木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

組み立て

2011-01-31 22:39:47 | 木工
今朝の寒さは格別。外の水道は凍って水が出ません。
破裂は免れたようですが、蛇口の中が凍り付き、自在パイプがパイプナットから押し出されていました。


杉の箱の組み立て。糊は何を使うか迷いましたが、麦漆をつかうことにしました。


接着面に生漆をあらかじめ塗って、木に漆をしみ込ませておきます。
麦漆の粘度は高いので、つけすぎるとほぞが密着しません。
生漆を多めにして粘度を下げた麦漆を、ちょうど良い分量だけ接合面に丁寧に塗ります。


組み立てたら、直角をきっちり出して、ハタガネで固定します。


身、蓋とも完了。麦漆が完全に乾くまでには1~2週間かかるでしょう。

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久しぶりの指物

2011-01-30 22:41:57 | 木工
久しぶりの指物、今回は屋久杉で箱を作ります。


まずは、杉板の鉋削り。逆目を止めて仕上げます。


仕口は、隠し蟻。板厚は2分弱。
杉の場合、やわらかくほぞの角がかけやすいので、刃物を良く研ぎ、神経を集中させて取り組みます。


蓋の仕口加工が完了。天板の厚みがないので、はめ込む小穴の巾は、1.2mmにしました。


身の台輪の部分も隠し蟻にしました。


使った鑿は、5厘の鑿と小道具、1分の小道具です。


底板を嵌める小穴は、蟻ほぞの中に収まるように突きました。
こうすると蟻もしっかり効かす事ができます。


仮組みまで完了。
好きな指物の仕事、終わると何とも言えない充実感がありますね。

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五稜箸菓子箸 納品準備完了

2011-01-27 23:04:53 | 木工

天板と底板を貼った桐箱。側面、木口に鉋をかけて仕上げ、


蓋と身に切り離します。切った面に鉋をかけ、付け印籠を貼ります。


最後に面を取って完成。

この桐箱、

黄檗売茶流家元から注文をいただいた、煎茶用菓子箸(五稜箸)を納め、明日納品させていただきます。



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コースター納品

2011-01-26 22:24:54 | 木工
コースターの納品で、上京区のT野さん宅に寄せていただきました。
欅材を使い拭漆で仕上げたコースター、気に入っていただけたようで安心しました。

T野さん宅で良いものを見せていただきました。

この座卓です。木地は、内藤邦雄作、拭漆は黒田辰秋です。
内藤さんは京指物の第一人者だった人。T野さん宅のすぐ近くに工房があります。
黒田辰秋さんは人間国宝だった人。木地と塗りをお二人でされた作品は初めて見ました。
やはりすばらしいですね。


お部屋には、T野さんの子どもさんがいけられた花がたくさん飾られていました。


玄関にもお花が。


そしてこれは昨日の初天神でT野さんのお母さんが見つけられた中国製の卓。

棚の作りが凝っていておもしろいですね。


T野さんは、古い町家を改築し、「レントハウス 西陣中忠」をはじめられました。

早速見学させていただきました。


広い玄関。


吹き抜けの台所は、京町家の風情を残しながら、生活に必要な機材が揃えられています。


階段ダンスもそのまま利用されています。




お部屋も、昔の雰囲気を残しながら、使いやすく改築されていました。
ここを一日単位で貸し出されているのですが、ここで町家の雰囲気を楽しみながら宿泊し、京都見物ができたら
どんなにか良いでしょうね。
詳しくは、こちらをご覧下さい。

お昼までごちそうになってしまいました。T野さん、本当にありがとうございました。

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桐箱

2011-01-25 21:39:39 | 木工
これからしばらく指物の仕事が中心になります。


その準備として、機械の刃の交換。まず、手押し鉋盤の刃を交換。


自動鉋盤の刃も交換しました。


はじめに作るのは、五稜箸(菓子箸)用の桐箱。
途中の写真がありませんが、箱の天板、底板、付け印籠の鉋削りが完了


鉋は、千代鶴貞秀作「信濃の秋」 もう25年ほど前に特別に打っていただいた鉋です。
桐や杉を削るのに無くてはならない鉋です。


桐箱は天板、底板を糊で貼り、まとめてハタガネで押さえます。


こちらは完成した、欅拭漆コースター。納品に備えて薄紙で包みました。
Tさんお待たせしました。明日納品させていただきます。

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パネルヒーター

2011-01-24 22:10:53 | 



前回紹介させていただいた、パネルヒーターを、今野さんを通じお預かりしてきました。
コメントいただいた満寿田さんにお送りするためです。


私が使用中のヒーターの部品を並べて見ました。
灰色のセンサー部を漆風呂の適当な位置に置いて、その温度を測定し、コントローラーで制御します。


パネルの大きさが、800mm×450mmありますので、合う箱がなかなかありませんが、やっと見つかり発送準備完了です。

このパネルヒーター、まだ10台くらいは残っているようで、お譲りできるそうです。
ただ、ブログで紹介した行きがかり上、発送は私の方でさせていただくことになりました。

