人が絶望するとはこういうことを言うのだろう。
学園で気持ち悪がれて疎外されているキャリー。
今で言ういじめ。
そんなキャリーが究極のいじめにあう。
アメリカ映画ではよく出て来るハイスクールのプラムパーティ。
そこでキャリーはプラムクイーンに選ばれるが、それは仕組まれた罠。
クイーンとして祝福され歓びの絶頂のキャリーにバケツいっぱいの豚の血が降ってくる。
皆に大笑いされるされるキャリー。
怒りのキャリーは念動力で(彼女は実は超能力者)、パーティ会場を火の海にして笑う学校の仲間を死に追いやる。
ここまでなら通常のホラー映画だが、スティーヴン・キング原作のこの作品はそこで留まらない。
豚の血だらけになって家に帰ったキャリーは母親に救いを求めるが、キリスト教狂信者の母親は浮かれたパーティなどに出たキャリーを汚れた存在として憎み、その背中に包丁を突き立てる。
階段を転げ落ちて逃げるキャリー。
唯一の帰る場所であった母親のもとで、このような仕打ちを受けてキャリーの気持ちはどの様なものだったろう。
すべての人間から嫌われ憎まれ、居場所がないキャリー。
彼女の絶望はさらに続く。
キャリーは超能力で刃物で追ってくる母親を殺してしまうのだ。
身を守るためとはいえ、愛している実の母親を殺してしまうこと。
これこそが究極の絶望だろう。
外部の敵なら許したり、自分を信じたりすればまだ生きられる。
だが自分自身が憎むべき存在になってしまったら……。
母親を殺したことでキャリーは自分を憎んだ。
怒りに身を任せ、罪を犯してしまった自分を怖れ、信じられなくなった。
こんな状態になってしまったキャリーに残された道は……<死>しかない。
怖くせつない物語だ。
それはキングがキャリーを突きつめて描いているからだ。
どんな物語でも突きつめていくと、人間の孤独、どうしようもない絶望に繋がる。
日本ではホラー作品が映画・小説とももてはやされているが、ただ怖いだけではダメだ。
怖さを突きつめて人間の孤独を描かねばならない。
その点でこの作品はモデルとなる作品。
映像だけしか見ていないので、キングが文章でどう表現してるかは興味深い。
なお、この作品の監督はブライアン・デパルマ。
製作が1976年というから30年以上も前の作品だが、全然古さを感じない。
特に包丁をふりかざして追ってくるキャリーの母親の映像は秀逸。
キャリー視点で煽りで狂気の母親が描かれる。
プラムパーティでキャリーの超能力が爆発するシーンも当時としては珍しい画面分割。
目を大きく見開いた血だらけのキャリーの形相もすごい。
ホラー映画の名作である。
学園で気持ち悪がれて疎外されているキャリー。
今で言ういじめ。
そんなキャリーが究極のいじめにあう。
アメリカ映画ではよく出て来るハイスクールのプラムパーティ。
そこでキャリーはプラムクイーンに選ばれるが、それは仕組まれた罠。
クイーンとして祝福され歓びの絶頂のキャリーにバケツいっぱいの豚の血が降ってくる。
皆に大笑いされるされるキャリー。
怒りのキャリーは念動力で(彼女は実は超能力者)、パーティ会場を火の海にして笑う学校の仲間を死に追いやる。
ここまでなら通常のホラー映画だが、スティーヴン・キング原作のこの作品はそこで留まらない。
豚の血だらけになって家に帰ったキャリーは母親に救いを求めるが、キリスト教狂信者の母親は浮かれたパーティなどに出たキャリーを汚れた存在として憎み、その背中に包丁を突き立てる。
階段を転げ落ちて逃げるキャリー。
唯一の帰る場所であった母親のもとで、このような仕打ちを受けてキャリーの気持ちはどの様なものだったろう。
すべての人間から嫌われ憎まれ、居場所がないキャリー。
彼女の絶望はさらに続く。
キャリーは超能力で刃物で追ってくる母親を殺してしまうのだ。
身を守るためとはいえ、愛している実の母親を殺してしまうこと。
これこそが究極の絶望だろう。
外部の敵なら許したり、自分を信じたりすればまだ生きられる。
だが自分自身が憎むべき存在になってしまったら……。
母親を殺したことでキャリーは自分を憎んだ。
怒りに身を任せ、罪を犯してしまった自分を怖れ、信じられなくなった。
こんな状態になってしまったキャリーに残された道は……<死>しかない。
怖くせつない物語だ。
それはキングがキャリーを突きつめて描いているからだ。
どんな物語でも突きつめていくと、人間の孤独、どうしようもない絶望に繋がる。
日本ではホラー作品が映画・小説とももてはやされているが、ただ怖いだけではダメだ。
怖さを突きつめて人間の孤独を描かねばならない。
その点でこの作品はモデルとなる作品。
映像だけしか見ていないので、キングが文章でどう表現してるかは興味深い。
なお、この作品の監督はブライアン・デパルマ。
製作が1976年というから30年以上も前の作品だが、全然古さを感じない。
特に包丁をふりかざして追ってくるキャリーの母親の映像は秀逸。
キャリー視点で煽りで狂気の母親が描かれる。
プラムパーティでキャリーの超能力が爆発するシーンも当時としては珍しい画面分割。
目を大きく見開いた血だらけのキャリーの形相もすごい。
ホラー映画の名作である。