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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

死ぬまでにしたい10のこと

2006年09月02日 | 洋画
 あと2ヶ月の命……。
 ガンを宣告されたアンが死ぬまでにしようと決めたことはこんなことだ。

 1.娘たちに毎日「愛してる」と言う。
 2.娘たちの気に入る新しいママを見つける。
 3.娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
 4.家族でビーチへ行く。
 5.好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
 6.思っていることを話す。
 7.夫以外の男の人とつきあってみる。
 8.誰かが私と恋におちるよう誘惑する。
 9.刑務所にいるパパに会いに行く。
 10.爪とヘアスタイルを変える。

 私たちは様々なしがらみを抱えて生きている。
 そのしがらみゆえに小さな冒険すらできずにいる。
 私たちは、とりあえず目の前の仕事や約束をこなして生きている。
 それゆえに自分が死ぬべき存在であることを忘れ、毎日を流されて生きている。

 しかし実際には、今という一つ一つの瞬間を自分の手で輝く瞬間に変えなければ何も起こらない。
 それをこの作品のアンは私たちに教えてくれる。
 彼女は一秒たりとも手を抜かず、家族にはもちろん自分自身にも力いっぱいの愛を注いだことで、100年生きても味わえない人生の喜びに出会えたのだ。

 1.娘たちに毎日「愛してる」と言う。
 2.娘たちの気に入る新しいママを見つける。
 3.娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。

 この3つの目標には泣ける。
 「愛している」と言う時、アンはどんな気持ちで言ったのだろう?
 メッセージを録音する時、アンはどんな気持ちだったのだろう?
 18歳になる娘の姿を見ることのできない苦しみ・哀しみ。
 そして、新しいママが見つかった時の気持ちはどんな気持ちだったのだろう?
 子供たちを見つめてくれる存在ができたことへの安心と、
 子供たちが自分以外を見つめる存在ができたことへの苦しみ・哀しみ。

 感情豊かな作品だ。
 ドラマで描かれる感情は複雑でなければならない。
 喜びや哀しみといった感情ひとつを描くだけでは大きな感動は得られない。
 この作品の「新しいママ」ができた時の様に「喜び」と「哀しみ」の感情が入り交じったものを描けた時に大きな感動を得られる。

 また、この作品の「瞬間瞬間を一生懸命生きよう」というメッセージでは感動できないが、「喜び」「哀しみ」という感情では涙できる。
 「瞬間瞬間を一生懸命生きよう」はある意味正論。
 しかし、そうしたくてもなかなか出来ないのが現実。
 反論もあるだろう。
 論理では人は感動できない。
 人の気持ちが感動を作る。
 この作品は、ドラマづくりのお手本でもある。
コメント
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