かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

健康のためのお勉強で不健康になるかも?

2005-11-09 21:05:24 | Weblog
 地球上の動物は酸素を吸って生きているのですが、体重1キログラムあたりの酸素消費量と寿命にははっきりした相関関係が成立するそうです。この場合の寿命は最大潜在寿命と言って、もっとも理想的に生きた場合の寿命、とでも言えば大体あっているんじゃないか、と思います。その寿命の短いネズミは体重に比べて酸素の消費量が大きく、大型の動物になるに連れて減って、象だと酸素消費量はネズミの10分の1以下、寿命は数十倍に延びます。そのグラフに載せると、人間はちょうどカバと同じ位の酸素消費をしているのですが、カバの寿命は50年くらいなのに対し、人間は潜在寿命で90才以上、と、70才くらいの象よりも長く、酸素消費量から見た寿命からすれば、倍近く長生きできることになります。もっとも我々も一昔前までは「人生50年」だったわけですから、医学の進歩など科学の恩恵が、他の動物ではありえない寿命をもたらしていると言えるわけです。
 では、酸素消費量が多いと何故寿命が短いか。それは、今はやりの活性酸素などによる酸化ストレスのせいだろうと言う説があります。
 動物は酸素を利用してエネルギーを生み出すのですが、その際、どうしても活性酸素という非常に攻撃的な危ないものを生み出してしまいます。一応体には、そうやって出来た活性酸素を消去・無害化する機構も備わっているのですが、その機構の能力よりも活性酸素の量が多いと、体が痛んできます。俗に体のサビなどと呼ばれる現象ですが、具体的には血管の脂質が酸化されて血管が柔軟性を失い動脈硬化になったり、遺伝子が傷つけられてガン化したりなどの形で現れ、総合的には老化と言う形で動物の体を変化させます。つまり、ネズミのように体重に比べてたくさん呼吸し、酸素を消費する動物は、その分多量の活性酸素を体に発生させ、細胞の老化を促進し、早く寿命を迎えてしまうと言うわけです。
 そこで今注目されているのが抗酸化活性を示す物質です。これは活性酸素の活性ぶりを押さえて、無毒にしてしまうもので、ビタミンEとかC、ベータカロチンとかイソフラボン、アントシアニン、カテキン、コエンザイムQ10などで色々な実験が行われ、その効果が知られています。だからこれらを積極的に摂取して、若さと健康を保ちましょう、というのがよく言われている健康食品の宣伝です。
 ところが、最近はそうは単純には行かないよ、という例がたくさん出始めています。抗酸化活性を計る実験は色々あって、極端な話、目的とする物質の抗酸化活性が強く見えるようにする実験方法があります。ある物質の抗酸化活性を計るときに、Aと言う実験方法よりBという実験方法を使った方がより効果が期待できるように見せることが出来るのです。
また、ベータカロチンはガンの抑制には効果が無く、帰って悪化させる場合がある、とか、そもそも老化と活性酸素は関係ないんじゃないか、とか、色々な否定的なデータが出てきているのです。
 実は酸化ストレスというのはそんなに単純なものではなく、体に酸化をもたらすものは、活性酸素だけではありません。ですから、幾ら抗酸化活性のある物質をとっても、それら他の要因には効果がなかったりするのです。
 一塩基多型による感受性の違いもあります。
 遺伝子の型がちょっと違うだけで、同じ物質を摂取しても効果が出たりでなかったり、あるいは副作用が出たりとかすることがあります。痩せるというので有名なカプサイシンも、その作用には一塩基多型があって、効く人と効かない人がいます。
 その一方で、いや、やっぱり抗酸化物質は効果がある、という結果もあって、正直なところ、この世界はまだ混沌とした靄の中でたゆたっているという印象です。いずれそのあたりもはっきり晴れてきて、本当に寿命が延びる時が来るのも間近いかも知れません。

・・・などというような話を、半日じっくり大阪で聞いて参りました。正直頭の中が化学記号とグラフや表で溢れかえり、消化不良を起こしている感じです。このまま寝ると夢にも出てきてうなされそうですので、ストレス発散のために取りあえず書き散らしてみました。
 そうそう、ストレスも活性酸素を発生させる重要なファクターです。笑ったりするだけで活性酸素の影響を抑制できるそうですから、せめてその日のストレスはその日のうちに解消したいですね。日記というのは割とそう言う効果もあったりするのかも知れません。これでフリーズしたりしなければいいんですが、そう言う観点から見れば、昨日は3日ほど寿命が縮まったに違いありません。いずれマイ○ロソ○ト社を、ストレスを与えて寿命を縮めたとして訴える人が出てきたりするかも知れませんね。

コメント
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