ルイガノ旅日記

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アメリカ西部 グランドサークルをめぐる旅① ~ ザイオン国立公園

2018年11月02日 | 海外旅行
秋の深まりが感じられる10月下旬、アメリカ西部グランドサークルをめぐるツアーに参加し、息をのむような北米大陸の大自然を体験してきました。福岡空港から韓国インチョン国際空港で乗り継ぎ、アメリカへと私たちを運んでくれたのは、客席部分が縦に長い2階建てのエアバス380。


このアングルからだと総2階仕様になっているのがよくわかりますね。


インチョンからロサンゼルス国際空港まで概ね11時間、映画を4本観ながらのんびり過ごした機内。


最初に出されたチェリートマトのカプレーゼは、赤ワインにぴったりのおつまみ。2杯お替りしました


フルーツやチーズの盛り合わせにはデザートワインを。この日の晩酌はこれでおしまい (^-^)ゞ


入国審査にずいぶん時間がかかり予定より出発が遅れましたが、トム・ブラッドレー国際線ターミナルからバスで、LAからラスベガスに向けI-15(インターステイト15号)を一路北上。周囲は、カリフォルニア州からユタ州、ネバダ州、アリゾナ州にまたがる広大なモーハヴェ砂漠です。


約450kmの道のりをひた走って、日が沈む前にラスベガスに到着しました。


夕食後は、24時間眠らない街の目抜き通り、ストリップ(Las Vegas Blvd.)を散策。こちらは、ラスベガスを代表する豪華ホテルアンコール(Encore)とウィン・ラスベガス(Whynn Las Vegas)です。


上の写真右、ウィン・ラスベガスのきらびやかなカジノスペースで、ポーカーやスロットマシンをちょっと体験 (^-^)ゞ

(カジノは撮影不可なので、写真はありません)

こちらは二十数年前に宿泊したトレジャー・アイランド。このときは、ニューメキシコ州アルバカーキから飛行機で往復しました。ダウンタウンまで足を延ばして、フリーモントストリートのイルミネーション(当時はまだ始まったばかりでした)を見たり、50センチはあろうかというハーフヤードジョッキでビールを飲んだのも懐かしい思い出です。


明けて翌朝、ラスベガスを出発し引き続きI-15を北上しました。ユタ州に入ると、土地の起伏が大きくなり、カリフォルニアやネバダとは風景が少し変わったように感じられます。


大規模な土地の隆起や巨岩・奇岩が次々と現れ、日本では目にすることのない景観が目を楽しませてくれました。


ゴツゴツした岩肌。地層が斜めに走っている部分も多く見受けられます。


広い砂漠の中を通過する貨物列車をたびたび目にしました(左右に連なる黒い線のような部分)。これは燃料らしきものの貨車ばかりなので真っ黒ですが、一般の貨物列車はずっとカラフルです(笑)
日本では見られないほど大規模に貨車が連結されており(最大130両にもなることもあり、機関車3~5台で牽引するのも普通なんだとか)、先頭車両から最後尾までは、とてもカメラの画角に収まりきりません。


赤や緑の地層が積み重なって、さながらミニチュア版グランドキャニオンのようです。


ザイオンに近づくにつれ、岩肌の色彩があざやかになってきました。


サウス・エントランス(と言ってもゲートがあるわけではなく、エントランスフィーを徴収するチェックポイント)を通過し、いよいよザイオン国立公園へ。ヴァージン川に沿って公園内を走る道(Zion Canyon Scenic Drive)沿いには、存在感のある巨岩が連続します。


公園内は基本的に一般車両は乗り入れ不可で、入口のビジターセンターに駐車し、園内を周回するシャトルバスを利用するのだそうです。ザイオンロッジにバスを止め、周辺を散策しました。この日は観光客に加えて、地元の園児や小学生がピクニック。芝生広場は子供たちの歓声で賑やかでした。


