福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

国家危機を救う仏教原理「成就衆生浄佛国土」その43

2019-11-27 | 護国仏教
仁王護國般若波羅蜜多經卷下
開府儀同三司特進試鴻臚郷肅國公
食邑三千戸賜紫贈司空諡大鑒正號
大廣智大興善寺三藏沙門不空 奉詔譯 
            
「 護國品第五

爾時世尊にじせそん告波斯匿王等ごうはしのくおうとう諸大國王しょだいこくおう。諦聽諦聽たいちょうたいちょう我爲汝等がいにょうとう説護國法せつごこくほう。一切國土いっさいこくど若欲亂時にゃくよくらんじ。有諸災難うしょさいなん賊來破壞ぞくらいはかい。汝等諸王にょとうしょおう應當受持おうとうじゅじ。讀誦此般若波羅蜜多どくじゅしはんにゃはらみった。嚴飾道場ごんじきどうじょう置百佛像ちひゃくぶつぞう。百菩薩像ひゃくぼさつぞう百師子座ひやくししざ。請百法師しょうひゃくほっし解説此經げせつしきょう。於諸座前おしょざぜん然種種燈ねんしゅじゅとう。燒種種香しょうしゅじゅこう散諸雜さんしょざっけ。廣大供養こうだいくよう衣服臥具えぶくがぐ。飮食湯藥おんじきとうやく房舍床座ぼうしゃしょうざ一切供事いっさいくじ。毎日二時まいにちにじ講讀此經こうどくしきょう。若王大臣にゃくおうだいじん比丘比丘尼びくびくに優婆塞優婆夷うばそくうばい。聽受讀誦ちょうじゅどくじゅ如法修行にょほうしゅぎょう災難即滅さいなんそくめつ。大王だいおう諸國土中しょこくどちゅう有無量鬼神うむりょうきじん。一一復有無量眷屬いちちむうむりょうけんぞく。若聞是經にゃくもんぜきょう護汝國にょうとうこくど土。若國欲亂にゃくこくよくらん鬼神先亂きじんせんらん。鬼神亂故きじんらんんこ即萬人亂そくばんにんらん。當有賊起とううぞくき百姓喪亡ひゃくしょうそうもう。國王大子こくおうだいし王子百官おうじひゃっかん互相是非ごそうぜひ。天地變怪てんちへんげ日月衆星んきちがつしゅしよう失時失度しつじしつど。大火大水だいかだいすい及大風等きゅうだいふうとう。是諸難起ぜしょなんき皆應受持おうぜじゅじ。講説此般若波羅蜜多こうせつしはんにゃはらみった。若於是經にゃくおぜきょう受持讀誦じゅじくどく。一切所求いっさいしょぐ官位富饒かんいぶにょう。男女慧解なんにょえげ行來隨意ぎょうらいずいじ。人天果報にんてんかほう皆得滿足かいとくまんぞく。疾疫厄難しつやくやくなん即得除愈そくとくじょゆ。杻械枷鏁ちゅうかいかさ撿繋其身けんげごしん皆得解脱かいとくげだつ。破四重戒はしじゅうかい作五逆罪さごぎゃくざい。及毀諸戒ぎゅうきしょかい無量過咎むりょうかく悉得消滅しっとくしょうめつ大王往昔だいおうおうじゃく過去釋提桓因かこしゃくだいかんいん。爲頂生王いちょうじょうおう領四軍衆りょうしぐんしゅう。來上天宮らいじょうてんぐう欲滅帝釋よくめつたいしゃく。時彼天主じひてんじゅ即依過去そくえかこ諸佛教法しょぶっきょうほう。敷百高座ふひゃくこうざ請百法師しょうひゃくほっし。講讀般若波羅蜜多經こうどくはんにゃはらみったきょう。

頂生即退ちょうじょうそくたい天衆安樂てんじゅあんらく大王昔天羅國王だいおうしゃくてんらこくおう。有一太子ういちたいし名曰斑足みょうわつはんぞく。登王位時とうおういじ有外道師うげどうし。名爲善施みょういぜんせ與王灌頂よおうかんじょう。乃令斑足ないりょうはんぞく取千王頭しゅせんおうとう。以祀塚間いしちょけん摩訶迦羅大黒天神まかぎゃらだいこくてんじん。自登王位じとうおうい。

