映画は一時廃れるかと思いましたが、静かに息を吹き返してきて、一カ所にいくつもの映画館が集まっているビルなどが出来るほどになりました。大型ショッピングセンターなどにも、数個の映画館がくっついていることがあります。
昔は、映画館専用の建物でした。もちろん映画館はその建物に一つです。私がいくつの頃かは分かりませんが、最初はシネマスコープと言って、横長の大型スクリーンの映画館がほとんどになりました。しかし、これも私が高校生の頃だったんでしょうか、アメリカのマイケル・トッドというエリザベス・テイラーの旦那だった人がトッドAO式という超大型画面の映画を作ってから、映画館がどんどん大きくなっていきました。
映画は普通は幅が35ミリのフィルムを使います。その下は16ミリ。この映画を映せる免許を私は持っています。その下が一時アマチュアの間で流行った8ミリです。それで、その35ミリの倍の70ミリのフィルムを使った映画ができはじめました。幅があればもちろん高さもそれに比例して高くなり、要するに元の画像が大きくなるということですから、拡大してもぼけないということです。
それで撮った映画が流行りました。大型映画です。ミュージカルとか史劇などは好んで撮影されました。映画は絶頂期を迎えました。しかし、悲しいことにだんだんテレビが普及してきて、ごろ寝をしながらでも、ビールを飲みながらでも、家に居るんだから帰る心配の必要がないテレビで間に合わせる人が増えたわけです。しかも安いし、チャンネルはいくつもある。
まあ、映画の歴史をここで長々と言ってもしかたないですが、そんな映画が下火になったのに、見事にカムバックをしとげつつあるというのは、なかなか良い傾向だと思います。良い映画ができる機会が増えるわけですからね。でも、もう若い頃のような情熱はなくなってしまいました。沈静期間が長すぎました。
これは25枚くらい入ったスピンドル
私は、家にいて、画面が小さくても、音声に迫力がなくても、テレビの画面サイズで古い映画を見ることにしています。あの暗い狭い座席に、隣の人と椅子の肱おきの権利を無言で争ったり、 人が前を通るたびに膝をひっこめてやったりしながら見るのはいやです。
しばらく前からCSテレビを8チャンネルほど契約して見ています。少し古いものから、かなり古い映画までいろいろとやっています。しかも一度見逃しても、またやりますから大丈夫。それにNHKの衛生放送も映画をやります。DVDレコーダーと繋いでありますので、内蔵のハードディスクに録画しておけば、時間をおいてもみられます。取っておきたいなと思えば、生のDVDディスクを買ってきて焼き込みをすればよいわけです。
これは遊びです。100枚の生ディスクを買うと、3,000円とちょっとくらいでケースなしのスピンドルという、円筒のケースに積み上げただけの型のが買えます。ですので、一本の映画が30円とちょっとで作れます。知らない人は値段の高いビデオ用のディスクを買ってきますが、私はパソコン用の、つまりデータディスクを買ってきます。できあがりは同じです。ですので、もう数百枚ものディスクを作っちゃいました。映画だけでなく、ドキュメンタリーものや教養ものも多少あります。オペラ、コンサート、ジャズなどの音楽、ルパン三世なんてのもあります。
見るか見ないかは、あまりこだわりません。100枚買ったら、使いきるのにずいぶん長い間かかりますから、大した出費ではありません。でも、けっこう見ます。中途で何か用事が出来ても、その続きから簡単に見られますから、それがいいです。ケースがないので、アルバム式の入れ物に差し込んでおきます。ディスクにはプリンターで映画の中から取った画像やらタイトルやらを印刷してありますから、まるで買ったディスクのようです。見るだけでなく、作るというのもけっこう楽しいものです。