木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

信州飯田へ  

2009-03-31 22:05:37 | 故郷信州にて
日曜日から長女の引っ越しで信州飯田へ行ってきました。・・・本当は、スキーを担いで飯山方面へ行きたかったのですが・・・
出発は日曜日だったので、高速道路の上限1000円の恩恵にあずかってきました。京都東から入ったので、飯田まで1050円!!

ちょっと飯田の紹介、今日はリンゴ並木

このリンゴ並木は、昭和22年の飯田の大火の後防火帯として作られた道路緑地帯に、昭和20年代の終わりに飯田東中学校の生徒の手により植えられ、その後飯田の街のシンボルとして今日まで守り育てられてきたものなのです。
詳しくはこちらをご覧ください。


子どもの頃、街中で実を付けているリンゴが盗まれなくなったいきさつを、なにかで読んだ記憶があります。



暖かい日差しに、公園の桜もほころびかけていました。


京都へ帰ってから、修理の終わったテーブルをMさん宅に納品しました。

20数年いた場所に収まり、アフターサービス完了です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なつかしいお客様

2009-03-27 21:23:53 | 工房
Mさんのテーブルの納品を来週に控え、蜜蝋ワックスがけをしました。

天板は、中性洗剤を付けてナイロンタワシの硬い部分でこすりました。

削り直したり、ペーパーがけをしたわけではないので、使い込んだ色はそのままで見違えるようにきれいになりました。
乾いてから蜜蝋ワックスを掛けて磨きました。

今日はなつかしいお客様がありました。
33年前、新採で同じ職場に一緒に赴任したK先生です。
今は、舞鶴の養護学校に勤務されています。
職場の先生方5人で、作業学習の研修でいろいろな職場を回られたその足で立ち寄ってくださいました。
障害のある子ども達の就労支援目指して頑張っておられます。
つまらないところですが、工房内や作品を見ていただき、現場でのご苦労などいろいろ聞かせていただきました。

そして、こんなすてきなお土産をいただきました。

舞鶴養護学校の高等部の生徒さんが作られたものです。
有名な舞鶴港の赤煉瓦倉庫

中は、

香炉になっています。とてもおしゃれですね。
早速明日から、香を焚きながら優雅に仕事をしたいと思います。ありがとうございました。

この香炉、舞鶴赤レンガ博物館と舞鶴市政記念館で販売されているそうです。
また、この香炉以外の作品は舞鶴養護学校で、直接インターネット販売もされています。
詳しくは、こちらへ

先生方の中に、社会人講師をされておられる方がいました。
現在、ご主人とお二人で大江町(福知山市)で創作家具と染の工房を開いておられますが、
ご主人は、私と同じく故黒田乾吉先生に拭き漆を習われたということでした。

お役に立てたかはわかりませんが、先生方といろいろお話をしてとても楽しい時を過ごしました。
遠いところおいでいただきありがとうございました。


にほんブログ村 美術ブログ 工芸へ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千代鶴貞秀作 小刀 

2009-03-26 20:30:28 | 道具
古材の床板をルーターで削って見ました。


思ったいたとおりの杢が出てきました。

しかし、平面を出し裏も削ると・・・

厚みが15mmほどになってしまいました。
まだ削れていない部分を残していますので、仕上げると12mmほどの厚みになってしまいます。
天板としては薄すぎるのでなにか考えなければなりません。

今日はうれしいものが届きました。

注文していた、千代鶴貞秀作の刃幅50mmの小がんな2丁です。
「まだ鉋がいるのか?」という声が聞こえてきそうですが、これを極浅の内丸鉋に仕立てます。


そのため、半仕込みで、木っ端返しは厚く残してもらっています。
今まで使っていた内丸鉋、あまり長切れせず、千代鶴貞秀作のものがほしかったのです。
やっと夢が叶います。

そして、荷物の中にはもう一つ、

千代鶴貞秀作の小刀「信濃の秋」が入っていました。


なんと、千代鶴さんからの退職記念(?)のプレゼントです。
鋼の冴え、優雅な形、裏透き、鉄の地肌、何ともいえない美しさです。
また1つ宝物が増えました。神吉さん本当にありがとうございます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドイツのマイスター

2009-03-26 13:39:24 | その他
昼休み、いつものぞいているブログでおもしろいものを発見してしまいました。

まずはこちらをご覧ください。
八方尾根スキー場のゲレンデレポートです。一番最後の写真です。

次に、こちらをご覧ください。これも毎日拝見している京都の大工のはんなりさんのブログです。
三枚目の写真のお二人と同一人物ですね。
全く違うジャンルのブログに同じ人が登場すると言うのもおもしろいですが、それ以上に驚いたのは、どちらも同じ服装なのです。上着を着ている着ていないの違いはありますが。
これは、はんなりさんのブログによると、「ドイツの大工の正装」なのだそうですが、いつでもどこでも正装でというのも250年の伝統あるマイスターの誇りなのでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アームチェア 納品

