極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

持続可能戦略電子デバイス製造論 ④

2024年02月19日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。

⌚ 日本のロケット「H3」の2号機が打ち上げに初めて成功
17日午前、JAXA=宇宙航空研究開発機構によると、2号機は補助ロケットや1段 
目のエンジンを切り離しながら上昇を続け、午前9時40分ごろ、ロケットの2段
目のエンジンの燃焼が停止し目標の軌道に到達する。その後、搭載した2つの超
小型衛星を切り離して軌道に投入したほか、アルミ製の模擬衛星の分離動作も確
認するなど計画どおりに飛行し、打ち上げに初めて成功。
尚、「H3」は去年3月に打ち上げた初号機では2段目のエンジンが着火せず打ち

上失敗し、JAXAなどはおよそ1年かけて対策を講じ、17日の打ち上げに臨んだ。 
について、およそ半年間にわたって原因の究明を進めた。ロケットは1段目と2
段目の分離まで計画どおり飛行し、その後に2段目のエンジンが着火しなかった
ことが分かっていて、飛行データを分析し、同じ現象を再現する試験などに取り
組む。
3つの対応:①2段目のエンジンに搭載された機器の一部に損傷が発生したこと

が原因、②損傷要因を大きく3つに絞り込みこむ。③このうち2つは運用中の「
H2Aロケット」の共通部品が、製造時の部品のずれや打ち上げ時の振動などに
よって着火直後に点火装置でショートが発生、④点火装置の内部にある電気の流
コントロールするトランジスターが、地上の点検などで過度の電圧に耐えられな
くショートした。④ 一方、残る1つは「H3」だけに搭載された機器で、2段
を制御する部品の一部が故障しショートした。⑤ショートの原因となりうる機器
設計を一部変更。一部の対策については去年9月に打ち上げられた「H2Aロケ
ット」47号機とことし1月に打ち上げられた48号機にも取り入れられ、問題
がないことを確認する。 


低軌道衛星向けペロブスカイト太陽電池
これに先立つ月面着鯥に成功した日本は、太陽電池の位置と太陽入射軌道の不具
合が生じた。そのとき考えたのがペロブスカイト太陽電池の使用と太陽光集光宇
宙バルーンの開発であったが、おりしも今月の16日、米国のメリダ・エアロス
ペース社が、低軌道宇宙向けペロブスカイト太陽電池を開発(添付写真参照)し
新聞が入る。うたい文句はこうだ。「地球低軌道衛星用のペロブスカイト太陽電
池を開発。ペロブスカイト太陽従来の太陽電池よりも費用対効果が高く、効率的
選択肢になる」と。フロリダに本拠を置くメリダ・エアロスペースは、宇宙用途
向けにカスタマイズされたペロブスカイト太陽電池を開発。これは低軌道衛星向
けにの性能と経済性を向上できる。同社のペロブスカイト太陽電池はガリウム砒
素ソーラーの代替品となる。また、柔軟性・汎用性に優れ、自己修復効果により、
宇宙環境下での高エネルギー放射線に対する驚くべき再生力を発揮する(担当責
任者のアンドレア・マルケス氏談)。「ペロブスカイト結晶の配列は、空間温度
の影響を受け、光吸収能力を高め、より豊富、よりクリーンな持続可能エネルギ
ー技術として世界的シフトに貢献する」という。因みに、四百兆円規模の世界の
宇宙開発競争がヒートアップするとともに20数年前私(たち)が構想した「ネ
オコンバーテック産業新興構想」が現実のものとなっている。




ダイヤモンドMOSFET相補型パワーインバーター開発
100kHzでの高速動作を検証
Power Diamond Systems(PDS)は、pチャネル型のダイヤモンドMOSFETとnチャネ
ル型のSiC-MOSFET/GaN-HEMTを組み合わせた相補型パワーインバーターの開発に
着手した。トランジスタの動作周波数を高速化することで構成部品を小型化でき
インバーター自体もさらなる小型化と軽量化が可能となる。


