格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

各党マニフェストを比較する報道番組の偏向

2009-08-01 21:29:45 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

各党マニフェストを比較する報道番組の偏向
8月1日放送の「サタデーずばっと!」と読売テレビの「ウェークアッププラス」。私は以前、いずれの番組にもレギュラーとして出演していたが、番組の質の劣化にとまどうばかりだ。


6党から国会議員が出演し、討論が行なわれたが、MCのみのもんた氏がフリップを使用して、民主党の鳩山由紀夫代表がマニフェストの内容を一部追加する方針を示したことと、インド洋での自衛隊の活動についての鳩山代表見解について、問いただしていた。


6党の討論であるから、この点について、自公から質問が出るなら理解できるが、司会者のみの氏がフリップを使って追及するのは不当である。番組コメンテーターの岩見隆夫氏も一緒になって自民党に加勢していた。鳩山氏発言を問題にするなら、なぜ高齢者の尊厳を損なう麻生首相発言を取り上げないのか。


岩見氏の発言の劣化も激しい。民主党や民主党の小沢一郎前代表に個人的な恨みがあるように見える。


メディアが一知事にすぎない橋下徹氏を祭り上げて、橋下氏をのさばらせるから歪んだことが生じる。国政に関しては橋下氏も一国民にすぎない。橋下氏が日本の元首でもないのに、各政党の政策の評価をいちいち橋下氏に聞くことがおかしいのだ。


「悪徳ペンタゴン」が、自分たちの利権を守るために、橋下氏をてなずけて、メディアに頻繁に登場させることによって利用しようとしているだけだろう。東国原氏も中田宏氏も同じだ。共通していることは、これらの人物たちがそろって、ぎらぎらの野心を持っていることだ。お互いに利害を利用し合っているのだと考えられる。


「ウェークアッププラス」の質的劣化は悲惨な段階に至っている。MCの辛坊氏の個性が番組に反映されており、偏向がはなはだしい。


8月1日放送では、驚くことに「無責任男」代表の中田宏氏と竹中平蔵氏が同席し、中田氏の無責任辞任について、竹中氏が全面擁護するという、吉本のお笑い漫才のようなトークを炸裂させていた。


竹中氏も6年が任期の参議院議員の公職をわずか2年余りで無責任に放り出した。中田氏は来年春までの任期を半年以上も残して市長職を放り出した。このような「無責任男」を番組コメンテーターに起用している点に、テレビ局の堕落が象徴的に示されている。


中田氏は市長の4月就任はすでに編成された予算を執行することになるので、秋に市長を選出すべきだと述べていたが、中田氏は7年間の市長在任中に、自治体首長選の時期を秋に統一すべきだとの主張を展開し、その実現に向けて取り組んだのか。その場しのぎの自己正当化の理屈を並べても通用しない。


かねて、この時期での辞任を決めていたのなら、あらかじめその方針を示しておくべきだったはずだ。市長選を実施するのであれば、候補者を擁立しなければならない。突然の辞任発表は政治に混乱を与えることになる。


民主党は中田氏とは無縁の、人格、見識に優れた候補者を擁立するべきである。「無責任男」の影響力を完全に排除することが、横浜市長選の最優先の課題になる。






番組では、唯一、江川紹子氏が正論を吐いていたが、非常に遠慮がちに発言していた。思ったことをそのまま発言すれば、すぐにコメンテーター職を解かれることになるのだろう。


番組では、各党のマニフェストが比較検討されたが、説明に経った橋本五郎氏が、歪んだ偏向解説を示していた。


橋本氏が強調したのは以下の二点である。


①幼児教育や高校授業料の無償化など、「無償化」が今回の各党マニフェストに共通して見られる政策である。これに対して、自民党は消費税を打ち出した。他方、民主党などの野党は増税を行なわない、増税に反対としている。この違いをどう見るかが第一のポイントだ。


②子育て手当は子どもにお小遣いをあげるという話。それじゃあ、お父さんの給料はどうかというと、これが減っている。お父さんの給料を増やすには「成長戦略」が必要だが、「成長戦略」について、各党はどのような考えを示しているか。


