かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

てんかん患者の運転免許取得条件緩和、という提言は、ちょっと冒険が過ぎる気がします。

2012-10-10 22:07:49 | Weblog
 今日はまあ色々あり、とあるヒトに少々痛いところを突かれたりもして、確かに最近怠惰に過ぎるな、などと何時になく反省をしておりました。本質的にぐうたらで怠け者の私としては怠惰な生活はいわば憧れでもあるわけですが、怠惰な中にもある程度の秩序がないと身体がもたないというか、やりたいこともできなくなるぞ、というようなわけで、せっかく季節も一番好ましい秋でもあることですし、少し心を入れ替えてみようかな? などと考えた次第です。まあこの手の決心は大抵3日坊主と相場が決まってはいるのですが、とりあえずなるだけ性根を入れてみるつもりでいます。

 さて、日本てんかん学会なる学術団体が、てんかんを患っているヒトの運転免許取得の要件を緩和するよう求める提言をまとめたとのことです。(提言のPDFファイル)てんかん患者が黙って免許を保持して重大な事故を起こしたというのに、何をトチ狂ったことを、と思わず思ったのですが、学会としては、免許取得条件を和らげることで、患者が隠さずに正しい発作の申告をするように繋げていきたい、という期待が込められているそうです。その具体的な条件とは、現行条件では発作が「2年間」出ていないこと、というのを「1年間」に短縮。更に、発作で更新が認められなかった場合は、その後1年間発作がなければ、免許を取り直さなくても更新で済むようにすること、というものです。
 てんかん患者による事故が、正しい申告をしなかったことがひとつの原因であることには違いないのかもしれませんが、2年を1年にしたぐらいで申告が抵抗なくなされるようになるものなのでしょうか? というか、性善説でてんかん患者の自己申告に期待するというのは、少々楽天的過ぎる気もいたします。まあ条件の緩和が医学的に十分根拠のある内容ならそれはそれで良かろうと思うのですが、どうもそれについては確たる言及がないので、本当に大丈夫だろうか? という疑問がどうしても残ります。まあどんなことでもゼロリスクはありえないので、ようは危険度と利益が釣り合うところを模索するより無いわけですが、社会一般から見るとどうも学会の方々の努力により、てんかんに関する知識が充分に浸透しているとは言いがたい状況であろうかと思います。その中ではたしてこの提言が受け入れられるかというと相当厳しいと見るのが常道でしょう。どちらかと言うと、これを契機にてんかんに関する啓蒙と社会的な体制づくりを促す議論を巻き起こすようなことを狙ってらっしゃるのでしょうか。それにしてももう少しそもそも論としての「てんかんとは?」というような話をまずはもっと巷間に流布してもらいたいですね。興味を持って自ら学会サイトを訪れたりするようなヒトならいいですが、大半のヒトはまず興味を抱くことすら無いでしょう。まあそういう人達をどう振り向かせるかというのは、てんかんに限らずあらゆる分野で共通することではありますが。

コメント
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