木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

信州へ その1

2008-09-30 23:11:48 | 故郷信州にて
姪の結婚式

今回の信州行きの一番の目的は、信州上田での姪の結婚式への参列



 姪は10年前、まだ10代で母親(私の姉)を亡くし、妻を亡くしたショックで病気がちの父との二人暮らしで父親の面倒を見てきた。その父親もしばらくの入院生活の後昨年亡くなった。
 この10年間言葉には言い表せないつらく悲しい思いをしてきたであろう姪。そんな姪だけにこんなにうれしく感じた結婚式はない。幸せに包まれた二人の様子を見ながら、今までの分まで、本当に幸せな家庭を築いてほしいと心より願った。



両親がいない姪の親代わりは姉と兄、二人とも妹の結婚でどんなにか安心したことでしょう。


上田に着き、結婚式までの時間を利用して上田城に行ってみた。



小学校か中学校の遠足で昔訪れたことがあるだけで40数年ぶり。
真田太平記を読んでもう一度行ってみたいと思いながら果たせずにいた。
現在は江戸時代に城主となった仙石忠政により再建された本丸の3棟の櫓(南櫓、北櫓、西櫓)が残るのみで、真田昌幸が築城した当時の面影はほとんどないが、櫓に登り、ボランティアガイドさんから上田城の変遷についての話を興味深く聞くことができた。




真田昌幸、幸村父子も眺めたであろう別所温泉方面の山並み(櫓から)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「一木一優」の作品展が終了しました。

2008-09-23 22:49:56 | 木工
  4日間開催された京都木工芸同好会「一木一優」の作品展が終了しました。期間中たくさん皆様に来ていただき本当にありがとうございました。
また、お土産をいただいたり、作品をお買い上げいただき心よりお礼申し上げたいと思います。
  3月教職を退いてから初めてのグループ展であり、6ヶ月間の半分以上はこの作品展に向けての制作に費やしてきました。過ぎてみると本当にあっという間の6ヶ月でした。
作品を見ていただいたり、購入していただいたこともさることながら、皆様にお会いできたことが何よりの喜びでした。
こうして好きな木工に勤しんでおれるのも本当に皆様の支えがあるからこそ、感謝の気持ちを新たにした4日間でした。

  木工を進めていく上でこの「一木一優」の仲間(といっても多くの方は私にとっては人生の先輩方ですが)と巡り会えたことがもう一つの大きな喜びです。居住地は滋賀県、京都市、宇治市、城陽市と離れ、みんなで顔を合わせるのは年に数回ですが、会えば木工のことから始まっていろんなお話しを聞き、本当に楽しい時を過ごすことができます。

  また、この作品展の中で懐かしい人との再会できたのもうれしいできごとでした。新採当時の元同僚とは十数ぶりに合うことができました。
さらに、遠く岐阜から大学時代の先輩がわざわざ来てくださり、20数年ぶりの再会を果たすことができました。短い時間でしたが、当時その先輩から教えられた熱き想いをお互い今も変わらず持ち続けて来たということを話すことができ、本当に感激しました。今まで学んできたことを土台に据えて「ものつくり」を進める、という初心を忘れず今後も研鑽を積んでいきたいという思いを新たにした一日でした。 
 
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都木工芸同好会「一木一優」作品展2日目

2008-09-21 23:41:07 | 木工
京都木工芸同好会「一木一優」の作品展にたくさんの皆さんがおいでくださっています。本当にうれしく思います。

作品展に展示している作品。



5角形の箸(五稜箸という名をつけました。)多くの方にお買い求めいただきました。




テーブルと椅子。
このテーブルをご注文くださったMさんも本日見に来てくださいました。
椅子は皆さんに座っていただいて座り心地を確かめていただきました。






右側のタイル額は、Yさんにご購入いただきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都木工芸同好会「一木一優」作品展

2008-09-20 00:24:34 | 木工
今日から作品展が始まりました!

