平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

めちゃイケ 矢部浩之破局

2007年07月01日 | バラエティ・報道
 矢部浩之の破局会見を番組にしてしまう「めちゃイケ」。
 笑いに貪欲だ。
 また、各局ワイドショーでも取り上げられた会見の舞台裏を見せるという仕掛けもすごい。さぞ視聴率がとれたことだろう。何しろ各局ワイドショーがその番組宣伝をやってくれているわけだから。

 「めちゃイケ」はドキュメンタリーふうバラエティを得意とする。
 今回もそうだ。
 矢部が「プロポーズを断れました」「別れることになりました」と告げて「めちゃイケ」メンバーのリアクションが描かれる。これがどこまで作り込まれものかはわからないが、矢部の言葉を聞いたメンバーのリアクションは「素」。
 この「素」のリアクションというのは面白い。
 普段、芸人・タレントさんはリアクションを自分のキャラに合うように作っている。
 だから「素」の姿が見られるのは面白い。
 固まってしまう雛形あきこや「おまえ、これを笑いにしちゃいけないぜ」という加藤浩次はかなり素だろう。(深刻な話になっている時に子供たちが勝手しだして加藤が叩くのも加藤らしい。有野の子供まで叩いてしまう)
 おまけにこれらのリアクションの後で、矢部が「何しとるねん」「かっこ悪い」と突っ込まれる。
 これでオチになる。
 見事なドキュメンタリーふうバラエティだ。

 そして記者会見。
 前田宙明らの真面目な質問。
 「女性の15年というのは大事なもの。その責任をどう考えているのか?」
 「彼女の親はこの会見を見てどう思うのか?」
 まさにドキュメンタリーふうバラエティの最大の見せ場。
 これらの質問はこれまで番組が描いて来た内容を否定されかねない内容。
 視聴者は別れた矢部の彼女の気持ちに思いを馳せる。
 この番組や矢部自身が否定されかねない微妙なバランスが面白い。
 矢部が真摯に答え、岡村がギャグで重くなる空気を軽くする。
 ドキュメンタリーふうバラエティならではの緊張感。
 作られたものでないバラエティの緊張感。

 ラストは矢部の彼女・仁美ちゃんからの手紙。
 「別れた本当の理由は、結婚して矢部が普通のつまらない芸人になってしまうのが嫌だったから」
 この手紙は仕込まれたものかどうかはわからないが、これで今回描いてきたことが一応正当化される。
 すなわち「自分たちの破局を笑いにした矢部を彼女は支持する。芸人・矢部浩之、よくぞやってくれた」

 ドキュメンタリーふうバラエティを作り出したという点で「めちゃイケ」は素晴らしい。
 しかし芸人やその家族というのは大変ですな。土曜8時をキープするということはそういうことかもしれないけれど。


コメント
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