子供の頃は、終戦間もなくだったので、遊ぶものがあまりありませんでした。それで、暖かい季節になると、すぐに川にいきました。川にはいろいろな生物が住んでいて、それを取ったり、取ったものを持ってきてバケツに入れて眺めたりしました。
眺めるのは、水に酸素が無くなると死んでしまいますので、どちらかというとあまり楽しくはありませんでしたが、取るという行為はスリルがあったり、子供ながらの工夫があったりして楽しかったです。本能的にハントをするという機能が備わっているのでしょうか。
小学校一年生の時に、今の所に引っ越しをしました。今の所は、子供の足にしては川までちょっと距離があります。周りは畑と山林ばっかりで、川が恋しかったです。いつも、庭の先の方に泉があって、小川が流れ出しているといいのにな、と思ったりしました。無理なことは知っていますが、そういうことを考えるのは楽しいことでした。
大人になってからも魚取りはすきです。釣りはあまりやらなかったので、じっと待っているより、網を持って追いかける方がすきです。それで、今は水槽でも何でも変えますから、毎年夏には少しばかりフナなどを捕ってきて水槽に入れて楽しんでいました。
今年、あまりにも形をなしていなかったので、庭をつくりましたが、庭師さんの提案で池をつくりました。池と言っても、噴水があったり、ゴツゴツとした岩があったりとするような、きちんとしたものではありません。ビオトープです。
さっそく水槽に入れて飼っていたフナやドジョウをいれてやりました。それから、井戸のコガ(コンクリートの円筒の形をしたもので、土がさらさらと井戸の中におちるのを防ぐもの)に底を張り、天水桶としてつかっていたものからメダカを移してやりました。それだけでは彩りがないので、金魚を少し買ってきて入れました。庭師さんも多少持ってきてくれました。
今では、メダカがかなり増えて楽しそうに泳ぎ回っています。まさにビオトープそのものです。作りは簡単です。大きなビニールシートで防水をしているだけです。もちろん、その上に土を乗せてあるので、ビニールは見えませんし、そのために劣化も進みません。壊すのも修理も簡単です。
そんなことで、庭の中に池をつくってあります。水のある所があり、そこに魚が泳いでいるのを見るのも楽しいものです。