極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

こじ開けるパンドラの箱①

2024年03月20日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国
時代の軍団編成の 一種で、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。 井伊軍団のシンボ
ルとも言える 赤備え。(戦国時代の軍団編成のせて生まれたキャラク
タ「ひこにゃん」。

メターネンションと光還元触媒 


 1.特開2018-181674 全固体二次電池 TDK株式会社
【特許請求の範囲】
【請求項1】結晶構造が立方晶であるリチウム含有リン酸化合物を有
する固体電解質。
【請求項2】前記固体電解質を構成する立方晶のリチウム含有リン酸
化合物が、 LixM1yM2zM3wP3-wO12・・・(1)で
表され、 前記一般式(1)は、0<x≦3、0≦y<2、0<z≦2、
0≦w<3を満たし、 M1は、Mg、Ca、Sr、Ba、V、Nb、
Mn、Co、Ni、Cu、Ag、Ga、Al、In、Sc及びYから
なる群より選択される少なくとも一種であり、 M2は、Zr及びHf
からなる群より選択される少なくとも一種であり、 M3は、Si、B、
S、V、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも一種である
請求項1に記載の固体電解質。
【請求項3】結合水を0.01質量%以上20質量%以下含む請求項1
又は2のいずれかに記載の固体電解質。
【請求項4】粒度分布測定で得られる測定値(D50)が、0.1μm
以上10μm以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の固体電
解質。
【請求項5】 請求項1~4のいずれか一項に記載の固体電解質を有す
る全固体二次電池。
【請求項6】一対の電極層と、この一対の電極層の間に設けられた前
記固体電解質を有する固体電解質層とが、相対密度80%以上である
<ことを特徴とする請求項5に記載の全固体二次電池。

2.特開2024-23045(P2024-23045A) 二酸化炭素除去を含むメタンガス
生成装置及び方法 荏原実業株式会社 

【概要】
下図2のごとく 水素含有ガスBとCO2含有ガスAとを微生物処理を
行う嫌気性生物反応槽1に供給し、メタンガスを含有する処理ガスE
を排出する二酸化炭素除去を含むメタンガス生成装置において、該処
理ガスEの少なくとも一部を該反応槽に循環する循環ガスライン(D)
を有することを特徴とし、微生物を用いた場合でも、高い効率で高濃
度のメタンガスを生成可能な、二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
装置及び方法を提供する。

図1 概要図
【符号の説明】 1 嫌気性生物反応槽 2 散気手段 3 NH3除去手
段除去装置) 4 ガス分離手段(分離装置) 10 流動担体 A 二
酸化炭素を含むガス B 水素を含むガス E 処理ガ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水素含有ガスとCO2含有ガスとを微生物処理を行う嫌
気性生物反応槽に供給し、メタンガスを含有する処理ガスを排出する
<二酸化炭素除去を含むメタンガス生成装置において、該処理ガスの少
なくとも一部を該反応槽に循環する循環ガスラインを有することを特
徴とする二酸化炭素除去を含むメタンガス生成装置。
【請求項2】 請求項1に記載の二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
装置において、 該反応槽の後段には、該処理ガスに含まれるNH3を
除去するNH3除去手段を有することを特徴とする二酸化炭素除去を
含むメタンガス生成装置。
【請求項3】 請求項1に記載の二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
装置において、 該反応槽の後段には、該処理ガスに含まれるメタンガ
スを分離するためのガス分離手段を有し、 該ガス分離手段によりメタ
ンガスが除去された残留ガスを、該循環ガスラインに供給することを
特徴とする二酸化炭除去を含むメタンガス生成装置。
請求項4】 請求項2に記載の二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
装置において、 該NH3除去手段の後段には、該NH3除去手段を通
過したガスに含まれるメタンガスを分離するためのガス分離手段を有
し、 該ガス分離手段によりメタンガスが除去された残留ガスを、該循
<環ガスラインに供給することを特徴とする二酸化炭除去を含むメタン
ガス生成装置。
【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素除去を含
むメタンガス生成装置において、 該反応槽内の微生物を含む液体中に
流動担体を有し、該流動担体の充填率は5~50%であることを特徴
とする二酸化炭素除去を含むメンガス生成装置において、該反応槽内
の微生物を含む液体中に流動担体を有し、該流動担体の充填率は5~
50%であることを特徴とする二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
装置。
【請求項6】請求項5に記載の二酸化炭素除去及びメタンガス生成装
置において、 該循環ガスラインで循環させる該処理ガスの循環量を、
該反応槽に供給する該水素含有ガスと該CO2含有ガスとの合計量の
0.5~50倍に設定する循環量調整手段を有することを特徴とする
二酸化炭素除去を含むメタンガス生成装置。
【請求項7】 水素含有ガスとCO2含有ガスとを嫌気性生物反応槽に
供給し、該反応槽内で微生物処理を行い、メタンガスを含有する処理
ガスを排出する二酸化炭素除去を含むメタンガス生成方法において、
該処理ガスの少なくとも一部を該反応槽に循環することを特徴とする
二酸化炭素除去を含むメタンガス生成方法。
【請求項8】 請求項7に記載の二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
方法において、 該処理ガスに含まれるNH3を除去することを特徴と
する二酸化炭素除去を含むメタンガス生成方法。
【請求項9】 請求項7に記載の二酸化炭素除去を含むメタンガス生成
方法において、 該処理ガスからメタンガスを分離し、該メタンガスが
除去された残留ガスを、該反応槽に循環させることを特徴とする二酸化
炭除去を含むメタンガス生成方法。
【請求項10】 請求項8に記載の二酸化炭素除去を含むメタンガス生
成方法において、 該NH3を除去した処理ガスから、メタンガスを分
離し、 該メタンガスが除去された残留ガスを、該反応槽に循環させる
ことを特徴とする二酸化炭除去を含むメタンガス生成方法。
【請求項11】 請求項7乃至10のいずれかに記載の二酸化炭素除去
を含むメタンガス生成方法において、該嫌気性生物反応槽に供給され
る該水素含有ガスのH2質量と該CO2含有ガスのCO2質量との比
は、1:5.5~1:11の範囲に設定されていることを特徴とする
二酸化炭素除去を含むメタンガス生成方法。
※生活及び生物廃液処理水と再エネ由来水素を併合することで二酸化
炭素除去とメタンガス生成が可能となる事業が実現するか?


3.特開2024-018475 炭化水素製造装置および炭化水素製造方法
 株 式会社日立製作所

【概要】
下図2のごとく本開示の一態様は、原料ガスFGが導入される反応器
2と、反応器2に収容され、原料ガスFGを反応させて炭化水素HC
を生成する触媒3と、複数の温度調節部4と、複数の炭化水素センサ
6と、制御部7とを備える炭化水素製造装置1である。複数の温度調
節部4は、反応器2の内部におけるガスの流れ方向FDに設けられて
触媒3の温度を調節する。炭化水素センサ6は、複数の温度調節部4
の各々の下流側の複数の検出位置で反応器2の内部の炭化水素量を検
出する。制御部7は、炭化水素センサ6によって検出された複数の検
<出位置の各々の検出位置における炭化水素量の差を低減するように、
各々の温度調節部4の温度を制御することで、原料ガスを使用して炭
化水素を製造する際の反応を均一化することができ、省エネルギー<化
と触媒の劣化抑制が可能な炭化水素製造装置を提供する。

図2.図1の炭化水素製造装置の反応器の概略的な断面図。
【符号の説明】
1 炭化水素製造装置 2 反応器 3 触媒 41 第1温度調節部
42 第2温度調節部 43 第3温度調節部 6 炭化水素センサ
7 制御部 FD ガスの流れ方向 FG 原料ガス HC 炭化水素
P 炭化水素製造方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】原料ガスが導入される反応器と、前記反応器に収容され、
前記原料ガスを反応させて炭化水素を生成する触媒と、前記反応器の
部におけるガスの流れ方向に設けられて前記触媒の温度を調節する
複数の温度調節部と、前記複数の温度調節部の各々の下流側の複数の
置で前記反応器の内部の炭化水素量を検出する炭化水素センサ
と、前記炭化水素センサによって検出された前記複数の検出位置の各
々の検出位置における炭化水素量の差を低減するように、各々の前記
温度調節部の温度を制御する制御部と、を備えることを特徴とする炭
化水素製造装置。
【請求項2】前記原料ガスは、一酸化炭素と二酸化炭素と水素を含有
し、前記温度調節部は、前記反応器の内部におけるガスの流れ方向の
上流側の前記触媒の温度を一酸化炭素の反応に適した第1温度に調節
する一つ以上の第1温度調節部と、前記ガスの流れ方向の下流側の前
記触媒の温度を二酸化炭素の反応に適した第2温度に調節する一つ以

上の第2温度調節部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の
炭化水素製造装置。
【請求項3】前記ガスの流れ方向における各々の前記第1温度調節部
の下流側と各々の前記第2温度調節部の下流側の複数の検出位置で前
記反応器の内部の炭化水素量を検出する炭化水素センサと、前記炭化
水素センサによって検出された前記複数の検出位置の各々の検出位置
、各々の前記第1温度調節
部と各々の前記第2温度調節部の温度を制御する制御部と、をさらに
備えることを特徴とする請求項2に記載の炭化水素製造装置。
【請求項4】前記ガスの流れ方向において一つ以上の前記第1温度調
節部と一つ以上の前記第2温度調節部との間に配置されて前記触媒の
温度を前記一酸化炭素および前記二酸化炭素の反応に適した第3
に調節する一つ以上の第3温度調節部をさらに備えることを特徴とす
る請求項2に記載の炭化水素製造装置。
【請求項5】前記ガスの流れ方向における各々の前記第1温度調節部
の下流側と各々の前記第3温度調節部の下流側と各々の前記第2温度
調節部の下流側の複数の検出位置において、前記反応器の内部の炭化
水素量を検出する炭化水素センサと、前記炭化水素センサによって検
出された前記複数の検出位置の各々の検出位置における炭化水素量の
差を低減するように、各々の前記第1温度調節部と各々の前記第2温
度調節部と各々の前記第3温度調節部のそれぞれの温度御部と、をさ
らに備えることを特徴とする請求項4に記載の炭化水素製造装置。
【請求項6】前記原料ガスに含まれる一酸化炭素ガスと二酸化炭素ガ
スの比率が同等であることを特徴とする請求項2に記載の炭化水素製
造装置。
【請求項7】前記原料ガスに含まれる一酸化炭素ガスと二酸化炭素ガ
スの比率が異なることを特徴とする請求項4に記載の炭化水素製造装
置。
【請求項8】前記炭化水素は、メタンであることを特徴とする請求項
2に記載の炭化水素製造装置。
【請求項9】一酸化炭素と二酸化炭素と水素を含有する原料ガスを反
応させて炭化水素を生成する触媒が収容された反応器に前記原料ガス
を導入し、前記反応器の内部におけるガスの流れ方向の上流側の前記
触媒の温度を一酸化炭素の反応に適した第1温度に調節するとともに、
前記ガスの流れ方向の下流側の前記触媒の温度を二酸化炭素の反応に
した第2温度に調節することを特徴とする炭化水素製造方法。 


 4.特開2023-18305 複合体及びその製造方法、分散剤、電極、イオ
ン交換膜-電極接合体並びに固体電解質形電解装置 出光興産株式
会社

【概要】
金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、及び白金からなる群より選ばれ
る少なくとも1つの金属を担体に担持させた複合体の製造方法であっ
て、溶媒、アルキルアンモニウム基を含む樹脂、前記金属を含む金属
化合物、及びハロゲン化物を混合する混合工程と、前記混合工程で得

られた混合液に、紫外線を照射する照射工程と、前記照射工程を経た
混合液に、前記担体を添加する担持工程とを有する複合体の製造方法
で、COを含む合成ガスの生産効率及び電流密度が高い複合体及びの

製造方法、電極、イオン交換膜-電極接合体及び電解装置、並びに、
被毒抑制に優れる分散剤を提供する。


図1.本実施形態で好適に用いられるイオン交換膜-電極接合体の
 模式図である。
【符号の説明】
10 ガス拡散層 20 触媒層 22 アイオノマー 24 複合体
30 固体電解質(イオン交換膜) 40 アノード(陽極)50 イオ
ン交換膜-電極接合体 100 カソード集電板 200 カソード(
陰極)300 固体電解質(イオン交換膜)400 アノード(陽極)
500 アノード集電板 600 電解液 700 電圧印加部 80
0 固体電解質形電解装置
【産業上の利用可能性】
本実施形態によれば、固体電解質形電解装置に対して、例えば工場よ
り排出されたCO2ガスを原料として、電圧印加部への太陽電池等の
再生可能エネルギーを利用することで、所望の生成割合による少なく
ともCOとH2を含有した合成ガスを生成することができる。このよ
うにして生成された合成ガスは、FT合成(Fischer-Tropsch合成)、
メタネーション等の手法により燃料基材、化学品原料等を生成するこ
とができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、及び白金からな
る群より選ばれる少なくとも1つの金属を担体に担持させた複合体の
製造方法であって、溶媒、アルキルアンモニウム基を含む樹脂、前記
<金属を含む金属化合物、及びハロゲン化物を混合する混合工程と、前
記混合工程で得られた混合液に、紫外線を照射する照射工程と、前記
照射工程を経た混合液に、前記担体を添加する担持工程とを有する複
合体の製造方法。
【請求項2】前記担体100質量部に対する前記金属化合物中の金属
の質量が、15質量部以上40質量部未満である請求項1に記載の複
合体の製造方法。
【請求項3】前記アルキルアンモニウム基が、下記式(1)で表され
る請求項1又は2に記載の複合体の製造方法。
【化1】

〔式(1)中、R1~R3は、各々独立に、炭素数1~5のアルキル
基である。*は結合部位を表す。〕
【請求項4】前記樹脂は、前記アルキルアンモニウム基を側鎖に有す
る請求項1~3のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
【請求項5】前記アルキルアンモニウム基は、前記側鎖の末端に位置

する請求項4に記載の複合体の製造方法。
【請求項6】 前記担体は、炭素を含む請求項1~5のいずれか1項に

記載の複合体の製造方法。
【請求項7】請求項1~6のいずれか1項に記載の複合体の製造方法で

製造された複合体。
【請求項8】請求項1~6のいずれか1項に記載の複合体の製造方法に

いられ、アルキルアンモニウム基を含む樹脂を含有する分散剤。
【請求項9】請求項7に記載の複合体を含む触媒層と、ガス拡散層とを

有する電極。
【請求項10】前記電極は、カソードである請求項9に記載の電極。
【請求項11】請求項10に記載の電極と、固体電解質と、アノードと

を有するイオン交換膜-電極接合体。
【請求項12】前記固体電解質が、陰イオン交換膜である請求項11に

記載のイオン交換膜-電極接合体。
【請求項13】請求項10に記載の電極を構成するカソードと、前記
カソードと一対の電極を構成するアノードと、前記カソードと前記カ

ードとの間に接触状態にて介在する固体電解質と、前記カソードと
記アノードとの間に電圧を印加する電圧印加部とを有する固体電解
質形電解装置。
【請求項14】前記固体電解質が、陰イオン交換膜である請求項13

記載の固体電解質形電解装置。
※ この事例は詳細に考察することに!(明日)





     風瀟々と蒼き時代



「アイル・ビー・バック」(I'll Be Back)は、ビートルズの楽曲。
イギリスでは1964年に発売された3作目のイギリス盤公式オリジアルバ

ム『ハード・デイズ・ナイト』、アメリカでは同年12月に発売された
キャピトル編集盤『Beatles '65』に収録された。レノン=マッカート
ニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンによって書かれた
楽曲

モナリザ・ツインズ - 2015年にカバー演奏する動画を公開。2018年に

発売されたカバー・アルバム『Monalisa Twins Play Beatles & More, 
Vol. 2』で初音源化となる。この曲は5億回再生を達成している。



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未来を信じる使命

2024年03月18日 | ネオコンバーテック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国

時 代の軍団編成の 一種で、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
兜(か <ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。 井伊軍団のシンボ
ルとも言える 赤備え。(戦国時代の軍団編成のせて生まれたキャラク
タ「ひこにゃん」。

  春くれば散りにし花も咲きにけり あはれ別れのかからましかば
                          具平親王
                   

※春が来て、かつて散った花もまた咲いた。別れた人ともこのように再
び会えたら嘆くこともないのに<
                   
※具平親王(ともひら しんのう、応和4年(964年8月4日)- 寛弘6年(1009
年8月21日))は、平安時代中期の皇族。第62代村上天皇の第七皇子、母
は女御荘子女王(醍醐天皇の第三皇子代明親王の次女)。官位は二品・中
務卿。後中書王(のちの ちゅうしょ おう)、千種殿(ちぐさ どの)、六
条宮(ろくじょうの みや)の通称がある。 [来歴] 康保2年(965年)親王<
宣下。 同5年(968年)5月に父が崩御、7月に母が出家。貞元2年(977年)8
月11日元服して三品に叙せられる。兵部卿・中務卿を経て、寛弘4年(
1007年)4月二品に叙される。  
 
 
 



温条件下のペロブスカイト太陽電池モジュール完全ロール・ツー・
ロール製造での実証実験
 

【要約】 
有機無機ハイブリッドペロブスカイト太陽電池の急速な発展により、商
業化された技術に匹敵する電力変換効率を備えたラボスケールのデバイ
スが誕生したが、ハイブリッドペロブスカイト太陽電池は、まだ研究コ
ミュニティを超えた影響を与えておらず、業界に関連する
大面積デバイ
スへの変換は依然として製造方法で重要な課題  
である。ここでは、
室内環境下で産業用ロール・ツー・ロール印刷ツールのみの

製造された、直列相互接続されたセルで構成されるハイブリッド・
ペロブスカイト太陽 電池モジュールの初試作結果を報告する。この開
発の、高価な真空蒸着金属電極を印刷したカーボン電極に置き換えてい
る。20のパラメーターイン ープット実験により、大きなパラメーター
空間での迅速な最適化が なった。最適化されたロール・ツー・ロール
製造されたハイブリ ペロブスカイト太陽電池は、個々の小面積セルで
最大15.5%、面積モジュールの直列相互 接続セルで最大11.0%の電力変
換効率を示す。
製造したデバイスに基づくと、コストは~~0.7 USD/W 。オーストラリア
 
 
年間1,000,000m²の生産が見込まれており、さらなる大幅なコスト削減
が見込む。

図1.工程図
a 信頼性の高いSDコーティングプロセスとペロブスカイトに優しいカー
ボンインクが開発され、真空フリーのペロブスカイトPV生産が可能にな
りました。カーボンインクは、3ロールミルを使用してアップスケール
され、自動化されたロールツーロール研究プラットフォームを使用し
て多数の研究セルを製造およびテストすることにより、デバイスパラ
メータを最適化するために使用されます。b SDコーティング、リバース
グラビア(RG)コーティング、スクリーン印刷によるモジュールのロー
ルツーロール生産の概略図。c 直列接続モジュールの詳細な構造は、市
販の透明電極上に完全にロール・ツー・ロールで製造されています。

【はじめに】
    
 
 
 
 

有機無機ハイブリッドペロブスカイト太陽電池(PeSC)は、26.1%の電力               
変換効率(PCE)を実証した有望な次世代太陽光発電(PV)技術

録的な効率は、市場の既存技術に匹敵するにもかかわらず、PCEが26.8%
の結晶性Si PVでは、PeSCを実際のアプリケーションで実現する課題に
対処する必要がある。最も重要なのは、経済的に実行可能または スケ
ーラブルではない材料や方法を使用し製造されることが多い小面積のラ
ボスケールのセルを、大量かつ低コストの製造方法で製造された大面積
のデバイスへの変換にある。無機多接合セルやGaAsセルなど、PCEの高
い他の太陽光発電技術が示すように、コストダウンしなければが市場イ
ンパクトを与えられない。   

 PeSCと従来の無機PV技術の主な違いはスプレーなどの溶液ベースの工 
業プロセスを使用した低コストで低エネルギーの製造可能性でありお
よびスロットダイ(SD)コーティング大面積のガラスベースのPeSCの最近
の進歩により、最大25.8%の効率が期待されているが、これらのデバイ
スは、ディスクリートのシートツーシート処理を使用し製造され、真空
ベースの蒸着ステップを利用し、サブトラクティブレーザーパター/br>
ニングを採用して大面積モジュールの相互接続を実現している。これら
に、柔軟なPeSCは、連続ロールツーロール(R2R)製造技術を使用し量かつ
高スループットの製造を実現する。また、フレキシブルPeSCの軽量で物
理的な柔軟性は、高い比電力(電力対重量比)を持つ太陽光発電パ ネル
の可能性を提供し、車両一体型太陽光発電、建物一体型太陽光発電宇宙
を含む新しいアプリケーションにとって非常に望ましいが、連続的に動
くフレキシブルプラスチック基板上でPeSC製造プロセスには、技術的
題、特に時間と温度処理の制限がある。
        


製造プロセスを進化させるだけでなく、太陽電池アーキテクチャの高コ                            
スト部品を、同等の性能を維持しながら、より安価な代替品に置き換え             
ることは、依然として永続的な課題であり、最もコストの高い部品は真             
空処理されたAu電極で、市販の透明導電性電極(TCE)が後続する。真空             
蒸着はコストがかかり、プロセスの性質上、従来のR2R製造ラインでの             
使用には適していません。ガラス系デバイスにおける溶液処理された裏             
電極の報告がいくつかあるが、その加工には長時間の高温工程が必要で             
あり、連続工程の時間的制約から、軟質プラスチック基板との相性が悪             
く、R2Rベースのアップスケーリングにも適さない。これらの技術的課             
により、小面積のPeSC(0.09cm2R2Rプロセスを用いてフレキシブルプ             
ラスチック基板上に全層を堆積させた活性領域)は、ごく最近(2023年2             
月)に報告されたばかりで、28個々のセルは最大10.8%のPCEを示す。最             
初の報告は、この分野において重要なマイルストーンとなったが、その

効率は依然として一般的な研究用セルの効率とはかけ離れており、実証
されたのは小さなセルのみでした。本稿では、過去最高の15.5%のPCE
を持つ、完全にR2R印刷された個々のPeSCの製造について報告する。
た、業界に関連するR2R製造技術のみを使用して、周囲の室内条件下
で製造されたPeSCモジュールの最初のデモンストレーションについても
報告します。これは、(i)堅牢でスケーラブルな成膜技術、(ii)真空ベース
の電極に代わるペロブスカイトフレンドリーなカーボンインク、および
(iii)図1に示すR2Rベースのハイスループット実験プラットフォームの開
発によって達成されました。後者は製造プロセスを模倣して、1日に数千
個の研究用セルを製造およびテストします。これにより、ミニチュア工
場から、最大11%のPCEを示すPeSCモジュール(~50cm²のアクティブエ
リア)のフルスケールR2R製造へのシームレスな移行が可能になりました。
印刷したPeSCの将来性は、本研究で用いた製造方法や材料をもとにコ
ストモデルを用いて算出した様々な生産シナリオにおける製造コストと
その結果得られたデバイス効率を考慮して評価する。    
                            この項了       
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太陽を追って

2024年03月16日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国
時代の軍団編成のせて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。



光合成細菌の生きた化石を湖から発見
14日、北海道大学と加ウォータールー大学は,光合成進化のミッシング
リンクに相当する新奇性の高い細菌を発見。研究グループは,「Candid- 
atus Chlorohelix allophototropha」と名付けた細菌を,カナダ北部の
湖から培養。研究開始当初,光合成ができる珍しい細菌の培養を目指し
て,採水した湖水に光を照射して培養を行なったが、数週間経ってもは
っきりとした結果でなかったが,微生物増殖を示した1本の培養瓶中に含
まれている主要な光合成細菌の分離培養に成功し、その詳細な特徴を明
らかにする。



ところが,クロロフレキサス門の既知の全ての光合成細菌は光化学系II
を使っているのに対して,この新しい細菌は光化学系Iを使っていること
判明、すなわち,クロロフレキサス門の細菌は光化学系の反応中心を
柔軟に変化させながら進化しつつ,クロロソームの様な集光装置をその
まま維持して進化したと考えられる。この発見によって,研究グループ
はクロロフレキサス門における光合成進化仮説の矛盾を解消し,この進
化を説明する二つの新しいモデルを提案。この新種の酸素非発生型光合
成細菌を生きた化石と捉えることができます。そして、特筆すべき点と
して、本細菌が地球における光合成のからくりや進化の謎を解く鍵とな
る生物であり、分離培養ができたことで生体分子の生化学的アプローチ
が可能となるため、酸素非発生型から酸素発生型光合成への進化過程、
さらには太古地球の環境と生命の共進化について包括的に理解できるこ
とに期待がかかる。


光渦で金ナノの超精細パターニングに成功
13日、千葉大学,北海道大学,大阪公立大学,大阪大学は金ナノ微粒子
が分散する懸濁液(金ナノインク)に光渦を照射することで従来のイン
クジェット技術の限界を凌駕する微小なドットが印刷できることを実証。
近年,半導体・電子製品などを印刷して製造するプリンタブルエレクト
ロニクス技術に注目が集まっている。従来のインクジェット印刷技術で
はノズルが目詰まりを起こすため,高粘度材料の印刷が困難だったが,
レーザー誘起前方転写法(LIFT)によって,それが可能になり、LIFTが,
パルスレーザー加熱によってドナー膜に形成されたキャビテーションバ

ブルの膨張・収縮によってドナーの液滴が吐き出されてレシーバー基板
に転写される現象で,次世代プリンタブルエレクトロニクスの印刷手法
のホープであるが、LIFTはドナー物質の液滴が吐出される方向を制御す
ることは原理的に不可能だった。この課題を克服するため,研究グルー
プは光渦を用いた光渦レーザー誘起前方転写法(光渦LIFT)を考案。


図1 光渦レーザー誘起前方転写法のイメージ図
液滴の自転運動によって液滴中の金ナノ微粒子

が高密度に充填されてドットとして印刷される

光渦は,照射した物質にトルク(軌道角運動量)を与えることが知られ
ている。光渦の軌道角運動量がLIFT現象によって吐出された液滴を自転
させる結果,液滴が安定して直進飛翔するため,より精密にプリントす
ることが可能になる。検証は,波長532nmの光渦ナノ秒パルスレーザー
をガラス基板上のドナーである金ナノインクにビームスポットが35μm
になるようにレンズで集光した。単一パルス照射によって,液膜から単
一液滴を吐出し,ドナー基板に平行して設置されたレシーバー基板にド
ットとして印刷された。その結果,金属ナノ微粒子が密に充填された真
円性・均質性の高いドットが印刷できた。
一方,ガウシアンビームを用いた従来のLIFTで転写されたドットは,い
びつでドット中のナノ微粒子の分布も不均一だった。ドット径も光渦の
結果と比較してかなり大きく,周辺にデブリが散乱。さらに,印刷した
ドットの位置精度を評価したところ,光渦LIFTはガウシアンビームを用
いた通常のLIFTよりも半分以下の距離差でドットを印刷でき,金ナノイ
ンクの文字パターニングが可能になった。さらに集光ビーム径を制御す
ることで最小直径9μmのドット印刷にも成功した。研究グループは,こ
の印刷技術は,半導体インク材料や他の金属インク材料にも適応できる
ため,次世代プリンタブルエレクトロニクス技術の基盤技術として回路
の量産技術などへ発展可能と見込んでいる。
【掲載論文】
・論文タイトル︓High-definition direct-print of metallic microdots with
        optical vortex induced forward transfer
・雑誌名︓APL Photonics  DOI︓https://doi.org/10.1063/5.0187189
・論文タイトル:Fabrication of an array of hemispherical micro-lasers
         using optical vortex laser-induced forward transfer
・ 雑誌名:ACS Photonics
・DOi:https://doi.org/10.1021/acsphotonics.3c01005 

------------------------------------------------------------------------------------------------
CO2の光駆動メタネーションのための効率的な金属-有機構造体由来ニッケ
ル触媒

東京ガスの場合
安価な再生可能エネルギーを利用するということ、天然ガスの既存イン
フラを活用するということから、大規模なe-メタン製造は基本的に海外
で実施することになる➲現在の小規模実証でのメタネーションプロセ
スは、「サバティエ反応」という触媒反応を使っていますが、これには
機器コスト、水電解からメタン合成に至る効率や大型化の限界、熱マネ
ジメントの難しさ、といった課題があります。大規模で安価なメタネー
ションを実現するためには、新たな技術革新が必要となる。

※サバティエ反応は、ニッケルなどを触媒として使い、気体の二酸化炭
素(CO2)と水素を高温で反応させて、メタンと水を得る反応。

現状のメタン製造はこのサバティエ方式を使っていますが、水電解装置
、水素タンク、メタン合成装置といった複数の設備を必要とするため、
機器コストが高いという問題があり、
また、水素を作り出すための水電解プロセスとメタネーションを合わせ
た総合効率が50%程度で、大規模な導入のためには更なる効率化が必要・
加えて、サバティエ反応は約500℃という高温に達する発熱反応であり、
この熱マネジメントが難しいという課題も解決する必要
この課題解決のため、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開
発機構(NEDO)のプロジェクトにおいて、「ハイブリッドサバティエ
方式」と「PEMCO2還元方式」という、2つの革新的技術開発に取り組
んでいる➲国のグリーンイノベーション基金を活用し、将来の社会実
装をコミットして進めている取り組みになる。

♞ 水電解とメタン合成を一体化する、ハイブリッドサバティエ方式
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発しているハイブリッドサバテ
ィエ方式は、発熱反応であるサバティエ反応の排熱を、吸熱反応である
水電解に利用することで、高効率化と熱マネジメント性の向上を可能に
する。


サバティエ反応は前述のように500℃程度の高温になるため、熱マネジ
メントが難しいという問題があった。JAXAは、宇宙船内でのCO2の除
去と酸素を発生させる水電解をリンクさせて、循環型の空気再生システ
ムを構築するため、220℃付近の低温で進行する低温サバティエを開発
した。ハイブリッドサバティエは、固体高分子電解質膜(PEM:Polymer Electrolyte Membrane)を使ったPEM水電解と、低温サバティエ反応を
一体化、モジュール化することで、機器コストの低減と、複数化、大型
化によりスケールアップが可能。また、基本的に既存技術の組み合わせ
であり、JAXAによって原理実証も完了しているから、早期の大型化、
社会実装が可能だ。
 水とCO2から直接メタンを合成するPEMCO2還元方式
PEMCO2還元は、水電解でも利用される電気化学反応により、水とCO2
から直接メタンを合成技術。


PEMCO2還元は低温サバティエよりさらに低い、約80℃で反応し、かつ熱
中立な反応のため、熱マネジメントは不要になる。さらに1デバイスで
全ての反応が完結するため、設備構造の簡略による低コスト化、またモ

ジュール化と大型化によってスケールアップが容易と考えている。また、
PEMCO2還元には、メタン合成に用いられる電極触媒により、電解電位が
近接しているメタン以外の副生成物を生成する可能性があり、弊社では
代替石油などクリーンなe-fuelの合成への応用も視野に入れ、開発を進
めている。なお、メタン以外の成分の検討はNEDO支援によらず弊社独自
の取り組み。
確かに触媒反応や電気化学反応など、応用化学系のエンジニアが中心で
すが、これから社会実装に向けたシステム構築、スケールアップ、イン
フラの活用・整備などを総合的に推進していく必要がありますから、応
用化学以外の多岐にわたる技術開発が必要になります。デバイスの大型
化では機械系、電気系のエンジニアが求められるでしょうし、海外への
展開も視野に入れるとプラントエンジニアの活躍の場もあるでしょう。
また、多くのシステムを連携させながら運用するという点で、IT系やシ
ステム開発ができる人材などは、この領域でも欠かせない。

SDGsの広がりと共に、世の中が化石燃料を使わない方向に進みだろう。
そうした中、合成メタンを製造するメタネーションに携われることは、
お客様にこれまで通り都市ガスを使い続けて頂きながら、地球環境を守
ることができるという点で、やりがいがある。革新的メタネーション技
術開発グループは、2021年度に新設された部署(東京ガス)で、多くの
関連する技術に携わっている人たちが集まっている。みんなメタネーシ
ョンをしっかりやっていかないと、炭化水素の燃料から離れてしまう、
とい危機意識を持って取り組む。今の部署が設立されたタイミングで異
動してきた。ただ、新しい組織が立ち上がって新たな活動に取り組むこ
とになっても、目標に向かって開発し、改善していくことの繰り返しと
いう基本的な考え方は変わらない。ハイブリッドサバティエもPEMCO2
還元も、これまで燃料電池で扱っていたものと似たような技術でメタン
を製造するもの。これまで培ってきた技術を、全く違う目的のために応
用できるというのも面白い。今後、環境技術に関わるエンジニアも増え
ていくと思うが、今自分のやっている仕事が、どこでどういう形で花を
開くのか、本当にいろいろな可能性がある。新しく学ぶことも多いが、
楽しみながら技術開発への取り組みを進めることができれば、それがき
っと将来役に立つと思う。via MEITEC「合成メタンの価格を下げる2つの
革新的技術とは[東京ガスに聞く、CO2ネットゼロを目指すエネルギー産
業の最新事情」2023.4.10




 風蕭々と蒼い時代



I'll Follow The Sun - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)
「アイル・フォロー・ザ・サン」は、マッカートニーがデビュー前に書
いた楽曲で、マッカートニーは「16歳の時にフォースリン・ロードに面
した部屋で書いた曲[注釈 1]。歌詞についてマッカートニーは、「『ア
イル・フォロー・ザ・サン』は最初の頃に書いた曲のひとつさ。病み上が
りの間もない時に部屋からレースのカーテン越しに外を眺めながら書い
た記憶がある。でもその頃僕らは地元でハードなリズム・アンド・ブル
ースをやっていたから、『アイル・フォロー・ザ・サン』のようなバラ
ードは後回しにしたんだ」と語る。 1980年にジョン・レノンは、『プレ
イボーイ』誌のインタビューで「これはポールだ。おかしな内容なんだ。
「明日、雨が降るかもしれない。ぼくは太陽を追いかける(Tomorrow 

may rain / So I'll follow the sun) 」…マッカートニーの最初期の
作品。きっとビートルズ以前に書いたんじゃないかと思う。彼はたくさ
ん曲を書いていた]と語る。

モナリザ・ツインズ(英: MonaLisa Twins) は、リバプールを本拠地と
する双子の姉妹による二人組ロック・バンド。 ビートルズをはじめと
る1960年代のバンドの曲をカバーした動画を、YouTubeで発表するこ
で知られている。それらの曲の多くはアルバムとしても発表されてお
、またオリジナル曲を収録したアルバムも発表している。





アメリカの地方都市で秘書をしている独身の38歳のジェーン・ハドソン

(キャサリン・ヘプバーン)は長期休暇を取り、念願であったヨーロッ
パ旅行の夢を実現させて、ロンドンとパリを観光後、オリエント急行に
乗って、この旅行の最終目的地である水の都・ヴェネツィアを訪れる。
ヴェネツィアは街中に水路が張り巡らされた歴史のある美しい都であり
ジェーンは駅から船でフィオリーニ夫人(イザ・ミランダ)が経営す
ペンシオーネに到着する。その後、観光に出かけたヴェネツィアのサン
・マルコ広場で1人のイタリア人男性レナード(ロッサノ・ブラッツィ)
と出会う。



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再エネ第一先鋒;太陽電池 ③

2024年03月08日 | ネオコンバーテック
 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成の
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。



絶え間なく降り注ぐ太陽エネルギーが『贈与経済』の源 ②

地下化石燃料は太陽エネルギーの缶詰
地球に到達した太陽光線の1時間あたりの総エネルギー量は20世紀後半の世界の

1年間で消費されるエネルギーに匹敵し、そのエネルギーの地上での内訳は、 
地上で熱に変わってしまうエネルギーは約45%。海中に蓄えられるエネルギーは
20数% 風や波を動かす原動力へ変わるエネルギーは0.2% 程度 光合成に使われる
エネルギーは0.02% 程度 宇宙へ反射してしまうエネルギーは30%程度。最的には、
可視光や赤外線などの電磁波として宇宙へ再放射されています。この太陽エネル
ギーを利用して化石燃料が、地質時代にかけて堆積した動植物などの死骸が地中
に堆積し、長い年月をかけて地圧・地熱などにより変成されてできた有機物の化
石のうち、人間の経済活動で燃料として用いられる。地球が誕生した頃の大気は
主に窒素・水蒸気・二酸化炭素・硫黄酸化物(火山ガス)などで形成され、二酸
化炭素は、今より遙かに高濃度であったと推定されています。まずは、光合成を
行うことのできる植物プランクトン(または硫黄酸化物を吸収する嫌気性生物)
のような生物が海中で誕生し、光合成によって太陽エネルギーを利用して大気
中の二酸化炭素を吸収・分解(または硫黄酸化物を吸収)、そのうち炭素(硫黄
)成分を体内に吸収し、酸素を排出する。すると、今度は酸素を消費し、植物プ
ランクトンを捕食する動物プランクトンのような生物が誕生します。

この小さな原始生物達の生命活動の循環が積み重ねられることで、約 8億年前に

は現代と、ほぼ 同程度の酸素濃度(約23%)になり、この高濃度の酸素が後に
オゾン層を形成し、動植物が地上へ進出することが可能になったと考えられてい
る。また、太古の地球は現在より遙かに気温が高く、二酸化炭素などの減少によ
り気温が概ね15℃程度まで低下、大気の循環も相まって冷やされ、現在の姿にな
った。それらの動植物性プランクトンは、一生を終えると海中深くへ沈み、それ
が堆積・重合し、加圧される等の変遷を経て、地層を形成し、石油となる。また、
その後に陸上に進出した樹木などの生物の死骸が同様の理由で、堆積・加圧等さ
れて形成されたものが石炭であり、言い換えれば、かつて大気中に存在していた
炭酸ガス、その他の人体にとって有害な成分と太陽エネルギーが、生物の働きに
よって長大な時間をかけて固定され、地中深くに封じ込められました。これが
「太陽エネルギーの缶詰」だといえる所以です。

人類のエネルギー消費は太陽エネルギーの僅か1万分の1
もっとも、石油は現在の学説の主流は、百万年以上の長期間にわたり厚い土砂の
堆積層に埋没した生物遺骸が、高温と高圧によって油田という物質に変わり、液
体やガスの炭化水素へと変化し岩盤内の隙間を移動、貯留層と呼ばれる多孔質岩
石に捕捉されて、油田を形成する石炭とともに化石燃料とも呼ばれる「有機由来
説」が現在の主流です。これ以外にも、天文物理学者トーマス・ゴールドが唱え
る「惑星が誕生する際の大量の炭化水素が惑星内部の高圧・高熱を受けて変質す
ることで石油が生まれる」という無機由来説があります。これは、一度涸れた油
田も、しばらく放置すると再び原油産出可能になることで説明されているが、超
深度さえ掘削できれば、世界中どこでも石油を採掘できる可能だとされる。掘削
技術整えば膨大な量の石油が消費されても、石油が枯渇する危険性はほぼ皆無で、
ベトナム沖、メキシコ湾岸油田のユウジン・アイランドの化石燃料では考えら
れない深さの超深度油田から原油がみつかっている。

もう一つは、世界的にも稀な軽質油を産出する静岡県の相良油田では、有機由来
説とも無機由来説とも異なる第三の説が唱えられており、1993年、京都大学大学
院の今中忠行(現在:株式会社アイティー技研長、京大名誉教授:1945~)は、
研究室内の「無酸素実験装置」において、相良油田から採取した石油分解菌が、
通常状態では石油を分解する能力を持ちながら、石油も酸素もない環境におかれ
ると、細胞内に逆に原油を作り出すことを発見した石油分解菌。この際生成され
た石油は相良油田産の軽質油と性質が酷似しており、相良油田が形成された一因
として唱えられているほか、今中忠行らはこの石油分解菌がメタンハイドレート
に関係していると指摘。この研究が進めば、将来的には石油醸造プラントでの有
機的な石油の生成が可能になるとも言われている石油分解菌説。人類が地上でエ
ネルギー源として実際に利用可能な量は約1PW(ペタワット:1015)といわれてい
るが、これは現在の人類のエネルギー消費量の約50倍で、ソーラパネルに換算す
るとゴビ砂漠の半分に現在市販されている太陽電池を敷き詰めれば、全人類のエ
ネルギー需要量に匹敵する発電量に匹敵する。

 https://ittech.co.jp/company/



『贈与経済』の流儀-どのようにエネルギーを消費しますか
「われわれの富の源泉と本質は日光のなかで与えられるが、太陽のほうは返報な

しにエネルギーを-富を-配分する。太陽は与えるだけでけっして受け取らない
」(ジョルジュ・バタイユ『呪われた部分』)と、このようにバタイユは「普遍
経済」をイメージしていました。これを『贈与経済』と言い換えることもできま
すが、常にエネルギーが過剰であることは何を意味するのか。生産のためのエネ
ルギーが、成長のためのエネルギーが過剰に与えられているとことは、太陽エネ
ルギーが無限に与えられていることは、「もしもその組織(たとえば一個の有機体)がそれ以上成長しえないか、あるいは剰余が成長のうちに悉く摂取されえな
いなら、当然それを利潤ぬきで損耗せねばならない。好むと好まざるとにかかわ
らず、華々しいかたちで、さもなくば破滅的な方法でそれを消費せねばならない」ことを意味していると。そうです、エネルギーが過剰に与えられているから、惜
しみなく消費せざるをえないということが、人間の諸々の経済活動、あるいはも
っと広く言えば、諸エネルギーの関係の推移を位置づけていくことが、バタイユ
の謂う「普遍経済」の意味です。

もうお分かりだと思いますが、地下化石燃料や原子力燃料に依存せずとも、人類
は無償のエネルギーを手にできる段階になったといえます。そのことは、消費活
動に伴い排出される温暖化ガスが原因となり、引き起こされる世界規模の気象変
動の問題が解決され、持続可能な社会を希求するわたしたちの努力により、光熱
費は限りなく、社会的費用として漸近し、個人的な費用としての意味を失ってい
くのだと思っていまが、それを身をもつて実現していくことが喫緊の使命だと考 
えています。 
※以上の文は16年前に掲載した記事を加筆修正し再掲載したものである。 
※バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ]:1897-1962年。フランスの
思想家。大戦前から戦後にかけて、文学・思想・芸術・宗教学・政治等広範な領
域で批評活動を行い、現代に至るまで影響を与えつづけている。
「“全般経済学”とは、生産よりも富の“消費”(つまり“蕩尽”)のほうを、
重要な対象とする経済学のことである。」経済合理性の範疇に収まらない蕩尽・
祝祭・宗教・エロス・芸術は、人間の喜びの本質が有用性の原理に拠って立つ
生産・蓄積過程にあるのではなく、消費・蕩尽にあることを示す。本書は人間が
不可避的に内包せざるを得なかった「過剰」を考察の対象にして人間存在の根
源に迫り、生を真に充実させるために、蕩尽・神聖・恍惚に代表されるこの「
呪われた部分」の再考を鋭く強く促す。意識の「コペルニクス的転回」に賭けた
バタイユ作品の新訳。巻末に先駆的重要論文「消費の概念」を収録。

  

※中沢新一:1950年山梨県生まれ。明治大学野生の科学研究所所長(本データは 
この書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 
大地震と津波、そして原発の事故により、日本は根底からの転換をとげていかな 
ければいけないことが明らかになった。元通りの世界に「復旧」させることなど 
はもはや出来ない。未知の領域に踏み出してしまった我々は、これからどのよう 
な発想の転換によってこの事態に対処し、「復興」に向けて歩んでいくべきなのか。原子力という生態圏外的テクノロジーからの離脱と、「エネルゴロジー」と 
いう新しい概念を考えることで、これからの日本、そしてさらには世界の目指す 
べき道を指し示す。 

 従来のイデオロギー的な反原発の主張でも、堕落した資本主義への譴責(けん
 せき)という理解でもなかった。「エネルゴロジー(エネルギーの存在論)」
 からみた、人類史における原子力の特異性に焦点を当てた。太陽エネルギーの
 循環の中で長い時間をかけ蓄積された石炭や石油と違い、原子核融合などの高
 エネルギー現象を無媒介に直接的に地球の生態圏内部へ持ち込む原子力は、現
 在の技術では安全上の欠陥が大きい。しかも本来ない「外部」を持ち込むとい
 う思考回路は、生態圏の自然の秩序や調和を重んじる多神教やアニミズムと異
 なり、現代資本主義を駆動させているユダヤ教やキリスト教など一神教の超越
 的な世界観と同じ過激さをはらむ、と踏み込んだ。「わかりづらい、悠長だと
 批判も受けました。でも土台となる思想を解き明かさなければと考えた。新自
 由主義的な経済は限界に近づいている、という予感が現実になった危機感でし
 た。





米最大1.3GWの「太陽光+蓄電池」稼働
今後3GW超に増設へ
全2068文字
 太陽光発電で米国をリードするカリフォルニア州で、米国最大の太陽光発電と大規模なエネルギー貯蔵プロジェクトが商業運転を開始した。
 「エドワーズ&サンボーン・ソーラー・エネルギー貯蔵」と呼ばれるこのプロジェクトは、太陽光パネルの出力が875MWに達するメガソーラー(大規模太陽光発電所)と容量3282MWh(3.282GWh)もの「ギガストレージ」から構成される(図1)。
このプロジェクトは、1300MW(1.3GW)の系統連系容量を、カリフォルニア州の送電系統を管理するカリフォルニア独立系統運用機関 (California Independent System Operator、 以下CAISO)に提供する。CAISOの予測だと、発電量は、23万8000軒の家庭が消費する電力に匹敵するという。
 カリフォルニア州セントラルバレー南部に位置するカーン郡の私有地と、航空機開発の拠点として知られる「エドワーズ空軍基地」からリースした土地の両方にまたがり、総面積は4600エーカーを超える。
ちなみに、この事業は、米国国防総省(US DOD)史上で最大の官民連携によるプロジェクトになるとしている。

LG化学・サムスン・BYDの蓄電池
 米国で最大規模となる今回のプロジェクトでは米ファースト・ソーラー(First Solar)の190万枚のカドミウムテルル(CdTe)型化合物系薄膜太陽光パネルと、
韓国LG化学、サムスンSDI、そして中国BYDの3社によるエネルギー貯蔵システム
(Battery Energy Storage System =BESS)で構成されている。エネルギー貯蔵
設備には、12万個以上のリチウムイオン電池モジュールが使用された(図2)。


電力購入者には「スタバ」も
プロジェクトから発電される電力の購入者(オフテイカー)は、コーヒーチェー
ン業界大手の米スターバックス、カリフォルニア州で長年地域独占している垂直
統合型の大手電力会社電力会社2社、サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)
とパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(PG&E)、大手電
力に対抗する新電力であるクリーン・パワー・アライアンス(CPA)、カリフォ
ルニア州サンノゼ市などが含まれる。
スターバックスは、環境負荷を低減するために、2030年までに、CO2排出量を50
%削減することを目指している。さらに、同社は2025年までに北米1万店舗を環
境配慮型店舗に転換する目標を掲げている。同社は、風力、太陽光発電からPPA(
電力購入契約)を通じて、米国、カナダ、英国にある直営店舗について、既に
「再エネ100%」の電力で賄っている。
スターバックスは、2020年12月に「エドワーズ&サンボーン・ソーラー・エネルギー貯蔵」プロジェクトの蓄電池設備から5.5MW、そして太陽光発電から24MW分
のバーチャルPPAを締結した。

大手電力と米版「地域新電力」にも
米国で最大規模の電力会社の1つであり、カリフォルニア州の中部・沿岸部・南
部に及ぶ地域で およそ1400万人に電力を供給しているSCEは、エドワーズ&サンボーンプロジェクトのエネルギー貯蔵設備から出力50MWの電力を10年間、購入す
る契約になっている。
プロジェクトに参加した新電力CPAは、正式には「コミュニティ・チョイス・ア
グリゲーション(CCA)」と呼ばれる。CCAは日本の地域新電力に似ていて、市や
郡などの地方自治体が設立し、自ら発電所を開発、または発電事業者から電力を
調達し、 既存の大手電力会社が所有する送配電網を利用し地域の需要家に電力
を供給する小売電気事業を展開している。CCAは、既存の大手電力会社との差別
化として、再エネの比率がより高いプランを提供し、その再エネも「地産地消型
」で調達している。
カリフォルニア州太平洋岸に面しているロサンゼルスとベンチュラ郡を含む同州
南部をサービス管轄に持つCPAは、エネルギー貯蔵設備から100MW分の電
力購入に関してPPAを締結した。
実は、このプロジェクトはさらに大規模化する予定で、計2000MW(2GW)の太陽光発電とエネルギー貯蔵設備をCAISOの電力系統に接続するための
完了すると、最大
3.35GWに達することになる。
米再エネ・プロジェクト・デベロッパーであるテラジェン(Terra-Gen)がこのプロジェクトを開発・所有し、ミネソタ州に本社を構える太陽光発電のEPC(設計・調達・施工)サービス事業者であるモーテンソン(Mortenson)がプロジェクトを施工した。
 1Aと1Bという2段階からなるこのプロジェクトをモーテンソンは、2021年の第1四半期(1~3月)に建設を開始した。プロジェクトの第1段階の系統連系出力346MW の太陽光パネルと1.5GWhの蓄電池は2021年末に運転を開始し、残りの設置は2023年末に完了した(図3)。
電力購入者には「スタバ」も
 プロジェクトから発電される電力の購入者(オフテイカー)は、コーヒーチェーン業界大手の米スターバックス、カリフォルニア州で長年地域独占している垂直統合型の大手電力会社電力会社2社、サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)とパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(PG&E)、大手電力に対抗する新電力であるクリーン・パワー・アライアンス(CPA)、カリフォルニア州
サンノゼ市などが含まれる。
スターバックスは、環境負荷を低減するために、2030年までに、CO2排出量を50
削減することを目指している。さらに、同社は2025年までに北米1万店舗を環
配慮型店舗に転換する目標を掲げている。同社は、風力、太陽光発電からPPA(
力購入契約)を通じて、米国、カナダ、英国にある直営店舗について、既に「
再エネ100%」の電力で賄っている。
スターバックスは、2020年12月に「エドワーズ&サンボーン・ソーラー・エネルギー貯蔵」プロジェクトの蓄電池設備から5.5MW、そして太陽光発電から24MW分のバーチャルPPAを締結した。

大手電力と米版「地域新電力」にも
米国で最大規模の電力会社の1つであり、カリフォルニア州の中部・沿岸部・南
部に及ぶ地域で およそ1400万人に電力を供給しているSCEは、エドワーズ&サンボーンプロジェクトのエネルギー貯蔵設備から出力50MWの電力を10年間、購入す
る契約になっている。
プロジェクトに参加した新電力CPAは、正式には「コミュニティ・チョイス・ア
グリゲーション(CCA)」と呼ばれる。CCAは日本の地域新電力に似ていて、市や
郡などの地方自治体が設立し、自ら発電所を開発、または発電事業者から電力を
調達し、 既存の大手電力会社が所有する送配電網を利用し地域の需要家に電力
を供給する小売電気事業を展開している。CCAは、既存の大手電力会社との差別
化として、再エネの比率がより高いプランを提供し、その再エネも「地産地消型
」で調達している。
カリフォルニア州太平洋岸に面しているロサンゼルスとベンチュラ郡を含む同州
南部をサービス管轄に持つCPAは、エネルギー貯蔵設備から100MW分の電力購入に
関してPPAを締結した。
実は、このプロジェクトはさらに大規模化する予定で、計2000MW(2GW)の太陽
光発電とエネルギー貯蔵設備をCAISOの電力系統に接続するための開発作業が進
行中という。 エドワーズ&サンボーンプロジェクトがすべて完了すると、最大3.35GWに達することになる。









 
 
 
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再エネ第一先鋒;太陽電池 ②

2024年03月07日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成の
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。

彦根の伝統的ゲーム「カロム」



「カロム」ってどんな遊び
国宝・彦根城をはじめとする歴史的、文化的資産が多数存在する本市において、
「カロム」はまさしく彦根の文化と歴史を象徴する遊びであり、市内の一家に一
台カロム盤があると言われるほど、市民に根ざしたご当地文化です。シンプルな
ルールでありながらも技と戦略が必要であるため、子どもから大人まで幅広い世
代に愛され、家族団らんの遊び、地域行事での催しとして多くの方に親しまれて
いる。
【カロム関連リンク】
※一般的なカロムの遊び方 https://hansoku-carom.com/description/
※html彦根の伝統的ゲーム「カロム」
https://www.city.hikone.lg.jp/kakuka/kanko_bunka/10/1/11856
※「カロム境界」https://www.biwako.ne.jp/~carom/



カロムの歴史
カロムに似たゲームは世界各国でも盛んに行われており、12~13世紀にかけてエ
ジプトでその原型が確立されたとも言われている。日本への伝来時期や伝来ルー
トには諸説ありますが、カナダのボードゲーム「クロキノール」に似ており、彦
根からカナダに移民として移られた方々が持ち帰り、独自のルールとして発展し
たのではないかとも言われている。昭和30年代初期には「闘球盤(とうきゅうば
ん)」という名称で日本各地に普及し、現在では彦根を中心とした湖東・湖北地
域に残っている。また、彦根は地場産業である「彦根仏壇」といった仏壇作りが
盛んな地域であり、仏壇作りの技術を活かしてカロム盤の制作が行われている。

クロキノール(Crokinole、発音は[ˈkroʊkɪnoʊl] KROH-ki-nohl)またはクロックノールは器用さを競うボード・ゲームの一種。 円形の遊戯面を用い、プレイヤー
は交代で、より高得点の領域にディスクを弾き入れようとすると同時に、相手の
ディスクを弾き出そうとする。シャフルボードやカーリングをテーブル上に収ま
るサイズにしたようなものである点で、pitchnutやカロム、ビー玉遊び、おはじ
き、shove ha'pennyに類似している。



カロム普及への取り組み
「カロム」は彦根の伝統遊戯であり、老若男女問わず幅広い年齢層に親しまれて
いる彦根オリジナルの文化。「カロム」の文化を継承し、「カロム」の魅力をよ
り多くの方に発信していくことは本市の文化振興に寄与するものであり、大会の
活動を支援するとともに、普及拡大に努めていろとのこと。
※今年から住民(地縁)組織の「老友会」の役回りを引き受けている・ここでも
少子高齢化が露出、そこで「子どもと高齢者の余暇交流(地域振興策)の思案中!










画像:新しい陰イオンのシアネートを ペロブス カイト構造に組み込に成功。
 世界最高効率の新しいトリプル接合タンデム太陽電池
3月3日、シンガポール国立大学(NUS)の科学者たちは、新しいトリプルジャン
クションペロブスカイト/Siタンデム太陽電池を開発しました。1平方センチメー
トルの太陽光吸収面積で27.1%という世界記録の変換効率を達成し、これまでで
最も性能の優れた。チームは、安定性とエネルギー効率の高い新しいシアン酸エ
ステル統合ペロブスカイト太陽電池を設計。
【概要】
品質を損なうことなくペロブスカイトのバンドギャップを調整することで、ペロ
ブスカイトは太陽光吸収体の中でもユニークなものとなり、タンデム型太陽電池
に有望な道を提供。 ただし、三重接合タンデム使用でバンドギャップが 1.90 eV
以上に増加した場合の電圧損失を最小限に抑えることは困難。臭化物の代替物と
して臭化物 (1.95 Å) に匹敵する有効イオン半径 (1.97 Å) をもつ、新規な擬似
ハロゲン化物であるシアネート (OCN-) を提案する。 電子顕微鏡検査と X 線散
乱により、ペロブスカイト格子への OCN の取り込みが確認された。 
これは、90.5°から96.5°の範囲の大きな格子歪み、均一なヨウ化物/臭化物分
布、および一貫したマイクロ歪みに寄与。 これらの効果により、OCNベースのペ
ロブスカイトは欠陥形成エネルギーが向上し、非発光再結合が大幅に減少。1.422 
V の開路電圧 (VOC)、Shockley-Queisser 限界の 80% を超える VOC × FF (曲線因 
子) 積、および最大電力下での安定した性能を備えた逆ペロブスカイト (1.93 
 eV) 単接合デバイスを達成しました。 ポイントトラッキングにより、開口面積 
 1 cm2 の効率 27.62% (認定効率 27.10%) のペロブスカイト - ペロブスカイト - シリコン三重接合太陽電池を作製。 
関連情報
※https://news.nus.edu.sg/new-tandem-solar-cells-with-world-record efficiency/
※https://www.nature.com/articles/s41586-024-07226-1
※Triple-junction solar cells with cyanate in ultrawide bandgap perovskites
Triple-junction solar cells with 39.5% terrestrial and 34.2% space efficiency 
 enabled by thick quantum well superlattices

高機能テープを用いた二次元材料の革新的転写
2024-02-13


【要点】
1.グラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイドなどの原子厚みの二次元材料が大
 きな期待を集めているが、成長基板からシリコンやフレキシブル基板などへの
 「転写」が難しかった。
2.二次元材料を転写できる、UV光によって粘着力が大きく変化するテープの開
 発に成功。これにより、誰でも二次元材料を容易に転写できるようになる。
3.本UVテープによる転写は、さまざまな二次元材料に適用可能で、大面積転写
 もできることから、二次元材料の研究や生産プロセスを加速し、新産業創出に
 大きく貢献できる。
【概要】
近年の情報化社会の進展に伴い、半導体デバイスには高速化や省電力化が求められ

ていますが、次世代のデバイス材料として期待されているのがグラフェンをはじめとする,
原子の厚みしかない究極に薄い二次元の原子シート(二次元材料)です。しかし、 二次
元材料の多くは成長基板からシリコンやフレキシブル基板上に移す「転写」というプロセ
スが使われますが、この転写の際に二次元材料が破れたり、保護膜の高分子が残って
特性低下につながったりすることなどが知られています。また、保護膜の除去には有機
溶媒が必要なためフレキシブル基板には使えない、転写に長時間かかる、高度な転写
技術が必要といった課題が多くあった。

画像:(左)さまざまな二次元材料のテープ転写のイメージ、(右)単層グラフェンのテー
転写
九州大学グローバルイノベーションセンターの吾郷浩樹主幹教授、日東電工株式会社、
合同会社二次元材料研究所、中央大学の李恒助教・河野行雄教授、九州大学先導物
質研究所の吉澤一成教授、九州大学大学院総合理工学研究院の辻雄太准教授、大阪
大学産業科学研究所の末永和知教授、産業技術総合研究所の林永昌主任研究員らの
研究グループは、NEDOの支援を受けて、二次元材料に特化した紫外線で粘着力が低
下する機能性テープを開発することに成功しました。この方法では、保護膜や有機溶媒
を使う必要がなく、エンドユーザーでも簡単に転写できる手軽さもあります。また、このテ
ープ転写はグラフェンに限らず、半導体や絶縁体の二次元材料にも使えます。   さらに、
テープ転写したグラフェンを使って、 フレキシブルなテラヘルツのセンサーも実現した。
本研究は、  これまで難しかった二次元材料の大面積での転写・製造プロセスに大きな

進歩をもたらすものであり、半導体を含む次世代産業の創出に大きく貢献すると期待さ
れる。 
本研究の成果は 2024年2月9日(金) 午後7時(日本時間)発行の英国科学誌「Nature
 Electronics」オンライン版で公開された。
UVテープを用いたグラフェン転写法。本手法により最大4インチ(f100 mm)の
グラフェンの転写を実現した。小さなサイズのUVテープの場合、貼り付けや剥離
を手作業で行ったが、機械を用いることで大面積の二次元材料の転写が可能とな
り、今後の大量生産に基づく産業応用につながるものと期待できる。
【掲載誌】
掲載誌:Nature Electronics
タイトル
:Ready to transfer two-dimensional materials using tunable adhesive force tapes

✺両面採光太陽電池の発電を向上するシート

-------------------------------------------------------------------------

神戸大名誉教授の政治学者で、東日本大震災復興構想会議議長や防衛大学校長を
務めた五百旗頭真(いおきべ・まこと)さんが6日、死去した。80歳だった。葬
儀の詳細は未定。
塩野義製薬は5日、開発した新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」が厚生労

省に正式に承認されたと発表しました。新型コロナウイルス対策として新設され
た「緊急承認制度」により、2022年11月に緊急承認されていました。


光硬化樹脂の窓で脳を広範囲に顕微鏡観察            
6日。東京理科大学,東海大学,中国天津大学,生理学研究所は,高分子ナノ薄
膜と光照射によって状態変化する光硬化性樹脂を用いた透明な素材で頭蓋骨を代
替する手法を開発し,マウスの大脳皮質から小脳までの頭頂部広域の神経細胞を
6ヶ月以上
   
極めて薄い赤外線吸収メタサーフェスを実現            
 東京農工大学の研究グループは,極めて薄い赤外線吸収メタサーフェスを実現
した。 電磁波として身の回りの物体から放射される熱は,
赤外域の電磁波である赤外線として放射されている。これまで,物体から放射さ


放射光と中性子線で漆のナノ構造を解明                  
5日、日本原子力研究開発機構と明治大学は,物質を透過する力に優れかつ内部

の極微量な成分を検出することが可能な放射光と中性子線を利用して,黒漆内部
の鉄イオンや特殊なナノ構造を観ることに初めて成功した(ニュースリリース)。

広がる治療薬 アトピー性皮膚炎 - NHK
www.nhk.or.jp  kaisetsu-blog
2023/11/15 · アトピー性皮膚炎の代表的な薬として、長年使われているの
がステロイドの塗り薬です。 皮膚の表面に塗って、炎症を抑え、かゆみを
止めるものです

  風蕭々と蒼い時







今夜の寸評 : 鈍すれば貧する
         賢明でなければ豊かになれない。
 

3月6日、ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスのボリソフ社長は5日、ロシア
と中国は2033年から35年にかけて月面に原子力発電所を設置することを検
討していると明らかにした。月面居住施設建設の実現につながる可能性があると

している。 ボリソフ氏は、ロシアと中国は共同で取り組んでおり、ロシアは「核・
宇宙エネルギー」に関する専門知識で貢献できると指摘。「中国と共に、33─
35年に月面に発電装置を設置するプロジェクトを真剣に検討している」と述べ
た。太陽光発電では、月面居住施設に十分な電力を発電できないとしている。こ
のほか、原子力を動力源として利用する宇宙船の建造計画についても説明。原子
炉の冷却方法以外の技術的な問題は全て解決済みだと語った。(モスクワ 5日 
ロイター
※国連を議論・決議なしで開発競争は映画「スターウォ-ズ」をやらかす大国主
義をやらかすというのだろうか。知恵のない好戦主義と首をかしげたくなる。



コメント
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スマート太陽電池・電子デバイス製造方法 

2024年03月04日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成の
一種で、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて
生まれた





【屋内トレーニング記】
最大ウォーキング速度:5.0キロメートル/時
    ゞ   斜度:0%
     ゞ         距離: 2キロメートール  

高出力狭線幅フォトニック結晶レーザー
新出力制御に対応! オムロンが“余剰売電型”の自家消費システム
たった数個の有機分子が情報を記憶・計算して血糖値変化を高精度予測

1.特許第7442002号 太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュール
【要約】
下図3のごとく、陽電池は、第1表面を備える基板と、第1表面に形成されるト
ンネル層と、トンネル層に形成される第1ドーピング導電層と、第1ドーピング
導電層に形成される第2ドーピング導電層であって、第2ドーピング導電層は、
複数の第1部分と複数の第2部分とを含み、ここで、第1ドーピング導電層のド
ーピング元素濃度が第1部分のドーピング元素濃度より小さく、且つ、第1部分
のドーピング元素濃度が第2部分のドーピング元素濃度より小さい第2ドーピン
グ導電層と、複数の第1電極であって、複数の第1電極のうちの各第1電極がい
ずれも予め設定された方向に沿って延び、1つの第1電極が1つの前記第2部分
と電気的と接触している第1電極と、を含む。本願実施例は、太陽電池の光電変
性能を向上させることに有利である。

図3.本願の一実施例によって提供される第1の太陽電池の断面構造を示す図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面を備える基板と、前記第1表面に形成されるトンネル層と、前記トンネ

ル層の前記基板から離れた表面に形成される第1ドーピング導電層と、前記第1
ドーピング導電層の前記基板から離れた側に形成される第2ドーピング導電層であって、前記第2ドーピング導電層は、複数の第1部分と、複数の第2部分と、
を含み、各前記第1部分と各前記第2部分が予め設定された方向及び前記第2ド
ーピング導電層の厚さ方向に垂直な方向に沿って交互に配列され、各前記第1部
分と各前記第2部分がいずれも前記予め設定された方向に沿って延び、ここで、
前記第1ドーピング導電層のドーピング元素濃度が前記第1部分のドーピング元
濃度より小さく、且つ、前記第1部分のドーピング元素濃度が前記第2部分のドーピング元素濃度より小さい第2ドーピング導電層と、複数の第1電極であって、
前記複数の第1電極のうちの各第1電極がいずれも前記予め設定された方向に沿
って延び、各前記第1電極と各前記第2部分とが1対1で対応しており、1つの
前記第1電極が対応する前記第2部分と電気的と接触している第1電極と、を含み、前記予め設定された方向は、前記第1表面に平行でありかつ前記第1部分と
前記第2部分が交互に配列された方向と垂直な方向であり、前記基板の元素種類
N型ドーピング元素であり、前記第2部分は、N型ドーピング元素がドーピング
本体部と、前記本体部内に位置し、P型ドーピング元素がドーピングされた反転ドーピング部と、を含み、前記反転ドーピング部が前記本体部内に占める体積比
は1/2より小さい、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】前記第1部分のドーピング元素濃度と前記第2部分のドーピング元

濃度の比は1:50~3:4である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】前記第1ドーピング導電層のドーピング元素濃度と前記第2部分のドーピング元素濃度の比は1:100~1:2である、ことを特徴とする請求項