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ゆったりスキーツアー

2011-01-20 23:56:37 | スキー
しばらくブログをお休みしていましたが、その間、退職教職員の会(宇城久支部)主催のスキーツアーで、信州志賀高原に行って来ました。
「空いている平日のゲレンデで、ゆったりとスキーを楽しんだ後は、温泉とおいしいお酒と料理」がうたい文句の、その名も「ゆったりスキーツアー」・・・
そんな経験を一度してみたい、と参加させてもらいました。が・・・

1日目、朝7時50分前に「夜行バス」で熊ノ湯温泉に到着。
休憩室へ荷物を置き、待ってきたおにぎりで朝食を済ませると、9時半には玄関前に集合。


まずは参加者全員で記念撮影をしてゲレンデへ。
この日は朝から吹雪。気温は推定、-15~16℃。風も強いので、おそらく体感温度は-20℃位。
故郷の町の八千穂高原スキー場で、このくらいの気温は何度も経験している私でも、我慢できないほどの寒さ。
暮れの北海道の寒さもこれほどではありませんでした。
手袋を脱ぐのも怖く、写真は一枚もとれませんでした。
その中を、お昼まで皆さんひたすら滑っておられました。

午後の休憩の後は、早めに宿に引き上げ、「ゆったり」温泉につかって冷えた身体を温めようと、温泉に入ったのですが・・・
この温泉、特徴の硫黄のガスを抜くため、天井の空気抜きの穴をあけてあり、浴室の寒さは格別。
そして温泉の熱いこと。
まさに入浴に気合いがいる温泉でした。
しかし、さすがに名湯。気合いを入れて入った後は、本当に身体が温まり、疲れも癒されました。

夕食の後は、「反省会とミーティング」
このツアーで初めて顔を合わせる人もいるので、お互い自己紹介をしながら交流を深めました。
そこでわかったこと、「教員退職者のツアー」でありながら、参加者の平均年齢は58~59歳!
皆さん、いろいろな分野で活躍されています。
一番びっくりしたのは、参加者のKさんは、一昨年肘掛け椅子をお納めしたKさんの奥さんであることがわかったこと。
(納品の当日も奥さんとはお会いできなかったのです。)

2日目は幸いにも天気予報は外れ、あさから時々太陽も顔を出し、言うことない天気。
これも、日頃の行いの良さでしょうか・・・。

朝9時には宿を出て、シャトルバスで焼額山へ。

山頂からK曽根リーダーを先頭に、参加者全員で滑り出すところ。
雪質は最高。きれいに圧雪されたバーンの上を本当に気持ちよく滑ることができました。
いろんなゲレンデを滑りながら少しずつ横へ移動。

マイゲレンデ状態の一ノ瀬ダイアモンドスキー場を滑り


一ノ瀬ファミリースキー場へ。
ここでは、修学旅行で訪れた高校生、中学生がたくさんレッスンを受けていました。


高天原スキー場の上部からゲレンデを望む。
夕方4時過ぎに、丸山スキー場まで戻り、そこからシャトルバスに乗り熊ノ湯に戻りました。
その間、昼休み以外は休憩なし。途中トイレに入った時に自動販売機で買って飲んだ缶コーヒーのおいしかったこと・・・
このスキーツアー、たしか「ゆったりスキーツアー」だったはずなのですが・・・。

3日目は朝から良い天気。
やはり9時に宿を出て、シャトルバスで、奥志賀高原へ

奥志賀高原の山頂。青空の下、樹氷がとてもきれいでした。

緩斜面でスピード競争をしたり、みんなで新雪に挑戦したり・・・この日も昼食以外休憩なしで、目一杯滑りまわりました。


最後はジャイアントスキー場で締めくくり。ここもマイゲレンデでした。
宿へ戻り、温泉に入り、帰り支度をして、またまた「夜行バス」に乗り込み、20日早朝京都へ帰ってきました。

参加者は、指導員の実力を備えた方から、15年ぶりのスキーという方まで、経験はいろいろでしたが、全員で一緒の行動。
みんなが楽しめるコースを選んで滑り、時にはペアーを組んで教え合う時間を設けたり、滑りを動画に撮影して反省会で見たりと、リーダーのK曽根さんのゆき届いた企画で、楽しみながらも研修を深めた3日間でもありました。

