今年も残すところ1か月となりました。
師走に入ると、なにやら慌ただしい気分になってきます。
自分的には、別にこれっといった変わったことはないのですが、やはり毎年その気分を味わうことがないと年を越せないようです。
いよいよ江戸城の中心である本丸御殿の内容について述べてみたいと思います。
江戸城は、表、中奥、大奥があるのですが、その表の中心が本丸御殿で幕府政治の中枢となっています。
今でいえば、首相官邸とその行政府といえます。
表の西側には、将軍の居間空間である奥に近い順に、黒書院、白書院、大広間が設けられています。
これらは、さまざまな儀式や将軍の謁見が執り行われ部屋の規模が大きいほど、また玄関に近いほど公共性が高くなっています。
白書院 模型
黒書院は、上段(18畳)、下段(18畳)、囲炉裏之間(15畳)、西湖之間(15畳)の4室からなっており、その周囲は縁側(入側・・畳敷き)で囲まれ、溜之間(24畳)が付属して約190畳あります。
白書院も上段(28畳)、下段(24畳半)、連歌之間(28畳)、帝鑑之間(38畳半)の4室からなり、ここも入側で囲まれ、付属の部屋をいれると約300畳になるそうです。
大広間は、上段(28畳)、中段(28畳)、下段(36畳)、二之間(54畳)、三之間(67畳半)、四之間(82畳半)の6室あり入側を含めると約490畳の広さがあり、この大広間が一番大事な場所なのです。
黒書院と白書院は竹之廊下、白書院と大広間は松之廊下でつながっており、廊下と言っても畳が敷いてあり、竹之廊下は東西4畳、南北16畳あり、松之廊下は東西5畳、南北18畳あります。
各部屋のうち、将軍の対面が行われるのは、上段、下段、もしくは上段、中段、下段とその入側の空間であり、対面の際は、将軍との距離が重視されるのです。