平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

山田太郎ものがたり

2007年07月07日 | 学園・青春ドラマ
★物事を広げるキャラとまとめるキャラがいる。

 池上隆子(多部未華子)は広げるキャラ。
 山田太郎(二宮和也)は超貧乏。
 しかし隆子は大金持ち、どこかの国の王子様だと思っている。
 このことを隆子は広げる。
 深夜の道路工事のバイト。隆子はお金を稼ぐことの大変さを学ぶためにお父様からやらされていると勝手に勘違いする。
 横綱コロッケの争奪戦のためにスーパーにいる太郎を自分があまりに好きなために見てしまったまぼろしだと思う。
 挙げ句の果てに自分があげた横綱コロッケの弁当を必死に追いかける太郎の姿を自分への好意と勘違いしてしまう。

 一方、御村託也(櫻井翔)はまとめるキャラ。
 太郎のことをなぜか気になる存在だと思い、追いかける。
 何度か見失うが最後には太郎の家をつきとめ、貧乏であることを知る。
 王子様でないことを知る。
 太郎のイメージを拡散する隆子とは逆の立ち位置だ。

 このふたりのリアクションの違いが物語に幅を持たせる。
 そして今後、物語は太郎、託也、隆子の三角関係で進行していきそうだ。
 勝手に好意を膨らませていく隆子。
 太郎の友達だと言われて悪い気がしない託也。(どことなくボーイズラブのにおいがする)

★さて今回のドラマは「横綱コロッケ」の争奪戦。
 太郎は誕生日の妹のためにがんばる。
 主人公が努力する対象が「コロッケ」というのは、おバカドラマの領域だが、これが誕生日の妹のためという所でTBSの真面目さを感じる。
 この辺は日テレの「マイ★ボス マイ★ヒーロー」と比べて見ると面白い。
 「マイ★ボス」ではアグネスプリン争奪戦。プリンをゲットするために主人公・真喜男は空を飛ぶ。ぶっ飛び方では日テレの方が上だ。
 なお、この作品「山田太郎ものがたり」では、コロッケをゲットした太郎に妹が「あんちゃんが食べて」と言うシーンがあるが、ちょっと泣かせる。
 それはコロッケを手に入れるために奮闘する太郎の姿を見せられているから、妹のこの言葉が立ってくるのだ。

 それにしても何と自分の欲望に忠実な人たち。
 太郎はコロッケのために、隆子は玉の輿のために奮闘する。
 このわかりやすさがいい。
 一方、彼らと対照的なのが託也。
 彼は満たされすぎているのかな? 自分が何を望んでいるのかがわからない。
 この辺のキャラクターのメリハリが面白い。
 今後、託也が変わっていく気がする。
  
★追記 
 お金持ち高校に貧乏キャラが入学。
 「花ざかりの君たちへ」もそうだが、「花より男子」のテイストがここにも見られる。この点で「花男」は偉大なシリーズであった。
 二番手の作品はどうしてもパイオニアの作品と比較して見られてしまうのだが、この作品は「花より男子」を越えられるか?

★追記
 太郎は嗅覚が鋭い。
 朝食の干物、横綱コロッケの匂いを嗅ぎ分ける。
 これが隆子をときめかせる仕掛けであるのもいい。
 設定・キャラクターが見事に活かされている。 


コメント
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