ある本を読んでいたら、日本にはタブー ( 禁忌 ) が非常に多いと書いてありました。例えばトイレにつばを吐くなとか、夜に爪を切るなとか、履き物は午前中におろせなどなどです。
よく日本は文化の吹きだまりなどと言われますが、そのタブーもいろいろな文化が渡来してきて、消えずに溜まっているからでしょうか。先ほどの友引なんてのは六曜 ( 六輝 ) と言われる中国から渡ってきた、時や日にちの占いなんだそうです。その割にその知識を売って仕事をしている人がいますね。占い ( 売らない ) なんて良いながらネ。
このところずっと人気のある、阿部晴明などは陰陽師と言われ、陰陽道と五行の知識がすぐれていて、さまざまな超人的な仕業ができたそうです。陰陽は文字通りにすべてのものには陰と陽の二面があるという考えで、五行は木、火、土、金、水と五つの気が天地にはあるというあるというのですが、その二つの考えを結びつけたものだそうです。何かよく分かりませんね。
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その他には風水なんて場所に関する占いのようなものもあるし、庚申信仰とか、さまざまな信仰や占いが混在しています。こういうものをどれだけ信じているかというと、馬鹿らしいと思いつつ、断ち切れないでいる人が大半です。
その他に、民間信仰があります。ちょっとした何かの出来事などがきっかけでタブーが生まれる。仏教説話などにこういう話がある。だからこういうことをしてはいけないんだ、などという考えが生まれてくることもあるでしょう。
もうひとつ大切なことは 言葉 です。縁起の悪いことにつながる言葉というのがあります。おめでたい席では、めでたさが停止してしまうから終わりなどとは言わないで、お開きにするなどと言ったりします。「 し 」 や 「 く 」 などは 「 死 」 や 「 苦 」 などに通じるので使わない。病院などでは4号室など嫌がる。観光バスも何台も連なっていく場合にはその数字は、もしものことを考えると困りますから嫌がります。
それから、言葉には力があり、そうなってしまうかも知れないので、悪い言葉は使うなと、大昔から言われてきました。逆に人を恨む場合には悪い言葉を使い、相手が逆境に陥るように願うことをします。
水辺に生えている草に 「 葦 」 というのがありますが、あれは昔は 「 あし 」 と言いましたが、「 悪し 」 に通じるので 「 良し 」 とか 「 吉 」 の発音と同じの 「 よし 」 としたとか。今ではどちらも言いますね。まあ、これはタブーとは違いますが、近い考えであると思います。
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だから、たぶんタブーの数も多くなるのでしょうか。しかし、そういうことを気にしていたら何も出来なくなってしまいますね。人間は適当なところで、「 もういいや。」 という気持が生まれますから、適当なところまでそういうものとつきあって、あとは知りませんということにしながら生活していくほかありませんね。
今年も残り少なくなってきたので、暦を出してみたら、いろいろなことが書いてありましたので、そういうことを思ってしまいました。
ところで、このタブーという言葉ですが、元はポリネシア語で 「 聖なる 」 という意味があるのだそうです。聖なるが故に、畏れて犯すなという意味で使われるようになったのかも知れませんね。
今日はサツマイモを収穫しました。掘ったサツマイモをポンポン投げたりしたので、仕事ですから仕方ありませんが、食べ物をこんな扱いしても良いのかななんて、ふと考えてしまったものですから、仕事をしながらそんなことを考えてみました。