昨年の流行語大賞にノミネートされた”KY”は、「空気が読めない」或は「空気が読めない人」のことですが、この流行語以前は、一般的に”KY”と言うと「危険予知」のことで会社や現場などで使われていました。
”KYT”とも言われ「危険予知訓練」のことです。
また、「京セラ」の略、アメリカのケンタッキー州の略、JR東日本郡山総合車両センターの略でもあります。
しかし、もっと忘れてはならない”KY”は、朝日新聞の落書き偽造ねつ造事件があります。
既に忘れている方も多いと思いますが、新聞報道が如何に出鱈目であったかが暴露された事件でした。
朝日新聞の”落書き”報道 調査結果の報道 ”お詫び”の報道
朝日新聞の記者が西表島にアミサンゴを撮影に行ったところ、サンゴに”KY”と落書きされてあるのを発見し、自然破壊のモラルを世に問い正そうとダイバーの低モラルぶりを1989年(平成元年)4月20日の朝日新聞夕刊の1面で報道されました。
これに対して地元のダイビング組合から異議が出て調査したところ朝日新聞のねつ造と分かり、同年5月20日付けの新聞でお詫びの報道がされ、同社の社長も引責辞任に追い込まれました。
濡れ衣を着せられた地元ダイバー達の綿密な調査の結果、真相が証明されました。
なんと、この”KY”のキズは、記者が自らストロボの柄でキズを付けていた事が判明したのです。
なぜ”KY”という文字を使ったのか分かりませんが、新聞やTVなどの報道のスクープとは何か、そして報道の自由とは何かを考えさせられる事件でした。