近ごろガリバーと言うと、中古車のチェーン販売店がおなじみですが、この物語は子供の絵本などにあって皆さんはおなじみなことと思います。こびとの国が一番おなじみでしょうか。海岸に打ち上げられていたら、いつの間にか縛られていて、、、なんていうシーンがよく絵になっていますね。
この物語はイギリス(正確にはアイルランド)の作家であるジョナサン・スイフトという人によって18世紀半ばに書かれたものです。日本では江戸時代で、将軍吉宗の時ですね。享保の改革が行われていた頃です。
内容は、子供の読み物とはほど遠いものです。ただ、ガリバーは変わった世界に旅をして歩いたので子供向けの本に合う部分もあったんでしょうね。変わった世界というは、言ってみれば異界です。俗世から異界へ、そして俗世に帰ることを繰り返したわけです。
最初は小人国に旅をしたのは誰でも知っています。これはそんな国があるとは知らず、行くはめになってしまったのですが、あれこれあった後に、最後にはその国をあとにすることになりました。その訳は、王様の宮殿が火事になったのですが、水がなかったので、おしっこで消しました。それでいくらなんでも王様の宮殿をおしっこで消すとは、ということになり居づらくなってしまったので、おさらばしたわけです。去るにも、そろそろ故郷が恋しくなったからとか、飽きたからなんてことではなくて、きちんと去らなければならない理由をくっつけていたんですね。
そんなことは子供の本には載せられませんから、良いとこ取りというやりかたで童話にしてしまったということでしょうか。ガリバーは、大きく分けて4つの部分に分かれています。まず小人国、つぎに大人国。このころになると描写がどぎつく生りつつあります。次があちこち、最後に馬の国。あちこちの中には、あの宮崎だれとかという監督のアニメにもでてきたラピュタという空に浮かんでいる島にも行きました。こちらが本家です。そして驚くことに日本にも来ているんですよ。ちょっとだけですけど。日本のことは詳しく書いてありません。立ち寄った場所とか将軍にあったとか踏み絵がどうのこうのということが書いてある程度です。江戸とか長崎なんていう名前が出てきます。ということは、当時は日本は異界のひとつであったんでしょうか。
けっこう面白いお話が書いてありますよ。原題は
Travels into Several Remote Nations of the World by Lemuel Gulliver