「男とか女とか意識しないで、仕事だけでつき合える。そういう便利で都合のいい奴は、お前以外に他にいないんだ」
ヘッドハンティングされて他の会社に行こうとする摩耶(高島礼子)に信介(阿部寛)が言った言葉。
この言葉を額面どおりにとらえるか、いつもの無器用さで本音を言えていないととらえるか、難しい所だ。
恐らくその両方なのだろう。
自分にとって摩耶がどんな存在なのか?
仕事の良きパートナーなのか?恋人なのか?
自分の気持ちを信介は理解できていない。決めかねている。
あるいはこんな考え方もできる。
もし仕事のパートナー以上であると摩耶に言ってしまえば、摩耶は誰も入れたことのない信介の場所に入ってくる。
摩耶は自分にとってかけがえのない存在だと信介は思っているが、自分の場所に入ってくるのを許すまでの存在ではない。
何かを得れば、何かを失う。
しかし、信介は両方失いたくない。
それが愛の告白でない「そういう便利で都合のいい奴は、お前以外に他にいないんだ」というせりふになった。
あるいは夏美(夏川結衣)のこと。
信介の中では、夏美もまだ恋愛の対象となっていないだろうが、ここで摩耶を受け入れてしまえば、夏美を失うことになる。
信介自身は意識していないだろうが、それが愛の告白を躊躇わせた。
信介はすべてを失いたくない子供なのだ。
それは彼の対人関係力にも現れている。
夫婦のもめ事を調整できなかった様に、信介の対人関係力は「未熟」だ。
信介の対人関係力で通用するのは、犬のケンちゃん。
それ以上の存在になると信介には、すべて不可解なのだろう。
それゆえ、これまで信介は人間に傷つけられてきたし、自分の世界を作り心をガードしてきた。
子供の信介は、この事態にどう対処していいかわからない。
さて、そんな信介の言葉を受け入れて、転職を断った摩耶。
摩耶のスタンスは、「恋愛」から「母性」に代わった。
というか自分の気持ちが母性であることに気がついた。
カーナビの指示では右折するところを信介の言葉を信じて直進した摩耶。結局信介の言っていた道は出来ておらず、通行止め。
そこで摩耶は言う。
「でも、こういうあなたのこと怒れないのよね~」
これは母性。
その他にも摩耶は様々な無器用な信介を目撃する。
千円札を入れても戻ってくる自動販売機と格闘する信介。
祖母が亡くなった摩耶に「お大事に」と言ってしまう信介。
これらの姿を見て、「無器用な恋人」「放っておけない子供」と見るかは、大きな分かれめ。
その無器用さにときめくか、守ってあげたいと思うかは大きな分かれめ。
そして決定的だったのが、信介の無器用な引きとめの言葉。
摩耶はあまりにも子供っぽい引きとめの言葉に母親の役割で行こうと決心した様だ。
今回の「結婚できない男」はかなり複雑な人の心情を描いた。
良き仕事のパートナーなのか恋人なのかがわからない男。
恋人として関わっていいのか、母親として関わっていいのかわからない女。
よく「友達」と「恋人」の境目はどこかという問いかけがなされるが、今回はそれをドラマにした。
1時間という時間では描ききれず、言葉足らずの感じもあったが。
さて、残るは夏美。(次回はみちるの話の様だが)
摩耶は「あなたには伝えておきたいと思って」と転職をめぐる信介との顛末を報告した。
これは「あなたはどうするの?」という問いかけ。
夏美の忠告には「また忠告ですか?」と言いながら、耳を傾けるようになった信介。
信介は夏美を頼り、受け入れるようになってきた。
一方、夏美も。
みちるが信介の母親に摩耶のことを紹介して心穏やかでない様子。
「あの人(摩耶)はあなたのことが好きです」と言った時の悲痛な顔。
この心のガードの固いふたりはどの様にして結びつくのか?
このままだと時間切れ、結びつかない気もしてきた。
ヘッドハンティングされて他の会社に行こうとする摩耶(高島礼子)に信介(阿部寛)が言った言葉。
この言葉を額面どおりにとらえるか、いつもの無器用さで本音を言えていないととらえるか、難しい所だ。
恐らくその両方なのだろう。
自分にとって摩耶がどんな存在なのか?
仕事の良きパートナーなのか?恋人なのか?
自分の気持ちを信介は理解できていない。決めかねている。
あるいはこんな考え方もできる。
もし仕事のパートナー以上であると摩耶に言ってしまえば、摩耶は誰も入れたことのない信介の場所に入ってくる。
摩耶は自分にとってかけがえのない存在だと信介は思っているが、自分の場所に入ってくるのを許すまでの存在ではない。
何かを得れば、何かを失う。
しかし、信介は両方失いたくない。
それが愛の告白でない「そういう便利で都合のいい奴は、お前以外に他にいないんだ」というせりふになった。
あるいは夏美(夏川結衣)のこと。
信介の中では、夏美もまだ恋愛の対象となっていないだろうが、ここで摩耶を受け入れてしまえば、夏美を失うことになる。
信介自身は意識していないだろうが、それが愛の告白を躊躇わせた。
信介はすべてを失いたくない子供なのだ。
それは彼の対人関係力にも現れている。
夫婦のもめ事を調整できなかった様に、信介の対人関係力は「未熟」だ。
信介の対人関係力で通用するのは、犬のケンちゃん。
それ以上の存在になると信介には、すべて不可解なのだろう。
それゆえ、これまで信介は人間に傷つけられてきたし、自分の世界を作り心をガードしてきた。
子供の信介は、この事態にどう対処していいかわからない。
さて、そんな信介の言葉を受け入れて、転職を断った摩耶。
摩耶のスタンスは、「恋愛」から「母性」に代わった。
というか自分の気持ちが母性であることに気がついた。
カーナビの指示では右折するところを信介の言葉を信じて直進した摩耶。結局信介の言っていた道は出来ておらず、通行止め。
そこで摩耶は言う。
「でも、こういうあなたのこと怒れないのよね~」
これは母性。
その他にも摩耶は様々な無器用な信介を目撃する。
千円札を入れても戻ってくる自動販売機と格闘する信介。
祖母が亡くなった摩耶に「お大事に」と言ってしまう信介。
これらの姿を見て、「無器用な恋人」「放っておけない子供」と見るかは、大きな分かれめ。
その無器用さにときめくか、守ってあげたいと思うかは大きな分かれめ。
そして決定的だったのが、信介の無器用な引きとめの言葉。
摩耶はあまりにも子供っぽい引きとめの言葉に母親の役割で行こうと決心した様だ。
今回の「結婚できない男」はかなり複雑な人の心情を描いた。
良き仕事のパートナーなのか恋人なのかがわからない男。
恋人として関わっていいのか、母親として関わっていいのかわからない女。
よく「友達」と「恋人」の境目はどこかという問いかけがなされるが、今回はそれをドラマにした。
1時間という時間では描ききれず、言葉足らずの感じもあったが。
さて、残るは夏美。(次回はみちるの話の様だが)
摩耶は「あなたには伝えておきたいと思って」と転職をめぐる信介との顛末を報告した。
これは「あなたはどうするの?」という問いかけ。
夏美の忠告には「また忠告ですか?」と言いながら、耳を傾けるようになった信介。
信介は夏美を頼り、受け入れるようになってきた。
一方、夏美も。
みちるが信介の母親に摩耶のことを紹介して心穏やかでない様子。
「あの人(摩耶)はあなたのことが好きです」と言った時の悲痛な顔。
この心のガードの固いふたりはどの様にして結びつくのか?
このままだと時間切れ、結びつかない気もしてきた。