そして何より、退職後もいろいろなところで頑張っておられる皆さんのお話が聞け、交流できたのが良かったです。
本当に楽しかった「ゆったりスキー」の3日間でした。

企画からツアーのリーダーまでお世話になりましたK曽根さん、参加者の皆さん本当にありがとうございました。
また、来年参加できるのを楽しみにしています。

最後におまけ


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漆風呂

2011-01-15 22:47:56 | 
満寿田さんより、漆風呂の加湿器やヒーターについてのご質問をいただきましたので、お答えさせていただきます。

まず、ヒーターですが、

木芸舎を主宰する今野さんにお願いして入手した、パネルヒーターを使っています。ウオーターベッド用に開発されたものと聞いています。

このヒーターはなかなかの優れもので、温度管理が正確にできます。

これが温度センサー。これを漆風呂の中の温度を測定する場所におきます。


このコントローラーで温度調整をするとその温度に保ってくれます。
幸い調整温度が20℃からになっていますので、そこに合わせて使っています。
ワット数も300Wあり、放熱面積が広いのも使いやすいです。

次に加湿ですが、

コンテナーに硫安の飽和水溶液を入れ、布をかけて水分を吸い上げ、蒸発しやすくしたものを風呂内に置きます。
硫安の飽和水溶液は、湿度が80%を越えると空気中の水分を吸い、80%より下がると水分を出して、湿度を80%に保ってくれる働きがあります。
ただ、風呂が大きいので、飽和水溶液の量を多くしなければならないのと、空気の循環が必要になります。

そこで、ヒーターが入る寒い間は、ヒータの上、水を張り蒸発しやすいよう布をかけたバットをおきます。

ヒーターが入ると水も温められて蒸発が進み、また、暖められた空気による風呂内の自然対流で、風呂内がほぼ80%に保たれます。
湿度が高くなりすぎる時はバットを部分的にヒーターからずらす事により調整できます。


温・湿度の監視には、風呂内に精密温湿度計をおいていますが、風呂の戸を開けないと見られないので、


通常は、この室内、室外温湿度計で確認しています。


ヒーターの奧にあるのは空気清浄機です。
埃を取りつつ、空気を循環させるのが目的でしたが、ヒーターが入っている間は、あまり必要ありません。

この、温・湿度管理については、小生の漆の師でもある、豊島清氏の開発した小型漆風呂の原理を応用させていただいています。
詳しくは、豊島清・愛子著「漆塗り~その美しさと実用と科学~」をご覧下さい。


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菓子箸 拭漆

2011-01-13 22:31:01 | 

綿布での拭き切りを数回繰り返した後、モスリンを使って更に拭き重ねます。


綿布の場合はしっかり拭き切るので全体を一度にできますが、モスリン拭きの段階では、元の部分と先を分けて拭きます。
使う漆はこの段階から、艶クロメ漆を使っています。


拭いた箸は、発泡スチロールの板に、先を差して立てて乾かします。
漆風呂は、温度20℃、湿度80%にコントロールしていますので、夕方には乾いています。


夕方、先の部分に艶クロメ漆を塗り、やはりモスリンで拭きます。


ペアーをくずさないように、手板に並べて漆風呂へ入れます。


コースターもモスリン拭きの工程に入りました。
艶クロメ漆を使うと、しっとりした艶が出てきます。
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研ぎ

2011-01-11 22:09:53 | 
研ぎ、と言っても今回は刃物ではありません。漆の研ぎです。
ここ数日は、コースター、五稜箸と研ぎが続いていました。

コースターの研ぎも大詰め。

裏と縁を研いで。


表の溝の中を研いで。


表の平面を研いで、研ぎがすべて完了。ここからは漆の拭き重ねです。

漆風呂で乾かしていたものを取り出そうとすると、なぜかべたつく。まだ漆が乾いていないのか?と驚いてよく見ると、

漆ではなく親指から血が・・・・。
耐水ペーパーをつかんでいた指先の皮がすり減り血がにじんでいたのです。

しかし、これぐらいでひるんではいられません。

絆創膏を貼って、次は五稜箸の研ぎ。


なんとか五稜箸の研ぎも完了。


こちらも漆を塗り、綿布で拭き取りの工程に入りました。
捨て摺りの研ぎの工程が終わるとちょっとホッとします。

夕方から、お届け物があり婆佐羅さんへ。お渡ししてすぐ帰るつもりでしたが・・・

こんなものを見つけてしまいました。柿右衛門手花鳥文盤皿、直径14cm程の皿ですが、形といい、絵柄といい心惹かれるものがありました。

そしてもう一つは・・・

この小鳥。私は雀だと思ったのですが、雲雀という説や、妻や娘は鴨みたいと言うし、なにやらよくわからないのですが、
この何とも言えない表情が実に良いですね。


心和ませてくれます。


コメント (4)
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