かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

機械に仕事を奪われるという陳腐化した未来絵図が、どうやら陳腐と笑っていられなくなるらしいです。

2014-11-09 21:15:19 | Weblog
 今日は冷たい雨の降る中でしたが、仕事で出かけておりました。どうもこのところ土日に仕事が入ることが多く、その代休を取るのが難しくなってたまりがちになっています。どこかで時間を作って取るようにしていかないと、労務管理的に色々面倒なことになりそうで厄介です。

 さて、イギリスのオックスフォード大学の学者が、コンピューター技術によって、今後10-20年程度で米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化される、という内容の論文を発表し、話題になっているそうです。『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』という、一見、「話題の本」とかの書店のコーナーで売られているそれっぽいハードカバー本みたいな表題ですが、ロボット技術、センサー技術、音声解析技術等の進化により、人間でないとできないとされていた仕事の多くがコンピューター制御でヒトに代わって機械ができるようになるのだとか。例えば自動車の自動操縦装置がタクシーやトラック運転手の職を奪い、保険やクレジットカードの審査など、いわゆるブラックリストや定型化した調査項目・判断基準で決める審査の仕事、スポーツの審判などもヒトがやらなくてもできるようになるそうです。
 今後10年で消える可能性の高い仕事のリストが上がっていたのでざっと観てみたのですが、なるほど、と思う分もある一方で、いやこれはなかなか消えないだろう、というものもあり、このへんは欧米人と日本人の違いなのかもしれないな、と思わずにはいられませんでした。
 たとえば車の運転技術は、純技術的にそれが可能になったとしても、道路交通法など関連する法律がたった10年で技術の進歩に追い付いてくるとはとても思えません。自動運転中の事故の責任は誰にあるのか、なんていうような重箱の隅つつきを片付けないと、我が国では解禁とはいかないでしょう。
 いっぽうで、既に実現しつつあるモノもあります。例えばスーパーのレジ係。これは既に大手スーパーではセルフサービスのコーナーがあり、係りの者が居なくてもできるようになっていますし、将来全ての商品にICタグでも付くようになれば、いちいちバーコードを専用のスキャナで読まなくても済むようになるでしょうから、早晩本当に必要無くなりそうです。ただ、メガネ・コンタクトレンズの技術者や義歯製作者というのはどうでしょう? 特に歯の方はそんな簡単に自動化できるんでしょうか? 可視光やCTなどで3Dで口の中をスキャニングしてその形状にあわせ義歯を3Dプリンタで作る、なんていう時代が来るのかもしれませんが、一発で使用者に違和感なく義歯をマッチングさせる事ができるようにはなかなか思えない事です。
 なにはともあれ、そういった自動化出来る仕事に対して、芸術などのクリエイティブな仕事はヒトでないとできないとのことで、今後はそういうスキルが必要になってくるそうです。まあこれなどは昔から言われているありふれた結論のようにも感じますが、さてどこまでを「芸術」の範疇に組み込むか、ですね。例えば巨大望遠鏡の反射鏡磨きは人の感覚でないとできないそうですが、ああいうデジタルで解析することが難しい職人芸などは、十分「芸術」の範疇に入りそうです。何かひとつ、そういったスキルを磨いておきたいものですね。

コメント
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