Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

被災者支援コンサート

2011年03月27日 | 身辺雑記
 昨日は東京交響楽団の定期に行ってきました。予定されていたユベール・スダーンが来日できなくなり、指揮者は小林研一郎さんに変更。プログラムもガラッと変わって、モーツァルトの「レクイエム」(「涙の日」まで)とベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」に。大震災の犠牲者を追悼する演奏会になりました。

 楽団長の挨拶が掲載されていました。「音楽は人々を感動させ、勇気づけ、傷ついた心を癒すことができる」、「私たち音楽家が」できることは「やはり演奏することなのだ」と書かれていました。表題は「今、わたしたちにできること」。わたしはこの演奏会をぜひとも成功させたくて駆けつけました。それも「今、わたしたちにできること」。

 東京交響楽団は本拠地のミューザ川崎が被害にあいました。半年程度は使用不可能なので、頭をかかえていると思います。小林研一郎さんは福島県いわき市出身。今の心労は並大抵ではないでしょう。自らも傷を負った人たちが集まって、被災者支援のために開いた演奏会。

 同じ日には被災地の仙台でも支援コンサートが開かれました。仙台フィルが開いた「第1回仙台フィルによる復興コンサート」。第1回と銘打ったところに並々ならぬ意気込みが感じられます。創立メンバーで初代常任指揮者、そして現副理事長であるかたが住職をしているお寺の境内で開かれました。プログラムはバーバーの「弦楽のためのアダージョ」など。ソプラノの管英三子さんが客演しました。

 チラシには「仙台市内の街かど、被災地でのコンサートを数多く開催してまいります」と書かれていました。被災地を回るなら活動資金が必要でしょう。同業者の全国各地のオーケストラはもちろんですが、わたしたち音楽好きも、バックアップする体制が組めないかと‥。

 最近、ドレスデン国立歌劇場のことが、しきりに思い出されます。2002年に中欧諸国を襲った大洪水。ドレスデンもその例外ではなく、エルベ川が氾濫して、歌劇場は被害を受けました。そのとき、たしか工場か倉庫を借りて、いち早く公演を始めました。歌劇場はそこの市民のもの。オーケストラも同じです。

 みなさん御存じと思いますが、ベルリンでは3月29日にシュターツカペレ・ベルリンとベルリン・フィルの合同コンサートが開かれます。シュターツカペレはバレンボイムの指揮でチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」、ベルリン・フィルはラトルの指揮でブラームスの交響曲第4番。会場(フィルハーモニー)での募金をふくめて、売り上げはユニセフを通して被災地に届けられるそうです。
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