木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

煎茶工芸協会展~挑交会茶道具展へ

2014-03-29 21:57:05 | 作品展
第1回煎茶工芸協会展に行ってきました。

会場は瑞龍寺。通称てつげん寺という大阪難波の街中にある黄檗宗のお寺です。


展示会場は3階の大広間。


全国の煎茶工芸協会の会員の皆さんの茶道具の数々が展示されていました。
今日は二条流のお茶席が設けられ、おいしいお茶もいただくことができました。
会場にいらっしゃった木工と金工の先生にお話をいろいろうかがうことができ、とても勉強になりました。
この煎茶工芸協会展は31日月曜日まで開かれています。
明日は小笠原流のお茶席が設けられます。


その後、難波高島屋美術画廊で開かれている「挑交会茶道具展」へ。


漆を教えていただいている岩渕先生をはじめとする7人の若手作家の皆さんの力作が多数展示され大変見応えがありました。


会場は写真撮影ができませんので、DMを掲載させていただきます。
会場には岩渕先生もおられ、作品一つ一つについて詳しくお話を伺うことができました。
先生の作品はどれも品格にあふれた美しさで、大変感動しました。
「挑交会茶道具展」は4月1日まで開催されています。

素晴らしい作品を拝見し、いろいろお話を聞き、大いに刺激を受けた一日でした。


六地蔵まで戻ると、駅の近くの公園の桜がきれいに咲いていました。

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丸棗「玉響」

2014-03-28 22:51:46 | 木工
丸棗「玉響」の注文をいただき、製作に取りかかりました。

木工旋盤に虎斑の栃材をセットして製作を始めましたが・・・。


久しぶりのろくろはミスばかり。


もう一度図面を確認して、気合いを入れて慎重に挽き直し。


やっと感を取り戻しました。


とりあえず2つ完成。


拭き漆の作業に取りかかります。

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桐器局、手前盆納品

2014-03-27 23:25:13 | 木工
2月から製作していた桐器局と手前盆を納品しました。
注文をいただいたのは、煎茶の流派家元

この器局、家元の流派に伝わるものなのですが、元々の形は、

画像の右のようにシンプルなものです。
上の慳貪にも下の抽斗にもつまみがなく、それに合わせてお手前がなされるのです。
また、慳貪の蓋や抽斗を外して天地逆に置くことにより、棚としてお手前にも使われるということです。

慳貪の蓋や抽斗を開けるのをしやすくし、よりお手前をきれいにとするために側板を削り込み、両手で挟んで開け閉めができるようにという注文でした。
2月中には左のように完成し、一度見ていただいたのですが、これではいかにもとってつけたという感じなので、眉月や半月をイメージして
大胆に削り込むことを仰せつかりました。


それで、小刀で大胆に削り出して、


こうなりました。



同時に注文をいただいた手前盆。
こちらも、裏の側をさらに削り込み、持ちやすくずっとすっきりした形になりました。

家元は、流派に伝わる形であってもよ、大胆な改良を加えていかれます。
その根本にあるのは遊び心だと言っておられます。
その大胆な発想にはいつも驚かされるのですが、「古いものをものまま伝えるのは伝承でしかない。伝統は革新を伴わなければ堕落する。ただしその場合、品格を下げてはならない。」
そんな家元の考やお話からはいつも多くのことを学ばせていただいています。
本当にありがとうございました。

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信州への旅

2014-03-24 22:18:53 | 故郷信州にて
去る3月21日、生まれ故郷の佐久にて、高校時代の同級会が開かれ行ってきました。
同級会への参加は25~30年ぶり。
卒業以来初めて再会した友人も。
名簿を見れば全員の昔の顔がはっきり浮かぶのですが、久しぶりに会うとすぐに誰かわからない人も。
もちろん、髪の毛は白くなっても昔のままの顔の友人も・・・。
久しぶりなので一人ずつ近況報告。皆さんそれぞれの分野で頑張りぬいて定年を迎え、新たな人生を歩み出していました。

話を聞きながら、当時のことがついこの間のように思い出されました。
つらかったことや悲しかったことも45年の月日の流れはそれらをすべて浄化し、楽しく懐かしい思い出に変えてくれていました。

話に夢中になり、写真を撮るのを忘れてしまったのが悔やまれますが、来年以降もまたこうして会えるのを楽しみにします。
お世話になった幹事の皆さん、ありがとうございました。

その日は佐久に一泊し、翌日の朝野沢温泉に向けて出発。
野沢温泉スキー場で開かれているクラブの合宿へ合流しました。


前日野沢温泉方面は50cmを超える積雪がありました。
道路には雪はありませんでしたが、道の両側は冬の景色。


宿で荷物を下ろし、早速スキー場へ
真っ青な空と真っ白な雪。気分は最高!