2009-03-25 22:05:34 | 木工
アームチェアを伏見区のKさん宅に納品させていただきました。長い間お待ちいただきありがとうございました。
納品したあと、Kさん宅を拝見させていただきました。
3棟のお家を大変機能的に使われ、各部屋には使用目的に合わせて棚を自作されたり、寸法がきっちりあった家具を探して設置したりされていました。
「リフォームのK」と言われているそうですがそれがよくわかりとても感心しました。
(感心ばかりしていて写真を撮るのを忘れてしまい、お見せできないのが残念!)
さらに驚いたのは、ホンダS2000やRX-8を駆るKさんが、編み物の達人であるということ。それも手編みですよ。
あの毎日の忙しさの中で、1シーズンにマフラーは50本以上編むというから驚きです。
いつでもどこでも編み棒と毛糸を持ち歩き、手元も見ずに目にも止まらぬスピードで編まれるからできる事なのです。
一緒に行った妻は、膝掛けをプレゼントしてもらい大感激!


家に帰って早速使っていましたが、たくさん毛糸を使った編み方なのでその暖かいこと。
Kさん本当にありがとうございました。


昼からは工房に戻り、鉋の台打ちの続き

今日は、際鉋に挑戦しました。
この際鉋、普通の際鉋とは違い、刃先が斜めでなく普通の鉋と同じ平刃。
(もじり際鉋とも言うようです。)
インターネットのオークションで見つけて手に入れました。
台がガタガタだったので、練習を兼ねて打ち直すことにしました。


斜めに溝を掘るなんてどうなるのだろうと思っていましたが、やってみると思ったよりは掘りやすかったです。
ちなみにこの木槌は、京都の台屋、故谷口伍三郎さんからいただいたものです。
しっかり力が入り、台打ちには良いですね。


台の下端を仕上げ削りする時は、刃を入れた状態で削ります。

際鉋の一番のポイントは、鉋屑の排出。

何とかうまく排出してくれました。
まだまだ課題はありますが、一応使えるようにはなりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古材の床板

2009-03-24 20:53:55 | 木工
楽しかった休日も終わり、仕事再開
煎茶の黄檗売茶流師範のHさんから依頼の立礼で使う卓の天板
幅70cm、長さ85cmで、女性でも扱える軽いものということで厚みは25mmくらいに押さえねばなりません。
これを1枚板でというのはかなり無理があるのですが、良い板がありました。

昔購入しておいた、古材の栓の床板 昨日倉庫の奧から引っ張り出して来ました。

おそらく100年近い昔の民家の床に使われていたものだと思います。良く乾いた栓なのでとても軽い。


裏には蟻溝 もちろん手で掘られたものです。
これを削り直して使ってみようと、昨日裏だけほぼ平らにしておきました。
ところが表を上にして作業台の上に一晩おくと、少し反りが生じていました。
倉庫の奧から乾燥している工房に出してきて一晩おいただけで木は動くのです。
もうしばらく工房内で様子を見ることにして、今日は・・・


この間の酷使で台が減り、刃口が広くなってしまった豆鉋の台を掘り直すことにしました。


少し厚めの樫の木に墨をつけ


鑿で掘り


押さえ溝を押さえ挽き鋸で切り


刃を入れながら仕込み勾配を削って調整し


刃を仕込みます。


下刃を丸く削って完成。


面取りなどによく使う小鉋の台も掘り直し、こちらは刃口を別の材で埋めました。



埋めた材は木口使いで蟻にして差し込み、木ねじで止めていますので、刃口の減りに対応してくれるでしょう。

そして明日は、アームチェアの納品

もう一度布で磨き上げました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春合宿 野沢温泉へ

2009-03-23 21:07:09 | スキー
この連休、所属するスキークラブの春合宿で、野沢温泉スキー場へ行ってきました。

20日の朝、柄沢ゲレンデへ行ってみると・・・

昨夜からの雨で雪が溶け、そこは畑になっていました。
そうなのです。野沢温泉の柄沢ゲレンデの雪の下は、実は畑なのです。
こんなスキー場も全国にそう多くはないでしょう。村営のスキー場だったからできたことではないかと思います。


小雨の中、リフトに乗って山の上を目指しました。

やまびこゲレンデは・・・

ガスの中!