この二つの論点の設定は、自民党の主張そのものである。TBSの岩見隆夫氏も読売の橋本五郎氏も、テレビで自民党の代弁をしているだけなのだ。


①の点について言えば、新規施策をどう設定し、その財源をどのように調達するのかが問われる。新規施策の規模は、自民党が「小」で民主党が「大」である。これに対して財源は、自民党が「消費税大増税」で民主党が「天下り根絶など無駄の排除」である。


橋本氏の説明では、「国民に国費を投入する政策を打つのは共通しているが、自民党が財源を用意しているのに野党は財源を用意していない」との話になってしまう。


②の「成長戦略」について、橋本氏は自民党の政策には「成長戦略」があるが、民主党の政策には「成長戦略」がないと勘違いしているのかも知れないが、まったく違う。


自民党の政策は、経団連企業に国費をばらまくだけで、成長が誘導されるようなものでない。エコカー、エコポイントなどは、倒産しそうな経団連企業が潤うように、消費者の購買活動を前倒しさせる補助金をばらまいただけのものである。


家計の可処分所得を増加させ、国民の自由な選択に基づいて決定される個人消費増大によって需要が増大する企業の成長を誘導することが、最も効率的な「成長戦略」になる。


メディアの自民党支援が激しい。渡辺喜美氏は政治活動のグループを結成し、その延長上に新党を結成する見込みである。この政治活動グループに所属する人物は総選挙期間に入った以上、番組への出演を排除しなければならない。屋山太郎氏、吉崎達彦氏、八代英樹などは中立の存在でないことを報道各局は確認しなければならない。


8月30日の投票日まで、情報操作活動が継続される。マスメディア情報の偏向を指摘して、主権者である国民に真実の情報を伝えてゆかねばならない。


「悪徳ペンタゴン」の最終兵器は「偽装新党CHANGE」である。「地方分権」や「霞が関改革」の装いをこらした、「悪徳ペンタゴン」延命を目的とするグループである。「道州制」も国、都道府県の間に新たに中間組織を作る話で、行革に逆行する。


民主党は「偽装新党CHANGE」に近付き過ぎてはならない。この勢力は総選挙後の「大連立」を狙っている。結局は、国民の手から「悪徳ペンタゴン」の手元に権力を引き戻そうとするだけなのだ。


野党勢力による本格政権交代によってしか国民が主人公である、国民の生活を第一にする政権は樹立されない。この点を浸透させなければならない。


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財源だけでなく具体策もない自民マニフェスト

2009-08-01 20:31:19 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

財源だけでなく具体策もない自民マニフェスト
鳥居みゆきさんが次のように語った。


「麻生首相とかけて 盛り上がらない宴会と解く。


その心は 


かんじがわるーい」


鳥居みゆきさんはサンミュージックに所属する。サンミュージックはかの偽装無所属候補だった森田健作千葉県知事が取締役を務めるプロダクションである。鳥居さんに圧力がかからないことを祈る。


自民党がマニフェストを発表した。日テレ「ニュースZERO」MCの村尾信尚氏をはじめ、多くのキャスターが「マニフェスト」の「マ」にアクセントを置いて発音するが、数日前の新聞のコラムに記述があったように、正しくは「マニフェスト」の「フェ」にアクセントが置かれる。


英語のmanifestでは、「マ」にアクセントが来るが、形容詞では「明らかな、明白な」、名詞では「積み荷目録」、「乗客名簿」という意味になってしまう。マニフェストはイタリア語のmanifestoから来たもので、「フェ」にアクセントが置かれる。NHKはこの発音を採用している。


問題は内容だ。


自民党は民主党のマニフェストについて、財源が示されていないと騒いでいたので、自民党のマニフェストでどれだけ明確に財源が示されているのかと期待していたが、目が点になるマニフェスト発表になった。


