主権者国民レジスタンス戦線結成の呼びかけ
民主党小沢一郎幹事長の元秘書で衆議院議員の石川知裕氏が1月15日夜逮捕された。容疑事実は政治資金収支報告書への不記載である。石川議員だけでなく、元私設秘書の池田光智氏も逮捕され、公設第一秘書の大久保隆規氏に対しても逮捕状が取られた。
政治資金収支報告書への記載漏れは政治の世界では日常茶飯事である。自民党議員の政治資金の記載漏れは、ほとんどが報告書の修正で処理されている。今回の事案で1名の現職国会議員、2名の秘書を逮捕するのは異常である。国会は直ちに石川知裕衆議院議員の釈放を要請するべきである。
日本の警察、検察、裁判所制度の前近代性は深刻であり、その是正は喫緊の課題である。最大の問題は、①「法の下の平等」と、②「基本的人権」が無視され、③「捜査当局に恐ろしい裁量権」が付与されていること、である。
裁量権とは、
①犯罪事実が存在しても不問に付す裁量権、
と
②犯罪事実が存在しなくても犯罪を作りだし無実の罪を着せる裁量権
である。
捜査に際しては、「恐喝」的な手法が多用される。日本の裁判では起訴されれば真実に則して無実の主張を貫いても99%は有罪にされる。最高裁で判決が確定するまでには数年から数十年の時間を要し、その間、不当に長い勾留を強いられ、精神的にも経済的にも膨大なエネルギーを注ぐことが強いられる。
こうした現実を材料に、捜査当局は真実でない供述を被疑者に強要する。刑法を適正に適用するなら、「強要罪」が成立するような不当捜査が実行される。捜査の完全可視化に捜査当局が頑強に反対するのは、このような違法捜査を実行することが不可能になることが最大の理由であると考えられる。
こうした捜査手法を主因として、被疑者とされた人のなかには、真実でない供述を行う者が表れる。捜査当局が提示する条件は、「これを認めれば長期勾留はない」、「認めれば裁判で執行猶予が付き、実刑を免れる」というものである。
捜査当局はこのような恐喝的手法を用いて、検察が創作したストーリーに沿う供述を司法取引に応じた被疑者に強要する。この供述によって攻撃対象の主役に無実の罪を着せてゆくのだ。
複数の関係者が存在する場合、一人でもこのような供述調書が取られれば、この調書を元に存在しない犯罪がねつ造されてゆくのである。最後まで真実を述べ、無実を主張する人物には、長期の勾留、裁判での実刑、などの過酷な現実が待ち受ける。
昨年の「三・三事変」(3月3日の大久保隆規氏逮捕)に続き、「一・一五事変」が発生した。国会開会直前、沖縄県名護市長選直前を狙い撃ちした政治事変である。
収支報告書に記載漏れがあるなら記載の修正を求めればよいのである。記載漏れ以外の容疑があるなら、十分に調査したうえで、疑いが明白になった時点で行動することが求められる。予断と偏見に基づく捜査、別件逮捕による捜査は民主主義社会では容認されない。
今回の政治事変のもう一つの特徴は、検察当局とマスメディアが完全に連携していることである。水谷建設関係者が小沢一郎氏サイドに企業献金したとの供述があるとされている。この献金と不動産取得代金とを結びつけること。水谷建設の企業献金が東北地方の公共事業を受注するためのものであったこと。これらを結びつける報道が全面的に展開されている。
これはあくまでも一つの推測であり、仮説でしかない。このような憶測に基づくストーリーが創作され、あたかもこのストーリーが事実であるかのように報道することは重大な人権侵害問題である。
また、これらの報道が違法な、国家公務員の守秘義務違反に基づいて行われているなら、その犯罪を摘発することが求められる。
「三・三事変」と「一・一五事変」が勃発した理由は単純明快である。2009年8月30日の総選挙と2010年7月11日に見込まれる参議院選挙、さらに2010年1月24日の沖縄県名護市長選挙を自民党に有利にするためである。
日本政治では昨年8月30日の総選挙を通じて、歴史上初めて「主権者国民の手による政権」が樹立された。これまでの日本政治を支配してきたのは、「政官業外電の悪徳ペンタゴン」=利権複合体であった。この利権複合体が支配する日本政治を主権者国民が支配する政治に刷新する大事業が始まったのである。
日本政治刷新を実現するには、主権者国民による政権が2010年の参議院選挙に勝利することがどうしても必要である。
逆に、悪徳ペンタゴンがこれまでの利権複合体支配政治を復活させる最後のチャンスが2010年7月の参議院選挙なのである。
私が本ブログを始めた最大の理由は、日本政治刷新を実現することに力を注ぐことにあった。日本政治刷新を実現する上で、最大の焦点が昨年8月30日の総選挙だった。主権者国民の力により、この決戦に勝利することができた。
残る最大の焦点が2010年夏の参議院選挙である。私は会員制レポート『金利・為替・株価特報』2009年10月23日号タイトルを
「鳩山政権の命運を定める2010年参院選」
とした。
2010年夏の参院選を主権者国民勢力が勝利して、日本政治刷新の基礎条件が整うことになる。悪徳ペンタゴンは手段を選ばず、2010年参院選に照準を定めて鳩山政権攻撃を仕掛けてくることが当然に予想されてきた。この点を本ブログでも繰り返し指摘してきた。
私は2008年5月29日の本ブログに、
「自民党が恐れる最大の存在は小沢一郎民主党代表である」
と題する記事を掲載した。
「悪徳ペンタゴンVS主権者国民の最終決戦」で、悪徳ペンタゴンが最大の脅威と位置付けてきた存在が小沢一郎氏なのである。巨大な脅威であることが、悪徳ペンタゴンが総力を注いで小沢一郎氏攻撃を展開している最大の理由である。私が激しい攻撃・弾圧に直面してきたのも、大変不遜な言い方にはなるが、悪徳ペンタゴンが私の言論活動を脅威と感じたからだと理解している。
①2007年参議院選挙での民主党小沢一郎代表に対する激しいネガティブ・キャンペーン
②2007年秋の大連立構想での小沢氏影響力排除工作
③2008年春の日銀総裁・副総裁人事での小沢氏影響力排除工作
④2008年秋の民主党総裁選での小沢氏無投票再選阻止工作
⑤2009年3月3日の「三・三事変」
⑥2009年3月から5月にかけての小沢代表辞任誘導工作
などが展開されてきた。
これらの攻撃をはね返して、小沢氏は民主党を総選挙大勝利に導いた。
このまま、2010年夏の参院選に突入すれば「悪徳ペンタゴン」は息の根を止められてしまう。悪徳ペンタゴンは手段を選ばずに小沢氏攻撃に打って出た。これが「一・一五事変」の基本背景である。
私は「政治とカネ」の不正を認めようとは思わない。しかし、主権者国民は「小悪ではなく巨悪をせん滅する」ことを優先しなければならない。
「悪徳ペンタゴン」はその手先を民主党内部にも送り込んでいる。民主党が政権を維持するとしても、「悪徳ペンタゴン」をせん滅し、「主権者国民を基軸とする政権」を創設する人物を排除すればよいと考えている。
「悪徳ペンタゴン」にとっての最大の脅威は、小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏、菅直人氏の三名なのである。
主権者国民はこの三名が軸となっている「主権者国民のための政権」を守り抜かねばならない。
マスメディアを総動員した鳩山政権攻撃が今後さらに激化する。この最終決戦に主権者国民は勝利しなければならないのだ。
鳩山政権は「企業献金全面禁止」早期実施の旗を掲げて、この最終決戦に臨むべきである。「企業献金全面禁止提案」を掲げることにより、「政治とカネ」の問題に本当の意味で真正面から取り組む勢力がいずれであるのかが明白になる。
主権者国民は主権者国民による政権を死守するために、「主権者国民レジスタンス戦線」を結成し、主権者国民の連帯によって、「悪徳ペンタゴンとの最終決戦」に必ず勝利しなければならない。