格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

岸井成格氏が示した検察リーク報道驚愕の実態

2010-01-12 21:18:06 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

岸井成格氏が示した検察リーク報道驚愕の実態
検察庁職員が国家公務員の守秘義務に違反してメディア関係者に業務上知り得た情報を不正に漏洩した疑惑が存在している。この疑惑が事実であれば国家公務員法違反に該当する。主権者国民は検察庁職員を国家公務員法違反で刑事告発する必要がある。


裁判員制度が発足し、メディアは事件報道に際して慎重な対応をとることを宣言している。新聞協会は2008年1月16日に


「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」


を発表している。この指針に以下の記述がある。


「捜査段階の供述の報道にあたっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮する。」


小沢一郎民主党代表の政治資金管理団体に関する資金収支に関する報道が氾濫しているが、すべての記事が単なる推測、憶測の域を出ないものである。検察当局による昨年3月の大久保隆規氏の逮捕、起訴が正当性を欠く、権力の濫用であるとの強い批判に晒されている。検察当局がこうした批判をかわすために必死にもがいていることはよく理解できる。


しかし、報道機関がこうした政治的思惑を背景とした検察当局の走狗となって、全体の概要が定かでなく、しかもどこに犯罪性があるのかも不確かな問題を針小棒大に報道し続けることは異様としか言いようがない。


新聞が報道していることの多くが、違法な情報リークを情報源としているものである疑いが強い。毎日新聞の岸井成格氏は、情報リーク報道について、「記者は独自の取材と調査によってウラを取り、捜査当局者に対して質問をぶつけて捜査当局者の顔色を見て記事を書いている」と発言した。


これが新聞報道の実態である。「顔色を見る」と言うが、「顔色の判定基準」について新聞社はガイドラインなり、指針を保持しているのだろうか。


「赤=真実」、「不変=真実でない」、「蒼白=さらに深い事情がある」、などのマニュアルが用意されているのだろうか。


億円単位の政治資金は庶民の感覚からはかけ離れているが、億円単位の政治資金の収支を報告している国会議員は多数存在する。


2007年の自民党と民主党の政党への献金は、
自民:総額224億円
民主:総額 40億円


企業献金と個人献金の内訳は、
自民:企業168億円、個人56億円
民主:企業 18億円、個人22億円


経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、
自民:29億1000万円
民主:   8000万円


である。






 また、2007年の国会議員政治資金収入金額ランキングは以下の通り。


1中川秀直(自) 4億4955万円
2亀井静香(国) 3億7725万円
3平沼赳夫(無) 2億9512万円
4古賀 誠(自) 2億7879万円
5山田俊男(自) 2億7695万円
6松木謙公(民) 2億7695万円
7森 善朗(自) 2億7021万円
8麻生太郎(自) 2億3383万円
9鳩山邦夫(自) 2億3182万円
10鳩山由紀夫(民) 2億2194万円


新聞報道は小沢一郎氏の政治資金管理団体が億円単位の資金収支を計上していることを、あたかも違法行為があったかのように伝えているが、自民党議員を中心とする上記議員は単年度の収支で2億、3億円規模の資金収支を計上しているのだ。


小沢氏からの4億円の借入れの記載がないと主張し、その不記載を問題にしてきた報道機関は、事実関係を精査したうえで、虚偽報道がなかったかどうか、説明する責任を負っている。また、検察庁職員の顔色で事実の真偽を判断して紙面に掲載することの是非について、責任ある説明を示す必要がある。


鳩山政権に「説明責任」、「説明責任」と念仏のように唱え続ける報道機関は、自らの説明責任について、厳正な姿勢を示すべきである。


国民は小沢氏に関する報道のほぼすべてが、「悪徳ペンタゴンと主権者国民の最終決戦」の一部である事実を正確に認識するべきである。


「サンデープロジェクト」で郷原信郎教授が指摘したように、一連の報道について、検察当局が具体的に何をどのように問題にしようとしているのかがまったく明らかでない。イメージ報道を繰り返して、鳩山政権を攻撃しようとするネガティブキャンペーンが展開されているとしか見えない。


昨年の3月3日不当逮捕にも見られるように、「悪徳ペンタゴン」は目的のためには手段を選ばぬ悪辣さを備えている。今後についても油断は許されない。


しかし、問題の本質を見失わないことが何よりも重要である。すべての照準は本年7月の参議院選挙に合わせられている。この選挙が「悪徳ペンタゴン対主権者国民の最終決戦」の場になる。


主権者国民は検察とマスメディアによる世論誘導に徹底抗戦しなければならない。いかなる事態が発生しても揺らいではならない。問題の本質を洞察し、この最終決戦に必ず勝利しなければならないのだ。


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政権交代の意義示す日本航空法的整理方針

2010-01-12 20:59:03 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

政権交代の意義示す日本航空法的整理方針
日本航空の経営再建問題について、鳩山政権は会社更生法適用を申請する方針を固めた。株主責任については100%減資で株主責任を適正に問う方針が示される可能性が高まっている。


