福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 7/14巻の7/8

2024-09-10 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 7/14巻の7/8

七、神女、尼に成る事

大和國南都の傍に住みける神女あり。曽って佛といふことをしらざれば僧法を忌んで言をも不通七五三の縄をはり弊を捧げ鈴をふり神代の事を聞き集めて神歌とて由無きことなんど語りて人を誣て世を渡るはかりごととしけるが、心地常ならず煩ひければ神の御とがめなりとて氷をくだき水をあび鈴を振りて氷をくだき水をあび鈴を振りて舞踊れども重りこそすれ減なくしてつひにむなしくなりにけり。實も浮世をそむきけるとをぼへてゆくへもしらずたどりゆく処に四方より黒風吹き来たりて身を天に巻き上げたり。刃山鉾の岩火焔に毒蛇相雑じりて種々の責めにあつ゛かるくるしみたとへて云方なし。是則ち人を狂惑して神を欺ける報ひなり。地に落ちては鬼王あつまり来たりて追立琰王の前に引きすへて罪の軽重を沙汰しけり。神女所有神の名を唱立て此のたびは御助あれと祈念しけるに、神祇かと覚へて数多い大王の庭に見玉へども、神の方弱くして悪道に墜つべきに見ゆ。神女あまりのあさましさに申しけるは日来の垂迹門の御誓にて今度は乞皈し玉へとせめければ神祇の中より赤衣のけだかき行相にて立出て自らに結縁ありゆるし玉へとありければ冥官の云く、垂迹門は現在の為に利生を堅く守るまでなり、業感抜済の訴訟は當職にあらず。其の儀ならば苦にかはりて責を受け玉へと申しければ、並み居玉ふ神達も風に隨ふ雲の如く散々にかくれさせ玉ひき。赤衣の明神残り居て罪を我にゆるし玉へ春日山の地獄にをとして業つきて後佛法受持の器となしてましと乞玉ふに、さらばとて明神にわたさるる。六十年の難行冥途のたすけには微塵ばかりもならざりけり。女、明神に向て手を合わせ申しけるは今一度娑婆に皈し玉はれ。佛道修行をいとなみ成佛

の縁となしさふらはんとなげきけり。明神さらば且くかへすべし。我は春日大明神本地五萬灯明佛其の一の一万灯明佛はみずからなり。汝が國には地蔵菩薩と吾を云ふ。若し人神祇を敬ひ奉らば先ず本地をたっとむべし。是によりて罪をのがるべきなり。為悦衆生の故無量の神力を現して和光同塵権教垂迹門をひらき物をいむこと如来の禁戒にもとつ゛けしめん方便なり。佛法僧に皈依し奉らばいかばかり明神もうれしからん。我昔本覚真如・佛たりといへども垂迹門に入りぬれば五衰(佛本行集經「天壽滿已。自然而有五衰相現。何等爲五。一者頭上花萎。二者腋下汗出。三者衣裳垢膩。四者身失威光。五者不樂本座。」)三熱(大樓炭經などにある、竜・蛇などが受けるという三つの苦悩。熱風・熱砂に身を焼かれること、悪風が吹きすさんで住居・衣服を奪われること、金翅鳥に食われること)の苦あり。只だ人の眠りの中に見る夢の如し。三宝信仰のともがら来るときは此の眠覚めて本覺妙明の珠を琢と示し玉ひて狭き窗より押し出玉ふと思へば即ち活(よみがへ)りける。自尒(これより)已来西大寺に参りて比丘僧に懺悔し奉り尼と成り戒を受け一向地蔵の行者となりて称名怠り無く専ら念佛を倦むことなく臨終正念にして直に地蔵の授記を得て月の二十四日寅の時に當って滅を唱へけり。

引証。十輪経に云、諸有情を十方界において成熟せんと欲するが故に十方界に於いて或時は大梵王身を現作し諸有情の為に如應説法し或は復た大自在天身を現作し乃至、是等の無量無數の異類之身を現作し諸有情の為に如應説法し其の所應に隨って三乘不退轉位に安置す。(大乘大集地藏十輪經序品第一「爲欲成熟諸有情故。於十方界。或時現作大梵王身。爲諸有情如應説法。或復現作大自在天身。或作欲界他化自在天身。或作樂變化天身。或作覩史多天身。或作夜摩天身。或作帝釋天身。或作四大王天身。或作佛身。或作菩薩身。或作獨覺身。或作聲聞身。或作轉輪王身。或作刹帝利身。或作婆羅門身。或作茷舍身。或作戌達羅身。或作丈夫身。或作婦女身。或作童男身。或作童女身。或作健達縛身。或作阿素洛身。或作緊捺洛身。或作莫呼洛伽身。或作龍身。或作藥叉身。或作羅刹身。或作鳩畔荼身。或作畢舍遮身。或作餓鬼身。或作布怛那身。或作羯吒布怛那身。或作粤闍訶洛鬼身。或作師子身。或作香象身。或作馬身。或作牛身。或作種種禽獸之身。或作剡魔王身。或作地獄卒身。或作地獄諸有情身。現作如是等無量無數異類之身。爲諸有情如應説法。隨其所應安置三乘不退轉位」)。

 

 

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