平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

24 シーズンⅣ 第1話・2話

2006年09月15日 | テレビドラマ(海外)
 「24」シーズンⅣ 第1話(7:00)。

 CTUはエリン・ドリスコルの管理下にあり、ジャックは現場を離れ国防長官ヘラーのもとで働いている。
 そんなジャックが予算交渉で古巣にやって来る。
 ジャックが顔見知りなのは、クロエなど一部の人間。
 ここではジャック凄さが描かれる。
 現在のCTUは、ドリスコルがそうであるように官僚化している。
 縄張り争い、規則重視、自分の与えられた領域しかしない仕事、無事息災、熟練していないオペレーター。
 ドリスコルの判断が間違えば大変な事態に陥るのだが、当の彼女は人の意見を聞かずに危機意識も欠けている。
 実際、トマス・シェリクというテロリストも逮捕、尋問にもドリスコルよりジャックが機能した。
 送られてくるシェリクの潜伏先(クリーニング屋)の画像。ジャックはその画像を見てシェリクの居所を看破する。
 8時にテロ予告がされているにもかかわらず、手ぬるい尋問にジャックはシェリクの足を銃で撃って吐かせる。
 荒っぽいが、テロリストにはジャックの様なやり方が有効なのだということがわかる。
 第1話はぬるま湯のCTUを描いて、ジャックをキャラとして立たせた。
 同時にオードリーという愛する対象を見つけてぬるま湯状態のジャックも目覚めさせるというドラマも。
 実にうまいシナリオだ。

 第2話(8:00)。
 ここでもジャックを際立たせた。
 ジャックの後釜を勤めた現場の捜査官ロニーとの対比だ。
 ロニーは国務長官を誘拐され臨時にCTUで捜査することになったジャックに自分の領域を侵されるのではないかと思う。
 一方、ジャックにも枷。ジャックはロニーの命令下にあり独自で動けない。
 こんなふたりがテロリストのハッキングのことを知ったアンドリューというハッカーの保護に向かう。
 そしてロニーも一瞬の判断ミスから撃たれて死んでしまう。
 こうした対比でジャックを描いた。

 また、今回はテロリスト側のほころびも。
 テロリストのアラス家。
 その息子のベルースがテロのキイとなるカバンをアジトに運ぶのだが、彼のガールフレンドが浮気をしていると疑ってベルースを追い、テロリストのアジトを知ってしまうのだ。当然、テロリスト側もベルースのミスを察知。ベルースは父親に殴られ、ガールフレンドを呼び出すように言う。
 これが伏線としてどの様に繋がるのか?
 
 この様に「24」はアクションドラマだが、人物それぞれがドラマを抱えている。
 それは主に人間の弱さ。
 組織の中の保身、ガールフレンドのこと、家族のこと。
 これらが綻びとなって、事件を動かしていくから面白い。
 ジャックを動かしているのは、アメリカを思いテロリストを憎む心、テロリストを動かしているのは、アメリカという国家への憎しみだが。

 そして第2話のラスト。
 誘拐された国防長官ヘラーが、覆面をしたテロリストに銃を突きつけられる映像がインターネットで流される。そしてアメリカ批判。
 これはイラク戦争でテロリストたちが行ったのと同じ。
 こうした映像を作品に取り入れてしまう貪欲さはさすがアメリカのエンタテインメントだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする