木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

楕円銘々盆 縁削り

2013-01-31 21:48:04 | 木工

糊が乾いたので、鉋で縁を削り揃えます。まず裏から。




裏は底板と面一に削りました。



表は毛引きで縁の高さを決め、その高さまで鉋で削ります。

次は生漆で木地固め、乾いてから和紙を貼ります。


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楕円銘々盆

2013-01-30 21:21:59 | 木工
昨年秋の作品展の際注文をいただいた楕円銘々盆の制作に取りかかりました。


底板はシナ合板。2枚ずつ重ね合わせて糸鋸で切り抜きます。



鉋で周囲を墨に沿って削って仕上げます。



問題は楕円の縁をどうするかです。
板を曲げることも考えましたが、昨年秋、木竹部会の研修旅行で行った香川県漆芸研究所で見た、籃胎の縁の技法がヒントになり、良い方法を思い付きました。



長さ約4mの突板を18mmの幅に切り、これを巻き重ねます。



準備ができました。



糊をつけながら巻いていきます。隙間が空かないように巻かねばなりませんがこれがなかなか難しい。



試行錯誤しながら、より良い方法を模索。何とかできました。



糊が乾くのを待ち、縁の高さを削り揃えます。


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伸縮式テーブル改良

2013-01-29 21:04:27 | 木工
伸縮式テーブル、改良のため設計をし直し、模型も作り直しました。

刻みの済んだ部材。材は黄蘗、縮尺は前回と同じ1/5です。




大きな改良点は脇天板を支える桟を1本にして構造をシンプルにしました。



脇天板を取り付けたところです。




脇天板の収納状態です。この上に中央の天板が乗ります。




天板を広げて。
実際の制作は暖かくなってからになりますが、天板をどうするか、最大の課題が残っています。


ところで、明日から文化財漆協会の会員漆芸展が始まります。

今回私は会場へは行けませんが、お近くの方は是非ご覧いただきたいと思います。

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十角菓子箱

2013-01-25 21:53:07 | 木工

もう一つ、栃の十角箱。こちらは菓子器。
セロテープで止めて仮組み。



印籠にします。



蓋を被せると・・・



バラして、マスキングテープを貼り、



捨て摺り。
同じ作業が続きます。
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栃十角箱組立

2013-01-24 22:10:22 | 木工
内側の拭漆がほぼできたので組立てにかかりました。

養生のマスキングテープをはずし、組立の準備



まず、基本となる身から。
糊は、いろいろ迷った末、麦漆を使うことにしました。



続いて蓋。



今回締め付けにビニール紐を使ってみました。



そして、懸け籠。
これら3つの十角がぴったり合うかどうかが一番の問題。
理論的通りに正十角形にできれば問題ないのですが、なかなかそうはいかない。
四角の箱のように直角定規で確認ができないのもつらいところ。



人事を尽くして天命を待つ・・・・なんて言えば格好良いのですが、できる限りのことはしたものの、後はなるようにしかならない・・・というのが本音。
漆風呂に入れて1週間ほど乾かします。
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伸縮式ダイニングテーブル

2013-01-20 22:51:11 | 木工
ご近所でお世話になっているHさんから、「別荘に置く、たくさんの人数が座れる大きな丸テーブルを作って欲しい。」
との相談をお受けし、昨年秋別荘を拝見してきました。
部屋の広さから、大きな丸テーブルを置くのはちょっと無理であることがわかり、伸縮式のテーブルを提案させていただきました。

基本的な構造は、Dさん宅で使われている外国製のテーブルを見せていただいた記憶をたどりながら設計しました。
図面だけではわかりにくいので、模型をお作りすることにしました。
家具作りで模型を作るのは初めての事です。



大きさは実寸の1/5。模型もほぞで組んでみました。



接着剤を入れて組立て。



ハタガネで固定。



伸縮天板は可動式の桟に固定しています。 



中央の天板は載せるだけですが、伸縮天板の収納で持ち上げる時ずれないように桟を接着。



これで完成。伸縮天板をたたんだ状態です。



伸縮部分を引き出して伸ばします。



実寸は、折りたたんだ状態で天板の長手寸法が、1.2m、幅は90cm。
両脇を伸ばすと2mの長さになります。

丸テーブルのイメージがあるので、両端は丸くしてみました。
ただ、四角の方がテーブル自体の広さはだいぶ広くなるのですが・・・。

模型作りもなかなかおもしろいですね。
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栃十角箱

2013-01-18 22:30:58 | 木工
栃の十角箱

蓋の天板の裏透き。四方反り台の豆鉋で刳りました。
この後正十角形に切り出し、側板との仕口の小穴を突きます。



今回身には覆輪をつけないので、雇い核の小穴はトリマーで突きました。



身と掛け子の底板の鉋掛け。



身と掛け子の仮組み。これで、覆輪を残して部材の加工が完了しました。



組み立てる前に、箱の内側だけ拭漆をしておきます。
そのために漆をつけたくない部分にはマスキングをしておきます。



拭漆をするのは内側だけ、その他の部分はすべてマスキングテープで覆います。



小穴はにマスキング液を流し込みました。
このマスキング液も教えていただいたものですが、蓋を開けてにおいで思い出しました。
昔、学校で陶芸の指導をしている時に釉薬が付かないよう、高台に塗ったものと同じです。



