★テレビで「ハッピーフライト」を再見。
それで思うのは、観客は<人物が成長する>姿を見たいんですね。
このフライトで一番成長したのは、田辺誠一さん演じる副操縦士。
明らかに頼りない彼がトラブルと台風の中、見事飛行機を着陸させる。
愚痴や不平を管制官にぶつけながら目だけは真剣。
こうして人はプロになっていく。
綾瀬はるかさん演じる新人CAも少し成長した。
あらゆることで失敗してしまう彼女。
でも困難を切り抜けたことで、CA志望の女子高生に「(この仕事は)厳しいわよ」としっかり言えるようになる。
これも成長。
★この作品で特筆すべきは先輩と後輩の関係だ。
さまざまな先輩・後輩の姿が描かれる。
飛行機を怖がってトイレに閉じこもる新婚旅行の花嫁。
田山涼成さん演じる上司は「飛行機が落ちる確率は極めて少なく、貴女と彼が出会えた確率も同じように少ない」と説得する。
食事の配布で<肉料理>ばかりを注文される綾瀬さんの新人CA。
吹石一恵さん演じる先輩CAはそんな後輩に乗客に<肉>でなく<魚料理>を選ばせるやり方を教える。
だが、そんな優秀な吹石さんのCAだが、おろおろしてしまうこともある。
クレイムの多い客に対処できず、激怒されてしまうのだ。
するとさらなる先輩CAが次のような言葉で助ける。
「お客様のおっしゃることはもっともです。私どもの教育が足りませんでした。これからは精一杯お世話させていただきます。ただ、出来ましたら、彼女のためにももう一度、先程の客室乗務員にお世話させてもらえませんか」
時任三郎さんが演じる操縦士から田辺さんの副操縦士が学んだように、後輩は先輩からいろいろなことを学んでいくのだ。
こうしてノウハウは蓄積され、企業はどんどん強くなっていく。
これが組織で何かをやっていくメリットでもある。
★最後にふたりの人物に注目。
ひとりは時任三郎さんの操縦士。
厳格でルールに厳しい彼だが、今回のトラブルに遭遇すると「まあ、何とかなるさ」と開き直れる。アバウトになれる。
この二面性のある人物描写は上手い。
もうひとりは岸部一徳のコントロールセンターのチーフ。
彼はコンピュータに弱くて現在の業務から蚊帳の外だが、落雷でコンピューターが使えなくなると力を発揮する。
アナログな方法だが、風向きなどを想定して、飛行機の滑走進路を割り出す。
現代は何でもコンピューターがやってくれる時代。
だが、もしコンピューターが使えなくなったら、人はたちまち脆弱になる。
経験と頭で物事を処理し、対応できる岸部さんのチーフのような存在こそ、実は重要なのだ。
そんなことを教えてくれる。
これも上手い人物描写だった。
映画公開時に書いた「ハッピーフライト」レビューはこちら
※追記
あともうひとつ観客が見たいのは、困難を打開するために<皆が力を合わせる>ということ。
飛行機を着陸させるために、飛行機と地上が一体となってがんばる姿がこの作品の見せ場だが、バラバラだった人物達が力を合わせる。
これほどドラマチックなことはない。
それで思うのは、観客は<人物が成長する>姿を見たいんですね。
このフライトで一番成長したのは、田辺誠一さん演じる副操縦士。
明らかに頼りない彼がトラブルと台風の中、見事飛行機を着陸させる。
愚痴や不平を管制官にぶつけながら目だけは真剣。
こうして人はプロになっていく。
綾瀬はるかさん演じる新人CAも少し成長した。
あらゆることで失敗してしまう彼女。
でも困難を切り抜けたことで、CA志望の女子高生に「(この仕事は)厳しいわよ」としっかり言えるようになる。
これも成長。
★この作品で特筆すべきは先輩と後輩の関係だ。
さまざまな先輩・後輩の姿が描かれる。
飛行機を怖がってトイレに閉じこもる新婚旅行の花嫁。
田山涼成さん演じる上司は「飛行機が落ちる確率は極めて少なく、貴女と彼が出会えた確率も同じように少ない」と説得する。
食事の配布で<肉料理>ばかりを注文される綾瀬さんの新人CA。
吹石一恵さん演じる先輩CAはそんな後輩に乗客に<肉>でなく<魚料理>を選ばせるやり方を教える。
だが、そんな優秀な吹石さんのCAだが、おろおろしてしまうこともある。
クレイムの多い客に対処できず、激怒されてしまうのだ。
するとさらなる先輩CAが次のような言葉で助ける。
「お客様のおっしゃることはもっともです。私どもの教育が足りませんでした。これからは精一杯お世話させていただきます。ただ、出来ましたら、彼女のためにももう一度、先程の客室乗務員にお世話させてもらえませんか」
時任三郎さんが演じる操縦士から田辺さんの副操縦士が学んだように、後輩は先輩からいろいろなことを学んでいくのだ。
こうしてノウハウは蓄積され、企業はどんどん強くなっていく。
これが組織で何かをやっていくメリットでもある。
★最後にふたりの人物に注目。
ひとりは時任三郎さんの操縦士。
厳格でルールに厳しい彼だが、今回のトラブルに遭遇すると「まあ、何とかなるさ」と開き直れる。アバウトになれる。
この二面性のある人物描写は上手い。
もうひとりは岸部一徳のコントロールセンターのチーフ。
彼はコンピュータに弱くて現在の業務から蚊帳の外だが、落雷でコンピューターが使えなくなると力を発揮する。
アナログな方法だが、風向きなどを想定して、飛行機の滑走進路を割り出す。
現代は何でもコンピューターがやってくれる時代。
だが、もしコンピューターが使えなくなったら、人はたちまち脆弱になる。
経験と頭で物事を処理し、対応できる岸部さんのチーフのような存在こそ、実は重要なのだ。
そんなことを教えてくれる。
これも上手い人物描写だった。
映画公開時に書いた「ハッピーフライト」レビューはこちら
※追記
あともうひとつ観客が見たいのは、困難を打開するために<皆が力を合わせる>ということ。
飛行機を着陸させるために、飛行機と地上が一体となってがんばる姿がこの作品の見せ場だが、バラバラだった人物達が力を合わせる。
これほどドラマチックなことはない。