平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

探偵学園Q 第1話

2007年07月05日 | 推理・サスペンスドラマ
 まずはキャラクター紹介。
 「謎の金髪外国人を尾行せよ」
 その過程でQクラスの面々のキャラクターを描き出す。
 特殊能力や性格、弱点も含めて。
 事件の中での説明って効果的だ。わくわくして作品世界に入れる。
 おまけに金髪女性が学園の講師でもある七海光太郎(山本太郎)の変装だったというサプライズ。
 掴みとしてはOK。

 中盤は捜査。
 密室での殺人。死体のそばに部屋の鍵。
 被害者の人間関係を探っていく中で、ミステリーの構想ノートに書かれた内容によって事件が進行していることがわかるが、第2の殺人が起きる。
 それはノートに記されたとおりの切断殺人と死体消失。
 主人公のキュウ(神木隆之介)たちは、この一連の事件はこの構想ノートを書いた高校生ミステリー作家・西村しずかの呪いによるものだと言われる。しずかは学校で転落死をした。
 また、しずかが残した幻の作品があることも。

 ミステリー作品での中盤の役割は被害者をめぐる人間関係や新事実(犯人の偽装を含めて)、新たな事件(第2、第3の殺人)を描くことにある。
 また、この作品ではQクラスの面々の抱えている問題や考え方が掘り下げられた。
 例えばキュウはやさしくみんなで事件を解決していこうとするタイプ。
 紅一点メグ(志田未来)は瞬間記憶能力を持つが、諸刃の剣。焼きつかれた忌まわしい事件の記憶が彼女をむしばむ。
 天才的な頭脳を持ちながら人と馴れ合うことを嫌う、クールなリュウ(山田涼介)はキュウとは対照的な存在。彼が相対する意見を言うことで主人公キュウのキャラクターが出て来る。
 その他にもコンピューターを操る天才少年・財閥御曹司でプチ富豪探偵の数馬(若葉克実)や武道十段のクラス最年長のキンタ(要潤)らの描写も。

 そしてラストは謎解き。

 以下、ネタバレ。

 まず密室のトリックは犯行現場の床が傾いていることにあった。
 犯人は鍵をボール状にした氷の中に入れ、転がした。
 次に遺体切断は偽装。
 段ボールに上半身、下半身を隠してあたかも切断されたように見せかけた。
 そして車の爆破を起こし、刑事たちが現場を離れた隙に逃亡。
 トリックとしてはまあまあか。

 そして大団円は犯人の動機。
 ここでもキュウとリュウは対照的な存在。
★殺された高校生作家しずかの復讐を動機とするキュウ。
★しずかの残した幻の作品を自分のものにするために。作品のことを知っている人間を殺していったとするリュウ。
 ここがドラマポイント。
 ミステリー作品では動機がドラマになるが、動機を裏と表、両方用意したことはすばらしい。視聴者に考えさせる点も好感が持てる。

 そしてさらにラスト。
 作者はビッグサプライズを用意した。
 すなわち犯人が行ってきたことは、冥王星という謎の男が催眠術で仕組んだことだと。
 これでシリーズを貫く縦糸が見えてきた。

★追記
 この作品では志田未来のコスプレはサービスシーン。
 メイド服に浴衣姿。
 「教師は保身ばかりだ」と言ったシーンは「わたしたちの教科書」の明日香を思わせた。


コメント
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