鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

部活動の地域移行に考えること

2022年10月12日 13時48分00秒 | Weblog

ここのところ、部活動の地域移行について質問されることがよくあるので、現時点の考えを書きます。

2013年の一般質問以降、たびたび一般質問で取り上げていますが、現時点で私は中学校部活動について「土曜、日曜、祝日は休みでよい」と考えています。そしてそれらの日で技術を高めたい生徒は、「クラブチームや学校外での大人の文化活動に参加できる」ようにしていくほうが良いと考えています。イメージにしている考え方は、2013年に提案した次の図の形です。

一般質問では他に、AGF鈴鹿体育館の大規模改修と合わせる形で、部活動の見直しを市に問いました。2015年6月は「②市立体育館休館時の対応について  (1) スケジュールについて (2) 中学校体育館の活用」の内容で、まず日曜日の中学校部活動を原則休みとすることを取り上げ、2017年6月質問では「②休館対応と中学部活の改善について  (1)AGF鈴鹿体育館休館中の対応は(2)中学校体育館の利用 ①日曜、祝日の部活動を休みに ②持続的に運用を」という形で、より明確に日祝日の部活動を休みにすることと、学校施設の開放を市に投げかけています。

今も日曜などについて、生徒の活動を単一の“ 部活 ”に縛る必要性はないと考えていますし、探求学習などの広がりや、地域活動への参加などを考えると、そのような余地をつくることのほうが大切で、なにより大切なことは「生徒の成長」という一言に集約されると考えています。

年齢を重ねることで、生徒・子どもは“ 心 ”も“ 身体 ”も成長し変化します。そのことも織り込みながら、部活を考えたほうがよいでしょう。

心について、学校での学びだけでなく、いろいろな手法で情報を得ることができることで知識も増え、考えることや考え方も変化するでしょうから、興味がいろいろな方向を向くことは自然なことだと思います。その興味を受け止める仕組みが地域社会にあるほうが、豊かな学び、成長につながるのではないでしょうか。つまり地域社会が豊かかどうかが問われるのですが、豊かであることはすべての人に意義があることにもなるはずで、政策として力を入れることに問題はないと思います。

身体について、骨格や筋力の成長は平等にあるものではないでしょう。その限界を自分で感じた時、他の可能性を選択できることは、逃げということではなく、自分の新しい可能性を探索できるという観点から、多様な活動に参加できることがあって良いと思います。例えば、好きなスポーツだけれども、身体的な理由で後ろ向きなってしまうというのであれば、戦術的な学びを深められるようにすることも考えられるのではないでしょうか。

そして顧問になったりする教員の方々ですが、“ 日曜と祝日の部活動は行わない ”と市が方針を明確にすれば、休みを取ることが容易になるはずです。ここで重要なことは、私たちも教員の方々の生活を尊重するという意識や考えを持つことで、それは相手のことを自分ごととして考えることです。

私は、顧問となる教員の方々も自分の時間や生活を大切にしてもらい、家族や大切な人との時間を過ごしてもらうほうが良いし、趣味があるのであれば趣味に充ててもらったり、地域活動やいろいろな学びへの参加など、心を休めることや自分の見聞を広げてもらえるようにすべきだと考えています。教員の人間的な充実や成長も、大切なことではないでしょうか。

また「部活動の地域移行」という表現ですが、鈴鹿市では教育委員会の教育指導課や、文化スポーツ部のスポーツ課が関係してくるところになります。ここでも個人的な考えですが、いったん「土曜、日曜、祝日を休みにする」と明確にした上で、市スポーツ協会や各種競技団体、文化活動を行っている方々などと意見交換を行い、さらに深めたい子のための場所づくりを考えるほうが合理的ではないかと思います。そうすれば、経済的に厳しい環境の子どもや生徒への支援も、多様な視点から考えられると思います。

そして「生徒が、やってみたいこと」や「生徒に、やってみてほしいこと」を下地にした、土・日・祝の活動メニューを揃えてはどうかと思います。例えば自分が考えることですが、本格的な職人の手前まで認めてもらえるようになる伊勢型紙の彫刻や、いろいろなお菓子をつくることや調理についても学べたり、普段は吹奏楽をしているけれども映画“スウィングガールズ”のようにジャズ演奏に取り組めたり、大人の楽団と一緒に練習機会が持ててそこに入ることが考えられたり、スポーツもデータ分析などが学べる機会があったり等々と想像すると、ワクワクするような気持ちを感じたりしないでしょうか。そのようなことも大切と思います。

最後に施設面ですが、学校の屋内運動場について「土曜、日曜、祝日」は、テスト期間中を除き基本的に部活で使用することが前提になっているのではないでしょうか。それを、それらの日を「休み」と明確にすることで、市民、地域内の住民が利用しやすくできると思います。あわせて、利用にあたって施設の維持管理のために使用料を頂くことにすれば、フロア床面のメンテナンスのための油性ワックス購入などのための予算を捻出しやすくなるはずです。

また、バリアフリー法施行後に建設された屋内運動場は、施設全体の仕様がバリアフリーが前提になっていることを考えると、広がっている障害者スポーツの鈴鹿市における活動拠点的な運用も考えられます。新たに建設は難しくても、既存の施設を活用してそのように利用できれば、市の価値も上がると思います。

文章で伝えきれていない部分も多くありますが、既存の価値の組み替えをしながら、新しい形にできる時期に入っていると考えています。片方で、伝えきれていなかった自分に歯痒さと力不足を感じていますし、国が動くまで動きがほとんどなかった市政に苛立ちも感じています。


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