インバーターは、直流電流を交流電流に変換するための電源回路。応用機器では
省エネの実現に向け、小型軽量で効率が良いインバーターの要求が高まっている。
インバーターの高速動作に向けては、ワイドバンドギャップ半導体の活用や、n
型とpチャネル型のトランジスタを組み合わせた相補型パワーインバーターが提案
されている。


図.相補型パワーインバーターの回路ブロックと入出力波形の一例

ところがSiCやGaNでは、nチャネル型トランジスタと同等性能を備えたpチャネル
型トランジスタを作製することが極めて難しかったという。そこで、ダイヤモン
ド半導体デバイスの研究開発を行うPDSは、pチャネル型ダイヤモンドMOSFETを開
発し、nチャネル型トランジスタと同等性能を実現。
今回は、このpチャネル型ダイヤモンドMOSFETと、nチャネル型SiC-MOSFET/GaN-
HEMTを組み合わせた相補型パワーインバーターを開発し、100kHzでの高速動作を
検証した。今後は、外部パートナーとの連携を加速し、性能の改善やインバータ
の開発に取り組む計画である。


ダイヤモンド格子中に鉛原子と空孔からなる量子光源(PbV中心)を形成
ダイヤモンド中の発光中心は優れた発光およびスピン特性から,量子ネットワーク
を構築するための固体量子光源として期待されている。IV族元素と空孔からなるII
V族—空孔中心のうち,重いIV族元素であるスズ(Sn)やPbを用いた光源では希釈
冷凍機を必要としない温度で優れたスピン特性が期待できるが,効率的な量子も
つれ生成のためには,発光線幅が物理限界である自然幅に近い発光特性も必要と
なる。

しかし,IV族元素のうち安定かつ最も重たいPbを用いた量子光源の鉛—空孔中心Pb
V中心)では,自然幅での発光は観測されていなかった。研究グループは,ダイヤ
モンド基板へのPbイオンの注入および2,000℃を超える高温加熱で形成したPbV中
心で,自然幅に近い発光線幅を観測した。PbV中心の構造からはCピークおよびD
ピークと呼ばれる2本の発光線が主に観測される。まず,作製したPbV中心の線幅
の限界を決める励起状態寿命について,パルスレーザーを用いた手法で評価した。
結果として,励起状態寿命として4.4nsが得られ,これは自然幅として約36MHzに
対応する。
次に,PbV中心のCピークの線幅を発光励起分光法(PLE法)を用いて測定した。測
定温度約6Kにおいて線幅約39MHzと自然幅に近いスペクトルを得た。
測定を繰り返しところ,このPbV中心の発光ピークの位置に大きなずれは見えず,
時間的に安定した発光波長を観測した。一方,もうひとつの発光線であるDピーク
の線幅は発光スペクトルにおいて400GHz以上となり,Cピークと比べ線幅が4桁大きい。
今回の研究では,格子振動であるフォノンの影響によってDピークが太くなり,
2つのピークの線幅の差はIV族元素の種類によって変化することを明らかにした
。さらに,PbV中心では基底状態でのフォノン吸収が抑制されており,10K以上に
おいてもCピークに関して自然幅に近い発光線幅を得た。
約16Kにおいても自然幅の1.2倍程度の線幅に留まっており,窒素—空孔中心や他の
ダイヤモンド量子光源よりも高い温度においても狭線幅が達成できることを示し
た。研究グループは,今後,量子状態を保存するためのスピン特性の計測と合わ
せることで,PbV中心を用いた量子ネットワークノードの構築が期待できるとして
いる
論文情報 
掲載誌 : Physical Review Letters 
論文タイトル : Transform-limited photon emission from a lead-vacancy center
 in diamond above 10 K 
著者 : Peng Wang, Lev Kazak, Katharina Senkalla, Petr Siyushev, Ryotaro 
Abe, Takashi Taniguchi, Shinobu Onoda, Hiromitsu Kato, Toshiharu Makino, 
Mutsuko Hatano, Fedor Jelezko, Takayuki Iwasaki
 DOI : 10.1103/PhysRevLett.132.073601
            
