木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

伝統工芸木竹展 そしてルーサイトギャラリーへ

2011-05-31 23:28:27 | 木工
出品作の搬出を兼ねて、伝統工芸木竹展に行って来ました。
会場は、三越本店1階の特設ホール。ここに入選作90点ほどが展示されていました。


全国の作家の皆さんのすばらしい作品の中で、自分の作品の未熟さを感じましたが、多くの作品を拝見し、さらに須田先生をはじめ工芸会の方のお話をうかがうこともでき、大変勉強になりました。

東京近郊にいる中学・高校・大学時代の友人やお世話になっている皆さんにも案内を差し上げたところ、お忙しい中たくさんの方に見に来ていただきました。また、メールや電話もいただきました。
久しぶりのお目にかかれたのにゆっくりお話もできず、またお会いできなかった方もいて大変申し訳ありませんでしたが、とてもうれしく思いました。
本当にありがとうございました。

もう一つうれしかったのは、東京で刃物鍛冶をされている左久作さんが来てくださったことです。
お会いするのは約20年ぶり。先代のお父様が亡くなられた時にも直接お悔やみ申し上げることもせず、大変失礼をしていたのですがお目にかかれ、本当にうれしく思いました。
短い時間でしたが、和鉄や刃物についていろいろお話をうかがうこともでき、大変勉強になりました。
その上、

こんなすばらしいお土産までいただいてしまいました。
鑿の中でも使用頻度が高い8分の薄のみです。本当にありがとうございました。大切にそして大いに使わせていただきます。


今回の東京行きのもう一つの目的は、ルーサイトギャラリーにおじゃますることでした。

もう、8年も前になりますが、豊島さん、狩野さんと3人展でお世話になった所です。
場所は柳橋。ビルの谷間に、ここだけ古き良き東京、いや江戸情緒が残っています。


一階は洋風の部屋と、


和室がうまく調和して素敵な展示スペースを作っています。


2階の窓の下には隅田川の流れ。


ここは喫茶もでき、木工作家の狩野さん制作のテーブル、椅子に座って隅田川の流れを見ながら、お茶をいただく、そんな贅沢なひとときを過ごすことができます。


ベランダに出ると目の前にスカイツリー。


ここで、川開きなどの催しも行われています。
お近くの方は一度行かれることをお勧めします。

オーナーの米山さんにはお忙しい時間を割いていただき、これからのことなど相談に乗っていただきました。
米山さんありがとうございました。

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五稜箸ができあがりました。

2011-05-28 22:19:29 | 


五稜箸の拭漆が完了しました。


今回は、文化財漆協会頒布の素グロメ漆に水を加えて、クロメ返ししたものを最終の摺りに使いました。
さらに、漆を少し残し気味に拭きましたので、良い艶に仕上がりました。丈夫にもなっていると思います。


早速、袋に入れて納品させていただきました。
ただ、お使いいただくのは、漆がほぼしっかり固まる3ヶ月後からにお願いしました。


つづいて、合漉椀の中塗り。こちらは文化財漆協会頒布の素グロメ漆を塗りました。


風呂に入れて乾かします。

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五稜箸修理

2011-05-25 23:09:32 | 
1年半ほど前にお納めした五稜箸が修理に帰って来ました。


毎日お使いいただき、箸の宿命で先や先の角の部分の漆が取れて木地が出てきています。


全体的に漆が薄くなっていましたので、今回は、まず全体を600番の耐水ペーパーで軽く水研ぎし、


生漆を塗り拭き取らずに、できるだけ木地にしみ込ませて乾かしました。


十分乾いてから、再度600番の耐水ペーパーで水研ぎして、乾いてから漆を塗り、拭き取りました。
以後は拭漆を重ねていきます。
ただ、女性用の箸は材の選定が悪く(杢はきれいだったのですが)だいぶゆがみが出ています。
これは新しいものとお取り替えさせていただく予定です。


こちらは制作が中断していた五稜箸。
最終段階の摺りに入り、クロメ漆を使ってモスリンで少し厚めに漆を残して拭きとります。


元の部分を拭いた時はこのように発泡スチロールの板にたてて風呂に入れて乾かします。


こちらは修理中の四方棚の棚板。


割れた部分の中を、地や錆で少しずつ埋めては乾かす作業を繰り返して来ましたが、ようやく表面近くまで埋まってきました。
この後、漆で埋め、朱漆で色合わせをしていきます。
K様、もうしばらくお待ちください。