私は本ブログで昨年10月23日に


「真価を問われる前原誠司国土交通大臣」


11月25日に


「政官業癒着を断つべき日本航空経営危機の処理」


本年1月7日に


「透明で正当な処理が求められる日本航空問題」


の記事を記述してきた。


 また、『金利・為替・株価特報』でも日本航空の透明処理を強く訴えてきた。


 日本航空は経営に失敗して危機に直面している。日本航空の処理に際しては市場経済の基本ルールである「自己責任」を基礎に据えなければならない。


テレビメディアのなかには、日本航空の場合、株主優待券を求めて株主になっている個人が多数存在するから上場廃止を実行すると混乱が拡大することを強調し、上場廃止に批判的な説明を施すものがある。


しかし、本末転倒と言わざるを得ない。株主優待券を求めようとも、株価上昇を期待しようとも、株主になる行為は、根本的にリスクを取る行為である。企業が経営に失敗すれば出資金を失うことは当然のこととして予想される。


また、経営危機が表面化してから上場廃止に至るまでに長期の時間的猶予も与えられている。株券が紙くずになることを回避したいのなら、株価がゼロになる前に株式を市場で売却すればよい。


こうした事実を無視して、株価がゼロになると多数の株主が混乱に陥るから100%減資を実施すべきでないなどの主張はたわごとにすぎない。


日本航空は国際線を就航させているから、会社更生法の適用申請に伴い、当面の海外での業務継続に支障が生るのを防ぐための措置を講じることは必要かも知れない。


法的整理を実施する場合のさまざまな問題にきめ細かく対応することを重視すればよいのである。このことと経営の失敗に対する適正な責任追及とを混同して論じるのは間違いである。


市場経済のルールを適正に適用することは正しい政策対応である。これまでの自民党政治では、こうした市場ルールが大きく歪められてきた。


2003年5月のりそな銀行処理では、りそな銀行を自己資本不足と認定しながら、りそな銀行株主の責任を問わなかった。政府は2兆円もの公的資金を投入してりそな銀行を救済した。公的資金による救済措置により、りそな銀行の株価は半年で約4倍に上昇した。責任を求められなければならない株主が、国から巨大な利益供与を受けた。


りそな銀行が自己資本不足に陥ったのは、りそな銀行の将来収益が不確定であると判断され、繰延税金資産の計上が十分に認められなかったからである。りそな銀行の将来収益が不確定であると判断されるなら、りそな銀行の繰延税金資産計上はゼロないし1年分でしか有り得なかった。


木村剛氏はインターネット上のコラムで繰り返しこの点を主張した。木村氏は「破綻する監査法人はどこか」と題するコラム記事のなかで、りそな銀行の繰り延べ税金資産を監査法人がゼロないし1年ではなく、2年以上認めるなら、その監査法人を破綻させるべきだと主張し続けた。


ところが、新日本監査法人はりそな銀行の繰延税金資産3年計上を認めた。なぜ「3年」だったのか。「3年」だけがりそな銀行を自己資本不足に追い込み、かつ、自己資本比率をマイナスに転落させない唯一の「解」だったからだ。


預金保険法102条第1項には、第1号規定という「抜け穴」が用意されていた。自己資本比率が0~4%となる場合、政府は公的資金で当該銀行の資本増強を実行できたのだ。りそな銀行の繰延税金資産をゼロないし1年と処理すると、りそな銀行に第1号措置を適用できない。りそな銀行は「破綻処理」されなければならなかった。


小泉政権はこの事情から人為的に繰延税金資産3年計上を決めたと考えられる。りそな銀行を公的資金で救済するためであったと推察される。小泉政権は「退出すべき企業を市場から退出させる」と述べていたが、結局は、「退出すべき企業を税金で救済」した。


責任を負うべきりそな銀行株主は出資資金を失うどころか、株価4倍上昇の巨大利益を国から供与されたのである。


この不透明極まりないりそな銀行処理は、同時に巨大インサイダー取引疑惑の舞台となったのだ。私はこの問題を追及しすぎたために巨大な謀略に巻き込まれたのだと推察される。


不透明極まりないりそな銀行処理を実行した小泉政権と、日本航空を透明に処理しつつある鳩山政権の相違が、政権交代の意義を鮮明に示している。


日本航空が現状に至ったのは、日本航空の経営に相応の問題があったからだ。市場経済の基本ルールは、経営失敗の責任を当事者が負うというものである。日本航空が経営に失敗したのなら、責任ある当事者は相応の責任を負わねばならないのだ。


りそな銀行の場合、株主責任が一切問われなかった一方、小泉政権の政策失敗を厳しく指摘してきた銀行経営者が政府によって追放され、新しい経営幹部ポストが小泉政権近親者に占拠された。また、りそな銀行は自由民主党の機関銀行と化した。


マスメディアは小沢一郎民主党幹事長政治団体の資金収支を針小棒大に取り上げているが、はるかに重大な問題がりそな銀行を舞台に実行されたことを何一つ報道しなかった。自民党の機関銀行と化したりそな銀行の実態を朝日新聞1面トップでスクープ報道した敏腕記者は、記事掲載と同時に東京湾で水死体になって発見されたと伝えられている。


日本航空の経営再建が不透明な政治力で不正に歪められずに決着することは望ましいことである。小泉政権時代の不透明不正処理路線が払拭されることも、政権交代の大きな意義のひとつである。


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