平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

風林火山 第29回 「逆襲!武田軍」

2007年07月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 人の心が闇や迷いから解放される時、ドラマになる。
 戦いで劣勢から大逆転する時、ドラマになる。
 今回はこのふたつのドラマが爆発した。

★まずは晴信(市川亀治郎)。
 「連戦連勝のおごり」
 「負ける事への恐怖」
 「許しても反旗を翻してくる敵」
 これらから自分を見失っていた晴信。
 そして上田原の合戦で武田は板垣(千葉真一)、甘利(竜雷太)の両雄を失った。
 板垣と甘利は死をもって大事なことを伝える。
 自分たちは晴信を信じていること。
 晴信は決してひとりではないこと。
 ひとつに繋がった心こそ一番強いものであること。
 そこで晴信が得た詞とは……

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」

 人と人との心を繋ぐのは、情け。
 繋がった心は最強。
 裏切ることはない。信じた人のために懸命に闘う。
 現に諏訪衆は晴信を(晴信が掲げた諏訪神号旗を)信じて、先陣を希望してきた。

 迷っていた晴信は、敵に仇ばかりをなしていた。
 許しても再び裏切ってくる敵。
 二度と反旗を翻さないために晴信は見せしめの虐殺を行う。
 しかし、それは恐怖による一時的な服従でしかない。
 信頼で結ばれた関係こそ強いものなのに。
 晴信は「反旗を翻してくる者と自分は信頼を築けなかった」「情けの心が足りなかった」と思い至らない。
 恐怖による服従の道を選んだ。
 しかし板垣らの死によって気づく。

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」

 「大望を持て」という言葉と共に素晴らしい言葉だ。
 こういうメッセージは大河ドラマでなければ描けない。
 闇から脱した晴信の心のドラマも素晴らしい。
 今後、晴信は信頼・情けを第一にして家臣や国の者たちと関係を結んでいく。
 これが武田軍団の強さになる。

★そしてもうひとつのドラマは信濃守護・小笠原長時(今井朋彦)とのいくさ。
 前回、村上義清(永島敏行)に負けているだけにこの勝利はカタルシスになる。
 小笠原長時が武田を舐めきって油断しているだけに、奇襲が成功した時、快哉を叫びたくなる。
 晴信の復活と共に描かれたため、さらにカタルシスが大きくなった。


コメント
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