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伝統工芸木竹展

2011-05-23 22:08:32 | 木工
明日24日から伝統工芸木竹展が東京の三越日本橋本店で開催されます。



期日は5月30日(月)まで。

これに今回初めて「屋久杉砂磨き短冊箱」を出品をしました。
近畿展に出品した砂磨きの箱制作の教訓を踏まえ、もう少し自分のイメージする完成形に近づけたいと思い制作を開始。
制作途中で母が死去し、一時は制作を断念しかけましたが、何とか完成までこぎつける事ができました。


制作途中の写真です。

まだまだ未熟な作品ではありますが、ご高覧いただけましたら幸いです。
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全国煎茶道大会

2011-05-21 21:34:51 | その他
下駄箱の納品が無事済みホッと一息。今日は5月初めての休業日


黄檗の万福寺で開かれている全国煎茶道大会に行って来ました。


三門の前には茶道具などの店が並び、そこをみて歩くのも楽しいのですが、今回は省略。

まずは、いつもお世話になっている、黄檗売茶流のお茶席へ。

ここは、いつも斬新な茶席の設えがすばらしい。
今回は震災直後のお茶席であることからテーマが「復興への波」


写真がうまく撮れなかったのが残念です。

会場は改修が終わったばかりの「松隠堂」。 国の重要文化財に指定されている建物です。


松隠堂から見た開山堂。開山堂や松隠堂一帯は万福寺でも重要な建物群なのだそうです。

2席目は、有声軒の三癸亭賣茶流のお茶席へ

ここでは、広島のお茶をいただき、由緒ある茶具を拝見しました。
建水に使われていた、李朝瑠璃小壺にひきつけられました。


3席目は、静岡市に本部を置く黄檗弘風流のお茶席へ。


一煎は静岡松野町の煎茶でしたが、二煎は紅茶というのがめずらしい。
茶葉は同じく静岡松野町の茶葉を使っているそうです。
お茶には家元が直接折られたという折り紙が添えられていて、心和みました。

ゆっくりお手前を拝見しながらおいしい茶をいただく、ゆったりとした時間が流れ、本当に良いですね。
煎茶道のことなど何も解らないのですが、春と秋の2回のお茶会はとても楽しみにしています。

会場の一画では煎茶工芸展も開かれていて、多くの出品作品の中から選ばれて展示されている作品を見せていただきました。
この煎茶道大会は明日(22日)まで開かれています。

午後は、京都高島屋の近畿展へ。
村山明先生の列品解説を聞き、とても勉強になりました。

会場では、元同僚のYさん、Mさん、Sさんとも久しぶりにお会いでき、とてもうれしく思いました。
ありがとうございました。

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欅下駄箱 納品

2011-05-20 20:43:15 | 木工
欅下駄箱の納品に行って来ました。
行った先は、岐阜県海津市

堤防の上を走る道路から揖斐川の流れ



片側は水田が広がる輪中地帯です。

その中にある、築80年以上経つ、Hさん宅。太い梁と白壁の、実に風格のあるたたずまいです。


その玄関に納めさせていただきました。
玄関の雰囲気にあまり違和感なく納まることができたのではないかと思います。
Hさん、ありがとうございました。

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欅下駄箱 完成

2011-05-19 23:01:53 | 木工
塗装が乾いたので、、金具を付け、棚板を嵌め、戸を入れてみました。

これが完成形です。
左側面はスリッパラックになっています。


戸を開けてみました。履き物もたっぷり入るスペースがあります。


こちらは傘入れと兼用のスペース。もちろん棚を外すこともできます。


傘の形に合わせて切り込みを入れていますので、上の方の棚の履き物スペースはやや狭くなります。

傘が増え、このスペースで入りきらなくなったら・・・

棚の一部を折りたたみ、傘を入れるスペースを広げることができます。
もちろん棚は3点で支えられる工夫をしてあります。


右側面からみるとこうなります。

Hさんお待たせいたしました。明日納品させていただきます。

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日本伝統工芸近畿展

2011-05-17 23:33:35 | 木工

第40回日本伝統工芸近畿展京都展が明日から始まります。
場所は、京都高島屋7Fグランドホール
会期は 5月18日(水)~23日(月)です。

前にもお知らせしましたが、今回は、「屋久杉砂磨箱」を出品しました。
「砂磨き」というのは、江戸時代には盛んに行われていた技法ですが、江戸末期にはほとんど行われなくなってしまっていました。
それを40年ほど前、木工の人間国宝であった氷見晃堂が復活させ、唐松を使って作品を制作しています。
昨年、富山県の木工作家林哲三氏の個展て、砂磨きの刳り物を拝見し、頭に浮かんだのが屋久杉。
十数年前、神戸の吉岡棟梁に屋久杉の天井板をたくさんいただき、この屋久杉の杢の美しさをどう生かしたら良いかとずっと考えていました。
その答えが見つかったという感じでした。

