リンク先は2月10日開催の、第55回三重県新型コロナウィルス感染症対策本部会議の資料で、今回のブログの画像はそちらから引用しています。
先日、三重県のまん延防止等重点措置が3月6日まで延長されましたが、この資料から今の状況を考えてみませんか。
12月1日から2月9日までの陽性反応者全体に占めるワクチン接種歴の状況は、母数1万4138人に対して未接種者は4,554人で32.2%、1回以上接種者は合計で8,914人で約63%となっていて、1月20日の資料での割合よりも若干未接種者が増えたものの、比率はほぼ同じということを考えると、症状の程度はわからないのですが、ワクチン接種に感染予防効果がどの程度あったのかと考えます。
また、可能性として、ワクチン接種をされた方の中で無症状の方や非常に軽度の症状の方が、知らず知らずに感染を広げているかもしれないことは否定できないと思います。
入院等の状況を見ると、2月10日時点で全療養者数は6,115人、うち入院されている方は264人、その中で重症となっている方は4人となっています。この資料の時点のグラフを見ると、全療養者数の動きに対して重傷者用病床使用率は低いものとなっていますので、ワクチンには重症化を抑える効果があるだろうということが見えます。
同時に、現在流行しているウィルスの型が重症化リスクの低いものだから、このような形になっていることも考えられます。
年齢構成別入院患者の状況を見ると、264人の入院患者の方のうち、4人の方が重症、125人の方が中等症になっていて、10歳未満と10代の方はあわせて3%で人数で8人、60代以上の方はあわせて83%で人数で219人となっています。
ここで年齢別患者発生状況を見ると、1月15日以降、20歳未満の陽性反応者の割合は30%を占めていることを考えると、この年代での重症化リスクは言われているように低いことが予想されます。
懸念されるのは、高齢の方にとってのリスク判断を、すべての年齢に当てはめるような考えになっていないかということです。
医療県別患者発生状況を見ると、1月21日にまん延防止等重点措置が出されて2月10日までに、効果があったとみられるのは東紀州で、2月2日以降の動きを見ると減少しています。一方で、北勢と中勢伊賀と南勢志摩は右肩上がりのままになっていて、状況は大きく変わっていないのではないかと思われます。
まん延防止措置の効果を検証すべきでしょうし、もしかすると、視点を変えた取り組みの検討を早急にしたほうが良いのではないでしょうか。
これら三重県から公開されているデータですが、もう少し知りたい情報もあります。
ひとつは、ワクチン1回以上接種者の8,914人の方々についいて、年齢構成別の割合はどうなっているか、あわせて最終接種後の経過月数などもあればと思います。仮に、最後に接種してから3か月以内の方の割合が多いのであれば、ワクチンの有効性を考えるに当たって重要と思いますし、接種を済ませた方にとってもブースター接種を検討するにあたって有用な情報ではないでしょうか。
もうひとつは、やはり20歳以下の動向です。1月1日以降の総陽性者数とそれに対する症状の程度の割合、療養状況、重症者用病床使用の有無などについても数字を整理して、グラフ化してはどうかと思います。この数字がはっきり見えない中で、感染して陽性反応が出ることをもって、殊更に子どもの感染に対する危機感を煽ることはいかがなものでしょうか。
ワクチンに重症化予防に効果があるだろうということは見えていると思いますし、経口治療薬も海外だけでなく国内製薬会社製造のものもめどが立ってきている現在、浮足立ってヒステリックになったりパニックになったりせず、コロナウイルスについて冷静に考えることが大切ではないでしょうか。
2月8日時点での鈴鹿市のワクチン接種状況ですが、住民基本台帳から令和3年3月末日時点での総人口19万8353人のうち12歳以上は18万688人、そのうち2回接種の方は2月8日で86.59%の15万6456人です。
マスメディアで流れている情報は、客観的なようでいて実際は主観的だと思います。こうして公的に出されている情報に目を通して、日々流れている情報と比較して考える時間を少し持って頂くことが、もう2年近く影響下にある新型コロナを社会全体で考えることになると思いますし、その後の社会にも重要なことだと思います。
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