EXPRESS DIARY~鉄人日記~

鉄道に関することを日々徒然なるままに書いて行こうと思います。

近鉄・阪神直通快速急行の旅/鶴橋~神戸三宮間

2014年11月27日 | 近鉄

14_11_15_1739 神戸三宮に到着した5800系快速急行。折り返し奈良行き快速急行となる

100926kinntsuruhashi211月15日土曜日。時刻は12時26分。昼下がりの鶴橋駅から神戸三宮まで快速急行のミニトリップを楽しむ。近鉄と阪神を直通する快速急行は昼間は阪神本線での各駅のホーム有効長の関係で6両編成で運転されている。鶴橋到着時点では立ち客も満載の状態で、鶴橋で降車があったものの、土曜の昼下がりだからか、難波方面へ向かう旅客が多い。鶴橋を出て、地下に潜り、近鉄の本拠地大阪上本町に到着。ここでも降車はあるが、意外に乗車も多い。同駅で大阪線から乗り換える人も多少ならずいるからだろうか。日本橋でも乗り降りがあり、本丸の大阪難波に到着。大半の人が降りていき、車内は空席が目立つようにまでなった。ここで、席を確保して、神戸三宮までゆったりとした時間を過ごす。阪神なんば線は関西の新線としては近年では珍しい大ヒット路線になったが、閑散期やラッシュ時間帯を見る限りまだまだ幹線級の路線になったとは言えない。桜川で乗務員が交代して本格的に阪神なんば線に入る。大阪難波から阪神なんば線を走るわけだが、実は途中までは近鉄所有の線路で、大阪難波〜桜川間に近鉄と阪神の境界線があるため、桜川で乗務員が交代するなど実質的な境界駅となっている。向かい側にも奈良行き快速急行が停車し、乗務員の交代が行われている。幕を見ると青緑色の阪神幕になっている。阪神と近鉄では快速急行の幕の色が異なるが、神戸側から桜川までは阪神の幕で、桜川出発時も阪神幕のままとなる。桜川〜大阪難波間走行中に近鉄幕に早変わりして、大阪難波には近鉄幕で到着する。幕の色一つだが、なかなか小面倒なことをしている。

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13_08_12_8981_2 桜川から西九条までは各駅に停車。西九条で出入りが多いのは息を吹き返したUSJの影響か、はたまた西大阪線終点時代の名残か。いずれにしても西九条はJRとの乗り換えが多く、なんば線開業後大きく変化した駅の一つと言える。西九条を出るとなんば線の七曲りというべき曲線区間に入る。千鳥橋付近はそれこそ牛歩の歩みで通過していく。七曲りを抜けて多少は快調に走り出すが、先行列車の頭打ちか、今一つスピードに乗り切らない。伝法を過ぎると淀川を渡る。大阪湾に注ぎ込む河口付近のため、まるで大河のように広く感じる。子供の頃は淀川が日本で一番大きな川だと信じて疑わなかったが、社会の時間に川の長さ、流域面積の大きさなどで淀川の名は出てこなかったことにショックを受けたことを思い出す。淀川を渡り大阪市内の工場と住宅が入り乱れた下町を走り抜ける。阪神なんば線は東京でいうと京成押上線と似たような雰囲気だろうか。本線から分岐して直通するという点ではよく似ているように思えるが、断然あちらの方が歴史はあるし、利用者も多い。出来島の手前で高架に上がり、難工事の上に完成した左門殿川を高架レベルで通過して、右手に本線が見えると大物となる。大物あたりで緩い速度からさらに減速がかかり、尼崎手前では信号待ちとなった。尼崎到着後は接続の尼崎止まりの急行を待つ。急行はホーム一つ隔てた6番線に到着するが、間の5番線の普通車が両側の扉を開けて橋渡しの役目を果たすため、急行と快速急行を階段の昇り降りなしで乗り換えることができる。甲子園で野球が開催される時などは、急行や快速急行から大挙して橋渡しの普通車の通り抜けが見られる。快速急行、急行の利用者には大変ありがたい普通車橋だが、普通車の利用者にとってはただただ迷惑なだけだろう。
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14_04_05_4923急行の連絡を受けて尼崎を出発。それほど多くの出入りはなく、空いたままで阪神本線に入る。尼崎えびす神社の大鳥居を見ながら高架線を走る。尼崎も十分下町の風情だが、なんば線開業により、駅前にはマンションが建ち並び、ビジネスホテルもできて、様相が変わってきている。暫く高架線を走り、右手に競艇場が見えて尼崎センタープールを通過する。競艇場前駅と言うのは全国でも西武や広電、名鉄などにあり、それほど珍しくないが、センタープール前を名乗る駅はここだけだ。センタープールとは競艇場の競争池のことを言う。明らかに競艇場前よりもオシャレな駅名と言える。武庫川橋梁の上にある武庫川に停車。朝夕ラッシュ時の快速急行は通過するが、昼間は急行の穴埋めとして停車する。武庫川を渡り、左手に武庫川線の武庫川駅、右手に武庫川線の連絡線を見る。鉄道ファンとしてはどちらを見るか迷いどころだ。高架工事を見ながら鳴尾を通過し、築堤を上がり甲子園に到着。ここも駅改良工事中で、甲子園球場の銀傘をイメージしたと言われる大屋根の設置が始まっている。野球はシーズンオフだが、甲子園は普段から乗降が多い。とりわけキッザニア甲子園に向かう親子連れの利用が多く、野球がなくても駅は賑わっている。