クラブのメンバーと合流し、早速新雪を求め、黒鞍コースへ。
やや重さはあるものの、この時期とは思えないパウダーの深雪。だいぶ食べられてはいましたが・・。


はじめは気持ちよく滑っていたものの、日影ゲレンデの一本杉が見えるあたりまで来る頃には足はガクガク。
運動不足を痛感しました。


午後には、栄村にいる長女も合流し、やまびこゲレンデで、I指導員より、今年変わったスキー教程のレッスンを受けました。



翌日も天気、雪とも最高のコンディション。でも足はヘロヘロ。


この時期、こんな景色が見られるとは思いませんでした。
足の状態を考え、午前中に下山し、妻のお供で温泉へ。


温泉街のはずれにある真湯。こぢんまりしてなかなか良い湯でした。

午後には野沢温泉を発ち、再び佐久へ戻りお墓参り。

お墓への道からは、母校の高校と浅間連峰がきれいに見渡せました。


翌日は、実家へ。
3年前に母が亡くなり、すむ人のいなくなった実家。2月の1m近い大雪でどうなったかという心配もありました。

幸い屋根の樋が少し痛んだだけでほとんど被害はなかったようです。
まだ雪の残る庭には福寿草がたくさん顔を出し、可憐な花を咲かせていました。
今後この家をどうしていくのか、お墓はどうするのか・・・考えれば頭の痛い問題が山積みです。
山梨に住む友人にも会いたかったのですが、今年初めての風邪を曳いてしまったので早めに京都に帰ることにしました。


八ヶ岳を望む千曲川の流れ。
幼い頃毎日遊んだ河原にも春の日差しが注がれていました。
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第1回煎茶工芸協会展

2014-03-20 22:02:44 | 作品展




来る3月26日(水)~31日(月)大坂において「煎茶工芸協会展」が開催されます。
第1回目のこの展覧会は、全国の煎茶工芸協会会員の煎茶道具作品が多数展示されます。
会場は大阪難波の瑞龍寺(通商てつげん寺)3階の広間。
お近くにおいでのついでがありましたら是非お立ち寄りください。

私も3点ほど出品の予定です。

明日からしばらく留守にしますので、今日作品の梱包、発送の準備をしました。

また、会場近くの高島屋大阪店6階美術画廊では、私の漆の師の岩渕祐二先生の所属する「挑交会」の茶道具展― 七人による彩りの世界 ―が開催されています。
こちらも合わせてごらんいただきたいと思います。


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「櫻井久明の世界」展へ

2014-03-19 22:45:25 | 作品展
去る3月15日、いつもお世話になっているHさんご夫妻と、静岡市清水で行われている「櫻井久明の世界」展に行ってきました。
清水に到着し、はじめに向かったのは、三保の松原
最近、富士山とともに世界遺産に指定され、土曜日と言うこともありたくさんの観光客が訪れていました。


残念ながら富士山は雲のなかでしたが、春の日差しに輝く海岸はとても美しく、学生時代をこの静岡で過ごした私にとってはとても懐かしい風景でもあります。


展覧会は、フェルケール美術館。




2階の二つの会場に、今まで制作された多くの作品約70点が展示され、大変見応えがありとても勉強になりました。
この日は、「世界に誇る木工文化-江戸指物の世界-」と題して櫻井先生の記念講演が行われました。
「伝統工芸とは」から始まり、日本で木工が盛んになったわけ、道具の進化、物の見方、真の教養・・・と時にユーモアも交えながら楽しく、大変内容の深いお話を聞くことができました。

時間があっという間に過ぎ、夕方には帰途につきましたが、意義深い一日を過ごすことになりました。Hさんご夫妻には何から何までお世話になり、本当にありがとうございました。


「櫻井久明の世界」展は、4月13日まで開催されています。

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びわ博 春のプレミアムレストラン

2014-03-17 23:17:25 | その他
久々の更新です。
確定申告をやっと済ませた14日、滋賀県の琵琶湖博物館で行われたイベントに行ってきました。
その名も、「びわ博 春のプレミアムコンサート」 初めてのイベントです。


夕闇迫る博物館入り口。ここは何度も訪れていますが、こんな時間に来たのはもちろん初めて。


会場は正面のホール。
開演までに少し時間があったので、博物館内を見学して歩きました。


何度も見ているトンネル水槽ですが、昼間は寝てばかりの琵琶湖大ナマズがゆったりと泳ぐ姿もみられたのは、夜ならではです。


時間になり、館長さんの挨拶でプレミアムレストランが始まりました。


はじめは、あのトンネル水槽で、ウエルカムドリンクをいただきながら、学芸員さんのお話を聞きました。


会場に戻ると、バロック音楽の夕べの演奏者、井幡さんがチェンバロの前に。
食事と、生演奏のスタートです。


食事は、琵琶湖やその周辺の幸をふんだんに使った特別メニュー。
前菜は、琵琶湖の宝石ビワマスのカルパッチョ、早春の味覚イサザのフリット、小鮎のブルスケッタ、新鮮ニゴロブナの子まぶし
写真は撮れませんでしたが、この後、近江牛のローストビーフ、琵琶湖の珍味ふなずし、ホンモロコの素焼き・・・と続きました。
最後は、朽木産の最高級鹿肉のロースト赤ワインソース。
そしてデザートへ。