京都木工芸同好会「一木一優」 木工芸作品展
 日々の生活にささやかな潤いを  木と漆のテーブルウエア 

  9月20日(土)~23日(火・祝) 
    10時~17時 初日11時開場 最終日16時まで 
 くわしくはこちらまで

 
 期間中は会場におります。ご来場をお待ちしております。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オランダタイルの額

2008-09-18 21:48:04 | 木工
あと1日!

京都木工芸同好会「一木一優」 木工芸作品展
 日々の生活にささやかな潤いを  木と漆のテーブルウエア 

  9月20日(土)~23日(火・祝) 
    10時~17時 初日11時開場 最終日16時まで 
 くわしくはこちらまで



めずらしい物が手に入りました。



18世紀にオランダで作られたタイルです。
神代欅で額を作りました。


これはどうですか。



こちらは、1620年~1650年頃の物です。
なかなかすてきでしょう。もちろんタイルがです。


額の素材も変えてみました。



作品展に出品します。


もう一つ



文鎮(ペーパーウエイト)です。
上は桑で、下は梅で作ってみました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーブル

2008-09-16 12:50:57 | 木工
迫ってきました!

京都木工芸同好会「一木一優」 木工芸作品展
 日々の生活にささやかな潤いを  木と漆のテーブルウエア 

  9月20日(土)~23日(火・祝) 
    10時~17時 初日11時開場 最終日16時まで 
 くわしくはこちらまで



テーブルの木地が完成しました。
Mさんから注文いただいたテーブル椅子セットのテーブルです。


最終的には拭き漆で仕上げますが、作品展までには時間が足りませんでした。
「テーブルウエア」のテーブルとしてこのまま仮組して展示します。


そこで、天板は特に念入りに鉋で仕上げました。




天板の縁や脚は、私好みのわずかな丸みを付けました。



鉋で削り出すのですが、こんな浅い内丸鉋は市販されていませんので自分で刃先を内丸に研ぎ、台に仕込みました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タモ拭き漆椅子

2008-09-15 14:16:11 | 木工
 拭き漆にかかっていた椅子の拭き漆が仕上がり、組み立てをしました。
まず、ほぞやほぞ穴などに貼っていたマスキングテープを取ります。



 こんなにきれいになります。この方法は今年から思いついて始めたのですが、なかなか良いですよ。



 部品が勢揃い。接着剤はタイトボンドと一部エポキシを使いました。



 これで完成。
 蛍光灯の光でやや黒っぽく写ってしまいましたが、やっぱり拭き漆はきれいですね。


 
今回は横方向から一枚



 そして後ろ姿



京都木工芸同好会「一木一優」 木工芸作品展
 日々の生活にささやかな潤いを  木と漆のテーブルウエア 

  9月20日(土)~23日(火・祝) 
    10時~17時 初日11時開場 最終日16時まで 
 くわしくはこちらまで


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

左久作さんを偲んで

2008-09-12 22:03:21 | 道具
 去る8月21日、東京月島の鑿鍛冶左久作さんこと、池上喬庸さんがご逝去されました。
生前作っていただいた道具の数々を改めて眺めながらご冥福をお祈りしました。

 私が左久作さんを知ったのは今から約30年ほど前、本格的に指物をはじめた頃でした。
古書店で見つけた「木工と道具」という雑誌の中での秋岡芳夫氏(故人)とのてい談の記事を読んでだったと記憶しています。

使う目的や削る木に合わせていろいろな鋼や鉄を使って刃物を誂えてもらえるということに大変魅力を感じ、欲しかった何本かの追入鑿を注文しました。
できあがってきた鑿が大変気に入り、10本組に揃えたくて追加注文しました。
さらに1分半、2分半を加え12本になりました。





その他鑿は1寸2分の中叩きのみ、8分の鎬鑿などを作ってもらいました。



追入のみの1寸以上と、中叩きのみの地金には三原鉄などの和鉄を使って作っていただきました。

さらに、



塗師屋包丁や刳り小刀




3分の櫛形作理鉋




蟻作理鉋 など、今ではあまり市販されていない刃物もいろいろ鍛えてもらいました。

もう、20年近く前になりますが、上京した折りに一度月島の工房をおたずねして直接お話をおうかがいしたこともあります。
その際購入した「ばんかき鉋」は当時の木工仲間にも好評で、まとめて注文して作っていただきました。




長年道具を作り続けてこられた左久作さんが亡くなられたのは本当に寂しく残念なことではありますが、その技はご子息の善幸さんが立派に受けついておられます。

私も作っていただいた道具を大切に使い、木工の技術を少しでも磨いていきたいと思います。

心よりご冥福をお祈りします。合掌
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グレードアップ!