財源どころか、自民党が実行するという政策にどれだけの費用がかかるのかも明記されていないのだ。したがって財源についても記述はない。また、具体的政策内容が示されていない。自民党の度胸の良さには感服する。自らのマニフェストには財源を明示せず、他党のマニフェストには「ザイゲン、ザイゲン」と絶叫していたのだ。


記者会見が終了してもマニフェストが自民党HPにアップされなかった。夜になってようやくアップされたので、内容を確認することができた。


自民党マニフェストの問題点を五つ、以下に列挙する。


①政策の具体的内容が示されていない。


②政策に要する費用が示されておらず、したがって財源も示されていない。


③政策目標だけが示されており政策手段が示されていない。


④2005年のマニフェストに示されていながら実行されなかった政策についての説明がない


⑤国民を直接支援せずに、企業、産業に国費を注ぐ手法が軸に置かれる。


①政策の具体的内容が示されていない


 3歳児から5歳児の教育費用を無償化するというが、待機児童は無償化の対象に含まれない。「待機児童ゼロ」は前回マニフェストにも盛り込まれたが、現在も2万人近い待機児童が存在している。待機児童をゼロにする具体策が示されていない。


 高校・大学進学の費用負担を軽減するために、低所得者の授業料無償化・給付型の奨学金制度の導入が盛り込まれたが、具体的な細目が示されていない。自民党マニフェストは完成品のカタログではなく、未完成の供給予定商品のカタログで、具体的な性能も値段も表示されていないようなものだ。買う契約を交わした途端に製造中止になる危険がありそうだ。


②政策に要する費用が示されておらず、したがって財源も示されていない。


「家計の所得を10年で100万円増やす」、


「今後3年間で40~60兆円の需要を生み出す」、


「概ね200万人の雇用を確保する」


とバラ色の未来を記述するが、このために、どのような政策が実施され、その政策にどれだけの費用が必要になり、財源を何に求めるのかが示されていない。


 製品を購入する顧客は、カタログを見て、具体的な性能や、セールスポイントの機能を吟味するが、自民党マニフェストには具体的な記述がない。


とりわけ、値段が問題なのに、政策費用と財源がほとんど示されていない。






③政策目標だけが示されており政策手段が示されていない。


 上述した


「家計の所得を10年で100万円増やす」、


「今後3年間で40~60兆円の需要を生み出す」、


「概ね200万人の雇用を確保する」


が、自民党の「成長戦略」というもののようだが、これらの「目標」を実現するために、どのような「政策手段」が用いられるのかが示されていない。


a.エコカー・エコポイント、太陽光発電優遇


b.公的金融機関融資


c.研究費助成


d.マンガ博物館


が記述されているが、これらの施策を「成長戦略」と考えているのだろうか。背筋が寒くなるほどに貧困な内容だ。


 IMFが2010年の日本経済の成長率見通しを1.7%にしたことを自慢しているが、2009年の日本の経済成長率がマイナス6%と、突出して悪いことの反動に過ぎない。0点をとった100点満点のテストの次のテストで10点を取って自慢しているような話だ。


 「政策目標」があっても、「政策手段」がなければ「政策目標」は達成されない。また、「政策手段」が「政策目標」実現につながるプロセスが明確に示されなければ、誰も政策目標の実現を信じることができない。


 ガソリンを使わず「水素」で走る自動車を作ると排気ガスがゼロになるので、水素自動車の製造を目指すと説明しても、具体的にどのような技術で、どの程度の費用をかけて開発するのかなどの詳細が示されなければ、バラ色の投資話に乗るわけにはいかない。


④2005年のマニフェストに示されていながら実行されなかった政策についての説明がない


 2005年郵政選挙の際の自民党マニフェストを見ていただきたい。


「郵政民営化」を実行すると、


a.少子・高齢化の下でも年金・医療など社会保障の充実を可能に


b.雇用と消費を刺激して民間主導の景気回復を


c.こどもたちの世代に負担を残さず安心で安全な社会を維持


d.三位一体の改革で地方経済の立て直し


e.戦略的外交の推進 安全保障の確立


が実現すると書かれている。その後の日本経済を見て、この公約が守られたと考える国民は皆無だ。幼児教育無償化も4年前のマニフェストに盛り込まれたが実施されていない。


 政権与党の場合、前回選挙での公約が守られていない場合、新規にマニフェストを示しても、誰も信用しない。この意味では、実績があまりに劣悪な自民党がいかなるマニフェストを提示しても意味がないと思われる。