演奏は、チェンバロの井幡さん、チェロの小棚木さん、フルートの津田さん。写真はとれないので、パンフレットで。
美味しい料理を食べながら、美しい演奏を聴き、本当に贅沢な時間が流れていきました。
演奏者の皆さん、琵琶博のスタッフの皆さん、すばらしい企画をありがとうございました。

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立命館大学へ

2014-03-01 22:34:27 | 木工
昨日は、立命館大学経営学部プロジェクト団体丹後村おこし開発チームの要請で、朝から立命館草津キャンパスへ。
この「丹後村おこし開発チーム」は、丹後の古民家の再生や、稲作りなどの地域での活動を通して「経営学を学び実践する場、学生の学びの場を創造」していくことを目指して活発に活動を展開しています。
今回のお話は、チームの古民家再生活動のきっかけともなった株式会社ヤスダハンズのMさんを通じて声をかけていただきました。
Mさんとは、3年ほど前、再生した古民家で使う地元産の杉を使ったテーブル兼座卓を作らせていただいた頃からのおつきあいです。
要請は、古民家の再生の際に出た古材をつかって座卓作りしたいので、その技術援助をしてほしいということでした。

1ヶ月ほど前に代表の学生さんに工房へきていただいて打ち合わせ。
作業をする部屋には機械も作業台も何もないので、いろいろな場面を想定し、馬、各種道具の他、電気鉋や角鑿機などの機械を軽トラに積みこんで出発しました。

用意されていた材は、厚み55mm、幅20cm~25cmの楢と、チャンチン?、柱材は、腐れや虫食いだらけの松と楓・・(-_-;) 
ほとんどが初めて木工をするという学生さんが挑戦するにはちょっと・・・・しかし、やるしかありません。
簡単に作業工程を説明した後、早速制作に取りかかりました。


まずは墨付け。柱材からは摺桟や脚。


天板に使う楢の材にも墨をつけ、鋸で切断。
文系の学生さんがほとんどで、さしがねや鋸を使うのは初めて、という人ばかり。
厚い楢の材をのこぎりで切断する仕事などはなかなか大変な作業ですが、みんな根気よく取り組み、作業はとてもスムーズに進みました。
初めての道具もうまく使いこなし、さすが古民家再生・修復などに取り組んでいる経験が生きているのを感じました。 


脚はほぞ組。
持って行った角鑿機を使ってほぞ穴開け。この作業はすべて建築科のA君が中心になって進めました。


着々と部材ができていきます。


天板は木端だけ鉋をかけて直角を出し、表面は荒材のままで接ぎ合わせ、後から表面を電気鉋で削りました。

ここまでして昼の休憩に入りました。
学生食堂で、窓越しに春めいてきたキャンバス風景を眺めて、学生さんと歓談しながらゆっくり昼食をとるのもなかなか良いものですね。

作業再開。

午後、一番の大仕事は、脚のほぞ切り。材は楓。
万力などないので、馬にクランプで固定しての作業。


耳付き天板の白太の腐れは鑿で落として反り台鉋で仕上げました。
根気よく、きれいに仕上げていました。

刻みのすんだ脚や桟は、電気鉋で削り表面を仕上げました。
この作業を中心に担当したのは、もう一人の建築科所属でチームリーダーのK君。
学生さんの作業姿勢からは、自分たちの作るものをより良いものにしようという気持ちが伝わってきてうれしくなりました。


最終に、天板と桟・脚を接合。


こちらは材料の関係で板足にしました。


塗装は残ってしまいましたが、一日で2台の座卓が完成しました。
左はオーソドックスな座卓。右はチームが設計した座卓、なかなかしゃれていますね。


最後に座卓の周りに座って記念撮影。

一日一緒に作業をしましたが、みんな和気藹々と楽しそうに作業を進め、私も一緒に楽しく作業ができました。
チームワークが良く、仕事を分担しながら力を合わせて仕事を進めるということが実にスムーズにできているのには感心しました。

自分たちの作った座卓を大いに活用してほしいのと、この経験を何かの機会に生かせてもらえたらと思います。
チームの皆さん!お疲れ様でした。次は上世屋で会えたら良いですね!

コメント (2)
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