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14_05_03_0267甲子園まで来ると進行方向に六甲の山並みが見える。六甲山を見ながら六甲おろしを歌うのが、阪神ファンとしては最高のシチュエーションだろう。久寿川で名神高速をくぐるため、一旦地上に下りて再び高架に上がり今津に停車する。平日昼間は通過するが、土休日の昼間には今津停車となる。右手には阪急今津線の今津駅が見える。同じグループになったのだからもうちょっと乗り換えが便利になればいいが、各駅とも乗り換えを前提に造られていないため、一向に便利にならない。西宮では普通と接続し、出入りが大きかったが、席が全部埋まるまでには至らない。なんば線から動きはすくなかったが、甲子園、西宮あたりで入れ替えがあり、後は神戸三宮まで直通する旅客が多いようだ。さすがに奈良から通しで乗ると言う人はわずかだろうが・・・機会があれば、一度挑戦してみたい。
14_05_03_0183西宮以西は線形が悪いと言われる阪神本線にしては直線区間が続き、快速急行も快調に走る。芦屋は武庫川と同じく芦屋川の上に駅がある。風光明媚な景色は有名で、色々な雑誌で見かける光景が展開される。なんば線開業以前、快速急行は同駅を通過していた。今は全列車が停車する重要駅だが、JR芦屋の賑わいと比べるとやや寂しい。高架工事区間を見ながら地上をかっ飛ばす。地上を走る阪神電車が見られるのもあとわずかだ。武庫川〜甲子園間、芦屋〜魚崎間の高架化が完成すると阪神本線の大半というかほとんどが高架になる。高架を走ると言う点では新幹線並みである。対するJRや阪急は大半が地上を走っており、踏切事故も絶えない。高架化を推進してきた阪神の威力はこれからさらに発揮されるかもしれない。六甲ライナーの連絡駅魚崎に停車し、六甲山が海に迫る狭隘な区間を走る。信号待ちかと思えるほど低速になり、急カーブの御影を通過する。御影は急カーブの途上にホームがあるため、21m級の近鉄車の停車は困難と言うことで快速急行は同駅は通過することになった。このため、西宮〜神戸三宮間では、快速急行の方が直通特急より停車駅が少ない逆転現象が起きている。かつての快速急行も大阪方では急行の停車駅に停まり、西宮以西では三宮までノンストップ運転をしていたので、特急との逆転現象は今に始まったことではない。

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御影を通過して急カーブを抜けると神戸三宮までほぼ真っ直ぐ高架線を走る。西宮以西に限って言えば、御影の急カーブを除けばカーブも少なく、六甲の麓を走る阪急よりも線路条件は良いかもしれない。神戸市内に入って高層マンションが目立つようになる。震災以降に建てられたものだろうか。狭いところにマンションや住宅がひしめき合い、その中に阪神本線、JR神戸線、阪急神戸本線の3路線が並行して走る。まさに神戸市内の隘路だが、この環境が激しい競争を生み出したのだろう。そんな中でスピード、サービスにおいて各社が凌ぎを削ってきた歴史がある。現在は、阪神と阪急が同じグループになり、JRは福知山線事故以降私鉄への攻勢が弱まり、協調の道を歩みつつある。しかし、神戸市内の少ないパイを3社で分け合うのはやや無理がある。3社が切磋琢磨して発展していくことが、望ましく思われる。
041018hanshinkasuganomichi10神戸市内を快調に走り抜け、岩屋から地下線に入ったところで、足取りが重くなり、先行列車の頭打ちとなる。阪神はAF軌道回路方式のATSを使用しているが、同じグループの阪急神戸本線ではこれをバージョンアップしたパターン速照型のATSを使用している。阪神でもこれを採用すれば、ジェットカーが一段ブレーキで停車できるようになり、普通車のスピードアップが行える。そうなれば、今のような頭打ちのダイヤも減り、ラッシュ時の遅延も減るのではなかろうか。改良により対向ホームになって激狭ホームから脱却した春日野道をゆっくり通過。今も細い島式ホーム跡は残っているので、興味のある方は確認されたし。ノロノロ運転のまま、終点神戸三宮に到着。意外にも神戸三宮以西に乗り継ぐ人もいて、
ホームは昼下がりの街に繰り出す人とでごった返していました。

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