ユートピアゲレンデまで下ると視界が開けました。
先週末「はとぐるまカップ」が行われたカンダハーコースは、地面がむき出しになり滑走不可
数年前のこの時期には一般開放されて滑れたのに、こんな年も珍しいですね。

寝不足と重たい雪に疲れ、早めに宿に帰ってアリーナへ

ここにあった温水プールは今年からなくなってしまいました。
スキーに来て、温水プールで泳ぐ、というのもまた良かったのですが・・・。

翌日(21日)は、朝から快晴

この日は、班に分かれて講習会


私の入ったA班は、T指導員のもとでみっちり基礎レッスン


良い天気で景色もgood



連休とあって家族連れも多く

こんな姿に昔の自分を思い出して、講習中にもかかわらずついシャッターを押してしまいました。
お父ちゃん頑張れ!


チビッコも頑張れ!

夜は、ここ野沢温泉スキー場のパトロール隊員として働くSさんと久しぶりにゆっくりお話しでき、とても楽しい時間をすごすことができました。


最終日(22日)は、朝から雨で講習会は中止。
カッパを着込んで出かけましたが、強風のため長坂ゴンドラを始めやまびこのリフトは運休
利用していたチャレンジのリフトも途中で止まり、仕方なく降りてくると

ユートピアゲレンデは、人一人おらず、まさに「マイゲレンデ」、こんな事は初めてです。


日影ゲレンデで、今シーズンの滑り納め(たぶん)をしました。

お世話になった宿「マウントサイド にしなみを予定通り午後2時に出発し、京都へ帰ってきました。


車窓から見た故郷の川、千曲川の河川敷
雪もすっかり消え、芽を出した雑草の緑が、例年になく早い北信濃の春の訪れを告げていました。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブル修理

2009-03-18 21:11:10 | 木工
木裏方向に逆の反っていた天板が、妻手の幕板を外すと戻ってきました。

そこで

蟻溝を掘り


蟻桟を入れました。


脚はほぞをそのまま使って吸い付き桟に大入れとし


元の貫を使い、構造を変えました。


新しい部材は蟻桟だけ。共通する胴張りに削りました。


長手の貫の寸法に合わせ、妻手の貫は脚の内側にほぞ穴をあけて組みました。使わなくなったほぞ穴は埋めて、脚の丸みに合わせて削りました。


新しい貫の構造

組立てると

こうなります。天板の溝も元の幕板を切って埋めました。


ここで一休みして、コーヒータイム。
キッチンワゴンを納めさせていただいたHさんに送っていただいたおいしいお菓子付きです。
Hさん、ごちそうさまでした。


新しい部材や、切って削り直した部分は下側にしたので、こうみるとほとんど修理の後はわかりません。
天板もすっかり乾いていますので、これからはくるうこともなく長く使っていただけると思います。
こうしてかつて自分の作ったものにまた会い、修理させてもらえるというのも本当にうれしいことです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブルの分解

2009-03-16 20:45:10 | 木工
昨日水を浸しておいたテーブル


なんとか分解することができました。
妻手の幕板は脚との接合の蟻が外れないため、脚の付け根から切断してしまいましたが・・・。
これを作ったのはこちらの工房。機械もほとんど持っていなかったので、ほぞ穴は鑿で掘り、ほぞは鋸で挽いていました。
小穴(溝)は作理鉋で突いたのだと思います。若かったのです。


脚には縮杢なんぞ入っていて拭き漆にしたらきれいだったでしょうね。


接着剤をきれいに落として・・・逆に反っている天板の動きを見ながら、どう修理するか考えます。

その間に、椅子の蜜蝋ワックス仕上げ2回目

今回は#600の耐水ペーパーで磨きました。


これで完成。Knさんお待ちどうさまでした。近々納品に伺います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブルの修理

2009-03-15 22:13:16 | 木工
昔作ったテーブルを修理のため持ち帰りました。


このテーブル、大学時代からの友人で元職場の同僚M君が家を新築された際に作らせてもらったもの。
天板は栃の2枚矧ぎ、オイル仕上げです。かれこれ20年以上前になります。
ここまで丁寧に使い込んでいただくと作った者としては本当にうれしいかぎりです。


「脚が曲がってきた。」という連絡で修理をすることになりました。
こうみると何ともないように見えるのですが、これはカメラのレンズのなせる技で・・・

実は

こういう事になってしまったのです。もちろん本来は天板と脚は直角。
なぜこんな事になったのかというと


長い時間の間に天板が収縮して脚を開いてしまったのです。
このテーブルを作ったのは、木工を初めて間もない頃。
脚をほぞで天板に固定し妻手に幕板を入れているのですから木が縮んでこうなるのは当たり前。よく天板が割れなかったものです。
木の事なんて全くわかっていなかったのです。そのくせ幕板は寄せ蟻で入れるなんて事をしているのですから・・・。本当に未熟だったのです。


さて、これをどう直したらよいのでしょうか。


とりあえず、脚を外すために、お湯をかけてのりをやわらかくします。ティッシュペーパーに湯をしみこませて接合部に置き、一晩おいて様子を見ます。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする