かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

遺伝子組み替えを食べずに済ませられるはずはないと思うのですが。

2005-11-04 23:52:45 | Weblog
 日本人は遺伝子組み替えの食べ物が嫌いで、お店の食品売場にも、「遺伝子組み替え○○は使用していません」というような記述がそこここに溢れています。一方、アメリカでは既に組み替え植物が大量に栽培されていますが、日本に輸出する分は作るのも輸出するときも別扱いにして、その分割増料金を加算していたりします。別扱いというのは手間もお金もかかる要するに面倒くさい仕事ですが、それに見合うだけの儲けが、日本への輸出にはあるのです。でも、実のところ、遺伝子組み替え無し、というのは、100%保証されているわけではありません。輸入する作物の5%までは、日本で承認した遺伝子組み替え品種が混じっていても表示しなくても良い、という基準があります。それに、例えば大豆やナタネなどから絞った油は、原料が組み替え植物でもそれを表示する義務はありません。つまり、日本の食品メーカーがいくら使っていない、と表示してみても、ほんの少しは混じっている場合もあり得ます。それが揚げ物だったりすると、ほぼ間違いないくらい組み替え由来のものが使われているはずなのです。我々はそんなわけで、好むと好まざるとに関わらず、組み替え植物由来の食品を口にしている可能性が高いわけです。
 本当に組み替え植物を食べたくなければ、全て国産のものを食べるようにするしかありません。でも、牛、豚、鶏の家畜の餌はほぼ全量海外依存です。例えば飼料用トウモロコシは100%海外産で、その9割以上がアメリカ産で占められています。つまり、牛、豚、鶏の肉や卵を通じて、間接的に私達は組み替え植物を食べているとも言えます。また、肥料の油粕はナタネ油の絞りかすですが、これもほぼ100%海外からの輸入で、遺伝子組み替え表示義務はありません。つまり、例えば有機栽培で作った国産の植物だからと言っても、それが組み替え遺伝子と無縁であるとは限らないのです。
 それから、世界の食糧事情は、ほとんどアメリカが支えているといっても過言ではないのが今の状況です。それは、病害虫や干ばつなどに強い遺伝子セットを持った作物の研究に多大な投資を行った結果です。日本向けに遺伝子組み替えではない作物を作ってくれるだけの余裕は、実はたくさんの遺伝子組み替え植物を栽培することで安定した食料生産を実現したからこそ、と言えるのです。つまり、日本の食卓を支えているのは、遺伝子組み替え植物であるといって差し支えないのが現状です。
 もうそれくらい遺伝子組み替え植物が当たり前になってきており、知らないところで口にしている可能性が高いと言うのに、どうしてそれを素直に認めて組み替え植物を受け容れようとしないのでしょうか? 何か訳の分からない不安に駆られている様にも見えますが、本当に危険かどうかを理解して反対しているヒトは、実はほとんどいないのでは無いかと思ったりします。
 例えばBSE禍で牛肉の輸入がストップしたとき、国内に残った最後の輸入肉を巡って、牛丼屋さんに行列が出来ました。でも、ちょっと考えれば判ることですが、あの時大勢の胃袋に納まったアメリカ産牛肉が、BSEに汚染されていなかった、という保証は全くありませんでした。今、アメリカが一応の検査態勢を整え、輸入再開を我が国に迫っていますが、案外、政府がもっと安易にアメリカの圧力に折れたとしても、しばらくマスコミ中心に反対の声が上がるだけで、半年もしたら誰も騒がなくなってしまうのではないでしょうか?
 遺伝子組み替えも同じで、この際、日本人が遺伝子組み替えを食べずにすますことは出来ない、という現実を、詳細なデータを基に、これでもか、と知らしめてしまえば、一時大騒ぎを経て、そのまま受容してしまいそうな気がします。
 私は花粉症緩和米など、機能的に優れた食品を早く食べてみたいので、不思議なくらい頑なな遺伝子組み替えに対する拒絶反応を矯正する方法を、検討してもらいたいのです。そうしないと、日本でおおっぴらに遺伝子組み替え作物を作るのは無理がありますからね。

コメント
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