木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

一閑摺銘々盆

2011-09-30 22:53:42 | 
作品展に向けて制作する銘々盆。
漆教室で学んだことを生かし、一閑摺りにすることにしました。



木地固めの済んだ木地に糊漆で和紙を貼ります。



糊漆はヘラで付けて、



刷毛で均一の厚さに伸ばします。下の木部が透けて見える程度の厚みで、しっかり付いていることが大切です。



これにあらかじめ切っておいた和紙を隅を合わせて置き、



篦で空気が入らないようになでてしっかり貼り付けます。



回りにはみ出した糊漆をヘラで取り、完了。
漆が乾いたら、糊漆で固めをします。
銘々盆、今回は6枚作ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「一木一優」作品展のDMができました。

2011-09-29 21:00:55 | 木工
京都木工芸同好会「一木一優」作品展のDMができあがりました。





たくさんの皆さんのお越しをお待ちしております。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神代杉盆

2011-09-27 22:51:22 | 木工
久しぶりの指物 四方転びの神代杉の盆です。
手順は杉の試作で確認済み、少し改良を加えました。



覆輪の黒柿を貼った後、留めをもう一度削ります。



仕口は雇い核にして強度を持たせます。


接着し、ゴムバンドで固定します。



高台部も雇い核にします。溝の幅は2mm。



これを5厘の鑿で掘ります。



高台部の仕口加工が完了。



底板を嵌め、高台を取り付けて完成・・・・と言うほど簡単ではなかったのですが・・・。



裏。もうちょっと高台が高くても良かったかな、と言う感じです。
神代杉などのやわらかい材はちょっとしたことで傷が付くので、神経を使います。
課題も残りましたがなんとかできました。

お知らせ 9月29日(木)新潟の道具屋、平出さんが当工房に来られます。
 午後4時~5時頃到着の予定です。
 ご用のある方は、どうぞおいで下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四方転びの盆

2011-09-23 22:25:29 | 木工
四方転びの盆の制作を依頼されました。


留めの削りは、昔四方盆を作った時の治具を使います。
四方転びは、向こう留めの墨、上端留めの墨を差し金で出すのですが、2分厚の板では正確な墨はできません。
そこで、向こう留め、上端留めが正確に削れる削り台を作って削ります。
久しぶりに使いますので、削り台や部材の厚み等の確認を兼ねて杉板で試作してみました。
削り台は若干の調整で大丈夫でした。


側板は留めの部分に雇い核を入れて接合します。


高台部も雇い核接ぎにしました。


試作完了。
構造上少し検討が必要な箇所もありますが、神代杉を使っての制作に入れそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銘々盆、銘々皿

2011-09-21 22:14:39 | 木工

写真撮影が済んだ囲炉裏風テーブルは分解し、梱包して作品展まで保存します。



鉄炉もです。こうしないと置き場所がありません。
こうしても狭い工房内、どこに置こうか悩んでいます。



制作は続き、次は銘々盆
シナ合板と桧で作りました。留めは芋貼り。糊を付け、輪ゴムで固定。



乾いたら輪ゴムを外して



木地固め。
この銘々盆は、和紙を貼って一閑摺りで仕上げます。



曲げ輪っぱの弁当箱は、クロメ漆で中塗り。



銘々皿も完成に近づいてきました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DM用写真撮影

2011-09-19 21:42:35 | 木工
DMの写真撮影のため、囲炉裏風テーブルを組み立てました。


まずは養生テープを外して準備。



組立と言っても脚に幕板を差し込むだけ。



反対側も差し込みます。ゴムハンマーで叩いて入れます。



起こして、組み立て完了。



これに鉄炉を入れ、



炉淵を嵌めれば完成です。


炉の中に灰や五徳などを入れて飾ってみました。

バック紙が合わないので換えました。
漆部屋がスタジオに変身です。



ちょっとだけアップで・・・。
どんな「今風いろり端」が出現するのでしょう・・・10月28日からの「一木一優」木工芸・漆作品展 をお楽しみに。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