 


   風蕭々と碧い時間
2000年10月18日
愛のカケラ Every Little Thing 
作詞・作曲/持田香織、多胡邦夫 
 
 
 
 

 

 今夜の寸評 : 鈍すれば貧する
         賢明でなければ豊かになれない。
 
 
 

 
 
                      
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MIS型半導体装置の製造方法 ②

2024年01月31日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

 
 黒の革命

 

世界一のダイヤモンド産出国へ ④

[関連特許]
5.特開2023-179710 MIS型半導体装置の製造方法
【0030】なお、ゲート絶縁体層23は、終端処理されたダイヤモンド半導体層2
2の表面に直接接して、水、炭化水素やレジスト残渣などの層を挟まないことが
好ましい。このような層を挟むと、界面準位が発生しやすいためである。
【0031】 ゲート絶縁体層23としてAl2O3などの非晶質膜を用いた従来構造
では、ゲート絶縁体層23中およびゲート絶縁体層23とダイヤモンド半導体層
22との界面にトラップ(電荷トラップ)が多く含まれる傾向がある。このため
、キャリア伝導は散乱を受け、キャリア移動度は低いものとなる。 一方、ゲート
絶縁体層(ゲート絶縁膜)として窒化ホウ素、好ましくは単結晶の窒化ホウ素、
より好ましくはh-BN、さらに一層好ましくは単結晶のh-BNを用いた本発
明の構造では、ゲート絶縁体層23中の電荷トラップは少ない傾向がある。この
ため、キャリア伝導は散乱が少なく、高いキャリア移動度が得られる。
-----------------------------------------------------------------------
【参考】
MIS構造とは金属-絶縁体-半導体(
metal-insulator-semiconductor)からな
る3層構造である。
MIS構造 (MIS structure
【半導体工学】金属-絶縁体-半導体構造とは (MIS構造,MOS構造)
------------------------------------------------------------------------

【0037】 <製造方法>
【0062】 1.基板の準備
【0063】 2.アライメントマークの作製
レーザーリソグラフィにより、アライメントマークをダイヤモンド基板31上に
形成した(図示なし)。 ここで、アライメントマークの形成工程を以下に示す。
最初に、ダイヤモンド基板31の表面に下層レジストPMGI-SF6S(Mi
crochem製)をスピンコートし、180℃で5分ベークした。その後、フ
ォトレジストAZ-5214E(メルクパフォーマンスマテリアルズ製)をスピ
ンコートし、110℃で2分ベークした。 次に、高速マスクレス露光装置(ナ
ノシステムソリューションズ製、DL-1000/NC2P)を用いて、アライ
メントマークパターンを描画した。TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム
)2.38%で合計150秒現像した後、純水で合計120秒洗浄し、その後
窒素ブローを行った。
【0064】 しかる後、電子銃型蒸着装置によって、厚さ10nmのTi、厚さ1
5nmのPt、厚さ60nmのAuおよび厚さ25nmのPtを順次蒸着した。
その後、80℃設定のウォーターバスで加熱したNMP中に試料を漬け、リフト
オフを行った。 最後に、アセトンとIPAでダイヤモンド基板31をリンスし
た後、窒素ブローを行ってダイヤモンド基板31の所定の場所にアライメント
マークを形成した。
【0065】
3.オーミック電極の作製
ダイヤモンド表面に電子線レジストgL-2000DR2.0(Gluon L
ab製)をダイヤモンド基板31上にスピンコートし、180℃で5分ベークし
た。 その後、エスペーサー300Z(昭和電工製)をスピンコートし、100
kV電子線描画装置(エリオニクス製、ELS-7000)を用いて、オーミッ
ク電極のパターンを描画した。描画後、エスペーサー除去のため純水で60秒洗
浄し、その後窒素ブローを行った。そしてキシレンで60秒現像し、IPAで
60秒洗浄した後、窒素ブローを行ってダイヤモンド基板31上にレジストパタ
ーン51を形成した(図8(a)、図11(a))。


図11.MIS型半導体装置の製造工程を断面図にて示した製造工程図

【0066】 次に、電子銃型蒸着装置によって、厚さ5nmのTiからなる導電膜
35aおよび厚さ5nmのPtからなる導電膜36aを順次蒸着した(図8(
b)、図11(b))。 その後、80℃設定のウォーターバスで加熱したNM
P中に試料を漬け、リフトオフを行った。アセトンとIPAでリンスした後、窒
素ブローを行った。 しかる後、MPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5
200-S)内においてH2雰囲気(H2流量500sccm、圧力80Torr)
で35分間アニールを行い、ダイヤモンドとTiの界面にTiCからなる低抵抗
化層42を形成した(図8(c)、図11(c))。アニールの際の設定温度は、
650℃までおよそ31分で上昇させ、650℃で35分間保持した。
【0067】
4.ダイヤモンド表面の水素終端化とレジスト残渣の除去
上記のオーミック電極形成に引き続きMPCVD装置(セキテクノトロン製、A
X5200-S)内でダイヤモンドを10分間水素プラズマにさらし、表面の水
素終端化とレジスト残渣の除去を行って、ダイヤモンド基板31の露出面に水素
終端層32を形成した(図8(d)、図11(d))。


図8.MIS型半導体装置の製造工程を断面図にて示した製造工程図

水素プラズマの条件は、H2流量500sccm、圧力30Torr、ヒーター
設定温度600℃、マイクロ波出力300Wである。 さらに、真空搬送用チャン
バーと接続可能な別のMPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5000)内
においてH2雰囲気(H2流量500sccm、圧力80Torr)で35分間ア
ニールを行った。
アニールの際の設定温度は、710℃までおよそ34分で上昇させ、710℃で
35分間保持した。 MPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5000)内
でダイヤモンドを10分間水素プラズマにさらし、表面吸着物の除去を行った。
水素プラズマの条件はH2流量500sccm、圧力30Torr、ヒーター設
定温度670℃、マイクロ波出力300Wである。
【0068】 引き続き、水素プラズマ処理を行ったダイヤモンド基板31は、真空
に保たれた試料搬送路を介して大気暴露することなく、アルゴンガス雰囲気のグ
ローブボックスへ搬送した。その詳細を、断面で示した装置構成図である図14
および図15を用いながら以下に説明する。



図15.実施例1で使用した処理装置構成の概要図

【0069】 図14は、水素プラズマ処理を行うときの処理装置1001の概要を断
面図で示したものである。 処理装置1001は、水素終端処理チャンバー1011
と試料搬送・一時保管室1025を主要な構成要素としている。そして、水素終
端処理チャンバー1011を主体とした水素終端処理部E1と、試料搬送・一時
保管室1025を主体とした試料搬送部E2に大別され、ゲートバルブ1024
の先(ゲートバルブ1024と搬送中間室1027の接続部)で、E1部とE2
部は切り離せるようになっている。


図14.実施例1で使用した処理装置構成の概要図

【0070】 水素終端処理チャンバー1011は、2つのゲートバルブ1024と1
026および搬送中間室1027を介して試料搬送・一時保管室1025に接続
されていて、試料ロッド1029により、試料を水素終端処理チャンバー1011
から試料搬送・一時保管室1025に搬送できるようになっている。ここで、搬
送中間室1027には真空排気系を接続するためのフランジ1028が備えられ
ており、真空排気系が接続されていないときはフランジ(ブランクフランジ)
1028で閉じられている。 また、試料搬送・一時保管室1025には配管1
071、バルブ1072、フランジ1073およびベローズ配管1074を介して
ターボ排気セット1075が接続されている。ここで、ターボ排気セット107
5は、ターボ分子ポンプとダイヤフラムポンプからなるT-Station75
D(エドワーズ製)である。
【0071】 水素終端処理チャンバー1011は、ダイヤモンド基板31の第1主表
面(ダイヤモンド半導体層)の露出面を水素プラズマにより水素終端する処理室
であり、具体的には上述のMPCVD装置(セキテクノトロン製、AX5000
)の処理室である。 水素終端処理チャンバー1011は、ゲートバルブ1012
を介してターボポンプ(STP-iX455、エドワーズ製)1013に繋がれ、
ターボポンプ1013はバルブ1014および配管1015を介してスクロール
ポンプ(nXDS15i、エドワーズ製)1016に接続されている。このため、
いわゆるオイルフリーの真空ポンプ構成になっている。1011の真空度は、真
空計1063(電離真空計TG200、アンペール製)によって読み取ることが
できる。
【0072】 また、水素終端処理チャンバー1011は、真空粗引き目的で、バルブ
1017と配管1018を介してスクロールポンプ1016に接続された排気パ
スを備えている。また、水素終端処理制御用に、バルブ1019、1061およ
び配管1062が設けられ、それを介して水素終端処理チャンバー1011とス
クロールポンプ1016が接続されたパスも有する。 また、水素終端処理チャ
ンバー1011は、プロセスガス(H2ガス)1023がバルブ1022を介して
導入できるようになっている。なお、水素終端処理チャンバー1011には、水
素終端処理を行うときに1011内の圧力をモニターするためのバラトロン真空
計1020も取り付けられている。
【0073】 図15は、h-BNからなる絶縁膜33aを試料に貼り付ける作業に
用いる処理装置1002の概要を断面図で示したものである。 処理装置1002
は、貼り合わせ処理室(グローブボックス)1031と試料搬送・一時保管室
1025を主要な構成要素としている。試料搬送・一時保管室1025を主体と
した前記の試料搬送部E2は、ゲートバルブ1043を介して貼り合わせ処理部
E3が接続されて、試料が大気に晒されることなく、貼り合わせ処理室(グロー
ブボックス)1031に試料を搬送できるようになっている。
【0074】 ここで、試料を試料搬送・一時保管室1025から貼り合わせ処理室(
グローブボックス)1031に搬送する際に試料が搬送中間室1027で大気に
晒されないように、フランジ1028を介して、真空排気系E4が接続される。
真空排気系E4は、ベローズ配管1109、1111、バルブ1110、真空計
(クリスタル/コールドカソード コンビネーションゲージ CC-10、東京電
子製)1112が備えられたチャンバー1101、アングルバルブ1102、タ
ーボポンプ(nEXT300D、エドワーズ製)1103、バルブ1104、配
管1107およびスクロールポンプ(nXDS15i、エドワーズ製)1105
を有し、さらにチャンバー1101をスクロールポンプ1105で粗引きする配
管1107とバルブ1106も備えている。
【0075】 貼り合わせ処理室1031は、試料に絶縁膜33aとなるh-BN絶縁
膜を貼り合わせる処理室で、仕切り扉1032を介してパスボックス1034に
接続され、パスボックス1034はバルブ1035および配管1036を介して
スクロールポンプ(nXDS15i、エドワーズ製)1037に繋がれている。
なお、貼り合わせ処理室1031にはスクロールポンプ1037で直接排気でき
るようにするための配管とバルブ1038が備えられており、パスボックス10
34には圧力計1039が備えられている。
【0076】 貼り合わせ処理室1031は、大気圧の不活性ガス(Arガス)で満た
されている。 Arガスは、Arガスシリンダー1052から配管1053を介し
て貼り合わせ処理室1031およびパスボックス1034に供給されるようにな