「金剛砂で磨く」と教えていただいたことを手がかりに、いろいろ試行錯誤をしながら、指物の箱を制作してみました。

内箱は、茶神代杉の柾目板を使い2段の重ね箱にしました。
未熟な点も多々ありますが、ご高覧、ご批評いただければ幸いです。

なお、近畿展は大阪、滋賀と巡回します。

大阪展 前期 6月2日(木)~7日(火) 私の作品は前期に展示されます。
    後期 6月9日(木)~14日(火)
   会場 京阪百貨店守口店7階京阪ギャラリー

滋賀展 6月21日(火)~7月3日(日)
   会場 滋賀県立近代美術館 大津市瀬田南大萱町1740-1

 
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欅下駄箱 戸の制作

2011-05-16 22:51:54 | 木工
欅下駄箱の制作もいよいよ佳境に入り、戸の制作。

仮組みした框の目違い払い。
もう一度分解して、鏡板を嵌める小穴を突きます。


鏡板も仕上げの鉋削り。空気が乾燥している時は板の反りも大きく、薄板を削るのはちょっと厄介です。
鏡板にはルーターで大きくさじ面を取りました。


小穴を突き、切り面を取った框材。

切り面の仕上げに使ったのがこの鉋。

自由定規付面取鉋。刃は「も作」。
この鉋、刃もさることながら定規部の作りが実にすばらしい。
中に鉋を嵌める時も、木製のネジを回して定規の開きを加減するのも、堅すぎず緩すぎない実に良い感触。


戸の引き手は神代欅で作りました。
戸の縦框に溝を掘り、手がかりを掘った神代欅の材をはめ込みました。



面一に削ってできあがり。


開き戸の取っ手もいつものデザインを変え、戸の引き手と似たイメージにしました。


最後に框材の仕上げ削りをして、


組み立て。


ノリが乾くまではハタガネで固定。

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なつかしいお客様

2011-05-15 22:42:57 | 木工
今日は、懐かしいお客様が工房を訪ねてくれました。
元職場の同僚の、Tuさん、Toさん、Fさんです。
退職されたToさんをはじめ皆さん、それぞれの場所で頑張っておられ、昔話から近況まで、楽しい話は尽きませんでした。

4人で記念撮影。一緒の職場で働いていた頃は皆20台。
30年近い時間が流れ、外見は白くなったり薄くなったりいささか変わってしまいましたが、気持ちはあまり変わっていませんね。

Tuさんは、四季折々に美しい景色や花々を求めていろいろなところを巡り、写真に収めています。
そのアルバムを見せていただきました。その中から選んで引き延ばしたものを、今度プレゼントしていただけるのです。
すばらしい写真ばかりで、迷いに迷い、ちょっと枚数オーバーでお願いしてしまいました。
できあがりがとても楽しみです。

おいしいお菓子の他、こんなお土産もいただいてしまいました。

Tuさん手作りの、京都、滋賀、奈良の花巡りと撮影ガイド。


四季折々の花の名所やあまり知られていない撮影ポイント、さらには、祇園祭撮影のコツまで。
実際に自分の脚で歩かれた経験を元に書かれているので、実にきめ細かい説明やアドバイスがなされています。
早速活用させてもらいます。
楽しい話に昼食を食べるのも忘れて語り合いました。Toさん、Tuさん、Fさんありがとうございました。


さて、下駄箱の方は、

昨日は、本体の塗装。今回は納期の関係もあり、オイル仕上げとしました。
1回目のオイルを塗布をしてしばらく置き、布で拭き取りました。


棚板は立てて乾かします。


こちらは、戸の框材。角鑿盤でほぞ穴をあけ、ほぞの加工にはペティーワークを使いました。
仕口は面腰ほぞです。



ほぞの収まり具合は一カ所ずつ確認し、微調整。


仮組みをして目違いを払ってから、鏡板を嵌める小穴を突きます。
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