已得九百九十九王いとくきゅうひゃくきゅうじゅうきゅうおう唯少一王ゆいいついちおう。北行萬里ほくぎょうまんり乃得一王ないとくいちおう名曰普明みょうわつふみょう。其普明王ごふみょうおう白斑足言びゃくはんぞくおう。願聽一日がんちょういちにち禮敬三寶きょうらいさんぽう飯食沙門ぼんじきしゃもん。斑足聞已はんぞくもんい即便許之そくべんこし。其王乃依ごおうないし過去諸佛かこしょぶつ所説教法しょえせっぽう。敷百高座ふひゃくこうざ請百法師しょひゃくほっし。一日二時いちにちにじ。講説般若波羅蜜多八千億偈こうせつはんにゃはらみったはっせんおくげ。時彼衆中じひしゅうちゅう第一法師だいいちほっし。爲普明王いふみょうおう而説偈言にせつぜごん
劫火洞然ごうかとうねん  大千倶壞だいせんくえ  須彌巨海しゅみこかい
磨滅無餘まめつもよ  梵釋天龍ぼんしゃくてんりゅう 諸有情等しょうじょうとう
尚皆殄滅しょうかいせんめつ  何況此身がきょうししん  生老病死しょうろうびょうし
憂悲苦惱うひくのう  怨親逼迫おんしんひっぱく能與願違のうよがんい
愛欲結使あいよくけっし  自作瘡疣じさそういう三界無安さんかいむあん
國有何樂こくうがらく  有爲不實ういふじつ  從因縁起じゅういんえんぎ
盛衰電轉じょうすいでんてん暫有即無ざんうそくむ諸界趣生しょかいしゅじょう
隨業縁現ずいごうえんげん  如影如響にょようにょきょう 一切皆空いっさいかいく
識由業漂しきゆごうひょう乘四大起じょうしだいき  無明愛縛むみょうあいばく
我我所生ががしょしょう  識隨業遷しきずいごうせん  身即無主しんそむしゅく
應知國土おうちこくど  幻化亦然げんけやくねん

爾時法師にじほっし説此偈已せしげい。時普明王じふみょうおう聞法悟解もんぽうごげ證
空三昧しょうくうざんまい。王諸眷屬おうしょけんぞく得法眼空とくほうげんくう。其王即便ごおうそくべん詣天羅國しょてんらこく。諸王衆中しょうおうしゅうちゅう而作是言にさぜごん。仁等今者にんとうこんじゃ就命時到じゅみょうじとう。悉應誦持しつおうじゅじ過去諸佛かこしょぶつ所説般若波羅蜜多偈しょせつはんやはらみったげ。諸王聞已しょおうもんい亦皆悟解やくかいごげ。得空三昧とくくうざんまい各各誦持かくかくじゅじ。

時斑足王じはんぞくおう問諸王言もんしょおうごん。汝等今者にょとうこんじゃ皆誦何
法かいじゅがほう爾時普明にじふみょう即以上偈そくいじょうげ答斑足王とうはんぞくおう。王聞是法おうもんぜほう亦證空定やくしょうじょうくう。歡喜踊躍かんぎゆやく告諸王言ごうしょおうごん。我爲外道がいげどう邪師所誤じゃししょご。非汝等咎ひにょうとうく汝各還國にょかくげんこく。當請法師とうしょうほっし解説般若波羅蜜多げせつはんやはらみった。時斑足王じはんぞくおう以國付弟いこくふだい。出家爲道しゅっけいどう
得無生法忍とくむしょうほうにん

大王過去復有五千國王だいおうかこぶうごせんこくおう。常誦此經じょうじゅしきょう現生獲報げんしょうかくほう。汝等十六にょうとうじゅうろく諸大國王しょだいこくおう。修護國法しゅうごこくほう應當如是おうとうにょぜ。受持讀誦じゅじどくじゅ解説此經げせつしきょう。若未來世にゃくみらいせ諸國王等しょこくおうとう。爲欲護國いよくごこく護自身者ごじしんじゃ。亦應如是やくおうにょぜ受持讀誦じゅじどくじゅ解説此經げせつしきょう。説是法時せつぜほうじ無量人衆むりょうにんしゅ得不退轉とくふたいてん。阿修羅等あしゅらとう得生天上とくしょうてんじょう。無量無數むりょうむしゅ欲色諸天よくしきしょてん得無生忍とくむしょうにん(護國品第五終わり)


爾の時に世尊、波斯匿王等の諸大國王に告げたまわく、「諦聽諦聽、我れ汝等が為に護國の法を説かん。一切國土、若し亂れんと欲する時、諸の災難あり。賊、來りて破壞せん。汝等諸王應當に此の般若波羅蜜多を受持讀誦すべし。道場を嚴飾し、百の菩薩像、百の師子座を置き、百の法師を請じ、此の經を解説せしめよ。諸の座前に種種の燈を然し、種種の香を燒き、諸の雜華を散じ、廣大供養し、衣服・臥具・飮食・湯藥・房舍・床座、一切供事して、毎日二時に此經を講讀せよ。若しは王・大臣・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、聽受讀誦して、如法修行せば、災難即滅す。大王よ、諸の國土中に無量の鬼神あり。一一に復た無量の眷屬あり。若し、是の經を聞かば、汝の國を護せん。若し國亂れんと欲する時は、鬼神先ず亂る。鬼神亂るが故に即萬人亂る。當に賊起りて百姓喪亡することあるべし。國王・大子・王子・百官、互相いに是非し、天地變怪し、日月衆星、時を失い、度を失い、大火大水及大風等の是の諸の難、起らば皆な應に此般若波羅蜜多を受持講説すべし。若し是の經において、受持讀誦せば、一切所求・官位富饒・男女慧解行來、隨意にして、人天の果報皆滿足を得、疾疫厄難、即ち除愈を得、杻械枷鏁ちゅうかいかさ撿繋其身けんげごしん皆得解脱かいとくげだつ。四重戒を破し、五逆罪を作し、及び諸戒を毀る、無量の過咎は悉く消滅することを得ん。大王、往昔過去に、釋提桓因あり。頂生王となり四軍衆を領しきたりて、天宮に上りて帝釋を滅さんと欲するときに、彼の天主、即ち過去諸佛の教法に依り、百の高座を敷き、百の法師を請じて、般若波羅蜜多經を講讀せしに、頂生即ち退き、天衆安樂なりき。大王、昔し天羅國王に一の太子あり。なずけて斑足という。王位に登る。時に外道師有り。うげどうし。名ずけて善施となす。王の與め灌頂す。乃ち斑足をして千の王の頭を取りて塚間の摩訶迦羅大黒天神を祀らしむ。自ら王位に登り、已に九百九十九王を得て、唯だ一王を欠く。北行すること萬里、乃ち一王を得る。名ずけて普明という。其の普明王、斑足に白して言さく。願はくは一日を聽して三寶を禮敬し、沙門を飯食せしめよ。斑足、聞き已りて即ち之を許す。其王乃ち過去諸佛所説の教法に依て百の高座を敷き、百の法師を請じて、一日二時に般若波羅蜜多經の八千億の偈を講説す。時に衆中の第一の法師、普明王の為に偈を説いて言く、
劫火洞然ごうかとうねん  大千倶壞だいせんくえ  須彌巨海しゅみこかい
磨滅無餘まめつもよ  梵釋天龍ぼんしゃくてんりゅう 諸有情等しょうじょうとう
尚皆殄滅しょうかいせんめつ  何況此身がきょうししん  生老病死しょうろうびょうし
憂悲苦惱うひくのう  怨親逼迫おんしんひっぱく能與願違のうよがんい
愛欲結使あいよくけっし  自作瘡疣じさそういう三界無安さんかいむあん
國有何樂こくうがらく  有爲不實ういふじつ  從因縁起じゅういんえんぎ
盛衰電轉じょうすいでんてん暫有即無ざんうそくむ諸界趣生しょかいしゅじょう
隨業縁現ずいごうえんげん  如影如響にょようにょきょう 一切皆空いっさいかいく
識由業漂しきゆごうひょう乘四大起じょうしだいき  無明愛縛むみょうあいばく
我我所生ががしょしょう  識隨業遷しきずいごうせん  身即無主しんそむしゅく
應知國土おうちこくど  幻化亦然げんけやくねん

法師、此偈を説已るとき、普明王は法を聞きて悟解し、空三昧を證し、王の諸の眷屬は法眼空を得たり。其の王、即便ち、天羅國に詣り、諸王の衆中に而して是言をなす、「仁等今者、就命の時に到れり、悉く應に過去諸佛の所説の般若波羅蜜多の偈を誦持すべし」と。諸王聞き已りて、亦た皆な悟解し、空三昧を得、各各誦持す。

時に斑足王、諸王に問うて言く、「汝等今者、皆な何法を誦するや。」爾時、普明、即ち上の偈を以て斑足王に答ふ。王聞是法、亦空定を證し、喜踊躍して諸王に告げて言く「我れ外道邪師のために誤たる。汝等の咎にあらず。汝、各の國に還り、當に法師を請じて般若波羅蜜多を解説すべし」と。時に斑足王、國を以て弟に付し、出家して道となり、無生法忍を得たり。

大王、過去に復た五千の國王あり。常に此經を誦し、現生に報を獲たり。汝等十六の諸の大國王、護國法を修せば、應當如是、受持讀誦して、此經を解説すべし。若し未來世、諸の國王等國を護し、自身を護せんと欲する為には應如是、此經を受持讀誦解説すべし。是の法を説ときたまふ時、無量人衆、不退轉を得、阿修羅等天上に生ずることを得、無量無數の欲色の諸天は無生忍を得たり。(護國品第五終わり)





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「十善法語」その87 | トップ | 国家危機を救う仏教原理「成... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

護国仏教」カテゴリの最新記事