映画「推定無罪」で主人公・ラスティ(ハリソン・フォード)が直面した現実。
その現実は偶然と様々な意思が錯綜して作り上げられていて、実にリアリティがある。
有能な検事ラスティが部下である美人検事補キャロリン(グレタ・スカッキ)殺人事件の犯人にされたのはこんな理由からだ。
★彼がキャロリンと不倫関係にあったこと。
★新しい恋人が出来、キャロリンから別れようと言われていたこと。
★事件当日、別れ話を白紙にするためにラスティが彼女の家の前で待っていたこと。
★殺害現場にラスティの指紋のついたグラスがあったこと。
★殺人が変質者による暴行によって行われたと見せかけるための偽装がなされていたこと。(=犯罪に精通した者の犯行)
★ラスティが事件の捜査を性犯罪者だけに絞らせたこと。
果たしてラスティは検挙され、裁判が始まる。
ラスティと弁護士は、殺されたキャロリンが収賄事件を追っていて、そのせいで殺されたと主張するが、判事はその立証には懐疑的で却下する。
そうこうしていく内に有力な証拠である指紋のグラスが紛失。
またキャロリンは避妊手術を受け子供を産めない体であることがわかり、検察が立証したかったラスティによる偽装が根拠のないものであることが判明する。
この過程が実に混沌としている。
★まず収賄事件は、ラスティの上司で地方検事レイモンドやこの裁判の判事が関わっていたものだったこと→それゆれ裁判で却下された。
★次になくなった指紋グラスだが、これはラスティの無罪を信じる刑事が保管庫から盗み出したためであること。
様々な意思が錯綜して、事件を複雑にしている。
そう、現実はひとつの意思で作られているのではなく、様々な人の思惑、意思が絡み合って作られているのだ。
そのことをこの作品は観客に教えてくれる。
今までのエンタテインメントは単純すぎた。
また当初、観客は検察による「でっち上げ」「冤罪」だろうと思って見ているが、それはミスリード。観客は裏切られ複雑な現実を目の当たりにするわけだ。
この辺の裏切り方もいい。
そして推定無罪、情況証拠だけのラスティは無罪を勝ち取る。
めでたし、めでたし。
しかし、ここで観客はさらに驚くべき事実を知ることになる。
まずラスティの冤罪が晴れたのはいいが、一体真犯人は誰なのか?
収賄事件に関わった上司なのか?
それがはっきりしない。
そして明らかになる真犯人。
以下、ネタバレ。
衝撃の事実!
果たして真犯人はラスティの妻バーバラだった。
動機は嫉妬。
指紋のついたグラスはラスティが自宅で飲んだグラスを犯行現場に置いてきた。
キャロリンが引っ越してきた時に同じ種類のグラスをお祝いでプレゼントしたのだ。キャロリンの体に残された精液は夫とのセックスで得たものを冷凍保存したものを使用した。
真相はこうである。
それまでが混沌としている分、犯人ひとりの意思で貫かれているクリアな真実を見せられるとスッキリする。
これがエンタテインメントの構成だ。
物語の仕掛けとしては、上司、判事による収賄などの余分な要素を取り去った後に明らかにある真実という形式をとっている。
真相を複雑にして覆い隠す「偶然」や「様々な人の思惑」「関係のない別の事件」。
これをミステリーの作劇として覚えておきたい。
その現実は偶然と様々な意思が錯綜して作り上げられていて、実にリアリティがある。
有能な検事ラスティが部下である美人検事補キャロリン(グレタ・スカッキ)殺人事件の犯人にされたのはこんな理由からだ。
★彼がキャロリンと不倫関係にあったこと。
★新しい恋人が出来、キャロリンから別れようと言われていたこと。
★事件当日、別れ話を白紙にするためにラスティが彼女の家の前で待っていたこと。
★殺害現場にラスティの指紋のついたグラスがあったこと。
★殺人が変質者による暴行によって行われたと見せかけるための偽装がなされていたこと。(=犯罪に精通した者の犯行)
★ラスティが事件の捜査を性犯罪者だけに絞らせたこと。
果たしてラスティは検挙され、裁判が始まる。
ラスティと弁護士は、殺されたキャロリンが収賄事件を追っていて、そのせいで殺されたと主張するが、判事はその立証には懐疑的で却下する。
そうこうしていく内に有力な証拠である指紋のグラスが紛失。
またキャロリンは避妊手術を受け子供を産めない体であることがわかり、検察が立証したかったラスティによる偽装が根拠のないものであることが判明する。
この過程が実に混沌としている。
★まず収賄事件は、ラスティの上司で地方検事レイモンドやこの裁判の判事が関わっていたものだったこと→それゆれ裁判で却下された。
★次になくなった指紋グラスだが、これはラスティの無罪を信じる刑事が保管庫から盗み出したためであること。
様々な意思が錯綜して、事件を複雑にしている。
そう、現実はひとつの意思で作られているのではなく、様々な人の思惑、意思が絡み合って作られているのだ。
そのことをこの作品は観客に教えてくれる。
今までのエンタテインメントは単純すぎた。
また当初、観客は検察による「でっち上げ」「冤罪」だろうと思って見ているが、それはミスリード。観客は裏切られ複雑な現実を目の当たりにするわけだ。
この辺の裏切り方もいい。
そして推定無罪、情況証拠だけのラスティは無罪を勝ち取る。
めでたし、めでたし。
しかし、ここで観客はさらに驚くべき事実を知ることになる。
まずラスティの冤罪が晴れたのはいいが、一体真犯人は誰なのか?
収賄事件に関わった上司なのか?
それがはっきりしない。
そして明らかになる真犯人。
以下、ネタバレ。
衝撃の事実!
果たして真犯人はラスティの妻バーバラだった。
動機は嫉妬。
指紋のついたグラスはラスティが自宅で飲んだグラスを犯行現場に置いてきた。
キャロリンが引っ越してきた時に同じ種類のグラスをお祝いでプレゼントしたのだ。キャロリンの体に残された精液は夫とのセックスで得たものを冷凍保存したものを使用した。
真相はこうである。
それまでが混沌としている分、犯人ひとりの意思で貫かれているクリアな真実を見せられるとスッキリする。
これがエンタテインメントの構成だ。
物語の仕掛けとしては、上司、判事による収賄などの余分な要素を取り去った後に明らかにある真実という形式をとっている。
真相を複雑にして覆い隠す「偶然」や「様々な人の思惑」「関係のない別の事件」。
これをミステリーの作劇として覚えておきたい。