⑤国民を直接支援せずに、企業、産業に国費を注ぐ手法が軸に置かれる。


 民主党のマニフェストでは、国民に直接可処分所得を付与する政策が中心に置かれるが、自民党の政策では、国費は国民には直接付与されないものが多い。自民党が大企業から政党交付金を上回る巨額の政治献金を受けているからだろうが、自民党は国費を大資本に付与する政策を中心に据えている。


 7月31日記事


「日本で無血市民革命=政権交代が成功する理由」


に記述したように、現在の日本では、「資本」の利害と「労働」の利害が全面的に対立するようになっている。麻生首相は「大資本」を優遇する政策を維持しようとしているが、この政策が同時に「労働」である一般国民に「弓を引く」政策になっている。


 多くの国民が「資本」ではなく「労働」である一般国民の生活を支える政策を中軸に据える民主党支持を強めているのは当然であると考えられる。


 自民党マニフェストで目を引いたのが


「70歳現役社会-生涯現役社会」の実現へ


の項目だ。


 すぐに7月25日の日本青年会議所講演での麻生首相発言が思い起こされる。


「どう考えても日本は高齢者、いわゆる65歳以上の人たちが元気だ。全人口の約20%が65歳以上、その65歳以上の人たちは元気に働ける。いわゆる介護を必要としない人たちは実に8割を超えている。8割は元気なんだ。


その元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がないと思ってください。働くということに絶対の能力はある。80(歳)過ぎて遊びを覚えても遅い。遊びを覚えるなら「青年会議所の間」くらいだ。そのころから訓練しておかないと、60過ぎて80過ぎて手習いなんて遅い。


だから、働ける才能をもっと使って、その人たちが働けるようになれば納税者になる。税金を受け取る方ではない、納税者になる。日本の社会保障はまったく変わったものになる。どうしてそういう発想にならないのか。暗く貧しい高齢化社会は違う。明るい高齢化社会、活力ある高齢化社会、これが日本の目指す方向だ。もし、高齢化社会の創造に日本が成功したら、世界中、日本を見習う。」


「その元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がないと思ってください。働くということに絶対の能力はある」


と述べている。麻生首相は高齢者を「いかに使うか」と述べ、高齢者を「働くことしか才能がない」と述べている。


 日本がまともな社会であるなら、麻生首相はこの発言で引責辞任を迫られるだろう。メディアが問題にしないことがおかしい。


 経団連企業富士通子会社が運営する「ココログニュース」では、麻生発言を伝える報道を批判する記事まで掲載した。本ブログはココログでアクセス数も多いが、ココログは有名人ブログにも掲載しないし、本ブログ記事を紹介もしない。また、麻生首相発言のyou tube映像も消去されている。


 「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様が日テレNews24の映像を紹介下さっているので、消去される前にご高覧賜りたい。また、FNNニュースyou tube動画はこちら。


 これが日本の現状である。私の発言も封じられる。選挙まではまだ1ヵ月も時間がある。政権交代を求める主権者=国民は「悪徳ペンタゴン」が露骨に情報操作を展開する下で闘わなければならない。しかし、あらゆる妨害を乗り越えて必ず政権交代を実現しなければならない。


 麻生首相発言は「働くしか能のない老人は働いて税金を納めろ」というものである。これが、「生涯現役社会実現を目指す」政策の意味だ。


 日本の高齢者は麻生首相に対して、反乱の狼煙(のろし)をあげるべきだ。高齢者はただの一人も自民党に投票するべきでないと思う。国民がメディアを監視して、公正な選挙を実施しなければならない。


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