ザイオン・ロッジ裏の岩壁は、夕陽があたったらさぞきれいだろうと思わせる赤さ。残念ながら、写真では色あいがはっきりしませんが・・・・・ (^-^)ゞ


ザイオンとは、旧約聖書に出てくる「聖なる山」という意味だそうです。


ロッジの後ろにそびえるのは、天使が舞い降りる岩「エンジェルス・ランディング(Angels Landing)」。今回はツアーだったので2時間程度の滞在だったのですが、もし時間があれば、この岩の頂上に登るエンジェルス・ランディング トレイルにも挑戦してみたいものです。往復5マイル、所要時間約4時間のちょっとハードな行程の先には、ザイオンキャニオンと白い王座(Great White Throne)の絶景が待っています。


再びバスへ。少し戻ってサウス・エントランスの手前から、東に向けてMt.Carmelを山越えします。Zion-Mount Carmel Highweyと呼ばれるこの道も、Zion Canyon Scenic Driveに劣らぬ絶景の連続でした。


この道は、ザイオン国立公園からブライス・キャニオンにアクセスするために作られたもので、それまでは直接行き来することはできなかったそうです。


ルートの一部では、Mt.Carmelの岩壁を削ったトンネル(Mt.Carmel Tunnel)を通過します。1930年7月4日(独立記念日ですね)の開通当時は、アメリカで一番長いトンネルでした(1.1マイル=1,760メートル)。


山頂付近を見ると、アーチ状の巨大な岩が目に入ります。グレートアーチと呼ばれるこの岩の上部はCanyon Overlookと呼ばれるトレイルになっており、歩いている人を見かけることもしばしばだとか。


トンネルに到るまでのZion-Mount Carmel Highwayは「つづら折り」の連続で、バスは見る見るうちに高度を上げていきます。写真中央付近、岩肌に穴が開いているのが見えるでしょうか。これは、Mt.Carmel Tunnelに開けられた窓なんです。


その窓からの眺め。景観を楽しむためではなく、空気穴として設けられたものだそうです。


トンネル内には、数ヶ所の窓が切ってあります。この窓からは、目の前の岩盤に手が届きそう (^-^)ゞ


トンネルを抜け、Mt.Carmelの東斜面へ。グランドキャニオンからザイオン、ブライスキャニオンに到る、一連の地層の積み重なりのことを「グランド・ステア・ケース」と言い、グランドキャニオンの最下層とザイオンの最上層、ブライスキャニオンの最下層とザイオンの最上層は、距離は離れていますが、それぞれ同じプレートに属しているそうです。


トンネルを出ると景色が一変したように感じられたのは、出口付近の地層がグランドステアケースの中央、白い層にあたっているためだったんですね。


ちなみに、茶色い層の部分は「チョコレート層」と呼ばれます。


チェッカーボード・メサと呼ばれるビューポイントの駐車場。チェッカーボードは後ろ側ですが、こちらの岩山もなかなか見応えがありました。


これがチェッカーボード・メサ(Checkerboard Mesa)。逆光のため見にくいですが、岩肌にチェッカーフラッグのような格子状のラインが入っています。雨や風による侵食、冬季、岩に侵入した水の凍結、その他様々な自然環境が作用し、長い年月を経てこのような不思議な模様が刻まれたのだそうです。


解説板のほうが格子模様や微妙な色あいがわかりやすいですね。


白い地層に覆われて、ホールケーキを重ねたようも見えます。この先にはイーストエントランスがあり、このあたりがザイオン国立公園の東の境界になります。公園内の道路は茶色く舗装されていますが、これは周囲の景観を損ねないための配慮だそうです。


アメリカ西部の大自然、グランドサークルを巡る旅。今回訪ねたのは、ザイオン国立公園、ブライスキャニオン、アンテロープキャニオン、モニュメントバレー、そしてグランドキャニオンです。絶え間なく作用する自然の力、気の遠くなるような長い年月が創り出した地球表面の荒々しくも繊細な姿。そのスケールの大きさ、荘厳で繊細な景観に感動し、感銘を受けた8日間でした。
また、ツアーでご一緒したお仲間には、100日を越える世界一周クルーズを楽しまれたご夫妻や1週間前までロンドンに滞在しておられた方、あるいは年に3・4回は海外に行かれるというご夫婦も多く、そうした方々から伺った貴重な体験談など、人とのふれあいが楽しく印象深い8日間でもありました。
写真や記憶を整理しながら記事をアップしていきますので、暫しのあいだお付き合いいただければ幸いです。

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