木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

栃重箱捨摺り

2010-02-06 22:54:49 | 木工

朝、工房へ来てみると、

地面にはうっすらと雪が残っていました。
今日も寒い一日でしたね。


昨日組み立てた重箱の台。ハタガネをはずし、鉋をかけて仕上げました。


これで木地が完成。漆の作業にかかりました。

宮本さんのお話から、前回の栃の銘々皿がなかなかきれいに上がらなかった原因が、捨て摺り段階で木地に十分漆を吸わせきれていなかったためではないかと気づき、今回その教訓を生かしてみることにしました。
十分吸わせるためには、漆の乾きを遅くする必要があります。
そこで、生漆をチューブごと熱湯に浸けて活性を殺し、通常の生漆に1:1で混ぜてみました。


漆の乾きが遅くなり、こてつかず、木地への吸い込みが良くなりました。


吸い込ませては刷毛摺りを3回繰り返した結果、約80グラムの生漆を吸い込みました。
この後漆風呂へ入れてしっかり乾かします。
栃の杢がどう仕上がるか、とても楽しみです。


夕方外をみると、雪が舞っていました。明日の朝は少し積もるかもしれませんね。
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栃重箱グレードアップ

2010-02-05 22:14:51 | 木工



制作中の栃の重箱


一応は完成したのですが、宮本さんの「これではただの重箱。」というご指摘を受けて、グレードアップしてみました。


いろいろ考えましたが、まず、板蓋ではちょっと貧相なので、印籠蓋に作り替えました。
だいぶ雰囲気が変わりました。


蓋とのバランスを取るために、台を付けることにしました。
部材の仕口の加工が済んだところ。


組み立ててハタガネで押さえ、糊の乾くのを待ちます。


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宮本貞治さん宅訪問

2010-02-01 21:44:00 | 木工
昨年秋の伝統工芸展京都展の際に声をかけていただき、今日、滋賀のお家と工房を訪問させていただきました。


玄関を入ったところから、そこは宮本貞治さんの世界。なんとも美しい空間が広がっていました。
蓬莱山や琵琶湖を望むことができるお部屋で、いろいろお話をおうかがいしました。
作品作りについて、指物のこと、刳り物のこと、拭漆のこと。
技術的なことから、何を表現するかなど・・・本当に勉強になりました。またまた目から鱗がぼろぼろ・・・。
しかし・・・作りかけの重箱を持って行って見て頂いたのですが、「何を作りたいのか、何を表現しようとしているのか」と問いかけられ、それへの返答のできない自分・・。
目から鱗はとれても、まだまだ先がぼやけている自分がそこにありました。
ぼやけながらも、少し明かりが見えてきたような気もするのですが・・・。

その後工房も拝見し、拭漆に関する技術的なこともいろいろ教えていただきました。早速生かしていきたいと思います。

時間はあっという間に過ぎてしまい、気がついたら外は夕暮れ。雨は、いつしかみぞれから雪に変わっていました。
宮本さん、奥さん、本当にありがとうございました。
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