「油団(ゆとん)」と聞いて、「そろそろ、そんな季節やねぇ~」な~んて思う人は、よほどの
旧家のええとこのおヒト。
まぁ~土花吉なんざぁ~一生、触ることはおろか、座ることも無かったであろう「油団」。
今年の寒かった3月ころに訪れた「旬味 泰平」。
そろそろ、その「油団」が敷かれ、障子も夏障子に入れ替えられた頃であろうと思い、わざわざ「油団」が
敷かれた座敷を予約し、Jr1を誘い3人でランチへ。
前回訪れた時の中庭の山法師も緑燃えゆ葉が生い茂る。
そして、いつもの粋な演出。。。
いよいよ、「油団」が敷かれた座敷に陣取り、その感触を楽しむ。
生まれて初めての感触。座布団を外し直に座ると、なるほど冷たさが体に伝わる。
油団は楮(こうぞ)の紙を何枚も張り合わせ、最後に表は越前和紙の鳥の子を貼る。
それに「荏(え)」の油を塗って乾燥させて完成。
裏面には強度を増すためと防虫効果の意味で柿渋を霧吹きで吹く。100年もつとされる「油団」、
そのお値段何とぉ?畳1帖あたり10万円とも言われる。(この座敷は 8帖なので80万円!)
「貴重な文化」の上に座らせてもらい、本日の食材は「キス」。
料理の仕方が異なるキスを3人それぞれがオーダーし、正しく魚へんに「喜ぶ」と書く「鱚」を楽しむ。
そしてデザートには特製プリンを。
昨日までとは打って変わり、気温高めの今日のランチタイム。
「涼は肌と目で感じるもの」 そんな、昔の人々が知恵を絞り考えられた空間での至福の一時。