2008-09-08 21:49:05 | 木工
今回は、肘掛けを付けて、グレードアップ!
アームチェアが完成しました。



背は前回と同じコム型。肘掛けは、前脚をのばしてそれと後脚をつなぐ構造にしました。




肘掛けというのはなかなか厄介なもので、5mmの高さの違いが肘のおさまりに影響してきます。
今回も仮組して座ってみて2度肘掛けを作り直しました。





仕口ですが、前脚は座板に2枚ほぞを切り、脚のほぞ穴に差し込みました。
これで十分な強度は得られるでしょう・・・。

問題は肘掛けと後脚の接合。



今回は、肘掛けを蟻で後脚に差し込みましたが、改善の余地はありそうです。

できるだけ単純な構造にしたい。そのためには力のかかる接合部は十分な強度の得られる仕口にする必要があります。
それを考えるのがまた楽しい!

仕上げは蜜蝋ワックス。

座り心地は・・・「一木一優」の作品展をお楽しみに!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鞴(ふいご)修理

2008-09-05 22:23:44 | 木工
 少し前の仕事ですが、いつかブログに、と思っていた記事です。

三木の千代鶴貞秀さんの紹介で三木金物古式鍛錬技術保存会の鞴修理の仕事をさせてもらいました。

いくつかの古い鞴の中から傷みの比較的少ない1台を預かってきました。




長年の使用の中で、底や周りが焼けてたり、




土に埋めて使っている部分は腐りがきていました。

底板をはずしてみると・・・




底板は半分炭になっていました。
外が燃えているわけではないので、空気の吹き出し口から入ってきた熱風により、長い時間をかけて炭化していったものでしょう。




丁寧に分解し、部分的な焼けこげは補修し、傷みのひどい部材は交換することにしました。
材はすべて杉の柾目板を使っています。




先板の焼けた部分は切り取り、新しい板を核矧ぎ(さねはぎ)しました。




薄い(2.5~3分)側板は、風圧に耐えられるよう接着面の広い相欠き接ぎにしました。




底板は作り変えました。底板についた小穴(溝のこと)に側板がはめ込まれます。
ところがこの鞴というのは単純な構造のようで随所に修理者をうならせるような仕掛けが・・・。
まず、側板は長さ120cm幅60cmほどの大きさながら厚みはわずか3分ほど。
これに空気の圧力がかかれば当然べこべこするはず。
それを防ぐため、横方向にも高さ方向にも内側にわずか湾曲させ張りを持たせているのです。
したがって、底板の小穴もわずかな曲線で掘らなければなりません。
また、狸の毛皮まいた板(ピストン)がスムーズに前後できるよう、底板には部分的にガラス板が貼られています。




杉の板で作られた弁は、和紙が貼られ、微妙な余裕を持って麻紐で取り付けられています。板は取り付け部分は薄く、下部が厚くわずかな厚みの変化を持たせて削られています。これも作りかえました。





板を打ち付けているくぎは普通のくぎではありません。頭の部分を巻いた巻頭釘(まきがしらくぎ)を使います。
1本1本鍛造して作られていて、普通の釘に比べるとさびにくく丈夫です。

今手に入る頭巻釘はこの鞴に使われているものに比べると頭の部分が短いです。
今回は特注する時間がなかったので、1寸6分(右側)の頭巻釘を使いました。








これで修理完了です。うまく空気を送ってくれました。
単純な仕組みの鞴ですが、あらゆるところに昔の工人の知恵が込められており、実に勉強になりました。
この経験を生かし、次は新しい鞴を制作してみたいと思います。材料の杉の柾目材はすでに準備してあります。側板の湾曲をどうして出すのか、その点が課題として残っていますが・・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする