goo blog サービス終了のお知らせ 

平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

マイ★ボス マイ★ヒーロー 最終回

2006年09月17日 | 学園・青春ドラマ
 最終回。マッキーはみんなの中にしっかり生きていた。
 やくざであることがわかっても「マッキーはマッキー」(by桜なんとか)。
 「彼があなたたちを変えたこと、あなたたちが彼を変えたことは変わらない」(by鉄仮面)。
 そう、3年A組の中ではクラスメイトで学級委員の榊真喜男はずっと生きていて、これからも生き続けるのだ。友情は変わらないのだ。
 そして真喜男も。
 高校生活が与えてくれたことは彼の心の中に生きている。
 3年A組の卒業証書。
 真喜男はまだ物足りなくて、宙船学園に行くようだけど。

 この作品の面白さは何だろう?
 ひとつは何といっても真喜男のふたつの顔。
 若頭と高校生。
 真喜男の家を訪れた桜小路(手越祐也)とひかり(新垣結衣)。
 ひかりたちの前ではマッキーだが、和弥(田中聖)や鋭牙会の組員が何かを言うと若頭になる。それに怯える桜小路とひかり。
 くるくる変わる長瀬智也の演技が面白い。
 また真喜男のふたつの顔は描かれる人間関係を倍にした。
 学校では、友達(桜小路)、女友達(萩原さん)、敵対する友達(星野くん、キモロン毛くん)、恋人(ひかり)、教師(南先生)、心の師(水島先生)、敵対する先生(芥川教頭)。
 若頭では、父親、敵対する弟、絶対服従の舎弟、敵対する北極会。
 これだけバリエーションに富んだ人間関係を作り出せた。
 それがこの作品を豊かな作品にした。 

 ふたつめの面白さは妄想モード。
 今回は「前向き」。
 ・榊君がやくざなんてこと「ないっ、ないっ」
 ・入れ墨は蒙古斑。「あいつ、いつまでもケツが青い」
 ・28歳。「年上の人ってかっこいい」
 いずれも真喜男の前向きな妄想。
 妄想が終わって、「んなこと、あるわけないだろーーっ!!」と自分で突っ込みを入れることになるが。 
 
 3つめは「青春」「学園ドラマ」。
 この作品が描いていることは正統派学園ドラマ。
 しかし、これをストレートにやってしまってもつまらない。どこか嘘がつきまとう。
 「作り物、きれいごと」「こんなこと現実にはありえねえ~」
 この作品はそれを最初から「嘘」にしてしまったことでクリアにした。
 ヤクザの若頭が高校に入ってくるなんて現実にはあり得ない。
 最初からこの物語は「嘘」なんだと視聴者に呼びかけているから、中で描かれていることも「まあ、あり得るかもしれないな」とすんなり入っていける。
 そして、「マイボス」で描かれている青春は実は誰もが心の奥底で理想として思い描いていること。
 『学園祭でのクラス揃っての演奏、誕生日のケーキ、号泣』
 現実にはあり得ない。でも、心では求めている。
 「嘘」から入って、描かれていることを「嘘」でなくしてしまう。
 うまい仕掛けだ。

 青春物はストレートな若者の感情を描くものだが、ストレートにそれを描くのは難しい時代になっている様だ。
「マイ★ボス マイ★ヒーロー」は昔懐かしい「青春学園ドラマ」を見事に描いてくれた。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする