日にも関わらず、多くの人。それでも40分ほどで入場できました。
人数制限はしているのですが、会場内は多くの人があふれ近くで見るのは大変でした。
お目当ての三人の「風神雷神図屏風」に対面。
なかでも俵屋宗達の「風神雷神図屏風」は見た瞬間、何ともいえない感動に襲われました。
鳥肌が立つというようなものではなく、こみ上げてくるような感動です。
しばらく立ち尽くしました。
会場には100点を超える作品が並び、会場を出る頃にはとにかく疲れましたが行って良かったです。

そして今日は朝から大阪へ。
午前中は難波高島屋で開催されている、「究極の美と技 中村佳睦・截金の世界」展へ。

伝統工芸展に出品をはじめられて頃の作品から現在の作品まで、素晴らしい美の世界を拝見しました。
直接お話しをうかがうこともでき、大変勉強になりました。ありがとうございました。

その後、奈良博で開かれている「正倉院展」へ足を伸ばしました。
大変な混雑を予想していたのですが、以外にすいていて待ち時間なく入場でき、間近で鑑賞することができました。
一番印象に残ったのはやはり、「紫檀木画箱」。
この宝物は、大坂弘道先生が復元されたものを間近で拝見したことがあるので、実物を見るのをとても楽しみにしていたのです。
図版などで見たものよりずっと美しく、何ともいえない気品にあふれていました。
このようなものが、一千数百年前に作られていたとは・・・どんな美意識と技術を持った人々だったのでしょう。
今回は初めて単眼鏡を携えて行ったので細かいところまで観察できました。

さらにさらに、会場を出て興福寺の北円堂へ。

ちょうど開扉の期間中。高校時代美術の教科書で見ていらい是非実物を見たいと長年思っていた像です。
堂内に入ると弥勒如来のやや後ろに立っておられました。
その目はじっとこちらを見て何か語りかけてくれているようでした。

なぜかそのまま帰りがたく、猿沢の池の畔に下りて一休み。

色づいてきた秋と五重塔を眺めながら、しばし2日間の感動の余韻に浸りました。

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ご来場ありがとうございました。

2015-11-06 19:01:45 | 作品展
少し時間が過ぎてしまいましたが、3日で「一木一優」木工芸・漆展が終了しました。
会期中、大変多くの皆様にご来場いただきました。
作品を見ていただいただけでなくいろいろなお話しもうかがえ、楽しく有意義な4日間になりました。
うかがったお話しはこれからの制作の大きな力になります。
お忙しい中ご来場いただきありがとうございました。

今回展示した小生の作品です。




来年は、会場の都合で会期が少しずれ、11月25日~29日の開催になります。

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