生漆を塗り、しっかり吸わせます。



数日乾かしてから水研ぎをします。

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日本文化財漆協会 会員漆芸展

2013-01-16 21:49:52 | 作品展

日本文化財漆協会の会員漆芸展が3年ぶりに開催されます。

会期、会場は下記の通りです。




今回出品する作品を紹介します。

栃蘇芳染拭漆ボンボニエール「玉響」 直径約10.6cm

蓋を開けると



掛け子付きの器になっています。
11月静岡で開かれた「うつわ展」でグランプリをいただいたものとほぼ作りになっています。


もう一つは、

栃拭漆丸棗「玉響」 直径約7cm このシリーズにはすべて「玉響」の名前をつけました。


普通の丸棗とは少し構造を変えてあります。
これは、「うつわ展」に出品した「茶入れ」より一回り小さい形状です。


今回の漆芸展には、「一滴の漆から 酒宴を彩る」という副題がつけられています。
副題作品も出品できますので、それに合わせてぐい呑みを制作しました。


「玉響」と同じ栃を挽き、蘇芳で染め拭漆で仕上げました。左のぐい呑みは拭漆のみ。

何れも日本産漆を用い、栃の杢をより美しくさらに丈夫に仕上げるため、最終はくろめ返し漆を用いて拭いています。

この漆芸展には、人間国宝の先生方を始め、全国の漆芸家の皆さんの作品が展示されます。
お近くの皆さんは是非会場に足をお運び下さい。




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獅子舞

2013-01-13 23:18:35 | 炭山
今日は炭山の獅子舞。

「炭山自然と文化の会」の皆さんが、無病息災を祈り、町内を回って舞ってくれました。



家々を巡り、幸せを招くと共に厄病退治や悪魔払いをします。



家の庭先にも出向いて一舞。



獅子に頭を噛んでもらうとは無病息災、元気に過ごせます。
あ、私もかんでもらうの忘れた! どうしよう!



獅子舞が終わった頃、Mさんが獅子頭を持ち込んで来られました。
今日使った頭ではないようですが、歯が欠けてしまったのだそうです。
よっぽどの石頭を噛んだようです。



早速あごをはずして修理の準備をしました。
直ったら私の頭も噛んでもらうことにしよう!



ところで、今日初めて工房裏の崖崩れの箇所に登ってみました。

昨年秋から崖崩れの箇所まで新しく道を作り、貯まった材木や土砂を運び出していました。



今日は工事はお休み。道の先には大きなユンボが止まっていました。



その上。土砂はかなり運び出され、元々あった石垣が姿を現していました。
その昔、ここには神社や役場があり、村の中心だったそうです。
この後どんな工事がなされるのか・・・いずれにしてもまだまだ時間がかかりそうです。

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日展

2013-01-12 22:59:53 | 木工
木代先生に日展の招待券をいただき、昼から行ってきました。

その前に、今年で京都芸大を退官される山中晴夫さんの退任記念展へ。

会場は、芸大ギャラリー@KCUA。



会場には、「都会の華」シリーズや、「モンローベンチ」など、懐かしい作品も展示されていました。
「都会の華」は1992年京都府工美展が「京都工芸ビエンナーレ」と名称を変更した最初の年に大賞に輝いた作品です。
この年、私もタモの箱を出品し入選したのでよく覚えています。その時の大賞の作品は京都府の買い上げになったと記憶しています。
「こもれび」や「山に座る」など私では思いつかないユニークな発想に基づく作品はとても勉強になり、大いに楽しむ事ができました。
会期は14日まで。山中さんの教え子の皆さんの作品展も同時に開催されています。


日展の会場は、京都市美術館。

とにかく作品の数が多いので、重点的に回ることにしました。
まずは、彫刻の展示場へ。木代先生の作品にはいつも先生らしい優しさが根底に流れていて心打たれます。
彫刻はこどもの頃から好きで、とくに高村光太郎の作品が好きでした。
時間があればやってみたいのですが、できそうにありませんね。
彫刻のあとは工芸の展示場へ。
漆芸や陶芸の作品はなかなか見応えがありましたが、今回は木の作品が見られなかったのが残念です。
次に日本画の展示場へ行ったのですが、閉館予告のアナウンスが・・・。
一つ一つの作品をゆっくり味わう時間はありませんでしたが、心地よい時間を過ごすことができました。


会場の外へ出ると、12月よりちょっと日が長くなっているのを感じました。
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