平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

龍馬伝 第1回「上士と下士」

2010年01月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 龍馬(福山雅治)の幼年時代。
 一概には言えませんが、人間の人格というのはこの時期に形成されるものなんですね。
 まずは愛情。
 龍馬は母・幸(草刈民代)を始め、父・八平(児玉清)、姉・乙女(土屋太鳳)などたくさんの人の愛情を受けた。
 母は龍馬を肯定し、父、姉は厳しく叱咤して愛する。
 龍馬の場合はこの母たちから受けた<愛情の貯金>が後の人格を作った。
 愛情の貯金が多かったから彼は憎しみに走ることがなかった。

 龍馬の人格を作ったもうひとつは<上士>。
 愛情の世界でまどろんでいた龍馬が触れた唯一の矛盾に満ちた現実。
 <同じ人間なのになぜ下士は虐げられるのか。なぜ差別があるのか>
 龍馬の人生はこの現実に立ち向かう所から始まった。
 人は現実に立ち向かう時、様々な方法をとる。
 岩崎弥太郎(香川照之)はおのれの頭脳・才覚でそれを打破しようとする。
 後のことになるが、武市半平太(大森南朋)や岡田以蔵(佐藤健)は武力でそれを打破しようとする。
 そして龍馬は……?
 彼がその方法を見出すにはもう少し年月が必要なようだが、母親のやり方が大きく心に残っているようだ。
 それは岩崎弥太郎のやり方と共にかなりの独創、独自の道。
 そして、その独自の道の下地は幼年時代に作られていた。

 初回としては上手い作りでしたね。
 母親のエピソードを活用して上手くまとまっている。
 龍馬像としては武田鉄矢さんと小山ゆうさんのコミック「おーい、竜馬」に近いかな。
 「おーい、竜馬」でも母親の愛情が重要な要素として描かれていた。参考までに司馬遼太郎さんの「竜馬がいく」では母親の影響はほとんど描かれていない。
 さて今後どんな龍馬が描かれるか?

 最後に幼年時代にどんな現実に触れるかは人にとって重要ですよね。
 龍馬の場合は<上士>という身分制度で、それがその後の人生のテーマになった。
 ではわれわれの場合は?
 何もない感じがする。
 だから何となくふわふわと生きているような気がする。

 
コメント (6)
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