に記載の太陽電池。
【請求項4】前記第1ドーピング導電層は、複数の第3部分と、複数の第4部分

と、を含み、各前記第3部分と各前記第4部分が前記予め設定された方向及び前
記第2ドーピング導電層の厚さ方向に垂直な方向に沿って交互に配列され、各前
第3部分と各前記第4部分がいずれも前記予め設定された方向に沿って延び、1
つの前記第3部分が1つの前記第1部分に正対し、1つの前記第4部分が1つの
前記第2部分に正対し、前記第3部分のドーピング元素濃度が前記第4部分の
元素濃度より小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】前記第1ドーピング導電層のドーピング元素種類がN型である場合、前記第3部分のドーピング元素濃度と前記第4部分のドーピング元素濃度の比は1:30~5:6であり、前記第1ドーピング導電層のドーピング元素種類がP

型である場合、前記第3部分のドーピング元素濃度と前記第4部分のドーピング
素濃度の比は1:100~2:3である、特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】前記第4部分のドーピング元素濃度と前記第2部分のドーピング元

素濃度の比は1:10~5:6である、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽
電池。
【請求項7】遮断層をさらに含み、前記遮断層が前記第1ドーピング導電層と前

第2ドーピング導電層の間に位置し、前記遮断層の前記基板に向かう表面が前記
第1ドーピング導電層の前記基板から離れた表面と接触しており、前記遮断層の
前記基板から離れた表面が前記第2ドーピング導電層の前記基板に向かう表面と
接触している、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の太陽電池。
【請求項8】前記遮断層の前記基板から離れた表面は各前記第2部分と接触して

おり、前記遮断層の前記第1表面における正射影は前記第2部分の前記第1表面における正射影と重なっている、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
【請求項9】前記遮断層の前記基板から離れた表面は各前記第1部分および各前

記第2部分と接触しており、且つ前記遮断層の前記第1表面における正射影は各
前記第1部分の前記第1表面における正射影および各前記第2部分の前記第1表
面における正射影と重なっている、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
【請求項10】前記遮断層の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリ

コン、炭化ケイ素またはフッ化マグネシウムのうちの少なくとも1つを含む、こ
とを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
【請求項11】第1ドーピング導電層の材料は、アモルファスシリコン、多結晶

シリコンまたは炭化ケイ素のうちの少なくとも1つを含み、前記第2ドーピング
電層の材料は、アモルファスシリコン、多結晶シリコンまたは炭化ケイ素のうち
の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の太陽電池。
【請求項12】前記第1ドーピング導電層は第1多結晶シリコンから構成され、

前記第1部分は第2多結晶シリコンから構成され、前記第2部分は第3多結晶シ
リコンから構成され、前記第1多結晶シリコンの平均結晶粒径は、前記第2多結
晶シリコンの平均結晶粒径より大きく、且つ前記第3多結晶シリコンの平均結晶
粒径より大きい、ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池。
【請求項13】前記第3部分は第4多結晶シリコンから構成され、前記第4部分

は第5多結晶シリコンから構成され、前記第1部分は第2多結晶シリコンから構
成され、前記第2部分は第3多結晶シリコンから構成され、ここで、前記第4多
結晶シリコンの平均結晶粒径は前記第5多結晶シリコンの平均結晶粒径より大きく、前記第5多結晶シリコンの平均結晶粒径は前記第3多結晶シリコンの平均結
晶粒径より大きく、前記第2多結晶シリコンの平均結晶粒径は前記第3多結晶シ
リコンの平均結晶粒径より大きい、ことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項14】前記第1ドーピング導電層の厚さと前記第2ドーピング導電層の

厚さの比は2:1~1:12である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか
1項に記載の太陽電池。
【請求項15】複数の請求項1に記載された太陽電池を接続することで形成され

た少なくとも1つの電池ストリングと、前記少なくとも1つの電池ストリングを
覆うための少なくとも1つの封止層と、前記少なくとも1つの封止層を覆うため
の少なくとも1つのカバープレートと、を含む、ことを特徴とする光起電力モュ
ール。
【請求項16】第1表面を備える基板を提供することと、前記第1表面にトンネ

ル層を形成することと、前記トンネル層の前記基板から離れた表面に第1ドーピ
ング導電層を形成することと、前記第1ドーピング導電層の前記基板から離れた
側に第2ドーピング導電層を形成することであって、前記第2ドーピング導電層は、複数の第1部分と、複数の第2部分とを含み、各前記第1部分と各前記第2
部分が予め設定された方向及び前記第2ドーピング導電層の厚さ方向に垂直な方
向に沿って交互に配列され、各前記第1部分と各前記第2部分がいずれも前記予
め設定された方向に沿って延び、ここで、前記第1ドーピング導電層のドーピン
グ元素濃度が前記第1部分のドーピング元素濃度より小さく、且つ前記第1部分
のドーピング元素濃度が前記第2部分のドーピング元素濃度より小さいことと、
複数の第1電極を形成することであって、前記複数の第1電極のうちの各第1電

極はいずれも前記予め設定された方向に沿って延びており、各前記第1電極は各
前記第2部分に1対1で対応し、1つの前記第1電極は対応する前記第2部分に
電気的と接触していることと、を含み、前記予め設定された方向は、前記第1表
面に平行でありかつ前記第1部分と前記第2部分が交互に配列された方向と垂直
な方向であり、前記基板のドーピング元素種類はN型ドーピング元素であり、前
記第2部分は、N型ドーピング元素がドーピングされた本体部と、前記本体部内
位置し、P型ドーピング元素がドーピングされた反転ドーピング部と、を含み、
前記反転ドーピング部が前記本体部内に占める体積比は1/2より小さい、
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項17】前記第2ドーピング導電層を形成するステップの前に、さらに、

前記第1ドーピング導電層の前記基板から離れた表面に位置する遮断層を形成し
、前記遮断層の材料が酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンまたは炭化
ケイ素のうちの少なくとも1つを含むことを含む、ことを特徴とする請求項16
に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項18】 前記重合工程後に実施される加熱工程を更に含む請求項17に

記載の積層構造体の製造方法。
【請求項19】 前記基材が電極基体上に予め形成された活物質層であり、前記

積層構造体が積層電極である、又は 前記基材がフィルムセパレータであり、前記
積層構造体が積層セパレータである請求項16に記載の積層構造体の製造方法。
【請求項20】 請求項19に記載の積層構造体の製造方法により積層電極を製

造する電極製造工程と、 前記積層電極を用いて蓄電素子又は発電素子を製造す
る素子化工程と、を含むことを特徴とする蓄電素子又は発電素子の製造方法。

2.特開2024-28210 正極活物質および二次電池
【要約】
下図28のごとく、リチウムと、遷移金属Mと、添加元素と、酸素と、を有する
正極活物質であって、温度180℃以上200℃以下、0.3MPa以上2MP
a以下の圧力において、正極活物質の粉体における体積抵抗率が1.×105Ω・cm以上である、正極活物質。該正極活物質のメディアン径は3μm以上10μ
m以下であることが好ましい、充放電容量が大きく安全性の高い正極活物質およ
びこれを有する二次電池を提供する。

図28.正極活物質の体積抵抗率と温度を示すグラフ
【特許請求範囲】
【請求項1】リチウムと、遷移金属Mと、添加元素と、酸素と、を有する正極活
物質であって、温度20℃以上30℃以下、かつ10MPa以上20MPa以下
の圧力において、前記正極活物質の粉体における体積抵抗率が1.×1010Ω
・cm以上である、正極活物質。
【請求項2】リチウムと、遷移金属Mと、添加元素と、酸素と、を有する正極活

物質であって、温度180℃以上200℃以下、かつ0.3MPa以上2MPa
以下の圧力において、前記正極活物質の粉体における体積抵抗率が1×105Ω・cm以上である、正極活物質。
【請求項3】請求項1および請求項2において、前記正極活物質のメディアン径

は3μm以上10μm以下である、正極活物質。
【請求項4】請求項3において、前記添加元素は、マグネシウム、フッ素、ニッ
ケルおよびアルミニウムから選択される一または二以上である、正極活物質。
【請求項5】リチウムと、遷移金属Mと、添加元素と、酸素と、を有する正極活
物質を有する正極と、電解液と、を有する二次電池であって、前記電解液は、作
用極にAB:PVdF=1:1で混合したものを炭素コートされたアルミニウム
箔に塗工したものを用い、対極にLi金属を用い、ポリプロピレンのセパレータ
を用いたコインセルを、電圧の走査速度を1.0mV・s-1とし、温度25℃
でLSV測定したとき、5.0V以下のいずれの電圧においても電流密度が1.
0mA・cm-2以下である、二次電池。

特開2024-027324 p型半導体膜の作製方法、p型半導体膜、ペロブスカイト太
陽電池の製造方法、ペロブスカイト太陽電池
【要約】

下図2のごとく、Cuを含むp型半導体、AgまたはPbの硫化物を含むp型半
体のうち少なくとも一種を、オレイルアミン、オレイン酸、炭素数12-24の
トリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン、炭素数5-19の直鎖状ア
ルキルアミンのうち少なくとも一種の結晶化剤の存在下で結晶化させる工程を含み、当該工程は、基材上に形成されたp型半導体の膜に、結晶化剤を接触させて
結晶化させる工程である、p型半導体膜の作製方法である。また、ペロブスカイ
ト太陽電池の正孔輸送層を形成する工程が、前記p型半導体膜の作製方法により
p型半導体を結晶化させる工程を含んでいてもよい。性能が向上した無機p型半
導体膜の作製方法および当該p型半導体膜の提供、また、前記p型半導体膜を用
ペロブスカイト太陽電池の製造方法および当該ペロブスカイト太陽電池の提供で
ある。

図2.実施例1で得られたCuSCN膜のX線回折パターン
【特許請求範囲】
【請求項1】Cuを含むp型半導体、AgまたはPbの硫化物を含むp型半導体のうち少なく
とも一種を、オレイルアミン、オレイン酸、炭素数12-24のトリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン、炭素数5-19の直鎖状アルキルアミンのうち少なくとも一種の結晶
化剤の存在下で結晶化させる工程を含み、前記結晶化させる工程は、基材上に形成さ
れた前記p型半導体の膜に、前記結晶化剤を接触させて結晶化させる工程である、p
型半導体膜の作製方法。
【請求項2】前記p型半導体の膜は、CuSCN、CuI、CuSeCN、CuS、Cu2Sから選択

される少なくとも一種のp型半導体の膜である、請求項1に記載のp型半導体膜の作製
方法。
【請求項3】前記結晶化剤はオレイルアミンを含む、請求項1または請求項2に記載のp

型半導体膜の作製方法。
【請求項4】導電性基板と電極との間に、金属酸化物層と、ペロブスカイト層と、正孔輸

送層とを順次形成して太陽電池を製造する方法であって、前記正孔輸送層を形成する
工程は、Cuを含むp型半導体、AgまたはPbの硫化物を含むp型半導体のうち少なくと
も一種を用いてペロブスカイト層上に半導体膜を形成し、前記半導体膜にオレイルアミ
ン、オレイン酸、炭素数12-24のトリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン、炭素
数5-19の直鎖状アルキルアミンのうち少なくとも一種の結晶化剤を接触させて結晶
化させる工程を含む、ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【請求項5】  前記半導体膜のp型半導体として、CuSCN、CuI、CuSeCN、CuS、Cu2

Sから選択される少なくとも一種を用いる、請求項4に記載のペロブスカイト太陽電池の
製造方法。


特開2024-18969 液体組成物、積層構造体、積層構造体の製造方法、及び蓄電素
子又は発電素子の製造方法
【要約】

図2のごとく、重合性化合物、及び液体を含む液体組成物であって、前記重合性化合物は、水酸基と共有結合可能な官能基を有する重合性化合物を含み、前記液体組成物は、重合により多孔質樹脂を形成し、前記液体組成物を攪拌しながら測定した波長550nmにおける光透過率が、30%以上であり、前記液体組成物を重合して前記多孔質樹脂としたときの、ヘイズ測定用素子の重合前後におけるヘイズ値の上昇率が、1.0%以上である液体組成物。

図2
【特許請求範囲】

【請求項1】重合性化合物、及び液体を含む液体組成物であって、前記重合性化
合物は、水酸基と共有結合可能な官能基を有する重合性化合物を含み、前記液体
組成物は、重合により多孔質樹脂を形成し、前記液体組成物を攪拌しながら測定
した波長550nmにおける光透過率が、30%以上であり、前記液体組成物を
重合して前記多孔質樹脂としたときの、ヘイズ測定用素子の重合前後におけるヘイズ値の上昇率が、1.0%以上であることを特徴とする液体組成物。
【請求項2】蓄電素子又は発電素子用の絶縁層形成用の液体組成物であり、前記

多孔質樹脂が、蓄電素子又は発電素子用の絶縁層である請求項1に記載の液体組
成物。
【請求項3】前記重合性化合物の重合性基が、(メタ)アクリロイル基、及びビ

ニル基の少なくともいずれかである請求項1に記載の液体組成物。
【請求項4】前記水酸基と共有結合可能な官能基が、イソシアネート基、カルボ

ジイミド基、エポキシ基、アルコキシシリル基、シラノール基、及びオキサゾリ
ン基から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の液体組成物。
【請求項5】前記水酸基と共有結合可能な官能基が、イソシアネート基である請
項1に記載の液体組成物。
【請求項6】 前記重合性化合物が、水酸基を有する重合性化合物を含む請求項

1に記載の液体組成物。
【請求項7】 前記重合性化合物の含有量が、10.0質量%以上50.0質量

%以下であり、 前記液体の含有量が、50.0質量%以上90.0質量%以下
請求項1に記載の液体組成物。
【請求項8】 前記液体の沸点が、50℃以上250℃以下である請求項1に記

載の液体組成物。
【請求項9】前記重合性化合物が、熱又は光により重合反応を開始する請求項

に記載の液体組成物。
【請求項10】 25℃における粘度が、1mPa・s以上150mPa・s以

下である請求項1に記載の液体組成物。
【請求項11】25℃における粘度が、1mPa・s以上30mPa・s以下で
ある請求項1に記載の液体組成物。
【請求項12】前記重合性化合物が、水酸基を有する重合性化合物を含む請求項
1に記載の液体組成物。 前記多孔質樹脂が、孔径が0.01μm以上10μm以

下の空孔を有する請求項1に記載の液体組成物。
【請求項13】前記多孔質樹脂の空隙率が、30%以上である請求項1に記載の

液体組成物。
【請求項14】前記多孔質樹脂が、複数の空孔が連続して連結している共連続構

造を有する請求項1に記載の液体組成物。
【請求項15】
基材と、
前記基材上に、請求項1から14のいずれかに記載の液体組成物が重合してなる

多孔質樹脂と、を有することを特徴とする積層構造体。
【請求項16】請求項1から14のいずれかに記載の液体組成物を基材上に付与する付与工程と、前記液体組成物に熱又は光を付与して重合させる重合工程と、を

含むことを特徴とする積層構造体の製造方法。
【請求項17】前記液体組成物における前記重合性化合物が、水酸基を有する重

合性化合物を含み、
前記液体組成物又は前記多孔質樹脂に外部エネルギーを付与し、前記水酸基を有する重合性化合物における水酸基と、前記水酸基と共有結合可能な官能基を有する重合性化合物における水酸基と共有結合可能な官能基との間に共有結合を形成させる共有結合形成工程を更に含み、
  前記共有結合形成工程は、前記重合工程と同時又は前記重合工程の実施後に実施される請求項16に記載の積層構造体の製造方法。


特開2024-28171 太陽電池
【要約】
第1電池と、第2電池とを備え、第1電池の第1光電変換層10と第2電池の第2光電
変換層20との間に、第1電荷輸送層31と、透明導電層32と、第2電荷輸送層33と、多結晶シリコン層34とが設けられ、第2電荷輸送層が、多結晶シリコン
層と透明導電層との間に設けられ、前記第2電荷輸送層と前記多結晶シリコン層と
の電荷輸送特性が同じである太陽電池に関する。本発明に係る太陽電池では、第
1光電変換層と第2光電変換層との間に、第1電荷輸送層、透明導電層、第2電荷輸
送層及び多結晶シリコン層が順次設けられ、特に、第2電荷輸送層の設置は、多
結晶シリコン層を保護することができ、同一種類の電荷を効果的に輸送すること
ができ、界面又は薄膜内部での再結合現象の発生を回避し、電池効率を効果的に
向上させることができる。
【効果】本願の太陽電池は、構造が簡単で、製造プロセスが簡便で、コストが低
いなどの特徴を有する。
【選択図】図1


図1


特開2024-24793 太陽電池素子コーティング組成物ならびに太陽電池モジュール
およびその製造方法
【要約】
A)下記式(1)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、



(式中、R1はアルキル基、R2はアルキル基またはアリール基、R3は水素原子
またはメチル基、Meはメチル基を表す。mは1~10の整数、aおよびbはそ
れぞれ1以上の整数、a+bは3~80の整数である。aおよびbが付された括
弧内のシロキサン単位の配列は、任意であってよい。)
(B)光重合開始剤、および、
(C)白金族金属系触媒
を含み、23℃における表面張力が23~30mN/mであり、かつ23℃における粘度が5~80mPa・sである太陽電池素子コーティング組成物。



 今日の寸評:目標への道筋は平坦ばかりではありません。
それでも、ゴールを見失うことなく
あゆみ続けることが大切です。
Whether things are going well not、try your
best right now and have trust in the future, 

                                             浄土宗の月訓より

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最新ネオコンバーテック群技術考 ③

2024年02月27日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成の
一種で、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて
生まれたキャラクタ。


【スマートトレーニング記:「Galaxy Ring」登場】 


さすが、三星電子だ。
さぁ!第二の「ロード・オブ・リング」の探検をスタート。



最新ネオコンバーテック群技術考 ③



2月22日、Microsoftは、生成AIのリスクを特定する自動化ツール(PyRIT(Python Risk  

Identification Toolkit for Generative AIのリリースを発表。生成AIには、誤った情報を

出力する「幻覚」という問題や不適切な結果を出力するといった問題があり、そ
の悪影響排除のを使いすり抜けつため、「いたちごっこ」状態になっている。そ
こで。Microsoftの生成AIであるCopilotも例外でない。同社はAI Red Teamを設
立し責任あるAI開発に取り組む。今回同社が公開したPyRITにより、人間の専
家がリスクを特定するのにかかる時間が大幅に短 縮される。従来のテストでは
 AIがマルウェアを出力してしまったり、学習データセットの機密情報をそのま
ま吐き出したりするのを防ぐために、人間のレッドチームが手動で敵対的なプロ
ンプト生成しなければならい。一方、PyRITを使<うとAIへの敵対的入力の種類指
定だけで、その基準を満たす数千のプロンプトの自動生成ができ る。例えば、
同社tがCopilotで行う演習では、危害カテゴリを選び数千の悪意あるプロンプト
を生成し、それに対するCopilot出力の評価処理時間が数週間から数時 間に短縮
され、敵対的プロンプト生成以外AIモデルの反応を見て、あるプロンプトに対し有
害な出力を行ったかどうかを自動的に判断したりAIの 応答を分析しプロンプト調
整できるため、テスト全体の効率化につながる 。 Microsoft PyRITが手動のAI 
Red Team、その専門知識を強化し、面倒なタスク<の自動化でに代わるものでは
なく、セキュリティ専門家が潜在的なリスクをより 鋭く調査できるようにする
ものあることを強調する。しかも、敵対的なプロンプトはテキストや画像といっ
た<が出力する形式ごとに、 そしてとユーザーがやりとりを行う<ごとに生成す
る必要があり、こうした。作業は面倒で時間もかかるタスクであった。

● 有機電子デバイスの製造方法及び装置特許事例研究 

1.特開2023-152759 有機半導体材料の製造方法、半導体デバイスの製造方

法、水溶液、pH測定方法、pH測定装置、及び、センサ素子      
【概要】
導電性ポリマー材料及びその製造方法、高分子膜及びその製造方法、導電性高分
子膜、光電変換素子並びに電界効果トランジスタ(WO-A1-2020/085342)では、方
法によれば、優れた効率で、高分子半導体をドーピングできたが、系中に水が混
入したり、大気下(酸素存在下)で反応を行ったりすると、ドーパントの劣化が
起こる場合があり、改善の余地があった。そこで、水分、及び、酸素の存在下で
あっても、有機半導体化合物のキャリア密度を増減させ(典型的には、注入し)、
かつ、有機半導体化合物にイオンを導入し、有機半導体材料を製造できる、有機
半導体材料の製造方法を提供することを課題とすることで、以下の構成により上
記課題を解決することができることを見出した。
下図2のごとく、プロトン共役電子移動により、有機半導体化合物を酸化、又は、
還元し、キャリア密度を増減させる酸化還元剤と、塩と、を溶解した水溶液に、
上記有機半導体化合物を、接触させ、上記有機半導体化合物に、上記キャリア、
及び、上記塩に由来するイオンが導入された有機半導体材料を製造する、有機半
導体材料の製造方法。水分、及び、酸素の存在下であっても、有機半導体化合物
のキャリア密度を増減させ、かつ、有機半導体化合物にイオンを導入し、有機半
導体材料を製造できる、有機半導体材料の製造方法の提供。


図2 本方法のドーピングの推定メカニズムの説明図
【特許請求範囲】
【請求項1】
プロトン共役電子移動により、有機半導体化合物を酸化、又は、還元し、キャリ

密度を増減させる酸化還元剤と、塩と、を溶解した水溶液に、前記有機半導体
化合物を、接触させ、前記有機半導体化合物に、前記キャリア、及び、前記塩に
来するイオンが導入された有機半導体材料を製造する、有機半導体材料の製造
方法。
【請求項2】
前記酸化還元剤は、2プロトン、及び、2電子移動により、前記有機半導体化合
 
 

物を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減させる化合物を含む、請求項1に  
記載の有機半導体材料の製造方法。
【請求項3】
前記酸化還元剤は、1プロトン、及び、1電子移動により、前記有機半導体化合
 
 

物を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減させる化合物を含む、請求項1に  
記載の有機半導体材料の製造方法。
【請求項4】
前記水溶液のpHを調整して、前記酸化還元剤のレドックスポテンシャルを、前

記有機半導体化合物と前記酸化還元剤との間で電子移動が起こるレベルに調整す
ることを含む、請求項1に記載の有機半導体材料の製造方法。
【請求項5】
電圧の印加により、前記水溶液中に含まれる前記酸化還元剤の酸化体と還元体の

比率を調整し、ドーピング強度を調整することを含む、請求項4に記載の有機半
導体材料の製造方法。
【請求項6】
前記酸化還元剤が、キノン骨格を有する化合物を含む、請求項2に記載の有機半

導体材料の製造方法。
【請求項7】
前記酸化還元剤が、以下のグループA及びBからなる群より選択される少なくと

も1種の化合物、及び/又は、その還元体を含む、請求項2に記載の有機半導体
材料の製造方法。 グループA: 以下の一般式Q1~Q4で表される化合物から
なる群より選択される少なくとも1種
【化1】
(一般式Q1~Q4中、RQ1~RQ6はそれぞれ独立に1価の置換基を表し、

m1は0~4の整数を表し、m2は0~2の整数をし、m3は0~4の整数を表
し、m4は0~4の整数を表し、m5は0~4の整数を表し、m6は0~4の
整数を表す)
グループB:
以下の一般式Q5で表される化合物
【化2】
(一般式Q5中、RQ7、及び、RQ8は、それぞれ独立に、水素原子、又は、

1価の置換基を表す)
【請求項8】
前記酸化還元剤が、以下のグループA及びBからなる群より選択される少なくと

も1種の化合物、及び、その還元体を含む、請求項1に記載の有機半導体材料の
製造方法。
グループA:
以下の一般式Q1~Q4で表される化合物からなる群より選択される少なくとも

1種
【化3】
(一般式Q1~Q4中、RQ1~RQ6はそれぞれ独立に、水素原子、又は、1

価の置換基を表し、m1は0~4の整数を表し、m2は0~2の整数をし、m3
は0~4の整数を表し、m4は0~4の整数を表し、m5は0~4の整数を表し
、m6は0~4の整数を表す) グループB:
以下の一般式Q5で表される化合物
【化4】
(一般式Q5中、RQ7、及び、RQ8は、それぞれ独立に、水素原子、又は、

 1価の置換基を表す)
【請求項9】
前記酸化還元剤が、酸化体、又は、還元体にラジカル部分を含む化合物を含む、

請求項1に記載の有機半導体材料の製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の有機半導体材料の製造方法を含む、半導体

デバイスの製造方法。
【請求項11】
プロトン共役電子移動により、有機半導体化合物を酸化、又は、還元し、キャリ

密度を増減させる酸化還元剤と、塩と、を溶解した水溶液であって、前記有機
導体化合物に接触させて、前記有機半導体化合物の前記キャリア密度 減し、
か<つ、前記塩に由来するイオンが導入された有機半導体材料を製造するために
用いられる、水溶液。
【請求項12】
前記酸化還元剤は、2プロトン、及び、2電子移動により、前記有機半導体化合

物を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減させる化合物を含む、請求項1に
記載の水溶液。
【請求項13】
前記酸化還元剤が、キノン骨格を有する化合物を含む、請求項11に記載の水溶液

。【請求項14】
前記酸化還元剤が、酸化体、又は、還元体にラジカル部分を含む化合物を含む、

請求項11に記載の水溶液。
【請求項15】
プロトン共役電子移動により、有機半導体化合物を酸化、又は、還元し、キャリ

ア密度を増減させる酸化還元剤と、塩と、を溶解した水溶液、及び、有機半導体
化合物を含むセンサ素子に、検体を接触させ、前記検体のpHに応じて変化する
前記有機半導体化合物の電気伝導度を測定することと、前記電気伝導度とpHと
の関係を規定する予め定められた関数に基づき、前記検体のpHを求める、pH
測定方法。
【請求項16】
前記酸化還元剤が、2プロトン、及び、2電子移動により、前記有機半導体化合

物を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減させる化合物を含む請求項15に
記載のpH測定方法。
【請求項17】
前記酸化還元剤が、キノン骨格を有する化合物を含む、請求項16に記載のpH

測定方法。
【請求項18】
前記酸化還元剤が、1プロトン、及び、1電子移動により前記有機半導体化合物

を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減させる化合物を含む請求項15に記
載のpH測定方法。
【請求項19】
前記酸化還元剤が、酸化体、又は、還元体にラジカル部分を含む化合物を含む、

請求項15に記載のpH測定方法。
【請求項20】
前記検体が、液絡を介して前記水溶液と接触する、請求項15に記載のpH測定

方法。
【請求項21】
センサ素子と、制御装置と、を有し、 前記センサ素子は、基材と、前記基材上

に形成された有機半導体化合物と、前記有機半導体化合物と接するように形成さ
れた電解質と、を有し、前記電解質は、プロトン共役電子移動により、前記有機
半導体化合物を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減する酸化還元剤と、塩
と、を溶解した水溶液を含み、前記制御装置は、検体と前記電解質との接触によ
り変化する前記有機半導体化合物の電気伝導度を測定する測定部と、前記電気伝
導度とpHとの関係を規定する予め記憶された関数に基づき、前記測定部の測定
<値から、前記検体のpHを計算する計算部と、を有する、pH測定装置。 
【請求項22】 
基材と、前記基材上に形成された有機半導体化合物と、前記有機半導体化合物と
接するように形成された電解質と、を有し、前記電解質は、プロトン共役電子移
動により、前記有機半導体化合物を酸化、又は、還元し、キャリア密度を増減す
る酸化還元剤と、塩と、を溶解した水溶含み、検体と前記電解質との接触により
変化する前記有機半導体化合物の電気伝導度を測定し、前記電気伝導度とpHと
の関係を規定する関数に基づき、前記検体のpHを計算するのに用いられる、セ
ンサ素子。 
【請求項23】  
更に、前記電解質と前記検体とを隔てる液絡部を有する、請求項22に記載のセ
ンサ素子。


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ドライブマイカー(ただいま修理中)

2024年02月25日 | ネオコンバーテック

【ルームランニング記;変更】



Drive My Car - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)

My Guitar Gently Weeps - MonaLisa Twins (The Beatles Cover)

【最新濾過膜/装置技術事例】

1.WO2020/013215 単離ナノシート及びその製造方法
 厚みが100nm以下であるナノシートは、近年、薬剤、触媒、
光学材料、電極、生体材料などへの応用開発が進んでいる。材料
としては酸化チタン、窒化ボロン、窒化炭素、グラフェンなどが
従来用いられてきた(例えば、非特許文献1~5を参照のこと)
が、これら無機材料は不純物が混入しやすい一方、精製が困難で
あるため、生体安全性や適合性に問題があり、薬剤や生体材料へ
の応用は困難であった。生体適合性を有する有機分子を用いてナ

ノシートを合成する方法もいくつか提案されている。
 例えば、ポリ乳酸(PLA)やポリジメチルシロキサン(PDM

S)などを用いて形成される高分子ナノシートを挙げることがで
きる。 これらは、高分子溶液を準備し、該溶液を基板上にスピン
コートし、得られたシートを基板から剥離させ、さらに得られた
剥離シートを粉砕することにより得られている(例えば非特許文
献6を参照のこと)。上記の有機分子を用いるナノシートは、薬
剤や生体材料への応用が期待できるが、合成プロセスやフィルム
成形プロセスが煩雑であり、莫大なコストがかかることが問題と
なっている。
ナノシートは、ナノ状態として安定に存在することが困難であり、

シート同士が付着するか又は凝集するという問題や、それを防ぐ
ための表面の改質・修飾が困難という問題もあり、これらの問題
の解決も望まれている。

---------------------------------------------------------------------------------------
【非特許文献1】Zhang, S.; Sunami et al., Nanomaterials-Basel 2017, 7 (9).
【非特許文献2】Tan, C. L. et al., Chem Rev 2017, 117 (9), 6225-6331.
【非特許文献3】Li, X. et al., Small 2017, 13 (5).
【非特許文献4】Kong, X. K. et al., Chem Soc Rev 2017, 46 (8), 2127-2157.
【非特許文献5】Yang, G. H. et al., Nanoscale 2015, 7 (34), 14217-14231.
【非特許文献6】Okamura, Y. et al., Adv Mater 2013, 25 (4), 545-551.

----------------------------------------------------------
【要約】
本発明は、擬ポリロタキサンを複数有して成るナノシートであっ
て、各々が付着せず、容易に単離する単離ナノシートを提供する。
本発明は、第1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し
状に包接されてなる擬ポリロタキサンを複数有して成る単離ナノ
シートであって、直鎖状分子は、その一部が、水又は水溶液中で
電離する電離基を有する第1の直鎖状分子を有する単離ナノシー
トを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺

し状に包接されてなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ
ンを複数有して成る単離ナノシートであって、 前記直鎖状分子は、
その一部が、水又は水溶液中で電離する電離基を有する第1の直
鎖状分子を有する、上記単離ナノシート。
【請求項2】 前記電離基が、前記第1の直鎖状分子の少なくとも

一方の末端又はその近傍に有する請求項1記載の単離ナノシート。
【請求項3】 前記電離基が、前記第1の直鎖状分子の両末端又は

その近傍に有する請求項1又は請求項2記載の単離ナノシート。
【請求項4】 前記第1の直鎖状分子は、少なくとも2つの部位を

備える請求項1~3のいずれか一項記載の単離ナノシート。
【請求項5】 前記第1の環状分子が前記少なくとも2つの部位

のうちの1つの部位に包接されてなる請求項4に記載の単離ナノ
シート。
【請求項6】 前記電離基が、カルボキシル基、アミノ基、スルホ

基、リン酸基、塩化トリメチルアミノ基、塩化トリエチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルアミノ基、エ
チルアミノ基、ピロリジン基、ピロール基、エチレンイミン基、
ピペリジン基、ピリジン基、ピリリウムイオン基、チオピリリウ
ムイオン基、ヘキサメチレンイミン基、アザトロピリレン基、イ
ミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、
イミダゾリン基、モルホリン基、チアジン基、トリアゾール基、
テトラゾール基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、イ
ンドール基、ベンゾイミダゾール基、プリン基、ベンゾトリアゾ
ール基、キノリン基、キナゾリン基、キノキサリン基、プテリジ
ン基、カルバゾール基、ポルフィリン基、クロリン基、コリン基
、アデニン基、グアニン基、シトシン基、チミン基、ウラシル基、
解離したチオール基、解離した水酸基、アジ基、ピリジン基、カ
ルバミン酸類、グアニジン類、スルフェン酸類、尿素類、チオ尿
素類、過酸類、およびこれらの類似体、誘導体からなる群からな
る群から選ばれる、少なくとも1種である請求項1~5のいずれ
か一項に記載の単離ナノシート。
【請求項7】 前記少なくとも2つの部位のうちの1つの部位は、

その鎖長が前記第1の環状分子の中心軸方向の厚さの2倍以上で
ある請求項4~6のいずれか一項に記載の単離シート。
【請求項8】 前記第1の直鎖状分子が、少なくとも3つの部位を

有する第2の直鎖状分子を有する請求項1~7のいずれか一項に
記載の単離ナノシート。
【請求項9】 前記直鎖状分子が、少なくとも3つの部位を有する

第2の直鎖状分子から本質的になる、請求項1~8のいずれか一
項に記載の単離ナノシート。
【請求項10】 前記第2の直鎖状分子は、少なくとも3つのブロ

ックを備えるブロックコポリマーである請求項8又は請求項9に
記載の単離ナノシート。
【請求項11】 前記少なくとも3つのブロックが、ポリエチレン

グリコール(PEG)からなる部位、及びポリプロピレングリコ
ール(PPG)からなる部位から形成される請求項10に記載の
単離ナノシート。
【請求項12】 前記直鎖状分子による包接を受けない第2の環状

分子をさらに有する請求項1~11のいずれか一項に記載の単離
ナノシート。
【請求項13】 前記第2の環状分子は、その開口部に第1の物質

を包接してなる請求項12に記載の単離ナノシート。
【請求項14】 第2の物質をさらに有する請求項1~13のいず

れか一項に記載の単離ナノシート。
【請求項15】 前記第1及び第2の環状分子が、α-シクロデキ

ストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ク
ラウンエーテル、ピラーアレン、カリックスアレン、シクロファ
ン、ククルビットウリル、およびこれらの誘導体からなる群か
ら選ばれる請求項1~14のいずれか一項に記載の単離ナノシー
ト。
【請求項16】 前記直鎖状分子が、PEGからなる部位-PPG

からなる部位-PEGからなる部位:で表される構成を有するコ
ポリマーであり、 前記第1の環状分子がβ-シクロデキストリン
である請求項1~15のいずれか一項に記載の単離ナノシート。
【請求項17】 前記直鎖状分子が、PEGからなる部位-PPG

からなる部位-PEGからなる部位:で表される構成のみからなる
トリブロックコポリマーであり、 前記第1の環状分子がβ-シク
ロデキストリンである請求項1~16のいずれか一項に記載の単
離ナノシート。
【請求項18】 前記単離ナノシートの厚さが0.5~100nm

である請求項1~17のいずれか一項に記載の単離ナノシート。
【請求項19】 請求項1~18のいずれか一項に記載の単離ナ

ノシートを有する材料。
【請求項20】 第1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串

刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンを複数有して成る単離
ナノシートの製造方法であって、
a)直鎖状分子を準備する工程;
 b)水又は水溶液中で電離する電離基を、前記直鎖状分子に導入

し、第1の直鎖状分子とする工程;
 c)第1の環状分子を準備する工程;及び

 d)前記第1の直鎖状分子と前記第1の環状分子とを水又は水溶
液中で混合させる工程;を有することにより、前記単離ナノシー
トを得る、上記方法。
【請求項21】 第1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串

刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ
サンを複数有して成る単離ナノシートの製造方法であって、
a)直鎖状分子を準備する工程;
c)第1の環状分子を準備する工程;
d’)前記直鎖状分子と前記第1の環状分子とを水又は水溶液中
で混合させて、擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサンを得
る工程; b’)前記d’)工程で得られた擬ポリロタキサン及び/
又はポリロタキサンに、水又は水溶液中で電離する電離基を導入
し、第1の直鎖状分子とする工程;及び f)得られた擬ポリロタ
キサン及び/又はポリロタキサンを水又は水溶液中で混合させる
工程;を有することにより、前記単離ナノシートを得る、上記方
法。
【請求項22】 請求項1~18のいずれか一項に記載の単離ナノ
シートを有する医薬用担体及び/又は医薬用ビヒクル。
【請求項23】 請求項1~18のいずれか一項に記載の単離ナノ
シートを有する医薬用崩壊剤及び/又は医薬用結合剤。
【請求項24】 前記単離シートが標的箇所と接着する請求項22
又は23に記載の医薬用担体及び/又は医薬用ビヒクル、
医薬用崩壊剤及び/又は医薬用結合剤。
【請求項25】 医薬上許容可能な有効成分;及び請求項1~18
のいずれか一項に記載の単離ナノシート;を有する医薬。
【請求項26】 医薬上許容可能な有効成分; 請求項1~18の
いずれか一項に記載の単離ナノシートを有する医薬用担体及び/
又は医薬用ビヒクル;及び/又は 請求項1~18のいずれか一
項に記載の単離ナノシートを有する医薬用崩壊剤及び/又は医薬
用結合剤;を有する医薬。


2.特開2022-050363 量子ドット、量子ドットの製造方法、及び
量子ドットの使用
【要約】
 
下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイト構造を有す
る化合物と、前記化合物に配位した多価カルボン酸と、を含み、
前記多価カルボン酸が、sp3炭素に結合したカルボキシル基を
有する、量子ドット。APbX3 (1)
(前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチルアンモニウムカ
チオンを表し、Xは塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニ
オンからなる群より選択される少なくとも1種を表す。)で、動
作安定性、量子収率及び貯蔵安定性に優れる量子ドット、その製
造方法、及びその使用方法を提供する。

図1.本発明の一実施形態に係る量子ドットを用いたLED発光
素子デバイス構造を例示する概要図 

【発明の効果】本発明によれば、動作安定性、量子収率及び貯蔵
安定性に優れる量子ドット、その製造方法、及びその使用方法を
提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイ

ト構造を有する化合物と、前記化合物に配位した多価カルボン酸
と、を含み、前記多価カルボン酸が、sp3炭素に結合したカルボ
キシル基を有する、量子ドット。APbX3 (1)
(前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチルアンモニウムカ

チオンを表し、Xは塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニ
オンからなる群より選択される少なくとも1種を表す。)
【請求項2】前記多価カルボン酸が、水酸基、メルカプト基及び

窒素原子からなる群より選択される少なくとも一種を更に含む、
請求項1に記載の量子ドット。
【請求項3】前記多価カルボン酸中に含まれるカルボキシル基の
少なくとも1つが、Pb原子に配位している、請求項1又は2に
記載の量子ドット。
【請求項4】アーバックエネルギーが、10meV以上35me

V以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の量子ドット。
【請求項5】前記多価カルボン酸が、チオリンゴ酸、リンゴ酸、

エチレンジアミン四酢酸、トリカルバリル酸及びクエン酸からな
る群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1~4のいず
れか1項に記載の量子ドット。
【請求項6】透過電子顕微鏡観察により測定される平均粒子径が、

2nm以上4nm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記
載の量子ドット。
【請求項7】発光スペクトルの波長ピークが、440nm以上4

80nm以下の範囲に極大を示す、請求項1~6のいずれか1項
に記載の量子ドット。
【請求項8】下記式(1)で表されるハロゲン化鉛ペロブスカイ

ト構造を有する化合物を含む量子ドットの製造方法であって、C
s又はメチルアンモニウムと、Pbと、Cl、Br及びIからなる
群より選択される少なくとも1種と、多価カルボン酸とを含む溶
液を調製する工程を含み、前記多価カルボン酸が、sp3炭素に結
合したカルボキシル基を有する、量子ドットの製造方法。
APbX3 (1)
(前記式(1)中、AはCsカチオン又はメチルアンモニウムカ

チオンを表し、Xは塩素アニオン、臭素アニオン及びヨウ素アニ
オンからなる群より選択される少なくとも1種を表す。)
【請求項9】前記多価カルボン酸が、チオリンゴ酸、リンゴ酸、

エチレンジアミン四酢酸、トリカルバリル酸及びクエン酸からな
る群より選択される少なくとも一種を含む、請求項8に記載の量
子ドットの製造方法。
【請求項10】前記多価カルボン酸の添加量が、Pb量に対して

1等量以上3等量以下である、請求項8又は9に記載の量子ドッ
トの製造方法。
【請求項11】請求項1~7のいずれか1項に記載の量子ドット

の光デバイスとしての使用。

3.特開2023-115733 セルロース多孔質体の製造方法
【要約】

発明に係るセルロース多孔質体の製造方法は、置換基の対イオン
にアンモニウムイオンを持つセルロースナノファイバーと分散媒
とを含有する混合液を準備する工程と、前記混合液をゲル化剤に
よってゲル化させてゲルを得る工程と、前記ゲルを凍結乾燥させ
る工程と、を有することを特徴とする。汎用な設備で製造でき、
スケールアップもしやすいという利点を有しつつ、高透光率を有
するセルロース多孔質体の製造方法を提供。

【特許請求の範囲】
【請求項1】置換基の対イオンにアンモニウムイオンを持つセル
ロースナノファイバーと分散媒とを含有する混合液を準備する工
程と、前記混合液をゲル化剤によってゲル化させてゲルを得る工
程と、前記ゲルを凍結乾燥させる工程と、を有することを特徴と
するセルロース多孔質体の製造方法。
【請求項2】前記ゲル化剤が、沸点が210℃以下の有機酸、硫
酸及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であること
を特徴とする請求項1に記載のセルロース多孔質体の製造方法。
【請求項3】前記有機酸がギ酸、酢酸またはギ酸と酢酸の両方を
含むことを特徴とする請求項2に記載のセルロース多孔質体の製
造方法。
【請求項4】前記セルロースナノファイバーの置換基が、カルボ
キシル基、硫酸基及びリン酸基からなる群から選ばれる少なくと
も1種であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記
載のセルロース多孔質体の製造方法。
【請求項5】前記混合液中の前記セルロースナノファイバーの固
形分濃度が0.1~3.0質量%であることを特徴とする請求項
1~4のいずれか一つに記載のセルロース多孔質体の製造方法。
【請求項6】前記分散媒が、水および水と混和する有機溶媒との
混合分散媒であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つ
に記載のセルロース多孔質体の製造方法。
【請求項7】前記凍結乾燥をさせる工程において、前記ゲルの周
囲温度が、ゲル中の分散媒の融点よりも20℃以上低いことを特
徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載のセルロース多孔質
体の製造方法。
【請求項8】前記ゲルを得る工程において、前記混合液の液面に
前記ゲル化剤の蒸気若しくはミスト又は前記ゲル化剤を含む水溶
液のミストを接触させて、前記混合液をゲル化させることを特徴
とする請求項1~7のいずれか一つに記載のセルロース多孔質体
の製造方法。
【発明の効果】 
本開示によれば、汎用な設備で製造でき、スケールアップもしや
すいという利点を有しつつ、高透光率を有するセルロース多孔質
体の製造方法を提供することができる。

3.特開2023-107761 水分解光触媒、水素及び/又は酸素の製

  造方法、並びに水分解装置
【要約】

図7のごとく光触媒と助触媒とを含む水分解光触媒であって、前
記水分解用触媒の表面の少なくとも一部が金属酸化物で被覆され
ており、X線光電子分光分析(XPS)により測定される、前記
金属酸化物中の金属元素に対する前記水分解光触媒中の金属元素
の原子比が、0.7以上15.0以下であり、気相反応に用いら
れる水分解光触媒。水分解効率が改善された気相反応用の水分解
光触媒を提供する。

図7.実施例1及び2で得た水分解光触媒の活性評価の結果を示

すグラフ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒と助触媒とを含む水分解光触媒であって、前記水分解光触

媒は、表面の少なくとも一部が金属酸化物で被覆されており、X
線光電子分光分析(XPS)により測定される、前記金属酸化物
中の金属元素に対する前記水分解光触媒中の金属元素の原子比が、
0.7以上15.0以下であり、 気相反応に用いられる、水分解
光触媒。
【請求項2】 前記金属酸化物の被覆率が、50%以上である、請

求項1に記載の水分解光触媒。
【請求項3】 前記金属酸化物の形状が、被膜状であり、前記金

属酸化物の膜厚が、0.1nm以上10.0nm以下である、請
求項1に記載の水分解光触媒。
【請求項4】 前記水分解光触媒の標準状態(273.15K、

100kPa、相対湿度80%)における吸着水分量が、前記水
分解光触媒1.0重量部当たり0.001重量部以上1.50重
量部以下である、請求項1に記載の水分解光触媒。
【請求項5】 前記水分解光触媒の総重量に対する前記金属酸化

物中の金属元素の重量の比率が、0.001重量%以上10.0
重量%以下である、請求項1に記載の水分解光触媒。
【請求項6】請求項1~5のいずれか1項に記載の水分解光触媒

の存在下で、相対湿度60%以上の気体に光を照射する水分解工
程を含む、水素及び/又は酸素の製造方法。
【請求項7】請求項1~5のいずれか1項に記載の水分解光触媒

を含む反応管と、前記反応管に相対湿度60%以上の気体を供給
する供給部と、水分解により生成した気体に含まれる水分を低減
させる水蒸気トラップ部と、前記水蒸気トラップ部により水分が
低減された前記気体に含まれる水素と酸素とを分離する分離部と
を有する、水分解装置。

【発明の効果】
本発明によれば、水分解効率が改善された気相反応用の水分解光
触媒を提供することができる。また、本発明によれば、当該水分
解光触媒を用いた水素及び/又は酸素の製造方法、並びに当該水
分解光触媒を備えた水分解装置を提供することができる。



図 1. 第1の環状分子を模式的に示す図であり、Dで示す距離が、「
第1の環状分子の中心軸方向の厚さ」であることを示す図
【発明の効果】
本発明により、生体安全性や適合性に優れ、薬剤や生体材料への

応用も可能であり、合成プロセスやフィルム成形プロセスが比較
的簡便であり、コストが低減されたナノシートを提供することが
できる。
また、本発明により、上記効果に加えて、シート同士が付着又は

凝集しない単離ナノシートを提供することができる。さらに、本
発明により、上記効果の他に、又は上記効果に加えて、上記ナノ
シート、特に単離ナノシートを有する材料を提供することができ
る。また、本発明により、上記効果の他に、又は上記効果に加え
て、上記ナノシート、特に単離ナノシートの製造方法を提供する
ことができる。



    風蕭々と碧いの時代

 
 今夜の寸評 :日々の合唱 心の手当
          Thinking of those who have passed and putting your

                           hands together each day bring you peace of mind.


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持続可能戦略電子デバイス製造論 ⑥

2024年02月22日 | ネオコンバーテック






LEDを搭載したピアスを自作してお洒落してみよう!




日本から始まるか?!
窓の太陽光発電システム置換工法

2
月20日、大成建設株式会社らは透過性のある「T-Green Multi Solarシースルー
タイプ」を既存建物の窓ガラスに置き換えられるリニューアル工法を開発「T-
Green Multi Solarシースルータイプ」は,大成建設とカネカが開発した,建物
<の外壁や窓と一体化させた太陽電池モジュールで発電する外装システム。2050
年のカーボンニュートラル社会の実現に向け,膨大な既存ストックの環境性能
を向上させるための効果的な取り組みが求められている。これらの性能向上を
図るためには,省エネルギー設備の導入や太陽光パネル等の創エネルギー設備
の設置などが有効となる。具体的な方策の一つとして,多くの既存オフィスビ
ルの窓に用いている単板ガラスなどをこの製品のシースルータイプに置き換え<
ることで,発電による創エネルギーが得られると同時に,Low-Eガラスとの複層
化により断熱性が高まり,建物の外被性能の向上も期待される。しかし,既存窓
サッシ枠の溝幅によってはこの製品を設置できないことがあり,設置する場合<
はサッシ枠交換などの大掛かりな外装工事が必要となり,時間と費用を要して
いた。そこで同社は,この製品にアルミ製リブ付きアタッチメントを工場で製
作し取り付けることにより,ガラス交換の要領で既存窓サッシ枠の溝にはめ込
むだけで容易且つ安価に設置できるリニューアル工法を開発した。この工法は,
工場製作したアタッチメント付の製品をガラス交換の要領で既存窓サッシ枠の
溝にはめ込むだけで容易に置換えることができ,短時間,低コストで施工でき
るという。また設置場所の条件に応じて,必要な耐風圧性能を有するこの製品
を,既存窓に適合した最適な寸法で製作できる。 
_blank 
※ 過去にも海外事例を掲載してきたが、いよいよ日本も本腰を入れてきたよう
  うだ。



今月21日、トヨタ自動車が千代田化工建設と大規模水電解システムの共同開発及

び戦略的パートナーシップを構築することに合意し、協業基本合意書を締結した。
国内外で現在、水素関連市場が急拡大している。この動きに対応するため、今回
の協業では、競争力のある大規模水電解システムを開発する。具体的には、サイ
ズが小さく、水素の製造効率が高い水電解システムを目指す。
水素の使用量や設置面積の制約など、顧客の多様なニーズに対応できるよう、原
単位は5MW級とする。設置面積は2.5m×6m、水素製造能力は約100kg/hを想定して
いる。これらを組み合わせて標準パッケージ化することで、大規模な水電解シス
テムを構築する。2025年度からトヨタ本社工場の水素パーク内に水電解システム
を導入する予定だ。将来的には10MW級まで拡大する。




ペロブスカイト太陽電池 
高光電変換効率と長期耐久性の両立へ大きく前進
実用環境に近い60℃、効率20%以上で1000時間連続発電まで実現

NIMS (国立研究開発法人物質・材料研究機構) は、太陽光に対して20%以上の光
電変換効率 (発電効率) を維持しながら、60℃の高温雰囲気下で1000時間以上の
連続発電に耐えるペロブスカイト太陽電池 (1cm角) を開発したことを前回掲載
したが再度掲載する。
【要点】
1.NIMSは、太陽光に対して20%以上の光電変換効率 (発電効率) を維持しながら
 60℃の高温雰囲気下で1000時間以上の連続発電に耐えるペロブスカイト太陽電
 池 (1cm角) を開発しました。本研究の成果により、ペロブスカイト太陽電池
 が研究室レベルから屋外設置の実用化レベルに大きく前進。
2.国土面積の小さい我が国で化石燃料を太陽光発電で代替するためには、製造
 コストが安い、加工しやすい、また高い発電効率の太陽電池が求められる。
 この観点からペロブスカイト太陽電池は有望ですが、電池の耐久性にはペロブ
 スカイト層に侵入する酸素や水分による欠陥の発生が大きく関与することが分
 かっており、数10年間安定に発電し続ける事が課題となっている。室温 (25℃
 ) での疑似太陽光照射下では、1000時間連続発電が実現できていたが、太陽光
 が降り注ぐ屋外では、表面温度が50℃以上 (夏場では85℃) になるので、より
 高温環境下での耐久性が求められる」。
3.ペロブスカイトAサイトに有機アミン類を導入することにより、半導体層と
 絶縁層が交互に積層した二次元 (2D) ペロブスカイトができます。そして2Dペ
 ロブスカイトは3次元 (3D) ペロブスカイトに比べて水や酸素に強いことが一
 般的に知られています。本研究では、FA0.84Cs0.12Rb0.04PbI3 3Dペロブスカ
 イト/C60界面に有機アミンを導入し、2Dペロブスカイト結晶粒を形成させ、ペ
 ロブスカイト/C60界面にある、発電効率を低減させる欠陥を取り除くことによ
 り耐久性と発電効率を向上した。
4.今後、NIMSではペロブスカイト太陽電池の高効率化とともに高耐久化のため
 の屋内 (より高温条件下における疑似太陽光照射) や屋外試験を行いながら、
 長期信頼性を保証するための加速試験の確立を進める
【掲載論文】
題目 : Defect Passivation in Methylammonium/Bromine Free Inverted Perovskite Solar 
     Cells Using Charge-Modulated Molecular Bonding
著者 :
 Dhruba B. Khadka, Yasuhiro Shirai, Masatoshi Yanagida, Hitoshi Ota, Andrey

      Lyalin, Tetsuya Taketsugu, and Kenjiro Miyano
雑誌 : Nature Communications

掲載日時 : 2024年1月30日オンライン掲載
DOI : 10.1038/s41467-024-45228-9

先回、電気自動車の航続距離を長くするにはバッテリーとして使われるリチウム
イオン電池のエネルギー密度向上として、「負極の材料にリチウムイオンを多く
保持できるケイ素(シリコン)を使う」というアプローチで、シリコンには「充電
中に体積が3倍以上に膨張する問題」を「ナノメートルクラスの微細なシリコン
を使うことなく。韓国の研究チームは、マイクロメートルクラスのシリコンをゲ
ル電解質に封入し、電子ビームを照射することでシリコンゲルとゲル電解質が共
有結合した「シリコンゲル電解質」を作成し「従来のバッテリーと比べてエネル
ギー密度が40%向上しつつシリコン特有の膨張も抑えたバッテリー」の作成に成
功し、「1回の充電で1000km走る電気自動車」の実現に向けたバッテリー技術」
を掲載したように、バッテリー製造技術には、ナノメートルクラスのシリコンと
比べて製造が容易なマイクロメートルクラスのシリコンで実現。このように蓄電
池の開発が加速している(下表「電池市場の推移」参照)。