椅子 組み立て

2011-09-18 22:33:05 | 木工

拭漆の終わった椅子を組み立てました。
作業台に部材を並べます。下に敷いているタオルケットは、昔娘が使っていたもの。
今は私が仕事で愛用しています。



仕口の養生に貼っていたマスキングテープや発砲スチレン板を剥がします。



はじめに前脚を組み立てます。糊はボンド(酢ビ)を使いました。



次に貫を嵌めた後脚を座板に嵌めます。
ゴムハンマーでしっかり叩き込めばOKです。



背束を座板に立てて、



上から傘木を嵌めます。
5本のほぞは叩いただけではどこかが緩みますので、クランプで固定して糊を乾かします。

この構造の後脚・背はこの順番でないと組み立てられません。
言い換えれば、笠木を抜かなければたとえ糊が切れても後脚が外れたりすることはありません。



完成しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

椀 木地固め

2011-09-17 21:04:16 | 

制作中の栃の銘々皿。#320での研ぎが終わり、生漆を塗って風呂で乾かします。

続いて、羽反椀の木地固め。

磨きろくろの真空ポンプで吸引しながら生漆を塗ります。

内側にたっぷり塗ると、

底の部分に導管を通って漆が染みだしてきます。


ひっくり返して、真空ポンプで吸引しながら外側を塗ります。



特に縁の薄い部分は良く染みだしています。
この後、内側にもたっぷり生漆を塗ってしばらく置きます。


すると、塗った漆を木が吸って、艶のない状態になります。


また漆を塗り、しばらく置くと、木が漆を吸ってしまいます。
これを吸いが止まるまで繰り返します。
前後で重さを量ってみましたら、椀が6グラム重くなっていました。
それだけの漆を吸ったことになります。

導管のできるだけ中まで漆を吸わせて固まらせることにより、丈夫な漆器にしたいのです。
中まで乾燥するには、1週間以上かかると思います。


囲炉裏風テーブルの炉縁。漆室に移して最後の摺りが完了。
DMの写真撮影に何とか間に合いました。

椅子の修理も完成。Iさんお待たせしました。近々お送りいたします。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研ぎと摺りの日々続く

2011-09-16 22:22:36 | 


続いている研ぎと摺りの日々。囲炉裏風テーブルは最後の、炉縁(天板)の#600での研ぎ。
最後は手で研ぎました。



乾かして、生漆を篦で付け、綿布で拭ききります。



これが、早川謙之輔氏が著書「黒田辰秋 木工の先達に学ぶ」の中で「捨て摺りのあと、1回だけ仕上げに漆をかければ良い・・・」と言っている状態。
確かにこれはこれで良い場合もあると思うが、更に拭き重ねると・・。



しっとりとした艶が出てきます。
囲炉裏風・・・なので、いつもより艶を押さえた仕上げにしようと思います。



一方、幕板や脚は、綿布でなくケーク紙を使って拭いてみました。
漆を拭いた時の具合は、綿布やモスリンとは違う独特の感じですが、それを生かした使い方ができそうです。



椅子は拭漆が完了。乾かして組立です。



修理の椅子もだいぶ仕上がってきました。
当初の漆がだいぶ透けて来ていますので、最後に座面全体の摺りをして色を合わせます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊根工房へ

2011-09-13 20:18:01 | その他
いーポート音楽会終了後、参加されていたYさんに、伊根にある「伊根工房」に連れて行ってもらいました。


伊根はご存じ舟屋で有名な海の町。ここは私達の思い出の地でもあります。


その舟屋を使って、工房とギャラリーをされている陶芸家の倉さんを紹介していただきました。

ギャラリーはその名も「舟ヤ」



ギャラリー内には、様々な陶芸の作品が並べられていました。


倉さんの作られる作品の中でひときわ目を引くのが、陶器の人形。

これはその一つ、「風神・雷神」
厳つそうな身体の動きや顔に漂う何とも言えない愛嬌のある表情。
いつまで見ていても飽きることがありません。



作品棚に、飾られている人形は、どれも個性的で、心が和む、楽しい表情をしています。
そして、実に生き生きとしているのです。
同じものを作るのではなく、粘土を手にした時に浮かぶイメージで作られるのからこそ、この生き生きとした動作や表情が
生まれるのでしょう。


その中でも大作の「閻魔大王」様に外にお出ましいただき、写真を撮らせていただきました。


これをご縁に、この秋、他の作品の写真も撮らせていただくことになりました。
Yさん、倉さん、楽しいひとときをありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする