「トリック 劇場版2」大まかなあらすじは下記のとおり。
「自称・売れっ子奇術師の山田奈緒子は、物理学教授の上田次郎と筐神島に乗り込んだ。例のごとく、ひとりでは恐かった上田が奈緒子を巻き込んだのだ。事の発端は、上田の研究室に、“どんと来い、超常現象”を持った青年が現れたこと。10年前、彼の幼なじみを連れ去ったという筐神佐和子に会うべく、島へと入ったふたりは、佐和子による数々のスペクタクルな奇蹟を目にする。佐和子の霊能力は本物なのか?最強の霊能力者を前にした奈緒子と上田の運命やいかに」(goo映画より)
起こる超常現象は下記のとおり。
1.せり上がる大岩
2.箱の中に入れると消える指輪
3.何もない箱から現れる霊能力者
4.燃えた棺桶から生還する霊能力者
5.消える村
いずれの現象にも手品を使ったトリックがある。
それを見破っていく奈緒子と上田の図式も変わらない。
トリックを見破っていく過程に考え抜いた推理もサスペンスもない。
この作品の魅力って何だろう?
一見驚く超常現象を説明してしまうトリック。
奈緒子と上田のかけ合い。
それらがふんだんに盛り込まれた独特の世界。
その世界に浸ること。
それ以外の感動とか共感を求めてはいけない。
かろうじて犯人になる霊能力者の心の中がドラマになるのだが、説明されるだけで「そうだったのか」「それだったらそんな行動をするのもしょうがないよね」といった感想しかもてない。
今回の霊能力者・佐和子の心のドラマもそう。
たくさんの人間に裏切られてきたという佐和子。
その結果、家族も崩壊し娘も捨てた。
その復讐のために彼女は詐欺まがいの行為をしている。
過去、汚いことに手を染めてきたこともあり、実の娘に母親だと名乗ることもできない。
過去、松本清張などの推理作家が追及しまくってきた犯行動機などは、あまり興味がないようだ。
あるのはひたすら「華麗なトリック」と「ギャグ」。
実にドライだ。ウエットな部分がない。
それだけで良しとするかどうかが、この作品を評価する分かれ目。
私は少し飽きてきた。マンネリ。
奈緒子も上田も相変わらずで、変わったりすることがない。
★最後に提幸彦演出、薪田光治脚本について
通常の作品であれば、普通に描くところにプラスアルファをつけ加えるのが蒔田脚本。
例えば、30数を数える少年はいつも27、17、7を省略する。それをいっしょにいる人間が突っ込む。
「彼女は私の108人目の弟子なんですよ」と上田が言って、「私は除夜の鐘か」と奈緒子が言う。
ともかくプラスアルファを加えていく。
それは堤演出も同じ。
ともかく普通の画面を作らない。壁に張ってある習字の文字など、全部遊んでいる。画面の密度がマニアックに濃いのだ。
また、箱の中にある奇怪なモジャモジャの生き物、美沙子(堀北真希)の目から出る星なども面白い。やりすぎると鼻につくが。
これらに加えて、先程書いたドライなドラマづくり。
明らかにドラマツルギーが違う。
★今回の超常現象について
(以下、ネタバレです)
・せり上がる大岩……滑車
・消える指輪
指輪を結んだ糸の先にゴムがついていて、上着の袖口から引き上げる。同時にダミーの糸を垂らす。
・箱から現れる霊能力者……箱を組み立てる前の壁の後ろにへばりついている。
・棺桶から生還する霊能力者……大きな布を掛けられた時に脱出している。
・消える村……鏡の利用、もしくは村に至る道の偽装。
「自称・売れっ子奇術師の山田奈緒子は、物理学教授の上田次郎と筐神島に乗り込んだ。例のごとく、ひとりでは恐かった上田が奈緒子を巻き込んだのだ。事の発端は、上田の研究室に、“どんと来い、超常現象”を持った青年が現れたこと。10年前、彼の幼なじみを連れ去ったという筐神佐和子に会うべく、島へと入ったふたりは、佐和子による数々のスペクタクルな奇蹟を目にする。佐和子の霊能力は本物なのか?最強の霊能力者を前にした奈緒子と上田の運命やいかに」(goo映画より)
起こる超常現象は下記のとおり。
1.せり上がる大岩
2.箱の中に入れると消える指輪
3.何もない箱から現れる霊能力者
4.燃えた棺桶から生還する霊能力者
5.消える村
いずれの現象にも手品を使ったトリックがある。
それを見破っていく奈緒子と上田の図式も変わらない。
トリックを見破っていく過程に考え抜いた推理もサスペンスもない。
この作品の魅力って何だろう?
一見驚く超常現象を説明してしまうトリック。
奈緒子と上田のかけ合い。
それらがふんだんに盛り込まれた独特の世界。
その世界に浸ること。
それ以外の感動とか共感を求めてはいけない。
かろうじて犯人になる霊能力者の心の中がドラマになるのだが、説明されるだけで「そうだったのか」「それだったらそんな行動をするのもしょうがないよね」といった感想しかもてない。
今回の霊能力者・佐和子の心のドラマもそう。
たくさんの人間に裏切られてきたという佐和子。
その結果、家族も崩壊し娘も捨てた。
その復讐のために彼女は詐欺まがいの行為をしている。
過去、汚いことに手を染めてきたこともあり、実の娘に母親だと名乗ることもできない。
過去、松本清張などの推理作家が追及しまくってきた犯行動機などは、あまり興味がないようだ。
あるのはひたすら「華麗なトリック」と「ギャグ」。
実にドライだ。ウエットな部分がない。
それだけで良しとするかどうかが、この作品を評価する分かれ目。
私は少し飽きてきた。マンネリ。
奈緒子も上田も相変わらずで、変わったりすることがない。
★最後に提幸彦演出、薪田光治脚本について
通常の作品であれば、普通に描くところにプラスアルファをつけ加えるのが蒔田脚本。
例えば、30数を数える少年はいつも27、17、7を省略する。それをいっしょにいる人間が突っ込む。
「彼女は私の108人目の弟子なんですよ」と上田が言って、「私は除夜の鐘か」と奈緒子が言う。
ともかくプラスアルファを加えていく。
それは堤演出も同じ。
ともかく普通の画面を作らない。壁に張ってある習字の文字など、全部遊んでいる。画面の密度がマニアックに濃いのだ。
また、箱の中にある奇怪なモジャモジャの生き物、美沙子(堀北真希)の目から出る星なども面白い。やりすぎると鼻につくが。
これらに加えて、先程書いたドライなドラマづくり。
明らかにドラマツルギーが違う。
★今回の超常現象について
(以下、ネタバレです)
・せり上がる大岩……滑車
・消える指輪
指輪を結んだ糸の先にゴムがついていて、上着の袖口から引き上げる。同時にダミーの糸を垂らす。
・箱から現れる霊能力者……箱を組み立てる前の壁の後ろにへばりついている。
・棺桶から生還する霊能力者……大きな布を掛けられた時に脱出している。
・消える村……鏡の利用、もしくは村に至る道の偽装。