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持続可能戦略電子デバイス製造論 ⑤

2024年02月21日 | ネオコンバーテック

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。


1回の充電で1000km走る電気自動車蓄電池
安定で高エネルギー密度のシリコン微粒子アノードのための電子線誘起共有結合の定式化

要約
大容量シリコン(Si)材料は、高度なリチウムイオン電池の最前線での地位を占めています。この固有のポテンシャルは、電池のエネルギー密度を大幅に向上させる上で大きな利点を提供し、ナノサイズからミクロンサイズのSi粒子にパラダイムを変えることでそのメリットを最大化することができます。それにもかかわらず、本質的な構造の不安定性は、特により大きなSi粒子の場合、その実用化に対する大きな障壁のままです。ここでは、Si微粒子(5μm)と高弾性ゲル高分子電解質(GPE)を用いた電子線照射による共有結合系について報告しています。この統合システムは、純粋なSiの大幅な体積膨張を軽減し、全体的な安定性を向上させると同時に、高いイオン伝導率により電荷キャリアの速度を加速します。電子ビーム技術の費用対効果が高く実用的なアプローチにより、得られた500 mAhパウチセルは、並外れた安定性と413 Wh kgの高い重量/体積エネルギー密度を示しました−1、1022 Wh L−1は、現在のバッテリー生産ラインでも実現可能であることを示しています。
1 はじめに
電子機器や電気自動車の需要の急増により、リチウムイオン電池(LIB)は、その環境上の利点と用途の広い用途により、大きく依存しています。[1、2]高度なバッテリーシステムにおけるエネルギー密度の必要性が高まる中、大容量シリコン(Si)材料は、その優れた理論的容量(3579 mAh g−1李の場合15Si4)と低い動作電圧(Li/Liに対して<0.4V)。+[3、4]しかし、Si材料は、電気化学的サイクル中の合金化反応によりかなりの体積膨張を起こし、構造的完全性を著しく損傷し、Siの粉砕、そして最終的には初期のサイクル破壊につながります。[5、6]そのため、粒子の破壊を防ぎ、リチウムイオンの速度論を加速し、それによって構造の安定性と容量保持を向上させることを目的としたナノ構造化を通じて、多くの研究がこれらの課題に取り組んできました。[7]これらの取り組みにより、本質的な特徴と電気化学的性能が向上しましたが、複雑な合成プロセス、スケーラビリティの低さ、タップ密度の低さ、電解質との膨大な副反応により、実用的なソリューションを提供することはほとんど実現不可能です。その結果、高エネルギー密度電池に対する市場の需要を満たし、同時にコストを削減することを約束する魅力的な選択肢として、Si微粒子(SiMPs)に重点を置いた、多様で実行可能な戦略が出現しました。[8]
これまでの研究では、主に小型のSiMP(1〜2 μm)が使用されてきましたが、本研究では、特に大型のSiMP(5 μm)を採用することで、費用対効果、タップ密度の向上、および高い体積容量において、さらに顕著な利点が得られます(図S1、補足情報)。[9、10]しかし、SiMPアノードの大型化を実現するには、材料レベルだけでなく、セルやシステムレベルでも固有の課題に対処する包括的なアプローチが必要です。Si材料の粒径が大きくなると、降伏強度と終局強度の両方を超え、破壊、粉砕、層間剥離が発生します。[11、12 ]したがって、新しく開発されたSi表面の極端な反応性は、連続的な液体電解質分解を引き起こし、その結果、厚い固体電解質界面(SEI)層が形成され、インピーダンスの上昇と最終的な容量の衰退を引き起こします。[13、14 ]亀裂、粒子の変位、界面の不安定性といった避けられない問題を考慮すると、液体電解質をゲルポリマーマトリックス内に封入するゲル高分子電解質(GPE)は、近年、安定で安全なLIBシステムの基幹部として認識されています。[15]GPEは優れた機械的特性を備えているため、信頼性の高いサポートシステムとして機能し、大型SiMPの体積変化を軽減し、電極の完全性を維持するのに役立ちます。さらに、高いイオン伝導率と熱安定性などのGPEの利点は、Si電極上に安定した界面の形成に貢献し、爆発のリスクを低減します。[16、17 ]したがって、GPEは二次電池内の亀裂や追加の損傷を修復し、大型のSiMPアノードの完全性を維持することができます。
GPEの作製には、その場でのゲル化法とin situでのゲル化法の両方が含まれます。[18]in situゲル化法では、細胞の組み立てプロセス中に従来の液体電解質との架橋性前駆体を使用します。[19、20]その後、後処理を行って前駆体を活性化し、組み立てられたセル内でゲル化プロセスを開始し、電極への良好な界面接着を通じて効率的なイオン輸送を確保します。代表的なin situゲル化アプローチは、比較的長い処理時間のために高い反応温度(60〜80°C)を必要とする熱フリーラジカルゲル化であり、寄生性副反応のために電気化学的性能が劣ります。[21、22 ]対照的に、電子線架橋によって開始されるゲル化は、より好ましい代替手段であり、副反応を大幅に低減し、開始剤の必要性を排除することでバッテリーシステム全体の完全性を向上させます。[23]重要なことは、電子線活物質を組み込むことで、架橋プロセス中にいくつかの好ましい反応が誘発され、既存の電池の製造プロセスでも幅広い用途に対応できることです。
本研究では、まず、フッ素化炭素を取り込んだSiMP(F-Si)が電子線照射により高弾性GPEとの共有結合を誘発し、SiMPの内部共有結合封入と外部共有結合ネットワークの形成を両立させる化学集積系について報告する。この研究は、市販の大型Si微粒子(5μm)と手頃な価格のフッ素化炭素源を用いた湿式化学プロセスを利用した、費用対効果の高いシンプルな方法論を実証しています。さらに、電子ビームを印加するだけで、既存の電池製造ラインに容易に導入できる統合戦略も可能だ。グラフト化されたインターネットワーク(SiMPフッ素化炭素多機能GPEのオーダーで共有結合的に相互接続)は、リチオ化/脱リチエーションを繰り返す間、SiMPを二重に保護し、バッテリーの寿命を大幅に延ばします。相互結合に加えて、粘弾性GPEはSiMPの体積膨張に対して堅牢な物理的サポートを提供し、大きな応力を放散し、それによって粒子レベルと電極レベルの両方で構造安定性を向上させます。この集積システムにより、SiMPの体積膨張を効果的に抑制し、従来の液体電解質と同等のイオン伝導率を達成できることを明確に確認しました。実用的な観点からは、電子ビームベースのアプローチによる低コストでスケーラブルなF-Siは、413 Wh kgという優れた安定性と高い重量/体積エネルギー密度を達成しました−1、1022 Wh L−1500mAhのパウチセルで、実際のバッテリー生産ラインでの応用の可能性を示唆しています。
2 結果および考察
2.1 電子線照射による連系系
我々は、市販のSiMPアノードと共有結合的に絡み合ったGPEを電子線照射によりその場で作製する先駆的な手法を採用した。プロセス全体を図1に視覚的に示し、既存のバッテリー製造プロセスと一致する電解液注入プロセスを示しました。続いて、作製したセルに電子線照射を行った。電子ビームの高エネルギーと効率による優れた透過能力は、コインセルとパウチセルの両方の構成で保証されました。[24]アクリレート化合物をGPEの前駆体材料として利用し、電子線によって効果的に活性化させました。[25]特に、8つのアクリレートサイトを持つメタクリル多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)架橋剤の組み込みは、顕著なイオン伝導性とゲル化速度の向上を達成するのに有益でした。さらに、GPEの柔軟性と物理的特性を高めるために、追加成分であるシアノエチルポリビニルアルコール(PVA-CN)を導入しました。[26]PVA-CNのゲル化は、活性化部位がないため、架橋剤を添加しなければ開始できませんが、POSS架橋剤で生成されたアクリレート駆動ラジカルは、電子ビームの露光中にPVA-CNのC≡N三重結合と容易に反応します。さらに、Si表面は官能基化を受け、架橋プロセス中にGPEとの共有結合を促進しました。一般的なC-C炭素構造内の共有結合を切断するという課題が残っていたため、電子極性を補償するコーティング層を適用することで、高エネルギー電子線による活性化が可能になりました。[27]フッ素(F)ヘテロ原子を含む炭素層を利用して、電極界面にLiFリッチ層を形成するだけでなく、フッ素化炭素のC-F結合部位とGPEの間に追加の共有結合を提供しました。[28]重要なことは、フッ素化炭素層のC-F結合は、F-Siに電子線を照射すると、特定の電子線エネルギーで切断される可能性があることです。[29]C-F結合の解離によって形成された炭素ラジカルは、コアSiMPと共有結合を形成し、同時に外部ゲル前駆体との架橋プロセスに関与することができます。その結果、フッ素化炭素を含有するSiMP(F-Siと表記)を電子線で活性化したゲル電解質前駆体と一体化させることで、in situ架橋による相互接続システムが実現し、電気化学的サイクル中の体積膨張による応力の放散により、優れたバッテリー安定性が得られます。
シリコン微粒子アノードと多機能ゲルポリマー電解質を一体化した電子線誘起共有結合のin situ形成の模式図。
2.2 F-Siの作製と特性評価
市販のSiMPは、競争力のある価格優位性を提供します。[30]さらに、F-Siは、安価な材料であるPVDFを使用して電子ビーム活性特性を付与するシンプルなコーティングプロセスにより、構造安定性を強化し、費用対効果の高い利点をさらに高めます。SiMPの平均サイズは≈5 μm(図S2、補足情報)で、PVDFは炭素層にFヘテロ元素を注入するために展開されました。F-Siは、市販のSiMP上に汎用性の高いフッ素化炭素を均一にコーティングする湿式化学法という、実現可能かつ簡単な方法を用いて作製されました(図2a)。PVDFを良好な溶媒に溶解し、SiMPを溶液中に十分に分散させて均質な混合物を形成しました。コーティングプロセスは、溶液に無溶媒として過剰な量のエタノールを添加することによって開始され、その結果、SiMPの表面にPVDFが析出しました。PVDF被覆SiMPを不活性アルゴン雰囲気中で炭化処理した。700°Cで熱処理を行い、SiMP上に適当な厚さのフッ素化炭素層を組み込みました。得られたF-Siは、裸のSiと同等またはそれ以上のタップ密度を示しました(図S3、補足情報)。
図 2Figure Viewer で開くPowerPointF-Siの構造進化a)F-Si合成の概略図。b) 裸のSi(左)とF-Si(右)の拡大TEM像。c)裸のSiとF-SiのFT-IRスペクトルとd)F1s XPSスペクトル。e)裸のSiおよびF-Si電極のイオン伝導率と電子伝導率。
F-Si上のフッ素化炭素の形態構造を透過型電子顕微鏡(TEM)測定で調べました(図2b;図S4およびS5、補足情報)。裸のSiとF-Siの全体的な外観は、フッ素化炭素層の存在によらず有意差を示さなかった。しかし、TEM画像を拡大すると、F-Si粒子はSiMPの表面に≈20 nmの厚さの明確な層を示し、裸のSi粒子は天然の酸化物層とは別に滑らかな表面に現れていることが明らかになりました。さらに、エネルギー分散型分光法による元素マッピングにより、F-Si内のC元素とF元素の均一な分布が確認され、F-ドープされた炭素層がSiMP表面に直接集積していることが示されました。フーリエ変換赤外(FT-IR)分析を実施して、コーティング層の化学構造を確認しました(図2c;図S6、サポート情報)。FT-IR スペクトルは CH を明瞭に表示しました2(839、1401センチメートル−1)、CF (1068、1276 cm−1)、および CF2(873、1179センチメートル−1)ピークは、F-Siのフッ素化炭素マトリックスによって寄与されました。[31]これらの結果は、SiMPの表面にフッ素化炭素層がコンフォーマルにコーティングされていることを示しており、TEM分析と一致しています。さらに、X線光電子分光法(XPS)を用いて、炭素マトリックス中のF元素の存在と結合状態について、より正確で信頼性の高い結果が得られました(図2d;図S7、サポート情報)。Fヘテロ原子が埋め込まれた炭素殻をF-Siに導入すると、285.0 eVにC-(C, H)結合のメインピークが生成され、C-FとC-Fの2つのフッ素化炭素ピークが得られた2C 1sスペクトルの288.0 eVおよび289.6 eVの種。同様に、C-F と C-F2F1sスペクトルでは、それぞれ686.5eVと687.4eVにピークが観察されました。[32、33 ]予想通り、純粋なSi材料のため、裸のSiサンプルではフッ素シグナルは検出されませんでした。さらに、炭素マトリックスへのF元素の含浸も、固体核磁気共鳴(NMR)分光法によって検証されました(図S8、補足情報)。[34]XPSと固体NMRの結果から、炭素層において階層的なF注入が効果的に達成されることが証明されました。重要なことは、X線回折(XRD)分析により、F源と熱処理中のSiとの化学反応を検証するために結晶構造を調べたことです(図S9、補足情報)。裸のSiとF-SiのXRDパターンの結果から、Siに帰属するピークのみが存在し、ピークシフトはなく、フッ素化炭素層の導入プロセスが結晶構造に影響を与えないことが確認されました。F-Si中の炭素層の定量分析は、熱重量分析(TGA)、元素分析(EA)、燃焼イオンクロマトグラフィー(CIC)を用いて行いました(図S10、補足情報)。TGA測定では、コーティング層の重量は7.82%でした。同様に、EAとCICの結果を使用して、それぞれ7.02 wt.%と0.185 wt.%の値を提供したC元素とF元素の含有量を決定しました。F-Siの主な炭素成分は、その導電性を高めることが期待されていますが、C-FとC-F2結合は、電子ビーム照射時にラジカルブリッジを与えるために追加の役割を果たします。そこで、炭素層の実際の影響を、従来の各電極の種類におけるベアSiとF-Siのイオン伝導率と電子伝導率を測定することによって検証しました(図2e;図S11、補足情報)。[35]裸のSiとF-Siのイオン伝導率の測定値は0.23mS cmでした−1および 0.75 mS cm−1それぞれ。これに対応して、裸のSiとF-Siの電子伝導率は0.05mS cmと決定された−1および 0.11 mS cm−1それぞれ。F-Siは、裸のSiと比較して、3倍以上高いイオン伝導率と2倍高い電子伝導率を示しました。ヘテロ原子を炭素マトリックスに取り込むことで、格子間空間が拡大し、電荷キャリアの輸送が容易になりました。[36]
2.3 粘弾性E-GELの機械的・電気化学的性質
また、電子線はGPEのゲル化プロセスを開始することも可能であり、物理的強度の向上により、より安定した電池システムに貢献します。[37] 図3aは、電子線照射がゲル化に及ぼす影響を検証したゲル化度合いの評価を示すものです。重要なことに、LEは電子ビームに対する反応性がないため、元の液体状態のままでした。一方、POSS架橋剤をわずか1wt%添加した電子線誘起POSS GPE(E-POSS)では、15kGyの電子線で20%という驚異的なゲル化率を達成しました。一方、PVA-CNとLiPFの組み合わせ6-ベースの電解質は、電子ビームに反応しないため、通常、熱架橋(T-PVA-CNと表記)によってオルガノゲルを調合するために使用されます。[38]そのため、PVA-CNは、高出力電子線(E-PVA-CNと表記)に曝されても、本来の添加量に比べてゲル化率の2%しか保持されなかった。さらに、イオン伝導率とゲル化速度の相関関係を、種々のポリマー含有量を用いて検証するために綿密な調査を行った(図S12、補足情報)。POSSまたはPVA-CNの量が増えると、GPEのイオン伝導率は低下する傾向を示し、ゲル分画の値は必然的に上昇しました。驚くべきことに、POSSを1wt.%、PVA-CNを2wt%含有するGPE前駆体(E-GEL)は、電子線照射時に≈30%という高いゲル化速度を示しました。この結果は、POSS中の活性化されたアクリレート基が、架橋プロセス中にPVA-CNの共ゲル化を可能にする可能性を示唆しました。内部シアノ基(C≡N)に着目したPVA-CNの活性化特性を、乾燥したE-PVA-CNおよびE-GELのN 1s XPS分析により分析しました(図3b)。E-PVA-CNおよびE-GELのゲルポリマーマトリックスは、電子線誘起ゲル化および残りの液体電解質の抽出後の真空乾燥プロセスによって得られた。XPSの結果、E-GELではC = N二重結合が優勢なため、C≡N三重結合が顕著に減少することが確認されましたが、E-PVA-CNは依然として未消費のC≡N三重結合を保持しており、新しい結合は発生しませんでした。E-GELのC=N二重結合の一部がC-(N)に変換された3これは、アクティベーションプロセスの証拠を提供しました。[39]さらに、圧縮ひずみ応力試験により、各GPEに関連する物理的特性をさらに調査しました(図3c;図S13、補足情報)。E-PVA-CNは電子線を照射してもゲル化しないため、T-PVA-CNを導入し、熱硬化による化学官能基の特性を調べました。少量のPOSS架橋剤でも、E-POSSは剛性構造を示し、ひずみは小さいが、ヤング率値は28 kPaと比較的高い。一方、T-PVA-CNはPVA基の存在によりヤング率が14.1 kPaと比較的柔軟性があり、E-POSSと比較して高いひずみ値を示しました。POSSとPVA-CNの異なる特性を併せ持つことで、E-GELは18 kPaの中間ヤング率とPVA-CNと比較して並外れたひずみをもたらし、体積膨張の緩和に有益でした。[40]
図 3Figure Viewer で開くPowerPointGPEの物理化学的および電気化学的分析。a) LE、E-POSS、E-PVA-CN、E-GEL(POSS/PVA-CN)のゲル分画(挿入図:電子線照射後のE-POSS、E-PVA-CN、E-GELの写真画像)b)E-PVA-CNおよびE-GELのN1sXPSスペクトル。c)E-POSS、T-PVA-CN、E-GELの圧縮ひずみ応力曲線。d)25°CでのLE、E-POSS、E-PVA-CN、およびE-GELのイオン伝導率。 d)LE、E-POSS、E-PVA-CN、およびE-GELのイオン伝導率。e)さまざまな温度でのLE、E-POSS、およびE-GELのアレニウスプロット。f)LE、E-POSS、およびE-GELの線形スイープボルタモグラム。
優れた物性を有することに加え、優れたイオン伝導性を得ることは、抵抗の増加や性能低下を防ぐ上で重要な要素です。POSSの化学構造にある8つの活性化部位は、POSSが20%のゲル化率に達するための最小限の利用に寄与し、それによって同等の優れたイオン伝導性(9.56 mS cm)を提供します−125°CでLE(9.82 mS cm)まで−125°Cで)(図3d)。[41]しかし、E-PVA-CNのゲル化は経験していないにもかかわらず、LEへのPVA-CNの溶解により電解質の粘度が上昇し、イオン伝導性が劣る(7.3 mS cm−125°Cで)。重要なのは、E-GELの優れたイオン伝導率(8.83 mS cm−1at 25 °C)は、少量のゲル前駆体と電子線誘起架橋によって相乗的に達成され、リチウムイオン(Li)移動度を加速する3Dネットワーク構造を形成しました。さらに、すべての電解質の温度依存性イオン伝導率は、0〜60°Cのアレニウスプロットに従います。 導電性の高いE-GELは、実質的に最も低い活性化エネルギー(E+ある)の値0.180 eV(Eと比較して)ある= 0.194 eV (E-POSS および E の場合)ある= 0.182 eV(Li輸送に支障のないLEの場合)(図3e)。+[42]ゲル前駆体を含有すると必然的にイオン伝導率が低下しましたが、導電性はLEに大きく依存しており、これはゲル前駆体の低画分(合計3wt%)に起因しています。したがって、エネルギー障壁はLEと同等か、それよりも低くなる可能性があります。実用的な電池システムを考えると、電解液の酸化安全性の実現は、高電圧正極や二次電池を適用する上でボトルネックとなっていました。調製した電解質の電気化学的安定性を検証するために、設計したコイン電池でリニアスイープボルタンメトリー(LSV)を利用しました(図3f)。高電圧条件下でのLEの酸化傾向の急激な増加とは異なり、E-POSSおよびE-GELは単位面積あたりの電流密度の大幅な減少を保証しました。[43]さらに、火災や爆発を引き起こすような虐待的な状況では、同量のLEが燃焼し続け、5秒以上持続します。しかし、ゲル高分子電解質(GPE)はLEをゲルマトリックス内に内包しているため、難燃性を示します。(図S14、サポート情報)。さらに、E-GEL内のPOSSコンポーネントは、高温でも優れた熱安定性を備えています。POSS構造内のSi-Oネットワークは、熱による分解に対して無傷のままであり、効率的な酸素捕捉を可能にし、難燃剤として機能します。[44]LEをゲルネットワーク内に保持することで、熱暴走を抑制して酸化還元反応を効果的に防止し、E-GELが高ニッケルカソードに適切な電解質を提供できることを実証しました。
2.4 統合システム形成のためのメカニズムの提案
F-SiとE-GELは、電子線照射に応答して活性化部位を産生し、共有結合を介して相互接続されたネットワークを形成する可能性を示唆しています。電子線に対する相互反応性を調べるために、反応したSiMPに対してXPSと固体NMRを用いた表面分析を行った。Si粒子は、電子線照射されたSiMPと過剰量のGPE前駆体の混合物から得られました。裸のSiのN 1s XPSスペクトルでは、混合プロセスで導入された過剰なPVA-CNと、ゲル化プロセス中に形成されたごくわずかな量のC=N二重結合により、C≡N三重結合のかなりの部分が表面に付着して除去されずに残りました(図4a)。しかし、F-SiはC≡N三重結合が有意に減少し、C-N=CおよびN-(C)が有意に増加した3絆。[45、46 ]PVA-CNの熱硬化プロセス中に、C≡NトリプルボンドがPFによって攻撃されます5おや−これは、LiPFの水による分解反応によって生成されます6追加の熱による塩。この振る舞いは、その後、各PVA-CN間にC-N = C結合を形成することにより、ゲル化プロセスを引き起こします。したがって、F-Si表面のC-N=C結合は、PVA-CNがPOSS中の励起されたアクリレート基によって開始される架橋反応にうまく関与していることを示唆しています。 同時に、F-Siコーティング層のC-F結合は電子線照射で切断され、F-Si上に形成されたCラジカルは活性化PVA-CNとの架橋反応に従事し、 N-(C)の生成3ブリッジボンド。GPE前駆体を過剰に含む混合物から得られたF-Siにおいて、電子線照射前後にCICを配備してフッ素含有量の比較を評価した(図S15、補足情報)。電子線照射後のフッ素量の減少が顕著に見られたのは、F-SiとE-GELの間に共有結合が形成される可能性があったためである。混合物から得られたのと同じ反応したSiMPを利用することにより、化学結合の形成がさらに検証されました。29Si と13C固体NMR分析(図4b)。この研究は、反応中にF-Si表面に新しいSi-C結合が出現することを明らかにしました。電子線を照射すると、フッ素化炭素層のC-F結合が崩壊し、コアSiMPと部分的に共有結合を形成するCラジカルが生成されました。逆に、固体NMRスペクトルでは、Si-Si結合を除いて、反応時の裸のSiには有意なピークは検出されませんでした。[47]重要なのは、13C固体NMRスペクトルは、明らかにPVA-CNに由来するC = NおよびC-N基の異なるシグナルを示し、C = O基はPOSSに由来する(図4c)。化学変換は、POSS中の分解されたアクリレート基によって触媒され、非ゲル化PVA-CNのみの開始を引き起こし、その結果、POSSがPVA-CNに化学的に結合しました。同時に、POSS/PVA-CNオリゴマーは、E-GELの架橋反応中にF-Si表面のCラジカルと部分結合を定式化し、共有結合的に絡み合ったシステムを生成しました。C-F結合の影響を評価するために、トルエン溶媒を用いた化学気相成長(CVD)法を用いて、従来のカーボンコーティング層を裸のSi上に導入しました。同様に、従来の炭素被覆SiMPは、過剰な量のGPE前駆体と混合され、電子ビームに曝露された後にのみ抽出されました。Fヘテロ原子がない場合、固体NMRは追加の結合形成を示さず、電子ビームに対する活性は無視できる程度であることを示しました(図S16、補足情報)。
図4Figure Viewer で開くPowerPoint電子線照射による共有結合生成の反応機構の追跡a)E-GELと反応後のF-Siと裸のSiのN1s XPSスペクトル。ソリッドステートb)29Siおよびc)13E-GELと反応した後のF-Siと裸のSiのC NMRスペクトル。反応したF-Siと裸のSi粒子は、溶媒と成形されたままのゲルを除去して得られた。d)電子線照射時の架橋反応のメカニズムの提案。
共有結合ネットワークを形成するための提案されたメカニズムは、F-Si、POSS、およびPVA-CNを含む相互接続システムの概要を示す図4dに記載されています。電子線を照射することで最初に生成されるPOSSのアクリレート基のラジカルは、PVA-CNのC≡N三重結合と相互作用し、架橋反応を開始します。続いて、生成したままのC-N=C*基は、POSSのアクリレート基とのゲル化反応をさらに促進し、オリゴマー中でPOSSとPVA-CNの連鎖反応を繰り返す別のラジカルを生成します。反応中、電子線はF-Si中のC-F結合の解離をさらに刺激し、それによってF-Si表面でのCラジカルの形成を促進します。[48]ラジカルは自然にPOSS/PVA-CNオリゴマーと架橋反応を起こし、N-(C)を生成します3共有結合を可能にする結合。[49]その結果、現在進行中の架橋反応により、電子線誘起共有結合を介してF-SiとE-GELの集積系が確立され、電池サイクル中のF-Siの巨大な体積変化を効果的に緩和することができます。
3 共有結合導入による構造強化
F-SiとE-GELの共有結合の構造進化について、F-Si電極のTOF-SIMS深さプロファイリング結果をF-Si|電子線照射後のE-GELセル(図S17、補足情報)。すべての化学反応は電極マトリックスの内外で完全に発生し、電解質との接触面積が最も広いため、必然的に最上層で勾配形成が観察されました。[50]電極内の任意の部位にかかわらず、明瞭なピークは、両方の共有結合インターネットワーク(CN−、C2N−、および C3N−)およびPOSS架橋剤(CO−)が検出され、共有結合で相互接続された系へのF-Si粒子の全体的なカプセル化が強調されました。[51]裸のSiとF-Siの電気化学的特性は、0.1mV秒で3〜0.05V(対Li/Li)の周期ボルタンメトリー(CV)測定を行うことによって調査されました+−1スキャン速度(図S18、サポート情報)。電解質の種類に関係なく、F-Si電極のSEI層形成の各ピークは、最初のサイクル中に1.2〜2Vの高電圧領域にわずかにシフトしました。これらの傾向は、図2eに示すように、裸のSiよりもF-Siの導電率が優れていることに起因しています。[52]完全な充放電条件(すなわち、充電状態制御(SOC)100)下でのSi微粒子の挙動は、それぞれの物理化学的特性および相互接続された共有結合の影響を実証することができる。Fドープ炭素層の導電効果に加えて、C-F層のカバレッジ密度と厚さも、電池システムにおけるF-Si電極の電気化学的性能に影響を与える可能性があります。薄いカーボンコーティングは、Siの体積膨張を効果的に緩和するのに苦労し、SiMPではより厚い層が好まれるようになりました。しかし、過度に厚いコーティングは、体積膨張を抑制することで構造安定性を高める一方で、絶縁バリアとしても機能し、電気化学的性能を低下させました。興味深いことに、PVDFの量が多いほど、それに対応してフッ素含有量の増加が観察され、電子線誘起性E-GELとの共有結合の形成が増強されたことが示唆されました。そこで、C-F層の被覆密度と厚さに対する前駆体比の影響を解明するために、系統的な変動試験を実施した(図S19、補足情報)。Fドープ炭素前駆体(PVDF)に対するSiMPの元の比率(4:1)と、8:1および2:1の追加の比率を拡張して、電気化学的サイクルに対するその他の影響を調査しました。静電充電/放電プロファイルは、コーティングの厚さが厚くなるにつれて、初期可逆容量と初期クーロン効率が低下することを示しました。0.5°Cでの電気化学的サイクルから、8:1|E-GELは、裸のSi|LEは、Fドープカーボンコーティングと二次共有結合性カプセル化がSiの構造的完全性を維持するには不十分である可能性があることを示しています。一方、比率を2:1に増やすことで構造安定性は向上しましたが、抵抗バリアとして機能すると、4:1の比率と比較して可逆容量が大幅に低下しました。したがって、4:1の比率が最適で、バランスの取れた厚さを提供し、Fドープカーボンコーティング層の利点を最大化しました。F-Siの前駆体比を4:1に設定し、LEといくつかのGPEを用いて、両電極の静電気充放電性能を評価しました(図S20、補足情報)。LEおよびE-GELを備えた裸のSi電極は、3375.2および3389.3mAhgの可逆容量を提供しました−1また、最初のサイクルでそれぞれ91.8%と92.0%の高いクーロン効率を実現しています。さらに、E-POSSおよびT-PVA-CNと結合された裸のSi電極は、GPE前駆体の使用が最小限であるため、LEと同等の可逆容量とクーロン効率をもたらしました。F-Siの炭素含有量と適度な厚さを考慮すると、F-Si電極は3161.3mAhと3141.2mAhgの同様の放電容量を実現しました−1また、LEとE-GELでそれぞれ90.2%と90.0%のクーロン効率が同等です。電解質としてE-POSSとT-PVA-CNを導入したにもかかわらず、LEと比較してわずかな改善しかありませんでした(図S21、補足情報)。また、電気化学的評価を並行して実施した結果、PVA-CN2%とPOSS1%の組み合わせによる最適な組成が明らかになりました(図S22、補足情報)。電子線誘起ゲル化プロセスに対する2つの前駆体の衝突から、F-Si電極とE-GELの間の界面に堅牢なインターネットワークが得られ、F-Si界面との適切な相互作用により、まったく異なる結果が得られました(図5a)。The F-Si|質量負荷量0.8–1.0 mg cmのE-GEL−22698.3 mAh gの強化されたリバーシブル容量を提供−10.5°Cで(1°C = 3141 mA g−1)が120サイクル後であるのに対し、裸のSi|LEは、同じ条件で急激な容量減衰を示しました。E-GELがLEに匹敵するイオン伝導性を有することを考えると、F-Si|E-GELは、まともな容量とレート能力を示しました(図S23、サポート情報)。興味深いことに、F-Si|E-GELは、裸のSi|LEです。SiMP(5μm)という非常に大きなサイズにより、F-Si|E-GELは、F-Si上に直接的な化学結合を形成することで安定したサイクル保持を実現し、導電性と構造安定性を向上させました(図S24、補足情報)。さらに、取り込まれた炭素層内のF元素により、LEを使用した場合でも、ガルバノスタティック充放電サイクル後のF-Si電極では、裸のSi電極よりもF-Si電極でより多くのLiFが検出されました(図S25、サポート情報)。特に、F-Si|E-GELは、Li 1s XPSスペクトルにおいてLiFリッチなSEI層と、N-(C)の共有結合結合を必然的に示しました3界面におけるN 1s XPSスペクトルのボンディング(図S26、サポート情報)。活物質の含有量を80質量%に増やすと、F-Si|E-GELは0.5°Cで50サイクルにわたって安定したサイクル性能を示しましたが、裸のSi|LEは、大きな体積膨張に耐えられず、以下の破断に耐えられなかったため、すぐに深刻な容量減衰を経験しました(図S27、補足情報)。
図5Figure Viewer で開くPowerPoint共有結合の効果を示す3D特性評価。a)裸Siのサイクル安定性|LEおよびb)F-Si|0.5°CでのE-GELセル。 b)SEMおよびX線マイクロCT画像に基づく、0.5°Cで1、50サイクル後の電極厚さの平均変化(灰色)、および50サイクル後の膨張率を、各原始電極(青)と比較した比較分析。裸Si中のc)裸Si電極とd)F-Si電極のX線マイクロCT画像(青色散乱:50サイクル後の各原始電極との比較平均膨張率) |LEとF-Si|1サイクル後のE-GEL細胞(左)、0.5°Cでの50サイクル(右)、対応するe)細孔径分布、f)各電極の平均フェレ径。
SiMPの体積膨張を緩和し、構造的完全性を維持するための実際の実現を明らかにするために、X線マイクロコンピュータ断層撮影(Micro-CT)を使用して形態と内部組織を解析しました(図S28、補足情報)。[53、54 ]マイクロCTの上面図を通して、裸のSi|LEは50サイクル後に高多孔質構造になりました。また、裸のSi電極の断面厚は9.26μmから22.4μmに増加し、膨張率は141.9%と厳しい数値となりました。対照的に、F-Si|電極膜が厚くても、E-GELは16.03〜19.45μmのわずかな膨潤のみを示し、50サイクル後の膨張率は21.3%とはるかに小さいことが示唆されました(図5b;図S29、補足情報)。その結果、GPEは強度だけでなく粘弾性も持つべき物理的支持において重要な役割を担っていることが証明されました。さらに、共有結合はF-Si|E-ゲル。各電極のSiMPと細孔を3次元的に再構成し、内部構造の変化をマイクロCTで調べました。得られた画像から、電気化学的サイクル後に裸のSi電極が粒子径の減少と細孔径の増加を経験していることが明らかになり、裸のSiMPが粉砕されたことが示唆されました(図5c)。一方、F-Si電極は、50サイクル後でも十分に保護されたマイクロスケールの粒子と小さな細孔を達成することができました(図5d)。裸のSi電極の厚さは2倍以上増加したのに対し、F-Si電極はほとんど膨張を示さず、共有結合を特徴とする最高に弾性のある集積システムの効率が浮き彫りになりました。上面図のSEM画像では、F-Si電極は滑らかな表面を示し、化学的に絡み合ったシステムに由来する固有の微細構造を維持していました(図S30、補足情報)。対照的に、LEとペアをなす裸のSi電極は、亀裂が目立つ破砕された微細構造を示しました。さらに、断面SEM分析を実施して、長時間サイクル後の厚さ変化を調べたところ、F-Si電極は、1サイクル後の電極厚さと比較して68.5%と95.9%の膨張率を示し、100、200サイクル後でも構造の並外れた安定性が得られました(図S31、補足情報)。細孔径値を測定したところ、50サイクル後にF-Si電極に有意に小さな細孔が均一に分布していることが明らかになりました(図5e)。注目すべきは、裸のSi電極の当初の小ささの孔径が、50サイクル後のF-Si電極の値よりもさらに拡大されたことである(図S32、補足情報)。さらに分析したところ、Si材料を充填するための平行接線間の最小距離と最大距離の平均である平均フェレ直径を評価すると、粒子の破壊とそれに伴う微細な細孔の出現により、サイズが小さくなるほど発生率が高いことが明らかになりました(図5f)。[55]これに対し、F-Si電極は、1)粒子レベルでの体積膨張による応力を効率よく放散する粘弾性E-GELクッション、2)大型SiMPの粉砕・層間剥離の緩和、3)電極構造全体の保存に成功したこと、などから、直径を越えた均一な分布を特徴としています。そのため、F-Si|E-GELは、SOC100の0.5°Cという比較的過酷な条件下で耐え難いストレスに耐えることに貢献しました。
3.1 相乗効果による高エネルギー密度フルセル・パウチセルの実現
相互反応により集積系を形成したF-Si|E-GELは、F-Siの平均粒子径が5μmであるにもかかわらず、安定した電気化学反応速度を示しました。重要なことは、電気化学的性能を最適化することを目的として、総Si容量の利用部分を管理するために、SOC制御の戦略がさらに採用されたことです。[56、57 ]SiMPを部分的に利用するためのリチウムの取り込み度を制限することで、体積膨張の問題を大幅に軽減し、それによって全体の構造安定性を高めることができます。したがって、裸のSiとF-Siの長期サイクル安定性は、0.8〜1.0 mg cmの質量負荷量で追加でテストされました−20.5°Cで、SOC 70条件での電気化学的改善をさらに確認しました(図6a;図S33、補足情報)。[58、59 ]The F-Si|E-GELは、300サイクルにわたって持続的な容量保持を伴う非常に優れた可逆性を示しましたが、裸のSi|E-GELは、80サイクル後にかなりの容量減衰を観察しました。化学的に相互接続されたシステムがなければ、裸のSi|E-GELは、全容量の70%しか使用していない場合でも、裸のSiを粉砕するため、可逆容量を維持することができませんでした。ハーフセルでSi容量の70%を満たすようにSOCを制御することは、フルセルで1.4の負極と正極の容量(N/P)比に相当し、F-Si電極はフルセルとパウチセルを同じN/P比で実現するのに適している。
図6Figure Viewer で開くPowerPoint実用的なバッテリーシステムにおける電気化学的評価。a) 裸のSiのリチエーション限定サイクリング|E-GELとF-Si|0.5°CのE-GEL細胞、70%までの充電状態(SOC)制御。b) 0.1°Cにおけるコイン型フルセルの静電充電/放電プロファイルとc)0.5°Cにおけるコイン型フルセルの対応するサイクル安定性 d) F-Siの体積エネルギー密度の比較|イージェル|NCM811 500 mAhパウチセルと他の報告されているSiアノード。e) F-Siを用いた500mAhパウチセルのサイクル性能 |イージェル|NCM811 (0.3°C)
そこで、ベアSiアノードとF-Siアノードの両方について、フルセルでE-GELを用いて多種多様な評価を行い、実用レベルでの実現可能性を実証しました(図6b)。フルセルはLiNiとペアになりました0.65共0.15ミネソタ0.2O2(NCM651520)負荷レベル3mAhcmのカソード−2N/P比は1.4です。裸のSi|イージェル|NCM651520とF-Si|イージェル|NCM651520は、156.1mAhgと154.8mAhgの同様の放電容量を示しました−1、最初のサイクルでそれぞれ84.1%と80.0%のクーロン効率とともに。F-Siの初期クーロン効率|イージェル|NCM651520は裸のSi|イージェル|NCM651520、これはF-SiアノードとE-GELの間に共有結合が形成されることに起因しています。[60]さらに、F-Si|イージェル|NCM651520、F-SiとE-GELの間の共有結合は、むしろ電荷キャリアの移動に有益なインターフェースを提供することを示しました(図S34、補足情報)。予備リチオ化ステップなどの有利なアプローチを採用することなく、F-Si|イージェル|NCM651520は、0.5°Cで100サイクル、200サイクルでそれぞれ88.6%と65.4%という驚異的な容量保持率を達成しました(図6c)。しかし、裸のSi電極は大きな応力に耐えられず、100サイクル後、200サイクル後の容量保持率はそれぞれ75.6%、44.6%と劣っていました。フルセルを評価するには、カソードの劣化による潜在的な影響があるため、アノードとカソードの両方の構造的完全性を考慮する必要があります。有害な界面副反応は、裸のSi|イージェル|NCM651520誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)分析により、陰極で遷移金属の溶解が発生します。しかし、F-Si|イージェル|NCM651520は、裸のSi|イージェル|NCM651520、このような統合システムの実用的実行可能性を実証する(図S35、補足情報)。さらに、ポリマー系電解質は速度低下により低温での性能が劣りますが、E-GELの優れたイオン伝導性と低抵抗の中間相により、過酷な条件下でも広い温度範囲で容量安定性が確保されます(図S36、補足情報)。[61、62 ]
信頼性の高い特性にもかかわらず、Si材料の膨大な体積変化を管理するというボトルネックは、外部圧力を加えずにパウチセルシステムを実装する上で大きなハードルとなっています。しかし、F-SiとE-GELの相乗効果により、F-Siの体積膨張を効果的に抑制し、実用的なパウチセルを作製する可能性が示唆されました。そこで、F-SiアノードとLiNiとを数個積層して、0.8共0.1ミネソタ0.1O2(NCM811)カソード、500 mAhパウチセルを組み立てて、高い面容量(3.5 mAh cm–2)NCM 811カソードの。重要なのは、F-Siパウチセルが413Whkgの高エネルギー密度を実現したことです−1、1022 Wh L−1タップ密度の高い大型SiMPにより、単位質量および単位体積あたりの高いエネルギー密度を確保します(図6d;表 S1 および S2、サポート情報)。[63〜68 ]高価なナノサイズのSi材料に頼ったり、体積膨張に対応するためにボイドスペースを作ったりするのではなく、5μmの大きな粒子を採用することで、高いエネルギー密度と顕著な安定性を実現しています。高密度で相互接続されたシステムは、150サイクル後に77.0%の容量保持を達成し、高エネルギーで安定したバッテリーの実現に向けて大きく前進したことを示唆しています(図6e)。実世界での電子アプリケーションの検証では、ドローンを用いた動作試験を実施しました(動画S1、補足情報)。その結果、電子ビームによるF-Siと弾性E-GELの相乗的集積が、粒子径5μmでも純粋なSiアノードの本質的な課題を効果的に克服できることが実証されました。さらに、本研究で開発された独自のシステムは、エネルギー貯蔵システムや次世代電池などの実用化を促進し、高度な電池技術への将来の実装の可能性を浮き彫りにしています。
4 まとめ
5μmの大型SiMPと多機能GPEを電子線照射で集積した新しいシステムを紹介します。安価なフッ素源を用いた単純な湿式化学プロセスにより、SiMPの電子極性が補償され、E-GELの電子線誘起架橋プロセスでF-Siが出現しました。これにより、電子線照射時にゲル化反応と架橋反応を同時に起こすことで、F-Siと高弾性E-GELの集積化が可能になりました。その結果、絡み合ったシステムは、特に高いイオン伝導率を提供しながら体積膨張を緩和する優れた特性を示しました。マイクロCTは、大型のSiMP粒子の完全性を維持する能力を直接確認し、効果的な応力散逸を示しました。さらに、SOC制御の体系的な管理により、統合システムは純粋なSiMPアノードで前例のない性能を達成することができました。我々は、F-SiとE-GELの架橋反応機構を提案し、活物質とGPEが相互接続可能な他の系にもこの原理を拡張できる可能性を示唆しています。システムのユニークな構造的および電気化学的特徴に基づいて、F-Si|E-GEL 500 mAhパウチセルは、413 Wh kgという非常に高い重量/体積エネルギー密度を示しました−1、1022 Wh L−1.本研究は、電子ビームを用いた将来の電池技術におけるエネルギー密度の向上、既存の電池製造ラインにおけるエネルギー貯蔵システムや次世代電池に革命をもたらす可能性を浮き彫りにした。
    
図5.                                                                                                           この項了


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持続可能戦略電子デバイス製造論 ④

2024年02月19日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。

⌚ 日本のロケット「H3」の2号機が打ち上げに初めて成功
17日午前、JAXA=宇宙航空研究開発機構によると、2号機は補助ロケットや1段 
目のエンジンを切り離しながら上昇を続け、午前9時40分ごろ、ロケットの2段
目のエンジンの燃焼が停止し目標の軌道に到達する。その後、搭載した2つの超
小型衛星を切り離して軌道に投入したほか、アルミ製の模擬衛星の分離動作も確
認するなど計画どおりに飛行し、打ち上げに初めて成功。
尚、「H3」は去年3月に打ち上げた初号機では2段目のエンジンが着火せず打ち

上失敗し、JAXAなどはおよそ1年かけて対策を講じ、17日の打ち上げに臨んだ。 
について、およそ半年間にわたって原因の究明を進めた。ロケットは1段目と2
段目の分離まで計画どおり飛行し、その後に2段目のエンジンが着火しなかった
ことが分かっていて、飛行データを分析し、同じ現象を再現する試験などに取り
組む。
3つの対応:①2段目のエンジンに搭載された機器の一部に損傷が発生したこと

が原因、②損傷要因を大きく3つに絞り込みこむ。③このうち2つは運用中の「
H2Aロケット」の共通部品が、製造時の部品のずれや打ち上げ時の振動などに
よって着火直後に点火装置でショートが発生、④点火装置の内部にある電気の流
コントロールするトランジスターが、地上の点検などで過度の電圧に耐えられな
くショートした。④ 一方、残る1つは「H3」だけに搭載された機器で、2段
を制御する部品の一部が故障しショートした。⑤ショートの原因となりうる機器
設計を一部変更。一部の対策については去年9月に打ち上げられた「H2Aロケ
ット」47号機とことし1月に打ち上げられた48号機にも取り入れられ、問題
がないことを確認する。 


低軌道衛星向けペロブスカイト太陽電池
これに先立つ月面着鯥に成功した日本は、太陽電池の位置と太陽入射軌道の不具
合が生じた。そのとき考えたのがペロブスカイト太陽電池の使用と太陽光集光宇
宙バルーンの開発であったが、おりしも今月の16日、米国のメリダ・エアロス
ペース社が、低軌道宇宙向けペロブスカイト太陽電池を開発(添付写真参照)し
新聞が入る。うたい文句はこうだ。「地球低軌道衛星用のペロブスカイト太陽電
池を開発。ペロブスカイト太陽従来の太陽電池よりも費用対効果が高く、効率的
選択肢になる」と。フロリダに本拠を置くメリダ・エアロスペースは、宇宙用途
向けにカスタマイズされたペロブスカイト太陽電池を開発。これは低軌道衛星向
けにの性能と経済性を向上できる。同社のペロブスカイト太陽電池はガリウム砒
素ソーラーの代替品となる。また、柔軟性・汎用性に優れ、自己修復効果により、
宇宙環境下での高エネルギー放射線に対する驚くべき再生力を発揮する(担当責
任者のアンドレア・マルケス氏談)。「ペロブスカイト結晶の配列は、空間温度
の影響を受け、光吸収能力を高め、より豊富、よりクリーンな持続可能エネルギ
ー技術として世界的シフトに貢献する」という。因みに、四百兆円規模の世界の
宇宙開発競争がヒートアップするとともに20数年前私(たち)が構想した「ネ
オコンバーテック産業新興構想」が現実のものとなっている。




ダイヤモンドMOSFET相補型パワーインバーター開発
100kHzでの高速動作を検証
Power Diamond Systems(PDS)は、pチャネル型のダイヤモンドMOSFETとnチャネ
ル型のSiC-MOSFET/GaN-HEMTを組み合わせた相補型パワーインバーターの開発に
着手した。トランジスタの動作周波数を高速化することで構成部品を小型化でき
インバーター自体もさらなる小型化と軽量化が可能となる。


インバーターは、直流電流を交流電流に変換するための電源回路。応用機器では
省エネの実現に向け、小型軽量で効率が良いインバーターの要求が高まっている。
インバーターの高速動作に向けては、ワイドバンドギャップ半導体の活用や、n
型とpチャネル型のトランジスタを組み合わせた相補型パワーインバーターが提案
されている。


図.相補型パワーインバーターの回路ブロックと入出力波形の一例

ところがSiCやGaNでは、nチャネル型トランジスタと同等性能を備えたpチャネル
型トランジスタを作製することが極めて難しかったという。そこで、ダイヤモン
ド半導体デバイスの研究開発を行うPDSは、pチャネル型ダイヤモンドMOSFETを開
発し、nチャネル型トランジスタと同等性能を実現。
今回は、このpチャネル型ダイヤモンドMOSFETと、nチャネル型SiC-MOSFET/GaN-
HEMTを組み合わせた相補型パワーインバーターを開発し、100kHzでの高速動作を
検証した。今後は、外部パートナーとの連携を加速し、性能の改善やインバータ
の開発に取り組む計画である。


ダイヤモンド格子中に鉛原子と空孔からなる量子光源(PbV中心)を形成
ダイヤモンド中の発光中心は優れた発光およびスピン特性から,量子ネットワーク
を構築するための固体量子光源として期待されている。IV族元素と空孔からなるII
V族—空孔中心のうち,重いIV族元素であるスズ(Sn)やPbを用いた光源では希釈
冷凍機を必要としない温度で優れたスピン特性が期待できるが,効率的な量子も
つれ生成のためには,発光線幅が物理限界である自然幅に近い発光特性も必要と
なる。

しかし,IV族元素のうち安定かつ最も重たいPbを用いた量子光源の鉛—空孔中心Pb
V中心)では,自然幅での発光は観測されていなかった。研究グループは,ダイヤ
モンド基板へのPbイオンの注入および2,000℃を超える高温加熱で形成したPbV中
心で,自然幅に近い発光線幅を観測した。PbV中心の構造からはCピークおよびD
ピークと呼ばれる2本の発光線が主に観測される。まず,作製したPbV中心の線幅
の限界を決める励起状態寿命について,パルスレーザーを用いた手法で評価した。
結果として,励起状態寿命として4.4nsが得られ,これは自然幅として約36MHzに
対応する。
次に,PbV中心のCピークの線幅を発光励起分光法(PLE法)を用いて測定した。測
定温度約6Kにおいて線幅約39MHzと自然幅に近いスペクトルを得た。
測定を繰り返しところ,このPbV中心の発光ピークの位置に大きなずれは見えず,
時間的に安定した発光波長を観測した。一方,もうひとつの発光線であるDピーク
の線幅は発光スペクトルにおいて400GHz以上となり,Cピークと比べ線幅が4桁大きい。
今回の研究では,格子振動であるフォノンの影響によってDピークが太くなり,
2つのピークの線幅の差はIV族元素の種類によって変化することを明らかにした
。さらに,PbV中心では基底状態でのフォノン吸収が抑制されており,10K以上に
おいてもCピークに関して自然幅に近い発光線幅を得た。
約16Kにおいても自然幅の1.2倍程度の線幅に留まっており,窒素—空孔中心や他の
ダイヤモンド量子光源よりも高い温度においても狭線幅が達成できることを示し
た。研究グループは,今後,量子状態を保存するためのスピン特性の計測と合わ
せることで,PbV中心を用いた量子ネットワークノードの構築が期待できるとして
いる
論文情報 
掲載誌 : Physical Review Letters 
論文タイトル : Transform-limited photon emission from a lead-vacancy center
 in diamond above 10 K 
著者 : Peng Wang, Lev Kazak, Katharina Senkalla, Petr Siyushev, Ryotaro 
Abe, Takashi Taniguchi, Shinobu Onoda, Hiromitsu Kato, Toshiharu Makino, 
Mutsuko Hatano, Fedor Jelezko, Takayuki Iwasaki
 DOI : 10.1103/PhysRevLett.132.073601
            
 


   風蕭々と碧い時間
2000年10月18日
愛のカケラ Every Little Thing 
作詞・作曲/持田香織、多胡邦夫 
 
 
 
 

 

 今夜の寸評 : 鈍すれば貧する
         賢明でなければ豊かになれない。
 
 
 

 
 
                      
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MIS型半導体装置の製造方法 ②

2024年01月31日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

 
 黒の革命

 

世界一のダイヤモンド産出国へ ④

[関連特許]
5.特開2023-179710 MIS型半導体装置の製造方法
【0030】なお、ゲート絶縁体層23は、終端処理されたダイヤモンド半導体層2
2の表面に直接接して、水、炭化水素やレジスト残渣などの層を挟まないことが
好ましい。このような層を挟むと、界面準位が発生しやすいためである。
【0031】 ゲート絶縁体層23としてAl2O3などの非晶質膜を用いた従来構造
では、ゲート絶縁体層23中およびゲート絶縁体層23とダイヤモンド半導体層
22との界面にトラップ(電荷トラップ)が多く含まれる傾向がある。このため
、キャリア伝導は散乱を受け、キャリア移動度は低いものとなる。 一方、ゲート
絶縁体層(ゲート絶縁膜)として窒化ホウ素、好ましくは単結晶の窒化ホウ素、
より好ましくはh-BN、さらに一層好ましくは単結晶のh-BNを用いた本発
明の構造では、ゲート絶縁体層23中の電荷トラップは少ない傾向がある。この
ため、キャリア伝導は散乱が少なく、高いキャリア移動度が得られる。
-----------------------------------------------------------------------
【参考】
MIS構造とは金属-絶縁体-半導体(
metal-insulator-semiconductor)からな
る3層構造である。
MIS構造 (MIS structure
【半導体工学】金属-絶縁体-半導体構造とは (MIS構造,MOS構造)
------------------------------------------------------------------------

【0037】 <製造方法>
【0062】 1.基板の準備
【0063】 2.アライメントマークの作製
レーザーリソグラフィにより、アライメントマークをダイヤモンド基板31上に
形成した(図示なし)。 ここで、アライメントマークの形成工程を以下に示す。
最初に、ダイヤモンド基板31の表面に下層レジストPMGI-SF6S(Mi
crochem製)をスピンコートし、180℃で5分ベークした。その後、フ
ォトレジストAZ-5214E(メルクパフォーマンスマテリアルズ製)をスピ
ンコートし、110℃で2分ベークした。 次に、高速マスクレス露光装置(ナ
ノシステムソリューションズ製、DL-1000/NC2P)を用いて、アライ
メントマークパターンを描画した。TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム
)2.38%で合計150秒現像した後、純水で合計120秒洗浄し、その後
窒素ブローを行った。
【0064】 しかる後、電子銃型蒸着装置によって、厚さ10nmのTi、厚さ1
5nmのPt、厚さ60nmのAuおよび厚さ25nmのPtを順次蒸着した。
その後、80℃設定のウォーターバスで加熱したNMP中に試料を漬け、リフト
オフを行った。 最後に、アセトンとIPAでダイヤモンド基板31をリンスし
た後、窒素ブローを行ってダイヤモンド基板31の所定の場所にアライメント
マークを形成した。
【0065】
3.オーミック電極の作製
ダイヤモンド表面に電子線レジストgL-2000DR2.0(Gluon L
ab製)をダイヤモンド基板31上にスピンコートし、180℃で5分ベークし
た。 その後、エスペーサー300Z(昭和電工製)をスピンコートし、100
kV電子線描画装置(エリオニクス製、ELS-7000)を用いて、オーミッ
ク電極のパターンを描画した。描画後、エスペーサー除去のため純水で60秒洗
浄し、その後窒素ブローを行った。そしてキシレンで60秒現像し、IPAで
60秒洗浄した後、窒素ブローを行ってダイヤモンド基板31上にレジストパタ
ーン51を形成した(図8(a)、図11(a))。


図11.MIS型半導体装置の製造工程を断面図にて示した製造工程図

【0066】 次に、電子銃型蒸着装置によって、厚さ5nmのTiからなる導電膜
35aおよび厚さ5nmのPtからなる導電膜36aを順次蒸着した(図8(
b)、図11(b))。 その後、80℃設定のウォーターバスで加熱したNM
P中に試料を漬け、リフトオフを行った。アセトンとIPAでリンスした後、窒
素ブローを行った。 しかる後、MPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5
200-S)内においてH2雰囲気(H2流量500sccm、圧力80Torr)
で35分間アニールを行い、ダイヤモンドとTiの界面にTiCからなる低抵抗
化層42を形成した(図8(c)、図11(c))。アニールの際の設定温度は、
650℃までおよそ31分で上昇させ、650℃で35分間保持した。
【0067】
4.ダイヤモンド表面の水素終端化とレジスト残渣の除去
上記のオーミック電極形成に引き続きMPCVD装置(セキテクノトロン製、A
X5200-S)内でダイヤモンドを10分間水素プラズマにさらし、表面の水
素終端化とレジスト残渣の除去を行って、ダイヤモンド基板31の露出面に水素
終端層32を形成した(図8(d)、図11(d))。


図8.MIS型半導体装置の製造工程を断面図にて示した製造工程図

水素プラズマの条件は、H2流量500sccm、圧力30Torr、ヒーター
設定温度600℃、マイクロ波出力300Wである。 さらに、真空搬送用チャン
バーと接続可能な別のMPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5000)内
においてH2雰囲気(H2流量500sccm、圧力80Torr)で35分間ア
ニールを行った。
アニールの際の設定温度は、710℃までおよそ34分で上昇させ、710℃で
35分間保持した。 MPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5000)内
でダイヤモンドを10分間水素プラズマにさらし、表面吸着物の除去を行った。
水素プラズマの条件はH2流量500sccm、圧力30Torr、ヒーター設
定温度670℃、マイクロ波出力300Wである。
【0068】 引き続き、水素プラズマ処理を行ったダイヤモンド基板31は、真空
に保たれた試料搬送路を介して大気暴露することなく、アルゴンガス雰囲気のグ
ローブボックスへ搬送した。その詳細を、断面で示した装置構成図である図14
および図15を用いながら以下に説明する。



図15.実施例1で使用した処理装置構成の概要図

【0069】 図14は、水素プラズマ処理を行うときの処理装置1001の概要を断
面図で示したものである。 処理装置1001は、水素終端処理チャンバー1011
と試料搬送・一時保管室1025を主要な構成要素としている。そして、水素終
端処理チャンバー1011を主体とした水素終端処理部E1と、試料搬送・一時
保管室1025を主体とした試料搬送部E2に大別され、ゲートバルブ1024
の先(ゲートバルブ1024と搬送中間室1027の接続部)で、E1部とE2
部は切り離せるようになっている。


図14.実施例1で使用した処理装置構成の概要図

【0070】 水素終端処理チャンバー1011は、2つのゲートバルブ1024と1
026および搬送中間室1027を介して試料搬送・一時保管室1025に接続
されていて、試料ロッド1029により、試料を水素終端処理チャンバー1011
から試料搬送・一時保管室1025に搬送できるようになっている。ここで、搬
送中間室1027には真空排気系を接続するためのフランジ1028が備えられ
ており、真空排気系が接続されていないときはフランジ(ブランクフランジ)
1028で閉じられている。 また、試料搬送・一時保管室1025には配管1
071、バルブ1072、フランジ1073およびベローズ配管1074を介して
ターボ排気セット1075が接続されている。ここで、ターボ排気セット107
5は、ターボ分子ポンプとダイヤフラムポンプからなるT-Station75
D(エドワーズ製)である。
【0071】 水素終端処理チャンバー1011は、ダイヤモンド基板31の第1主表
面(ダイヤモンド半導体層)の露出面を水素プラズマにより水素終端する処理室
であり、具体的には上述のMPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5000
)の処理室である。 水素終端処理チャンバー1011は、ゲートバルブ1012
を介してターボポンプ(STP-iX455、エドワーズ製)1013に繋がれ、
ターボポンプ1013はバルブ1014および配管1015を介してスクロール
ポンプ(nXDS15i、エドワーズ製)1016に接続されている。このため、
いわゆるオイルフリーの真空ポンプ構成になっている。1011の真空度は、真
空計1063(電離真空計TG200、アンペール製)によって読み取ることが
できる。
【0072】 また、水素終端処理チャンバー1011は、真空粗引き目的で、バルブ
1017と配管1018を介してスクロールポンプ1016に接続された排気パ
スを備えている。また、水素終端処理制御用に、バルブ1019、1061およ
び配管1062が設けられ、それを介して水素終端処理チャンバー1011とス
クロールポンプ1016が接続されたパスも有する。 また、水素終端処理チャ
ンバー1011は、プロセスガス(H2ガス)1023がバルブ1022を介して
導入できるようになっている。なお、水素終端処理チャンバー1011には、水
素終端処理を行うときに1011内の圧力をモニターするためのバラトロン真空
計1020も取り付けられている。
【0073】 図15は、h-BNからなる絶縁膜33aを試料に貼り付ける作業に
用いる処理装置1002の概要を断面図で示したものである。 処理装置1002
は、貼り合わせ処理室(グローブボックス)1031と試料搬送・一時保管室
1025を主要な構成要素としている。試料搬送・一時保管室1025を主体と
した前記の試料搬送部E2は、ゲートバルブ1043を介して貼り合わせ処理部
E3が接続されて、試料が大気に晒されることなく、貼り合わせ処理室(グロー
ブボックス)1031に試料を搬送できるようになっている。
【0074】 ここで、試料を試料搬送・一時保管室1025から貼り合わせ処理室(
グローブボックス)1031に搬送する際に試料が搬送中間室1027で大気に
晒されないように、フランジ1028を介して、真空排気系E4が接続される。
真空排気系E4は、ベローズ配管1109、1111、バルブ1110、真空計
(クリスタル/コールドカソード コンビネーションゲージ CC-10、東京電
子製)1112が備えられたチャンバー1101、アングルバルブ1102、タ
ーボポンプ(nEXT300D、エドワーズ製)1103、バルブ1104、配
管1107およびスクロールポンプ(nXDS15i、エドワーズ製)1105
を有し、さらにチャンバー1101をスクロールポンプ1105で粗引きする配
管1107とバルブ1106も備えている。
【0075】 貼り合わせ処理室1031は、試料に絶縁膜33aとなるh-BN絶縁
膜を貼り合わせる処理室で、仕切り扉1032を介してパスボックス1034に
接続され、パスボックス1034はバルブ1035および配管1036を介して
スクロールポンプ(nXDS15i、エドワーズ製)1037に繋がれている。
なお、貼り合わせ処理室1031にはスクロールポンプ1037で直接排気でき
るようにするための配管とバルブ1038が備えられており、パスボックス10
34には圧力計1039が備えられている。
【0076】 貼り合わせ処理室1031は、大気圧の不活性ガス(Arガス)で満た
されている。 Arガスは、Arガスシリンダー1052から配管1053を介し
て貼り合わせ処理室1031およびパスボックス1034に供給されるようにな
っている。ここで、貼り合わせ処理室1031およびパスボックス1034に向
かう配管1053にはそれぞれバルブ1054および1055が設けられている。
また、このArガスは、配管1042,1045およびバルブ1041,1044
を介して貼り合わせ処理室1031に接続された不活性ガス循環精製機1040
によって常時精製され、酸素濃度0.5ppm以下、露点-79℃以下に保たれ
ている。さらに、この精製されたArガスは、バルブ1108を介して接続され
た真空排気系E4を介して、試料搬送部E2に導入できるようになっている。
貼り合わせ処理室1031は、いわゆるグローブボックスとなっており、雰囲気
を外部と隔離して貼り付け作業をするためのブチルゴム手袋が付随している。ま
た、貼り合わせ処理室1031は、バルブ1054を介してArガスシリンダー
1052に、またバルブ1038を介してスクロールポンプ1037につながっ
ており、手袋に手を入れたときなどに貼り合わせ処理室1031の内部の圧力を
調整できるようになっている。さらに顕微鏡が備えられていて(図示なし)、外
部と雰囲気(ガス)的に遮断された環境の下で、ミクロンオーダーの貼り付け作
業が可能になっている。顕微鏡の画像は、不活性ガス環境を害することなく、貼
り合わせ処理室1031の外部でモニターにより観察できるようになっている。
なお、貼り合わせ処理室1031の外壁は、ステンレスとガラスからなり、貼り
合わせ処理室1031の内容量は約310Lである。
------------------------------------------------------------------------
【符号の説明】 11:炭素 12:水素 13:ホウ素 14:窒素 21:ダイ
ヤモンド基板 22:ダイヤモンド半導体層 23:ゲート絶縁体層(ゲート絶
縁膜) 23a:絶縁膜 24:導電体層(ゲート電極) 25:絶縁膜 25a:
絶縁膜 26:低抵抗化層 27:ゲート電極配線 28:ソース電極およびその
電極配線 29:ドレイン電極及びその電極配線 31:ダイヤモンド基板 32:
水素終端層 33:ゲート絶縁膜(ゲート絶縁体h-BN) 33a:絶縁膜
34G:ゲート電極(グラファイト) 35:導電膜 35a:導電膜 36:導電
膜 36a:導電膜 37S:ソース電極 37D:ドレイン電極 42:低抵抗化層
43:酸素終端層 43a:酸素終端層 51,52,53:レジストパターン
61:絶縁膜(素子分離用h-BN) 62:導電膜(電極配線) 62a:導電
膜 62G:ゲート電極配線(ボンディングパッド配線) 62S:ソース電極配線
(ボンディングパッド配線) 62D:ドレイン電極配線(ボンディングパッド配
線) 71:酸素終端と水素終端の領域の境界 101:MIS型半導体装置
201:MIS型半導体装置 1001:処理装置 1002:処理装置 1011:
水素終端処理チャンバー 1012:ゲートバルブ 1013:ターボポンプ
1014:バルブ 1015:配管 1016:スクロールポンプ 1017:バ
ルブ 1018:配管 1019:バルブ 1020:バラトロン真空計 1022:
バルブ 1023:プロセスガス 1024:ゲートバルブ 1025:試料搬送・
一時保管室 1026:ゲートバルブ 1027:搬送中間室 1028:フラン
ジ 1029:試料搬送ロッド 1031:貼り合わせ処理室(グローブボックス)
1032:仕切り扉 1034:パスボックス 1035:バルブ 1036:配
管 1037:スクロールポンプ 1038:バルブ 1039:圧力計 1040:
不活性ガス循環精製機(Arガス循環精製機) 1041:バルブ 1042:配
管 1043:ゲートバルブ 1044:バルブ 1045:配管 1052:Ar
ガスシリンダー 1053:配管 1054:バルブ 1055:バルブ 1061
:排気量調整バルブ 1062:配管 1063:真空計 1071:配管 107
2:バルブ 1073:フランジ 1074:ベローズ配管 1075:ターボ排気
セット 1101:チャンバー 1102:アングルバルブ 1103:ターボポ
ンプ 1104:バルブ 1105:スクロールポンプ 1106:バルブ 110
7:配管 1108:バルブ 1109:ベローズ配管 1110:バルブ 1111:
ベローズ配管 1112:真空計 E1:水素終端処理部 E2:試料搬送部 E3:
貼り合わせ処理部 E4:真空排気系
                                                          この項つづく

グラフェン層間に2層アルカリ金属の最密配列を発見
   電池容量を増大させる可能性を示唆
1月24日、産業技術総合研究所、東京工芸大学、九州大学、台湾国立清華大学らの
研究グループは、炭素原子が1個の厚さで六角形の格子状に並んだグラフェンの層
間に高密度でアルカリ金属を挿入する技術を開発し、原子の配置構造を直接観察
することに成功。
【要点】
1.グラフェン層間におけるアルカリ金属の2層構造を発見
2.グラフェン層間のアルカリ金属は、グラファイト表面の層間に特有の拡張性
 により最密充填される
3.電気自動車や通信機器に向けた2層〜少数層グラフェン電極による大容量二
 次電池の開発に期待
【概要】
電池の電極材料である黒鉛(グラファイト)は、グラフェンが層状に重なり、層
間に配置されたアルカリ金属が電子を受け渡すことで、充電・放電を行う。もし、
グラフェン層間に高密度でアルカリ金属を充填できれば、電気容量が向上する。
過去百年にわたり、X線や電子回折の測定を通じて、グラフェン層間には単層の
アルカリ金属しか充填できないと広く認識されており、各層が完全に充填された
状態が理論的な充電極限と考えられてきましたが、層間アルカリ金属の原子配置
を直接観察し、グラフェン層がアルカリ金属原子を単層でしか収容できないのか、
それとも他の技術によって、より高密度または複数層のアルカリ金属を収容でき
るのかを検証する研究報告はばかった。


図.アルカリ金属は2層グラフェンに挿入される際に六方最密充填の2重層を形成

同研究グループは、グラフェンの間にアルカリ金属を高密度に挿入する技術を開
発した。高性能電子顕微鏡により、層間のアルカリ金属原子の配置構造を直接観
察することにも成功する。電極として広く用いられてきたグラファイトには、1
層構造のみが形成される、グラフェン層間のアルカリ金属は、グラファイト表面
のグラフェン層間に特有な層間隔の柔軟な拡張性により、およそ2倍のアルカリ
金属を挿入できる2層構造で最密充填されることを発見。アルカリ金属を2層に
挿入したグラフェンを積層できれば、それを電極材料にしてアルカリイオン二次
電池の大容量化が期待されている。
【成果】
一般にグラファイト電極の作成では、電気化学法を用いて金属原子をグラフェン
層間に挿入。挿入される原子の種類や密度に応じて、グラファイトの電子・光学
特性は変化します。アルカリ金属が各層間を完全に埋め尽くすと、グラファイト
の色が黒から黄金に変わり、低温で超伝導特性が現れる。
多層グラフェンの上からグラフェン層を観察したとしても、原子同士が重なり合
うため、原子の正確な位置関係を解析することは困難です。最小単位となる2層
のグラフェンに挿入した金属であれば、重なり合う原子がないため、金属と炭素
原子の正確な位置関係を知ることが可能(図1a)。
グラフェン層と金属との位置関係を精密に解析するため、まず九州大学の吾郷研
究室で合成した2層グラフェンをTEM観察用グリッドに固定し、次に東京工芸大学
の松本研究室にてアルカリ金属を挿入(図1b)。最後に、低加速電圧STEMを用い
て、産総研の林主任研究員が構造解析を行う。
【展望】
リチウムやナトリウムは軽元素のため、低加速電圧STEMでの観察は困難。計測手
法を検討し、2層グラフェンおよび多層グラフェン中に挿入した軽いアルカリ金
属の原子配列の観察に挑戦。また、この実験ではバッテリーの電気化学法挿入メ
カニズムとは異なる気相挿入を使用しているので、実際のバッテリーの機能を模
倣し、STEMを用いて電気化学的なイオンの動きを明らかにすることでバッテリー
劣化の原因解明を行う。
【掲載論文】
------------------------------------------------------------------------
掲載誌:Nature Communications
論文タイトル:Alkali Metal Bilayer Intercalation in Graphene
DOI:doi.org/10.1038/s41467-023-44602-31038/s41467-023-44602-3
------------------------------------------------------------------------
※低加速電圧走査透過型電子顕微鏡(低加速電圧STEM)
加速電圧 15 kV~60 kVで動作する透過型電子顕微鏡の一つ。集束レンズによっ
て細く絞った電子線プローブを試料上で走査し、おのおのの点での透過電子を検
出することで像を得る装置。低加速電圧にすることで、炭素材料などの試料に与
える電子線損傷を抑えることができ、物質の内部構造や組成だけでなく、表面の
詳細な情報も得ることができる。                                                                            了





グラフェンメソスポンジとは
グラフェンは、熱伝導度、電気伝導度、機械的(引っ張り)強度に優れており、
エレクトロニクス、エネルギー材料など様々な分野で期待されている炭素材料で
ある。そのようなグラフェンの構造体として、グラフェンメソスポンジが知られ
ており、電池の電極活物質等としての利用が期待されている。グラフェンを含む
多孔質炭素材料、とりわけ、グラフェンメソスポンジの製造方法としては、鋳型
粒子の表面に炭素を被覆させた後、鋳型粒子を除去し、炭素材料を高温で焼成し
てグラフェンメソスポンジを製造する方法が知られている。鋳型粒子の表面に炭
素を被覆させる方法としては、化学気相蒸着(CVD)法が知られている。CV
D法において、原料ガスとしてメタン、鋳型としてアルミナナノ粒子を用いて、
鋳型粒子の表面に炭素を被覆させる方法が具体的に開示されているが、鋳型除去
の際にフッ酸による処理又はアルカリでのオートクレーブ処理が必要であり、コ
スト面で不利である。特に、フッ酸は、極めて強い腐食性を有することから取り
扱いが困難であり、工業的用途には適していない。 これに対し、塩酸などに可
溶なアルカリ土類金属であるMgOナノ粒子等を鋳型として用いてグラフェンメソ
スポンジを製造する方法が開発されている。

リチウム空気電池は、現在のリチウムイオン電池の数倍以上のエネルギー密度の
達成が見込まれる次世代蓄電池、カーボン正極や電解液などの劣化が激しく充放
電を繰り返し行えない点が大きな課題であった。今回の研究では、図1のスキー
ムでGMS自立膜を製造。この自立膜をリチウムイオン電池の正極材料に使用する
ことで、以下3点を踏まえた電極設計を可能にした。

•高容量を得るための豊富な細孔容積を確保
•電池を軽くするためにグラフェンの積層を排除
•サイクル寿命を得るためにエッジサイトを削除

本研究グループは、上記の電極設計により従来に無い超高容量とサイクル寿命の
両立に成功。この結果から、「GMSはカーボン正極の1つの理想形だと言える」
としている。via 株式会社3DC 2024.1.17


【掲載誌】
1.AdvancedEnergyMaterials
2.Hierarchically Porous and Minimally Stacked Graphene Cathodes
for High-Performance Lithium–Oxygen Batteries
3.Wei Yu,haohan Shen, Takeharu Yoshii, Shinichiroh Iwamura, Manai Ono, Shoichi
Matsuda, Makoto Aoki, Toshihiro Kondo, Shin R. Mukai, Shuji Nakanishi, Hirotomo
Nishihara
4.First published: 10 November 2023
5.https://doi.org/10.1002/aenm.202303055


特開2023-134066 多孔質炭素材料の製造方法/発明者:砂廣 昇吾 西原 洋知
【概要】
図4のごとく、多孔質炭素材料の製造方法であって、CVD法により、酸化カル
シウムのナノ粒子からなる鋳型の表面に、グラフェンを含む前駆体を形成する被
覆工程と、前記鋳型を酸で溶解して、前記鋳型と前記前駆体とを分離する除去分
離工程と、前記前駆体表面に存在する非グラフェン炭素含有物質を除去する除去
工程とを含む、多孔質炭素材料の製造方法で、ラフェンを含む多孔質炭素材料の
製造方法における不純物に起因すると考えられる、グラフェンを含む多孔質炭素
材料、とりわけ、グラフェンメソスポンジの品質低下を防止し、より高品質なグ
ラフェンメソスポンジの製造を可能とする方法を提供する。


図4.多孔質炭素材料の製造フローチャート(a)、鋳型の出発原料であり鋳型
ナノ粒子となる炭酸カルシウムのSEM画像(b)、炭酸カルシウムに対し85
0℃の熱処理を行い形成された鋳型ナノ粒子である酸化カルシウムのSEM画像
(c)、CVD処理後(C/CaO)のSEM画像(d)、鋳型除去後(CMS
(I))のSEM画像(e)、CMS(I)の熱処理により形成したグラフェン
メソスポンジ(GMS(I))のSEM画像(f)、CMS(I)を空気雰囲気
下350℃で処理した後(CMS(II))のSEM画像(g)、及びCMS(
II)の熱処理により形成したグラフェンメソスポンジ(GMS(II))のS
EM画像(h)である。
表4


【特許請求範囲】
【請求項1】 多孔質炭素材料の製造方法であって、 CVD法により、酸化カル
シウムのナノ粒子からなる鋳型の表面に、グラフェンを含む前駆体を形成する被
覆工程と、 前記鋳型を酸で溶解して、前記鋳型と前記前駆体とを分離する除去
分離工程と、 前記前駆体表面に存在する非グラフェン炭素含有物質を除去する
除去工程と を含む、多孔質炭素材料の製造方法。
【請求項2】 前記除去工程が、前記前駆体を酸化処理することを含む、請求項1
に記載の製造方法。
【請求項3】 前記除去工程が、前記前駆体を280~450℃の温度において
酸化処理することを含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】 前記除去工程が、前記前駆体を280~400℃の温度において
酸化処理することを含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】 前記除去工程の後に、前記前駆体に熱処理を施す熱処理工程を更
に含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】 前記CVD法において、前記前駆体の原料である原料ガスとして
メタンガスを用いる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】 前記多孔質炭素材料の細孔が、前記グラフェンにより形成されて
いる細孔壁を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】 前記多孔質炭素材料が、メソ多孔質炭素材料である、請求項1乃
至7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】 前記グラフェンが単層グラフェンである、請求項1乃至8のいず
れか1項に記載の製造方法。
【請求項10】前記酸化カルシウムのナノ粒子からなる鋳型が、 炭酸カルシウ
ムから生成されたものである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法。

太陽集熱による炭酸ガス熱分解


図.1 熱分解プロセスの概要(左)と反応性フォームデバイス(右)

1月30日、現状では、太陽光を使った炭酸ガス利用は太陽光発電に基づく水電解
で水素を製造し、この水素を炭酸ガスと反応させてメタン合成をするメタネーシ
ョンが注目されているが、電気を使わず、太陽の熱によって安価に炭酸ガスを分
解して燃料を製造する方法を新潟大学らの日米の研究グループが、太陽集熱によ
る炭酸ガス分解に新反応性物質を使用する技術を開発。
今回,新潟大学とコロラド大学は,キセノンランプによる集光を用いた室内実験
と,米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が保有する太陽炉を用いた実験に
より,反応性物質として酸素を吸蔵・放出する特性を持つセリア(CeO2)および
新たにヘルシナイト(FeAl2O4)のフォームデバイス(多数の「空隙」を有する発
泡体)を利用し,炭酸ガスを酸素と一酸化炭素に分離に成功。

このシミュレーション技術を用いてプラントの解析を実施し,太陽光から合成
燃料までの総合変換効率をセリアについて10%以上に向上できる見通しと,ヘル
シナイトはセリアの2倍以上の反応活性を示すことを実験的に明らかにし,新し
い反応物質として将来性が高いことを確認。この技術により,高温域でセリアが
非常に良好な反応性が示され,セリアによる高効率プラントの概念設計を完成す
ることができた一方で,ヘルシナイトはより低温で高い反応性をもつ。ヘルシナ
イトは安価な鉄とアルミニウムから製造できるため製造コストを劇的に下げるこ
とができると考えられる。研究グループは,高効率な炭酸ガス分解のめどが立っ
たことから,ソーラー燃料製造の低コスト化への応用が期待されている。

※ 詳細な報告書が例示されていないので実用性の判断ができない(例えば、ア
  ルゴンの物質収支は?)。


造色インクで世界最軽量クラスの塗装を実現
ナノ粒子わずか1層分でカラフルな構造色
1月31日、神戸大学の研究グループは,独自に開発した構造色インクを用いるこ
とにより,世界最軽量クラスの構造色塗装が可能であることを実証。

【要点】
1.ナノ粒子をわずか一層塗るだけで、カラフルな構造色を実現。
2.環境・生体への負荷が小さいケイ素からなるナノ粒子を利用。
3.理論上、1平方メートルあたり0.5グラムで塗装できる (世界最軽量クラス)。
4.軽量且つ高耐久性が求められる航空機、船舶、レースカーなどの塗装への応
 用が期待される。

研究グループでは,屈折率が非常に高いケイ素ナノ構造が示すMie共鳴を利用し,
特定の波長の光を強く散乱させることで発色させる手法を開発してきた。特に,
ほぼ真球の結晶シリコンナノ粒子の作製,粒径制御と安定な溶液分散を実現し,
粒径によって発色が変化する構造色ナノ粒子インクを世界で初めて実現した。
今回の研究では,構造色ナノ粒子インクを用いてシリコンナノ粒子が一層だけ
配列した非常に薄い膜を形成し,その発色特性について詳細な調査を行なった。

はじめに,シリコンナノ粒子が六方格子状に配列した構造について,電磁場シ
ミュレーションにより反射率スペクトルを評価した。その結果,わずか1層のシ
リコンナノ粒子単層膜でも反射率が約50%に達し,明るい構造色が得られること
がわかった。また,粒子間の距離をあけて 粒子をまばらに配列すると反射率が
さらに増加した。例えば,粒子間距離を50nmにすると,最大で90%以上の反射率
が得られた。また,さらに間隔をあけて,粒子の体積充填率を10%まで減少させ
ても,反射率は70%を超えることを見出した。これは,個々のシリコンナノ粒子
が非常に高 い散乱効率を有していることに起因し,非常に少ない材料で明るい
構造色が得られることを示している。 この特性を実証するために,ラングミュ
ア-ブロジェット(LB)法により,ガラス基板上にシリコンナノ粒子の単層膜を
形成した。粒子膜は,粒径に依存して紫~橙色の構造色を示した。 この発色は,
斜め45度から観察してもほとんど変化せず,従来の構造色と異な り角度依存性
が非常に小さいことがわかった。全光線反射率測定により反射特 性を評価した
ところ,ピーク反射率は30~50%であり シリコンナノ粒子の単層 膜によって十
分に明るい構造色が実現できることが明らかになった。さらに, シリコンナノ
粒子単層膜を部分的に酸化して疑似的に粒子間の距離を大きくした 試料につい
ても研究を行なった。それにより,基材上にシリコンナノ粒子がまばらに散在
した状態においても,構造色によって着色できることを示した。研究グループ
は,この成果は,従来の塗料よりはるかに少ない量で着色塗装が可能であるこ
とを示しており,例えば,大型航空機の塗装を1/10以下に軽量化でき る可能性
があるとしている。
【掲載論文】
原 題:“Structural CoMonolayer of Mie-Resonant Silicon Nanospheres for loration
D O I : 10.1021/acsanm.3c04689
掲載誌: ACS Applied Nano Materials&





燃えろいい女   1979.4.5
ツイスト  作詞/積極:世田公則


今夜の寸評 :体調をリゲインしたなら、それなりに全力疾走!
昨日は学区町内会老人会で小学生一年生(3クラス)とお遊交流会に参加。そ
なりに学ぶものあり。世話役の永井さんとは長いつきあいだが彼の地域を盛り上
げようとする情熱を感得しそれなりに有意義であった。剣玉担当だったが。視力
の衰えがこんなところに顕れ、少し考えることに。



SCREEN,基板向けAI検査計測ソリューションを設立

 

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新成長経済理論考 ⑮

2023年12月14日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

                                           

                  浮寝鳥うきねどり 大谷フィーバ 素知らねど
                         

※最近は、ブログのネット検索・編集・翻訳・思索に時間を取られ、短歌は書け
ずにいる。その点、俳句は、季語が頼りになり何とか書け、便利といえば、便利。
究極のミニマリズムがここにあり、それだけでなくキャッチーな見出しの創作に
役立つこともしばしば。

【今夜のひとり鍋:野菜たっぷり餃子鍋



冷凍餃子といえば味の素が定番だったが、今年になり大阪王将の水餃子も販売購
入するようになる(わたし専用、彼女は焼き餃子専用)。美味いね、日本は出汁、
タレ、香辛料が簡単に入手可能、しかし「五香粉」の買い換えはない。それから
豆苗などの切り株は残して家庭栽培し増やすことができ、「小さなSDGs」となる。

 
 
  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era

新成長経済理論考 ⑮
 高付加価値としての再エネ事業の選択と集中



ところで、上図の 産総研「人工光合成技術の現状と太陽光発電との融合」での電力目
標価格は7円/kwhと設定されており、来る時期がくればわたし(たち)の目標価格につい
ての見通しの根拠を算定値を提示してみたい。さて、半導体製造の2つの最新技術を
掲載。

 

サブミクロン配線向けDLTデジタルリソグラフィ技術(DLT)
12月13日、ウシオとAMATは、パッケージへのチップレットやHI(ヘテロジニアス
インテグレーション)のロードマップを加速するための戦略的パートナーシップ
の締結を発表。
人工知能(AI)時代のコンピューティングに求められる先進的基板をパターニン
グするために特別に設計された初のデジタルリソグラフィ装置を共同で市場投入
する。AIの活用が急増し,より高機能で大型のチップへのニーズが高まっている。
AIのパフォーマンス要件が従来のムーアの法則に沿ったスケーリングを上回るペ
ースで高度化していることから,半導体メーカは最先端のパッケージに複数のチ
ップレットを実装するHI技術を採用している。



そのような中,半導体業界は,極細配線や優れた電気・機械特性が得られる,例えばガ
ラス基板のような新材料を使った大型のパッケージ基板を求めており,今回の戦略的
パートナーシップは,こうした移行を加速させるためのものだとする。 新しいデジタルリ
ソグラフィ技術(DLT)装置は,量産レベルのスループットを実現しながら,先進的基板
アプリケーションに求められる線幅2μm以下のパターニングに対応する。



また,ガラスや有機材料製の大型パネルや, ウエハーを含むあらゆる基板上のチップ
レット設計において, 最適な解像線幅を実現することができる。さらに,予想外の基板
の反りという課題を解決しながらオーバーレイ精度を実現するために独自設計されてい
る。 すでに量産用の装置が複数の顧客に出荷されており,ガラスその他の最先端パッ
ケージング基板上で2μmのパターニング製造実証が行なわれているという。 今後,両社
は共同で研究開発と拡張的なロードマップの定義を行ない,線幅1μm以下の最先端パ
ッケージングに向けて継続的なイノベーションを進める。また,ウシオは製造技術および
カスタマーサポートのインフラを活用してDLTの採用を促進するとしている。



3nm相当EUVフォトマスク製造プロセス開発
12月12日、大日本印刷株式会社は、半導体製造の最先端プロセスのEUV(Extreme
Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィに対応した、3ナノメートル(nm: 10-9m)
相当のフォトマスク製造プロセスを開発。

スマートフォンやデータセンター等で使われるロジック半導体の高性能化に伴う、
回路
線幅の微細化ニーズに対応。同社は2020年に5nmプロセス相当のEUVリソグラ
フィ向けフォトマスク製造プロセスを開発し,今回,さらなる微細化のニーズに
対応すべく開発を行なった。 同社が2016年に導入したマルチ電子ビームマスク
描画装置は,約26万本の電子ビームの照射が可能で,複雑なパターン形状でも描
画時間を大幅に短縮できる。今回,この装置の特性を活かした製造プロセスを改
善し,データ補正技術や,EUVリソグラフィ向けフォトマスクの複雑な曲線パタ
ーン構造に合わせた加工条件を最適化した。

同社は新たにマルチ電子ビームマスク描画装置を増設し,2024年下期に稼働を開
始する予定だという。また,EUVリソグラフィ向けフォトマスクなど先端領域の
半導体製造の対応を強化する。 さらに,ベルギーに本部を置く最先端の国際研
究機関imec(Interuniversity Microelectronics Centre)と次世代EUV露光装置向けフ
ォトマスクの共同開発を推進するとしている。 同社では,今回開発した3nm相当
のEUVリソグラフィ向けフォトマスクを世界中の半導体メーカーのほか,半導体
開発コンソーシアム,製造装置メーカー,材料メーカー等へ提供するとともに,
EUVリソグラフィの周辺技術開発も支援し,2030年には年間100億円の売上を目指
す。 また,imecをはじめとしたパートナーとの共同開発を通じて,3nmより微細
な2nm以降のプロセス開発も進めていく。

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従来の「サステナブル基地局」の写真

 曲がる太陽電池を活用した基地局を検証 
電柱型基地局のポールに巻き付け、敷地面積が少ない基地局で太陽光発電可能に
12月6日、KDDI,KDDI総合研究所,エネコートテクノロジーズは,2024年2月から,曲が
る太陽電池「ペロブスカイト型(ペロブスカイト太陽電池)」「CIGS型(CIGS太
陽電池)」を活用した「サステナブル基地局」の実証実験を群馬県で開始する。

KDDIは,電力などのエネルギー消費を通じて年間約94万トンのCO2を排出しており
,これは一般家庭の約40万世帯分に相当する。基地局に関連する電力使用量は同
社全体の電力使用量の約5割を占めており,基地局の省電力化が重要な課題とな
っていた。 そこで同社は2023年6月9日から,太陽光パネルを活用した「サステ
ナブル基地局」を運用開始した。一方,基地局の多くを占めている電柱型基地局
やビル設置型基地局など,敷地面積が狭く太陽光パネルの敷設が難しい基地局へ
の展開が課題だった。 今回の実証では,「薄い・軽い・曲げやすい」といった
特長を有し,次世代の太陽電池として期待されているペロブスカイト太陽電池を
電柱型の基地局に設置したポールに巻き付ける。

この曲がる太陽電池を巻き付けたポールを電柱型基地局に8本(ペロブスカイト太
陽電池4本,CIGS太陽電池4本)設置する。基地局本体の電柱から少し離した位置
にポールを設置することで,ケーブル配線などへの影響を最小限にし,発電効率
の最大化を図る。 この実証での設置方法による発電効率を測定し,この基地局
の有用性や設置方法を検証する。また,ペロブスカイト太陽電池とCIGS太陽電池
の発電効率や設置上の課題を比較。


曲がる太陽電池を活用した「サステナブル基地局」

曲がる太陽電池による発電で不足している電力は,カーボンフリープランの電力
を活用することで,24時間365日CO2排出量実質ゼロを実現する。発電ができない
夜間や悪天候時も,カーボンフリープランの電力を活用する。ペロブスカイト太
陽電池で発電した電力で商用基地局を運用する実証実験は国内初だという。これ
により,敷地面積の少ない電柱型の基地局でも太陽光発電を可能とし,「サステ
ナブル基地局」の拡大を目指す。



図1.本技術の概念図。可視光によりダイヤモンド中の電子が励起され,その
電子がダ イヤモンドの外に放出されることにより水和電子となり,水和電子に
より CO2 が還元さ れ,CO が生成される様子

ダイヤモンド触媒でCO2を可視光で還元 
12月12日、金沢大学とダイセルは,爆轟法で合成したナノダイヤモンドを基軸と
した独自のダイヤモンド固体触媒を開発し,可視光を当てることで放出される電
子により二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する事に成功。
【概要】
共同研究グループは,爆轟(ばくごう)法で合成したナノダイヤモン ドを基軸
とした独自のダイヤモンド固体触媒を開発し,可視光を当てることで放出される
電子により二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する事に成功。
共同研究グループは,爆轟(ばくごう)法で合成したナノダイヤモンドを基軸と
した独自のダイヤモンド固体触媒を開発し,可視光を当てることで放出される電
子により二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する事に成功。
太陽光に6%程度しか含まれない紫外光をダイヤモンドに当てることで,周囲の
二酸化炭素が還元されることは既に知られていたが,太陽光に最も多く(約50
%)含まれる可視光を用いて同現象が確認できたのは,世界で初めて。

ダイヤモンドは電気を通さない絶縁体として有名,ホウ素を高濃度に含むことで
導電性物質となる。これを利用し,化学的に安定な材料として電気化学分野での
応用研究が盛んに行われてきました。特に,微量の化学物質を検知できる高感度
センサ ーや効率的にオゾン水を生成できる電極として大きな注目を浴びており,
既に複数の企 業によって社会実装が進められています。一方、ダイヤモンドを
二酸化炭素の電解還元 に用いる場合は過電圧が大きく。実用的な分解電圧で還
元するには助触媒金属との複合 や深紫外光などの高エネルギー光の照射が必要
不可欠。
今回,株式会社ダイセル の爆轟合成技術と,金沢大学の化学気相成長(CVD)技
術を組み合わせた,独自のダイヤモンド結晶化技術により,太陽光に最も豊富に
含まれる可視光を吸収して電子を放出 する特殊な結晶構造を持ったダイヤモン
ド触媒を開発し,放出された電子によって二酸 化炭素を一酸化炭素へと還元す
る事に成功。
当技術(太陽光超還元®)は,触媒寿命の長さや所要電力の少なさという観点で,
カーボンネガティブ社会の実現を大幅に近づける革新的カーボンリサイクル技術
として期待。株式会社ダイセルでは,工場から排出される二酸化炭素を各種化工
品原料となる一酸化炭素へと還元するサステナブル技術として,自社の化学プラ
ントにて実証実験を行う事を計画中。


図1.提案されているビーム誘起酸化の 3 つのモード。
(1) 一次電子 (PE) によるガスのイオン化、ここで、高エネルギー PE が酸素
分子 (赤い球) と相互作用して電子をノックアウトし、結果として (1a) のい
ずれかが生じる。直接イオン化または (1b) 解離的イオン化。
(2) 二次によるガスイオン化電子(SE)、ここで、PE は低エネルギー SE が放
出されるような方法でサンプルと相互作用する。 これは次に酸素分子と相互作
用し、(2a) 直接イオン化または解離性イオン化 - (1) と同じ - または (2b)
のいずれかにつながり電子捕獲する。
(3) 原子置換、一時的または永続的な原子置換。ここでは、PEによる炭素原子
(黒い球) の置換により、酸素分子がサンプルを直接酸化する欠陥部位が生じる。


図 6. 600 °C、1 Pa O2 で取得した CB の高解像度 ETEM 画像から決定された
(a) 酸化速度と (b) メカニズム。 電子線量率の増加の影響は、300 keV (➕)
と 100 keV (⬟) の両方の PE エネルギーで示す。 黒い線は、各 300 keV デー
タの平均を直接接続。 飽和効果を示す。 緑色の陰影領域は、低線量の間欠イ
メージングから決定された固有の酸化挙動の範囲を表す。 (b) では、高い電子
線量率で表面酸化の割合が劇的に増加していることに注目。

【関係技術情報】
雑誌名:Carbon
論文名:CO2 reduction by visible-light-induced photoemission from heavily N-doped
     diamond nano-layer
著者名:Taro Yoshikawa, Hitoshi Asakawa, Tsubasa Matsumoto, Kimiyoshi Ichikawa,
      Akira Kaga, Shintaro Yamamoto, Ryosuke Izumi, Mitsuru Ohno, Tomoaki Mahiko,
      Mitsuteru Mutsuda, Satoshi Yamasaki, Norio Tokuda

掲載日時:2023年12月1日にオンライン版に掲載
DOI: 10.1016/j.carbon.2023.118689
URL : https://doi.org/10.1016/j.carbon.2023.11868
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 ゼロ・エネルギー・ビルの普及で温暖化による将来の電力需要増加が約半分
電力消費 ビッグデータと都市気候モデルによる脱炭素技術の導入効果の推定

11月29日、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」)などの共同
研究グループは、極端高温時のエネルギー消費量などへの影響評価の一環として、
首都圏の電力消費量の実態を明らかにするとともに、気候変動に伴う電力消費量
の将来変化を推計。その結果、今後の地球温暖化により、特に都心部のオフィス
街区の電力消費量が大幅に増加する可能性が示された。
【要点】
1.詳細な電力消費ビッグデータと都市気候モデルを用いて将来の電力消費量の
 変化を推計
2.気候変動に伴い首都圏の電力消費量は大幅に増加する恐れ
3.2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素技術導入効果の評価に貢献
【展望】
首都圏に限らず日本全国、さらには世界の各都市の電力消費ビッグデータを用い
て、気候区分や建物の断熱性、エアコン普及率などの条件が異なるさまざまな地
域での将来の電力推計を行う予定。また、産総研が独自に開発している都市気候
モデルを用いた数値シミュレーションを交えて、それぞれの地域に有効な脱炭素
技術の提案につなげたいと考えている。
【掲載論文】
掲載誌:Sustainable Cities and Society
論文タイトル:Decarbonisation technologies can halve the nonlinear increase in electricity d
  emand in densely populated areas due to climate change

著者:Yuya Takane, Ko Nakajima, Kazuki Yamaguchi, and Yukihiro Kikegawa
DOI:10.1016/j.scs.2023.104966

 ゼロ・エネルギー・ビルの普及で温暖化による将来の電力需要増加が約半分に
電力消費ビッグデータと都市気候モデルによる脱炭素技術の導入効果の推定

11月29日、 産業技術総合研究所(「産総研」)らの共同グループは、首都圏の電
力消費
量の実態を明らかにするとともに、気候変動に伴う電力消費量の将来変化
を推計。その結果、今後の地球温暖化により、特に都心部のオフィス街区の電力
消費量が大幅に増加する可能性が示した。

【要点】
1.詳細な電力消費ビッグデータと都市気候モデルを用いて将来の電力消費量の変化を
 推計
2.気候変動に伴い首都圏の電力消費量は大幅に増加する恐れ
3.2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素技術導入効果の評価に貢献。
【概要】
電力消費の変化量の推計は、首都圏の詳細な電力消費ビッグデータと温暖化予測技
術を基に行われた。この推計方法に、産総研が独自開発した都市気候モデルを組み合
わせることで、将来の電力消費量の変化が、脱炭素化技術の普及でどのように変わり
得るかを推定することが新たに可能に。この新たな推定方法で、将来、脱炭素化技術が
普及したと想定した場合、都心部における建物のエアコン使用による電力需要増加が
半分程度に抑えられる可能性が示された。この結果は、電源構成が将来も変わらない
と仮定すれば電力由来のCO2排出量の増加も半分程度に抑えられることを示す。これ
らの技術と推定結果は、2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素技術の導入
効果や暑熱対策のためのヒートアイランド対策技術の評価に役立つ。
【掲載論文】
掲載誌:Sustainable Cities and Society
論文タイトル:Decarbonisation technologies can halve the nonlinear increase in electricity d
 emand in densely populated areas due to climate change
著者:Yuya Takane, Ko Nakajima, Kazuki Yamaguchi, and Yukihiro Kikegawa
DOI:10.1016/j.scs.2023.104966


特徴的な配列を認識してゲノムを切断

動物・植物においてゲノム編集を高効率に実現する新しいツール

11月30日、産総研らの共同研究グル-プは、新しいゲノム編集ツール「AalCas9」を発見・
開発し、特許登録を受けました。深海堆積物から単離された微生物のゲノムにコードさ
れている「AalCas9」は、PAM配列を認識し、ガイドRNAにより、ターゲットDNA配列を切
断する酵素。
【要点】
1.新しいゲノム編集ツールとなりうる遺伝子「AalCas9」を単離
2.ゲノム配列上の特徴的な配列「5’-NNACG-3’」をターゲットにしていることを発見
3.動物細胞・植物においてゲノム編集を実用に足る効率で実施できることを確認
【展望】
「AalCas9」は、「5’-NNACG-3’」という配列を認識する特徴を持つため、ゲノム編集ツー
ルを拡張します。TOPPAN・産総研・インプランタは共同で、本ツールをゲノム編集の基
盤的技術として、事業に展開させることを企図しています。医療・農業・ものづくりなど、
ゲノム編集を基盤としたさまざまな産業の拡大・発展に貢献。

【関連特許】
特許番号:特許第7353602号
発明の名称:ゲノム編集方法およびゲノム編集用組成物
発明者:寺川輝彦3 矢野翼3 光田展隆1 中村彰良1 菅野茂夫1 伊藤誠一郎2 牧野洋一2  
1国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2TOPPAN株式会社、3株式会社インプラン
タイノベーションズ
【概要】
下図1のごとく、核細胞のゲノム内の標的DNA配列を部位特異的に改変する方法であ
って、前記真核細胞中に、 (1)塩基配列5’-NNACNN-3’(「N」は各々、アデニン、
シトシン、チミン、およびグアニンから独立して選択される任意の1塩基)を含むPAM(
プロトスペーサー隣接モチーフ)配列を認識するCasタンパク質、または、当該Casタン
パク質をコードする核酸、および、 (2)ゲノム内の前記標的DNA配列にハイブリダイズ
し得ると共に、前記Casタンパク質と複合体を形成し、前記複合体の前記標的DNA配
列への配列特異的結合を指向することが可能なガイドRNA、または、当該ガイドRNA
をコードする核酸を導入することにより、前記真核細胞のゲノムを前記標的DNA配列に
おいて改変することを含む、真核細胞ゲノム内の新たなPAM配列を認識して当該ゲノ
ムを部位特異的に改変可能なゲノム編集手段を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 真核細胞(但しヒト生体内(インビボ)細胞を除く)のゲノム内の標的DNA配
列を部位特異的に改変するための方法であって、 前記真核細胞中に、 (1)配列番号1
に記載の塩基配列5’-NNACNN-3’(ここで「N」は各々、アデニン、シトシン、チミン、
およびグアニンから独立して選択される任意の1塩基を意味する。)を含むPAM(プロト
スペーサー隣接モチーフ)配列を認識するCasタンパク質、または、当該Casタンパク質
をコードする核酸、および、 (2)ゲノム内の前記標的DNA配列にハイブリダイズし得る
と共に、前記Casタンパク質と複合体を形成し、前記複合体の前記標的DNA配列への
配列特異的結合を指向することが可能なガイドRNA、または、当該ガイドRNAをコード
する核酸 を導入することにより、前記真核細胞のゲノムを前記標的DNA配列において
改変することを含むと共に、 前記Casタンパク質が、配列番号4に記載のアミノ酸配列
と90%以上、又は92%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は
98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項2】 前記Casタンパク質が、アビシコッカス(Abyssicoccus)属菌、好ましくはアビ
シコッカス・アルバス(Abyssicoccus albus)に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記Casタンパク質が核局在化シグナル(NLS)を含む、請求項1に記載の
方法。
【請求項4】 前記Casタンパク質が、エンドヌクレアーゼ活性を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項5】 前記PAM配列が、配列番号2に記載の塩基配列5’-NNACGN-3’または
配列番号3に記載の塩基配列5’-NNACAN-3’を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】 前記ガイドRNAが、1本鎖ガイドRNA(sgRNA)であると共に、crRNAおよ
びtracrRNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】 前記crRNAが、標的DNA相補鎖と二本鎖を形成することが可能な15~
30ヌクレオチド長のスペーサー配列を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】 前記crRNAが、12~36ヌクレオチド長のステムループを含む、請求項6に
記載の方法。
【請求項9】 前記真核細胞が、動物細胞、植物細胞、又は微生物細胞である、請求項1
に記載の方法。
【請求項10】 前記Casタンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列が、動物細胞、
植物細胞、又は微生物細胞における発現のためにコドン最適化されている、請求項1に
記載の方法。
【請求項11】 請求項1~10の何れか一項に記載の方法に使用するためのゲノム編集
用組成物であって、前記のCasタンパク質、または、当該Casタンパク質をコードする核
酸を含む組成物。
【請求項12】 前記のガイドRNA、または、当該ガイドRNAをコードする核酸を更に含む、
請求項11に記載の組成物。
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【水素列車 ①】
世界初の「水素エンジン」搭載鉄道車両の開発
11月16日、JR東海はカーボンニュートラル実現に向けた「水素動力車両」の開発
について発表。「水素エンジン車」の活用も検討しているとの方針を示した。水
素エンジン車は、既存のディーゼル車のように、レシプロエンジンなどを動力源
とするもの。自動車業界では、過去にマツダが水素を使用可能なロータリーエン
ジン車を開発したほか、近年はトヨタ自動車が気体および液体の水素を燃料とし
たエンジンを開発し、自動車レース「スーパー耐久」に投入している。鉄道業界
では、水素燃料電池車両はJR東日本の「HYBARI」などの先行例があるが、水素エ
ンジン車の事例はなく、JR東海の取り組みが世界初となる。 同社が開発を進め
る水素動力車両は、燃料電池または水素エンジンと、蓄電池を組み合わせた、ハ
イブリッド車両とする。水素を燃料として使用することで、走行時のCO2排出量を
ほぼゼロに抑えることができる。車両の開発は、同社と日本車輌製造が共同で実
施。車両制御装置は、東芝インフラシステムズが開発する。燃料電池は、トヨタ
自動車製のモジュールを使用。水素エンジンはi Laboが開発する。また、将来の
水素供給体制については、ENEOSと検討を進める。



i Laboが開発した水素エンジン(イメージ)
同社では、水素動力車両の開発にあたり、愛知県の小牧研究施設にある車両走行
試験装置で、模擬走行試験を実施。山間部が多く長距離となる同社の非電化路線
への適合可能性などを検証するとしている。JR東海らは今後、2023年11月に燃料
電池を活用した試験を、2024年度以降に水素エンジンを活用した試験を、それぞ
れ実施する。

模擬走行試験の概要
via 鉄道コム

 風蕭々と碧い時
地球という名の都  ASKA 
2023.01.08 
作詞/作曲:ASKA/澤野 弘之




今夜の寸評: 希望の灯火 どこまでも                             浄土宗 月訓 
              Good deeds you have done for others are certaine to hope

 

コメント
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新成長経済理論考 ⑪

2023年12月06日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。



毎年11月28日は世界で水餃子を楽しく頂きましょう!
Let's Eat Dumplings around the world!
と掲載したが、事業(プロジェクト)の基本骨子が抜け落ちていた(よくあるこ
とだが)。餃子ポケットに入れる具材は地方の具材にあわせ自在に餡・刻み・ペ
ーストなど)を分離製造販売するということで、商品販売の時宜や祝賀・支援を
テーマと入れ付加価値を加え、顧客の要望になどにあわせ製造販売した収入の一
部還元するするというものである。



すべての人・生物のDNA情報を犯罪から守れ!
23andMeはハッカーが690万人のユーザーの先祖データを盗んだことを確認 1
2月01日、遺伝子検査会社23andMeはハッカーが顧客の0.1%、約1万4000人の個人
データにアクセスしたと発表。 同社はまた、ハッカーはこれらのアカウントにア
クセスすることで「他のユーザーの祖先に関するプロフィール情報を含む多数の
ファイル」にもアクセスできたというが、3andMeは何人かは明かしていない。

Genetic testing tool 23andMe has genetic data of 6.9 million people
stolen by hacking

米国証券取引委員会に提出された文書によると、ハッキング攻撃を開始した攻撃
者は、データが漏洩したアカウントの資格情報を悪用して不正アクセスを取得す
る資格情報スタッフィング攻撃を使用したもよう。 これにより、23andMeユーザ
ーの0.1%に相当する約1万4000のユーザーアカウントに直接アクセスできるよう
になったもよう。 そこから、攻撃者は DNA 親戚を使用して、他の何百万人もの
人々の遺伝的プロフィール情報を入手した可能性がある。当社のシステム内でデ
ータセキュリティインシデントが発生したことや、23andMeがこれらの攻撃で使用
されたアカウント資格情報の漏洩元であることを示す兆候はまだないとのこと。
Dec 05, 2023 11:45:00 Verge. spoke.、 via  GIGAZINE


DNA検査による親戚探・犯罪操作(NL66)テレビCMが流れるなど、日本でも消費者
が直接遺伝子検査を受けるDTC遺伝学的検査が一般的になりつつある、
欧米では2006年頃からサービスが始まり、全世界では3500万人以上がこのようなサー
ビスを利用したという。2018年には、遺伝学的検査を利用して1970年代半ばにカリフォ
ルニアで起きた殺人事件の容疑者を特定したことが話題になりました。警察が犯人のD
NAサンプルを解析して、GEDmatchという無料オンライン家系図データベースに登録す
ることにより、『みいとこ(祖父母のいとこの孫)』の関係にある人物をみつけて、系図か
らひとりに絞り込んでいる。
米国では、DTC遺伝学的検査を25人にひとりが利用しており、利用者は自分のデータを
ダウンロードして別のサービスに移すことができるそうです。現在、GEDmatchを利用して
いる人はごくわずか(成人人口の0.5%)だが、Science誌に寄稿した研究グループは、利
用者が4倍になれば、欧州にルーツを持つ人のほとんどにたどり着くことができるとして
いる。 このようなサービスの利用は、親戚探しや犯罪捜査には有効ですが、一方でプ
ライバシーの侵害にもつながると懸念されおり、厳格な法整備とともに、サービスを利用
する個人が、データの意味するところを正しく理解する必要があると言える。
via DNA検査による親戚探し(NL66) ; かずさDNA研究所
 

  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era
再エネ革命渦論 202
 アフタ-コロナ時代 186】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング



進化するAIで非白金族元素電極材料を探し出し
エコな水素の普及のための新規材料開発支援
11月30日、NIMSは、所望の特性を持つ材料をAIと人との連携により短期間で発見
する手法を開発しました。この手法は、水の電解装置に必須とされてきた白金族
元素を用いない新規電極材料の発見を導き、次世代エネルギー“エコな水素”製
造の低コスト化と大規模導入を加速する。
【概要】
1.カーボンニュートラル実現に向け、二酸化炭素を出さないエコな水素を製造
できる水電解装置の大規模導入が求められている。しかし、現在の水電解装置の
特性は高価で希少な白金族元素型の電極触媒材料に依存するため、当該材料の汎
用元素化による水素製造が必須となる。水電解による水素発生には、酸素発生反
応=Oxygen evolution reaction (OER) が伴うが、OERは反応速度が遅いという問題が
あり、これを速めるため電極触媒材料には高価で希少な白金族元素が必須と考え
られていた。そこで、OER電極触媒の低コスト化・大規模化対応に際し、白金族元
素を用いない多元系材料が注目を集めている。しかし、元素の組合せや化学組成
は無限にあり、最適な材料組成を発見するためには、膨大なコスト、時間、人的
資源が必要。
2.NIMS研究チームはデータ数によって予測する手法を変化させて進化すること
で、所望の特性を示す材料を正確に予測するAIを開発。このAIと人が連携するこ
とで、人のみで全候補材料を網羅的に探索すると6年近くかかる3000個程度の候補
から、たった1カ月でOER電極触媒材料に適した新規材料を発見。発見された電極
触媒材料は、Mn、Fe、Ni、Zn、Agという比較的安価かつ豊富な元素で合成できる。
当該材料は、条件によってはこれまでのOER電極触媒材料の中で最もOER活性が高
いルテニウム (Ru) 酸化物を超える電気化学特性をもつ。例えば、今回の新規材
料の中で最も地殻存在量が少ないAgにしても、Ruの100倍近くも多く存在しており
水電解装置の大量生産を実現する電極触媒材料であると考える。
3.人のみでは膨大な時間がかかるより高特性な材料の探索と発見を、短時間の
うちに達成できたという点で、AIが人の能力を拡張した。今後、水電解向け電極
材料開発を筆頭に、様々な電気化学デバイスの高効率化を実現する新材料開発を、
本研究の成果 (AIと人との連携) で加速し、カーボンニュートラル実現のための
実用技術開発につなげる。
【掲載論文】
題目 : Human-Machine Collaboration for Accelerated Discovery of Promising Oxygen
Evolution Electrocatalysts with On-Demand Elements

著者 : Ken Sakaushi, Watcharaporn Hoisang, Ryo Tamura 雑誌 : ACS Central Science
掲載日時 : 2023年11月30日 アメリカ東部時間 午前8:00
DOI : 10.1021/acscentsci.3c01009


図 開発した永久磁石ベースの人工傾斜型多層積層体の模式図(左)と写真(右)
熱マネジメント技術の新たな可能性
磁気によって横型熱電変換を高性能化
11月30日、NIMSは、電流と熱流がそれぞれ直交する方向に変換される“横型”熱電変換
の性能を、磁場や磁性によって大幅に向上できることを実証
【概要】
1.NIMSは、電流と熱流がそれぞれ直交する方向に変換される“横型”熱電変換の性能
を、磁場や磁性によって大幅に向上できることを実証した。さらに、永久磁石材料と熱電
材料を複合化することにより、電流を流すことで冷却したり、熱から発電したりできる「熱
電永久磁石」という新しい機能性材料を開発しました。本成果は、磁石という身近な材料
で熱制御や環境発電を行う指針を提供する。
2.熱電変換技術の応用に向けて研究が進められているゼーベック効果やペルチェ効
果は、熱流と電流が同じ方向に変換される“縦型”熱電効果。縦型の場合、熱電変換効
率が高い一方で、素子構造が複雑になるという短所が指摘されている一方で、横型熱
電効果を用いれば素子構造が簡略化されるため、熱電変換素子の高効率化・低コスト
化・耐久性向上につながると期待されているが、熱電変換効率が実用レベルに達してい
ないなどの問題があります。さまざまな物理現象により駆動される横型熱電変換は、磁
場や磁性によって生じる現象 (磁気熱電効果) と素子構造や電子構造の異方性によっ
て生じる現象に分類され、これまで各現象の研究は独立に進められてきた。
3.NIMSの研究チームは、磁気熱電効果を含む3種の異なる現象を同時に発現させる
複合材料を作製し、横型熱電変換による冷却の高性能化を実現。大きな磁気熱電効果
を示すBi88Sb12合金と大きなペルチェ効果を示すBi0.2Sb1.8Te3合金を交互に積層・接合し
て斜めに切断した複合材料 (人工傾斜型多層積層体) を用いて、磁場をかけることで横
型熱電変換性能が向上し、この増大が3種の現象によるハイブリッド熱電変換に由来す
ることを示しました。さらに、複合材料中の一部を永久磁石に置き換え、磁場がなくても
磁気熱電効果で横型熱電変換性能を向上できることを実証。
4.本研究により、磁石に高性能の熱電冷却・発電機能を付与するための材料設計指
針を確立しました。今後、社会の省エネルギー化に資する熱マネジメント技術やIoT技術
に必要な環境発電への応用展開を目指し、材料・デバイス技術開発に取り組んでいく。
【掲載論文】
題目 : Hybrid Transverse Magneto-Thermoelectric Cooling in Artificially Tilted Multilayers
著者 : Ken-ichi Uchida, Takamasa Hirai, Fuyuki Ando, Hossein Sepehri-Amin
雑誌 : Advanced Energy Materials
掲載日時 : 2023年11月29日
DOI : 10.1002/aenm.202302375


図.異方性磁気トムソン効果の模式図
磁性材料の熱電変換現象を磁化の向きで操る
「異方性磁気トムソン効果」を初めて直接観測」
11月22日、NIMSは、温度差を付けた導電体に電流を流すと温度差と電流に比例した
吸熱・発熱が生じる現象 (トムソン効果) が、磁性体においては磁化方向に依存して異
方的に変化する「異方性磁気トムソン効果」の直接観測に成功。
【概要】
1.NIMSは、温度差を付けた導電体に電流を流すと温度差と電流に比例した吸熱・発
熱が生じる現象 (トムソン効果) が、磁性体においては磁化方向に依存して異方的に
変化する「異方性磁気トムソン効果」の直接観測に成功しました。本研究により、熱電物
性とスピントロニクスの融合領域に関する基礎物理および物質科学のさらなる発展や、
磁気で熱エネルギーを制御する新たな機能の発現が期待できる。
2.トムソン効果は、熱電変換技術の駆動原理であるゼーベック効果やペルチェ効果と
並び、金属や半導体における基本的な熱電効果の一つ。ゼーベック効果やペルチェ効
果に及ぼす磁気の影響は長年研究されてきたが、トムソン効果の熱電変換能は一般的
に小さく、その計測・評価手法も十分に確立されていなかったため、トムソン効果が磁場
や磁性にどう影響されるかは明らかにされていない。そのような状況の中、NIMSは2020
年に非磁性の導電体におけるトムソン効果が磁場によって変化する現象を観測した実
験を報告。今回はさらに精密な熱計測を行うことで、磁性体における異方性磁気トムソ
ン効果の観測に成功した。非磁性体における磁気トムソン効果と磁性体における異方
性磁気トムソン効果は発現機構が異なり、未開拓現象の初めての直接観測例になる。
3.NIMSの研究チームは、ロックインサーモグラフィ法と呼ばれる熱計測技術を用いて
強磁性合金Ni95Pt5に温度差を与えながら、電流を流した際に生じる温度分布を精密に
測定し、磁化方向によりトムソン効果がどう変わるかを検証。その結果、Ni95Pt5合金に
生じる吸熱 (もしくは発熱) 量が、温度勾配・電流と磁化が平行な場合は、それぞれ垂直
な場合よりも大きいことを明らかにした。この振る舞いは磁性体におけるゼーベック効果
やペルチェ効果の測定から予想される変化と一致した。
4.本研究により、異方性磁気トムソン効果の基本的な性質が明らかになり、その計測
・評価技術が確立。今後、異方性磁気トムソン効果に関する物理・材料・機能探索を進
めることで、熱・電気・磁気の相互作用がもたらす新しい物理現象の観測や、電子デバ
イスの効率向上・省エネルギー化に資する熱マネジメント技術への応用展開を目指す。
【掲載論文】
題目 : Observation of the Anisotropic Magneto-Thomson Effect
著者 : Rajkumar Modak, Takamasa Hirai, Seiji Mitani, and Ken-ichi Uchida
雑誌 : Physical Review Letters
掲載日時 : 2023年11月17日
DOI : 10.1103/PhysRevLett.131.206701


New Alchemy Era 
------------------------------------------------------------------------
 Science has always followed a natural rhythm of alternating phases of expansion and
 concentration. Times of unstructured exploration were followed by periods of consoli-
 dation, grounding new knowledge in fundamental concepts. We can only hope that the
  current period of creative tinkering in artificial intelligence, quantum devices and gen-
 etic editing, with its cornucopia of useful applications, will eventually lead to a deeper
 understanding of the world.

                                         via Quanta Magazine
                                                                        "The Uselessness of Useful Knowledge"

科学は常に、拡大と集中の段階を交互に繰り返す自然なリズムに従って。 構造
化されていない探求の時代の後には、基本的な概念に新しい知識を根付かせる統
合の
時代が続いた。 私たちは、人工知能、量子デバイス、遺伝子編集における
創造的ない
じくり回しの現在の時期と、有用なアプリケーションの宝庫が、最終
的には世界のより深
い理解につながることを願うばかりである。 
                        「有用な知識の無価値性」

------------------------------------------------------------------------------------------------------------
歴史の複雑さとは何か
               禍かなパリサイ人よ 陸海をめぐりて汝のゲヘナの子となす
                                                      マタイ伝 23-15


※元来、今日のエルサレム市の城門の外にある、深くて狭い谷底のゴミ捨て場。
そこでは、ごみを処分するために火が燃やされ続け、悪臭を放ち、処刑された
罪人の体や、ふさわしい埋葬をされなかった人体が埋められる場所でもあった
ゲヘナ (Gehenna)とは、ヒンノムの谷をさす。
 

「パレスチナ問題考 ③」後期19世紀 - 1920:
起源 1920 - 1948:イギリスによるパレスチナの委任統治

「パンとワイン」紛争 パレスチナ分割
1948 - 1967:中東戦争
1967 - 1993:第一次インティファーダ
1993 - 2000:オスロ和平プロセス
2000 - 2005:第二次インティファーダ
2005 - 2008:アッバース時代のはじまり
2008 - 2009:ガザ紛争
2010 - 2017:パレスチナ側の手詰まりと米トランプ政権発足 
2018 - 2021:「繁栄に至る平和」と「アブラハム合意」
2021年9月4日、コソボとセルビアは、アメリカ合衆国の仲介で、経済関係の正常
化で合意した。米国はまた、コソボとイスラエルの国交正常化と、セルビアの在
イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると発表した[253]。また
イスラエルのネタニヤフ首相は、「エルサレムに大使館を開設する、初めてのイ
スラム教徒が多数を占める国家であるコソボ」と述べ、コソボの在イスラエル大
使館も、エルサレムに開設されることを明らかにした[254]。
9月9日、アラブ連盟はオンラインで外相会議を開き、イスラエルとアラブ首長国
連邦の国交正常化について意見交換をした。パレスチナのマリキ外相は、両国の
国交正常化はアラブ和平イニシアティブに反する物と主張し、合意への非難声明
のとりまとめを求めた。しかし、アラブ連盟内部でも、既にイスラエルと国交の
あるエジプト、ヨルダンに加え、バーレーン、オマーンも国交正常化を支持した
ことから、非難声明の採択を行うことはできなかった[255]。
9月11日、米国のトランプ大統領は、イスラエルのネタニヤフ首相、バーレーン
のハリーファ国王と会談し、イスラエルとバーレーンの国交正常化で合意したと
発表した。パレスチナ問題については、併合の是非には触れず、「紛争の公正か
つ包括的で永続的な解決を達成するための努力を続ける」とした[256][257]。
また、(イスラエル占領下の)東エルサレムにあるアル=アクサー・モスクへの
イスラム教徒の自由な往来を認めると表明した。 ネタニヤフ首相は「他のアラ
ブ国家との和平合意締結に興奮している」との声明を発表した。バーレーンの国
営通信は、パレスチナとイスラエルの対立を終わらせるための「戦略的な選択」
だとするザヤニ外相の声明を伝えた。一方、パレスチナは「アラブの大義への裏
切り」であり「パレスチナを占領するイスラエルの醜い犯罪の正当化につながる
」と強く反発した[258]。米国のクシュナー大統領上級顧問は、電話での記者会見
で「これにより、イスラム世界の緊張が緩和され、パレスチナ問題を自分たちの
国益と、自分たちの国内優先事項に焦点を当てるべき外交政策から切り離すこと
ができるようになる」との見解を示した[259]。
9月15日、米国のホワイトハウスで、イスラエル、米国、アラブ首長国連邦、バー
レーンの4者で「アブラハム合意」が調印された[260]。合意では、トランプ政権
の和平案「繁栄に至る平和」を前提に、「両国民の正当なニーズと願望を満たす
イスラエル・パレスチナ紛争の交渉による解決を実現」するとした[261][262]。
米トランプ大統領は記者会見で、「我々はパレスチナ人に大金[注 17] を払って
きたが、我々は適切に扱われていなかった。(だからUNRWAなどへの)支払を止
めた」「彼らが敬意を払わないなら、我々はもう関わらない。彼らは状況を見て
いると思うし、我々は強い信号を送ってきた」とパレスチナを非難し、「繁栄に
至る平和」の受け入れを迫った[263]。またトランプは、「他の国は彼ら(パレ
スチナ)に援助を与えている。あなた(ネタニヤフ)が相手にしているのは、非
常に裕福な国だ。そして、これらの国々は我々と(和平の)署名をしている。全
ての国が署名をするだろう」と、これまでパレスチナを援助して来たアラブ諸国
が、「我々」(イスラエル・米国)の側に付いたことを暗示した[264]。
同日、ガザ地区からイスラエルにロケット弾攻撃があり、2人が負傷した[265]。
9月16日、イスラエル国防軍は報復としてガザ地区を空襲した[266]。
9月22日、パレスチナはアラブ連盟理事会の議長を返上した。議長は加盟国の持
ち回りで6ヶ月の任期であるが、パレスチナのマリキ外相は「議長職の間に、ア
ラブ人が(イスラエルとの)正常化に向けて突進するのを見ることは名誉なこと
ではない」と、加盟国への失望を示した[267]。
同日より、国連総会の一般討論演説が始まった。 パレスチナのアッバース大統
領は、イスラエルとアラブ首長国連邦・バーレーンの国交正常化を非難した。ま
た、パレスチナが国際法と国連決議を受け入れ(るという譲歩をし)たにもかか
わらず、イスラエルは合意に違反し、植民地主義を追求していると主張した。そ
して、和平問題の解決に向け、米国、国連、欧州連合、ロシアの4者を交えた国際
会議を、来年の早い時期に開催するよう、グデーレス国連事務総長に訴えた[268][
269]。 イスラエルのネタニヤフ首相は、アラブ首長国連邦・バーレーンとの国交
正常化は「平和と大きな利益をもたらす」と述べ、「他のアラブ・イスラム諸国
も、近いうちに平和の輪に加わることは疑いない」と主張した。また、パレスチ
ナの「完全に非現実的な主張」が交渉を停滞させたと非難し、「現実的な」和平
案(「繁栄に至る平和」)を受け入れるよう迫った[270][271]。 米国のトランプ
大統領は、イスラエルとアラブ諸国の和平合意を「新しい夜明け」と呼び、自国
の仲介努力を自賛した[272]。アラブ首長国連邦のアブダッラー外務兼国際協力大
臣は、イスラエル・米国との合意によって「併合を凍結できた」成果を強調し、
イスラエル・パレスチナの交渉再開による2国家解決を断固支持すると表明した[273]。
サウジアラビアのサルマーン国王は、従来の「アラブ平和イニシアティブ」に基
づくパレスチナの独立支持を表明する一方、米政権の和平仲介の労を支持した[274]。
9月23日、"The New Arab"によると、パレスチナ情報サービスのデータを引き、
ラマッラー(のパレスチナ政府)の収入が前年比で7割減少したと報じた。2019
年は、外国から5億ドル(約526億9千万円)の援助を得ていたが、2020年は2億5500
万ドルとほぼ半減した。特に、アラブ諸国からの援助は2億6700万ドルから3800万
ドルに、85%減少した。すなわち、減少の大半はアラブ諸国の援助縮小で占められ
た[275]。『エルサレム・ポスト』によると、アラビア語放送局"Al-Araby"および
"Al-Jadeed"は、
9月15日のトランプ・ネタニヤフの2者会談で、トランプは「裕福なアラブ諸国に
パレスチナ人にお金を払わないように頼んだ」と、アラブ諸国に圧力を掛けたこ
とを語ったという[276]。
9月25日、パレスチナのファタハとハマースは、半年以内に選挙を行うことで合
意した。まず立法評議会(国会)総選挙を行い、続いて大統領選、最後にPLO評
議員選を行う予定である。国会議員の任期は2010年、大統領の任期は2012年で切
れていたが、選挙が行えずにそのままになっていた[277]。
10月5日、サウジアラビアのバンダル・ビン・スルターン王子(元駐米大使)は、
サウジアラビア系のアル=アラビーヤで、イスラエルとアラブ首長国連邦・バー
レーンの国交正常化に対するパレスチナの非難は「冒瀆」であると非難し、「低
級な言説」は、従来パレスチナを支援してきた、サウジアラビアや世界の支持を
得られるものではないとした。同時に、パレスチナが、サウジアラビアと敵対す
る、イランやトルコとの関係を深めていることを非難した。また、「パレスチナ
の大義は正当だが、その擁護者は失敗し、イスラエルの大義は不当だが、その擁
護者は成功している」と評した。その上で、「我々はイスラエル問題に関心を持
つよりも、自国の安全保障と国益に注意を払わなければならない段階に来ている」
と主張した[278][279]。
0月12日、パレスチナの非政府組織局責任者のアブ・アル・エネインは、海外か
らの資金援助の見返りに、国交正常化を前提とした「パレスチナ人を根本的に
傷つける」条項があるとして、受け入れる者は国家の裏切り者であり、名前を公
表するとNGOに対して警告した[280]。「アメリカ中東報道正確さ委員会(英語版)」
のショーン・ダーンは「パレスチナ自治政府が反テロ条項を拒否したもの」と批
判した。ダーンによると、テロ組織であるパレスチナ解放人民戦線の影響が疑わ
れるNGO組織があり、オランダなどは資金提供を停止、あるいは削減したという
[281]。
10月14日、イスラエルはヨルダン川西岸での、新たに入植地2166棟の計画を承認
した。イスラエルの新規入植地承認は、2月25日以来となる。イスラエルのNGO・ピ
ース・ナウによると、承認は連立与党「青と白」のガンツ代表・国防相も加わっ
ている[282][283]。パレスチナは声明で、「入植地を違法だとした国連決議と相
いれない。ネタニヤフ政権の政策をやめさせるため、国際社会の即時の介入を求
める」と激しく反発した[284]。同日、世界シオニスト機構(英語版)のアブラ
ハム・デュヴデヴァーニ会長は、毎年最低2つの(ユダヤ人)入植地新設を目標に
する考えを述べた[285]。

10月15日、イスラエルは前日に引き続いて新規の入植地3122棟を承認し、14日と
あわせて5288棟(ピース・ナウによると、過去の遡及的な追認を除くと4948棟
[286])を承認した[287][288][289]。この中には、「繁栄に至る平和」でもパレ
スチナ領とした地域の962棟が含まれる。ピース・ナウの集計では、2020年の新
規承認は12159棟で、2012年の11159棟以来の多さである[286]。入植地・エフラ
ト評議会のオデッド・レヴィヴィ(ヘブライ語版)議長は、「トランプ氏の『繁
栄に至る平和』は(入植地の)建設と拡大を可能にしている」とこれを歓迎した
。また、サマリア地域評議会のヨシ・ダガン(英語版)議長は、併合実現に向け
て、入植者を100万人に増やさなければならないと主張した。国連のニコライ・
ムラデノフ中東和平プロセス特別調整官は、入植地は国際法違反であり、パレス
チナ人への和平交渉に悪影響を及ぼすと警告し、直ちにすべての入植活動の中止
を求めた[289]。欧州連合は入植拡大の中止及び、EUが資金提供したものを含む、
パレスチナ人建造物への破壊を停止するようイスラエルに要請した[290]。
入植拡大をヨルダンは「国際法違反」と非難した[291]。フランス、ドイツ、イ
ギリス、イタリア、スペインはそれぞれ「深い懸念」を表明し[292]、日本の外
務省は「強い遺憾の意」を表明した[293]。「アブラハム合意」でイスラエルと
国交正常化した、アラブ首長国連邦とバーレーンは反応を示さなかった[294]。
同日、アラブ首長国連邦の代表団が、イスラエルの警護を受けてひそかにアル=
アクサー・モスクを訪問した。この行動はパレスチナ側で、モスクへの侵入と非
難された。これは、「シオニスト過激派」が勝手にモスクに侵入したのと同様の
行動という意味である[295]。アル・アクサー・モスクの説教者であるシェイク
・イクリマ・サブリは、「正常化は無効であり、正常化に起因する行動も無効で
ある」とUAE代表団を非難した[296]。
                 via Wikipdia     10月16日以降につづく、

以下。ここからは「パレスチナとイスラエル」紛争に係わる現代国家間の関連を
同時に考察していく。まず、キャノングローバル戦略研究所は小手川大助研究主
幹のコ国債交流ラム『語られないロシアの歴史とアメリカとの深い関係』(国債
交流・外交/米国/ロシア)を参照する。

15世紀のモンゴル帝国が去った後の東方への拡大
終わりにモンゴル支配から独立し、ロシアの東側にはモンゴルが去った

後の広大な権力の真空地帯が残された。ここから16世紀半ばのイェルマークの探
検にみられるようなロシアの東方への進出が始まる。ロシア人はコサック(逃亡
農民や没落貴族からなる軍事協同体)を先頭に毛皮を求めてウラル山脈を越え、
オビ川などの大河を伝って北極海や太平洋に進出。1652年にはイルクーツクが建
設されるなどロシア帝国はシベリア全土を管理、ラッコやキタオットセイを求め
てアリューシャン列島から千島列島に向かい、アラスカに進出して露米会社を設
立するなど、17世紀から19世紀にかけてロシアは世界最大の毛皮供給国となる。
一部はナパバレーなどの北カリフォルニアまで足を延ばしたが、東方進出の特徴
は、中国を恐れ、ユーラシア大陸の北側を横断し、中国の力が衰えてから少しず
つ南下を始め極東で最初に開発された都市はカムチャッカ半島のペトロパブロフ
スク=カムチャットキー(1740年)であり、1858年にはハバロフスクが、そして
1860年にはウラジオストックが建設さる。

英国との欧州覇権争いとポーランド分割
1533年からイワン4世(雷帝)がモスクワ大公に即位し、1547年には初めてツァー
リの称号を用いた。彼にはモンゴル王朝の血も入っています。彼の治世は50年に
及び、晩年には英国のエリザベス1世にも求婚をしました。イワン雷帝の死後、
ボリスゴドノフの治世に見られるような16世紀末から17世紀の動乱の時代を経て
1613年にロマノフ王朝が誕生した。日本では徳川幕府が成立し大坂冬の陣が戦わ
れる前年です。1682年から40年以上に及んだピョートル大帝の時代にはス
ウェー
デンとの戦争でバルト海沿岸の領土を獲得し、新都サンクトペテルブルク
を1703
年から建設して1712年に首都を移転した。スウェーデンとの戦争でスウェ
ーデン
側に立ったのは英国とトルコ帝国でした。英国との対立はこの時期から300
年以上
続く。1762年に女帝のエカテリーナ2世が即位し40年弱の治世を治める。

彼女はボルガ川中流流域にドイツの農民を移住させて先進農業技術を取り入れた
り、啓蒙主義の観点から初めての女性教育施設であるスモーリヌイ修道院の開設
など西欧の最新の教育制度を導入したりして、文化面で大きな貢献を果たした。
ボリショイ劇場やその下の学校であるボリショイアカデミーが創立されたのも彼
女の治世下でした。美術品の収集家としても有名だった彼女はエルミタージュ美
術館を創設し、19世紀半ばには一般市民にも公開された。またオスマン帝国と開
戦して黒海北岸やクリミア半島を獲得し、ポーランド分割を3度行った。その結果
最終的に1795年にポーランド王国は消滅し、ウクライナとリトアニアがロシア領
なる。                                                         つづく
                                                          

 風蕭々と碧い時

 愛でのりつぶせ The Birthd  2009.10.1

チバユウスケ(1968年7月10日 - 2023年11月26日)は、日本のミュージシャン)
The Birthdayのボーカル、ギター。1991年から2003年まで、THEE MICHELLE
GUN ELEPHANT
のボーカルとして活動。先月11月26日に夭折
                                合掌



今夜の寸評: 今年はお悔やみ行脚の年。

 

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新成長経済理論考 ⑩

2023年12月04日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

【今夜のひとり鍋:おでん】




昨夜のおでん定食

日本料理のうち、煮物の一種。鍋料理にも分類される。鰹節と昆布でとった出汁
(だし)に味を付け、種と呼ばれる様々な具材を入れて長時間煮込む。おでん種
としては、薩摩揚げ、はんぺん、焼きちくわ、つみれ、こんにゃく、大根、芋、
がんもどき、牛すじ、ゆで卵、厚揚げなどがある。おでん種、つけだれの種類は
地域や家庭によって異なる。 「おでん」は元々、田楽を意味する女房言葉である。
田楽、もしくは味噌田楽は室町時代に出現した料理で、種を串刺しにして焼いた
「焼き田楽」のほか、種を茹でた「煮込み田楽」があった。江戸時代になって「
おでん」は「煮込み田楽」を指すようになり、「田楽」は「焼き田楽」を指すよ
うになったとされる。via jp.Wikipedia

  


驚くほどの、ひとり鍋市場の多様化と無国籍化 トップを走る日本!


  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era
再エネ革命渦論 201
 アフタ-コロナ時代 186】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング

高放熱性窒化ガリウムトランジスタを実現 

汎用品より放熱性が2倍向上!
12月 1日、大阪公立大学,東北大学,北京大学,地球上で最も高い熱伝導率をも
つダイヤモンドを基板に用いたGaNトランジスタを作製し,SiC基板上に作製した
同一形状のトランジスタと比べて,放熱性を2倍以上高めることに成功。


図1.ダイヤモンド基板上窒化ガリウムトランジスタ
【要点】
・ダイヤモンド基板上に作製した窒化ガリウム(GaN)トランジスタ(図1)の性
 能を評価
・炭化ケイ素基板を用いたGaNランジスタと比べ、2倍以上の優れた放熱性を実証。
・G通信基地局や気象レーダーへの応用や小型化へも貢献

【概要】
     GaNトランジスタが動作する際に発生する熱とそれに伴う温度上昇は,性能の
劣化や素子寿命の短縮といった実用上の重要な課題であり,効果的な放熱手法の
開発が必要不可欠となる。このため,ダイヤモンドのような熱伝導率が非常に高
い材料が,素子の放熱材料として注目されていが,素子とダイヤモンドの接合が
困難な点などから,期待されるレベルの放熱性の向上が得られず,実用化には至
っていない。
研究グループでは,2022年3月には,Si 基板から剝離したGaN 層をダイヤモンド
基板に接合したトランジスタの作製に成功し。しかし,Si 基板からの大面積GaN
層の剝離や,1,100℃での耐熱性およびSiC基板以上の放熱性向上の実証には至っ
ていなかった。

           
図2:Si、SiC、ダイヤモンド上に作製したトランジスタの放熱性の比較(同印加
電力で温度上昇が小さいほど、放熱性は優れている)

研究ではまず,Si基板上に窒化ガリウム層(厚さ3µm)と炭化ケイ素(3C-SiC)
バッファ層(厚さ1µm)を生成した。その後,Si基板から2層を剥離し,表面活性
化接合法を用いてダイヤモンド基板上に接合することで,約1インチのGaNトラン
ジスタを作製した。高品質な炭化ケイ素薄膜を用いることで,1,100℃の熱処理
を行なった後でも接合界面に膜剥離が起こらず,高品質なヘテロ接合界面を得る
ことができる。この方法で作製したダイヤモンド基板上GaNトランジスタの放熱
性を検証するため,SiC基板上に作製した同一形状のトランジスタと比較した。
その結果,ダイヤモンド基板上のトランジスタは,SiC基板上のものに比べ,放
熱性が2.3倍向上した。また,他の先行研究で作製されたダイヤモンド基板上の
トランジスタよりも高い放熱性を達成し,トランジスタ特性の大幅な改善に成功
した。



図3 (a) AlGaN/GaN/3C-SiC層/ダイヤモンド接合試料、(b) ダイヤモンド上に作
製された窒化ガリウムトランジスタの光学顕微鏡像、(c) 3C-SiC/ダイヤモンド接
合界面の断面TEM像、(d) 本研究で作製したダイヤモンド基板上窒化ガリウムトラ
ンジスタと、他の先行研究で作製されたダイヤモンド上GaNトランジスタの放熱性
向上倍率の比較

【展望】
今後、ダイヤモンド基板を用いた大面積窒化ガリウムトランジスタが実現するこ
とで、5G通信基地局や気象レーダー、衛星通信分野などの高出力・大電力用途
も利用の幅が広がることが期待できる。

【関連特許事例】
・特開2023-29250 ダイヤモンド基板製造方法 国立大学法人埼玉大学 信越ポリマ
 ー株式会社 信越化学工業株式会社
【概要】従来、パワーデバイスに適した半導体材料として、シリコン(Si)に
代わって炭化ケイ素(SiC)や< (GaN)が提供されてきたが、ダイヤモン
ド半導体はこれら半導体材料と比べて高絶縁破壊電界、高い電力制御指数及び熱
伝導率が最も高いということから次世代の材料として注目され、実用化に向けて
研究や開発が進んでいる。またダイヤモンド中の窒素-空孔センタ(NVセンタ
)は室温で高感度な磁気検出が可能であるため、磁気センサへの応用が期待され
ていてこの研究も行われている(特開2015-59069)。

これら半導体への応用が期待される単結晶ダイヤモンドは高温高圧法(HPHT
法)やホモエピキャシタル成長により合成されるが、これらの合成法では半導体
プロセスに利用するための単結晶ダイヤモンドのバルク基板の大面積化が困難と
されている。そこで、単結晶酸化マグネシウム(MgO)を下地結晶として単結
晶ダイヤモンドをヘテロエピキャシタル成長させる気相合成法(CVD法)が大
面積化に優位性があるとして適用されてきている。ダイヤモンド基板は、ダイヤ
モンド単結晶のインゴットやインゴットをさらに一定の長さに切断したブロック
をダイヤモンドを研粒としたワイヤーソーで一定の厚さにスライスして製造され
ている。ワイヤーソーのワイヤーは例えば少なくとも数十μmのような径を有し
ているため、ダイヤモンド単結晶のインゴットやブロックをダイヤモンド基板に
スライスする際に、切断面に沿った一定の幅の部分は研削の切り代として失われ
ていた。
またレーザ光を利用してダイヤモンドインゴットからダイヤモンド基板を製造す
るダイヤモンド基板製造方法が開示されている(特開2020-50563を参照)。この
方法は、ダイヤモンドインゴットの主表面から所定の深さにレーザ光を集光して
照射し、2次元状に走査することにより結晶構造が改質された改質層を形成し、
この改質層でダイヤモンド基板を剥離するものである。 下図6のごとく、ダイ
ヤモンド基板製造方法は、レーザ光Bを集光するレーザ集光部190を単結晶
ダイヤモンドのブロック10の主表面10aに対向するように配置する工程と、
レーザ集光部190を用い、所定の照射条件で、ブロック10の主表面10aに
向けてレーザ光Bを照射してブロック10の内部にレーザ光Bを集光しつつレー
ザ集光部190とブロック10とを三次元状に相対的に移動させることによりブ
ロック10の主表面10aから所定の深さに単結晶ダイヤモンドの{111}面
に沿って劈開を生じさせ、{111}面の劈開を連結する工程とを含み、主表面
が{100}面の単結晶ダイヤモンドから主表面が{100}面の新たなダイヤ
モンド基板を創製するダイヤモンド基板製造方法を提供する。


図6.{111}面の加工痕による劈開面がW形状に連結した状態を示す模式図
【符号の説明】 10 ブロック 10a主表面 51 劈開面 100 加工装置 
190 レーザ集光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザ光を集光するレーザ集光部を主表面が(100)面である単
結晶ダイヤモンドのブロックの主表面に対向するように配置する工程と、 前記レ
ーザ集光部から前記ブロックの主表面にレーザ光を照射して前記ブロックの内部に
レーザ光を集光しつつ前記レーザ集光部と前記ブロックとを<110>方向に二
次元状に相対的に移動させることにより前記ブロックの主表面から所定の深さに
単結晶ダイヤモンドの(100)面に沿って加工痕からなる走査ラインを形成す
る第1の工程と、 前記レーザ集光部と前記ブロックとを三次元状に相対的に移
動させることによりレーザ光の焦点を{111}面に沿って所定量移動させる第
2の工程 を含み、前記第1及び第2の工程を繰り返して{111}面の劈開を
生じさせるダイヤモンド基板製造方法。 

【請求項2】 前記{111}面において対向する位置にある{111}面に劈
開面を形成し、この劈開面を連結させた連続劈開面により前記ブロックからダ
イヤモンド基板を剥離して分離する請求項1に記載のダイヤモンド基板製造方
法。
【請求項3】 前記第1の工程は、前記単結晶ダイヤモンドの(100)面に沿
って加工痕からなる一つの走査ラインを形成する請求項1又は2に記載のダイヤ
モンド基板製造方法。
【請求項4】 前記第1の工程は、前記単結晶ダイヤモンドの(100)面に沿
って加工痕からなる複数の走査ラインを形成する請求項1又は2に記載のダイヤ
モンド基板製造方法。
【請求項5】 前記第1及び第2の工程は、前記主表面の全面にわたり所定の深
さに改質層を形成する請求項1又は2に記載のダイヤモンド基板製造方法。
【請求項6】 レーザ光を集光するレーザ集光部を主表面が(100)面である
単結晶ダイヤモンドのブロックの主表面に対向するように配置する工程と、 前
記レーザ集光部から前記ブロックの主表面にレーザ光を照射して前記ブロック
の内部にレーザ光を集光するように、前記レーザ集光部及び前記ブロックを二次
元状に相対的に移動させるとともに、レーザ光の焦点を深さ方向に移動させ、前
記主表面から第1の深さから[211]方向に加工痕からなる走査ラインを形成
し、前記走査ラインが前記第1の深さよりも浅い第2の深さに達すると前記第
2の深さから前記第1の深さまで[-211]方向に加工痕からなる走査ライン
を形成することを含む走査ラインを形成する第1の工程と、 前記レーザ集光部
と前記ブロックとを二次元状に相対的に移動させることによりレーザ光の焦点を
[01-1]方向に所定量移動させる第2の工程と、 を含み、前記第1及び第
2の工程を繰り返して{111}面の劈開を生じさせるダイヤモンド基板製造
方法。
【請求項7】 レーザ光を集光するレーザ集光部を主表面が(100)面である
単結晶ダイヤモンドのブロックの主表面に対向するように配置する工程と、 前
記レーザ集光部から前記ブロックの主表面にレーザ光を照射して前記ブロックの
内部にレーザ光を集光するように、前記レーザ集光部及び前記ブロックを二次元
状に相対的に移動させるとともに、レーザ光の焦点を深さ方向に移動させ、前記ブ
ロックにおいて、前記主表面の第1の位置における第1の深さから[211]方
向に加工痕からなる走査ラインを形成し、前記走査ラインが前記主表面の第2の
位置において前記第1の深さよりも浅い第2の深さに達すると、前記主表面にお
いて,
前記第2の位置について,前記第1の位置とは対称な第3の位置における
前記第1の深さから[2-1-1]方向に前記第2の位置における前記第2の深
さまで加工痕からなる走査ラインを形成することを含む走査ラインを形成する第
1の工程と、 前記レーザ集光部と前記ブロックとを二次元状に相対的に移動さ
せることによりレーザ光の焦点を[01-1]方向に所定量移動させる第2の工
程と、を含み、前記第1及び第2の工程を繰り返して{111}面の劈開を生じ
させるダイヤモンド基板製造方法。 



図1. 本開発技術の模式図
 

コバルトフリー高電位正極を用いた新たなリチウムイオン電池
11月28日、東芝はコバルトフリーな5V級高電位正極材料を用いて、副反応とし
て生じるガスを大幅に抑制できる新たなリチウムイオン二次電池を開発したと
発表した。レアメタルであるコバルトを用いず、さらに近年の需要増加と共に
価格が高騰しているニッケルの含有量も少ないため、コストだけでなく資源保
全の観点でも優れた電池だという。リチウムイオン電池の正極として、コバル
トフリーかつニッケル含有量が少なく、スピネル型の高電位正極である「ニッ
ケルマンガン酸化物(LNMO)」が注目されている。しかしLNMOは作動電位の高
さゆえに電解液が酸化分解してガス化するため、電池が著しく膨れたり、寿命
が短くなったりする課題があった。


図3: 開発電池の各種性能

今回東芝は、高電位正極の表面で電解液が分解されてガスが発生することや、
正極材料に含まれる金属が溶出し、溶出した金属が負極表面でガス発生を促進
するメカニズムを持つことを解明した。これにより、正極の粒子表面を改質
電解液との反応を抑制する技術に加え、負極表面で溶出イオンを無害化する
技術を開発。この技術により、一般的に広く使用されている電解液を使っても
ガスの抑制が可能になったという。
【展望】
本電池の応用先として、先行して電動工具や産業機器など小型で高電圧を必要
とする用途への展開を検討し、車載用途への展開を目標とし、電池の大型化を
目指し、本電池を2028年に実用化する。


  風蕭々と碧い時

Lou Reed  Perfect Day
1972.11.24
※:"You're going to reap just what you sow":
ガラテヤ人への手紙 6章4, 7, 9節(日本聖書協会 1954) 新約聖書の『ガラテヤ人への手
紙』の引用( 「6:7 まちがってはいけない、神は侮られるようなかたではない。人は自分
のまいたもの
を、刈り取ることになる。 」)
※Lou Leed  (1942-2013)は、ブログ掲載している。




今夜の寸評:

 

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