っている。ここで、貼り合わせ処理室1031およびパスボックス1034に向
かう配管1053にはそれぞれバルブ1054および1055が設けられている。
また、このArガスは、配管1042,1045およびバルブ1041,1044
を介して貼り合わせ処理室1031に接続された不活性ガス循環精製機1040
によって常時精製され、酸素濃度0.5ppm以下、露点-79℃以下に保たれ
ている。さらに、この精製されたArガスは、バルブ1108を介して接続され
た真空排気系E4を介して、試料搬送部E2に導入できるようになっている。
貼り合わせ処理室1031は、いわゆるグローブボックスとなっており、雰囲気
を外部と隔離して貼り付け作業をするためのブチルゴム手袋が付随している。ま
た、貼り合わせ処理室1031は、バルブ1054を介してArガスシリンダー
1052に、またバルブ1038を介してスクロールポンプ1037につながっ
ており、手袋に手を入れたときなどに貼り合わせ処理室1031の内部の圧力を
調整できるようになっている。さらに顕微鏡が備えられていて(図示なし)、外
部と雰囲気(ガス)的に遮断された環境の下で、ミクロンオーダーの貼り付け作
業が可能になっている。顕微鏡の画像は、不活性ガス環境を害することなく、貼
り合わせ処理室1031の外部でモニターにより観察できるようになっている。
なお、貼り合わせ処理室1031の外壁は、ステンレスとガラスからなり、貼り
合わせ処理室1031の内容量は約310Lである。
------------------------------------------------------------------------
【符号の説明】 11:炭素 12:水素 13:ホウ素 14:窒素 21:ダイ
ヤモンド基板 22:ダイヤモンド半導体層 23:ゲート絶縁体層(ゲート絶
縁膜) 23a:絶縁膜 24:導電体層(ゲート電極) 25:絶縁膜 25a:
絶縁膜 26:低抵抗化層 27:ゲート電極配線 28:ソース電極およびその
電極配線 29:ドレイン電極及びその電極配線 31:ダイヤモンド基板 32:
水素終端層 33:ゲート絶縁膜(ゲート絶縁体h-BN) 33a:絶縁膜
34G:ゲート電極(グラファイト) 35:導電膜 35a:導電膜 36:導電
膜 36a:導電膜 37S:ソース電極 37D:ドレイン電極 42:低抵抗化層
43:酸素終端層 43a:酸素終端層 51,52,53:レジストパターン
61:絶縁膜(素子分離用h-BN) 62:導電膜(電極配線) 62a:導電
膜 62G:ゲート電極配線(ボンディングパッド配線) 62S:ソース電極配線
(ボンディングパッド配線) 62D:ドレイン電極配線(ボンディングパッド配
線) 71:酸素終端と水素終端の領域の境界 101:MIS型半導体装置
201:MIS型半導体装置 1001:処理装置 1002:処理装置 1011:
水素終端処理チャンバー 1012:ゲートバルブ 1013:ターボポンプ
1014:バルブ 1015:配管 1016:スクロールポンプ 1017:バ
ルブ 1018:配管 1019:バルブ 1020:バラトロン真空計 1022:
バルブ 1023:プロセスガス 1024:ゲートバルブ 1025:試料搬送・
一時保管室 1026:ゲートバルブ 1027:搬送中間室 1028:フラン
ジ 1029:試料搬送ロッド 1031:貼り合わせ処理室(グローブボックス)
1032:仕切り扉 1034:パスボックス 1035:バルブ 1036:配
管 1037:スクロールポンプ 1038:バルブ 1039:圧力計 1040:
不活性ガス循環精製機(Arガス循環精製機) 1041:バルブ 1042:配
管 1043:ゲートバルブ 1044:バルブ 1045:配管 1052:Ar
ガスシリンダー 1053:配管 1054:バルブ 1055:バルブ 1061
:排気量調整バルブ 1062:配管 1063:真空計 1071:配管 107
2:バルブ 1073:フランジ 1074:ベローズ配管 1075:ターボ排気
セット 1101:チャンバー 1102:アングルバルブ 1103:ターボポ
ンプ 1104:バルブ 1105:スクロールポンプ 1106:バルブ 110
7:配管 1108:バルブ 1109:ベローズ配管 1110:バルブ 1111:
ベローズ配管 1112:真空計 E1:水素終端処理部 E2:試料搬送部 E3:
貼り合わせ処理部 E4:真空排気系
                                                          この項つづく

グラフェン層間に2層アルカリ金属の最密配列を発見
   電池容量を増大させる可能性を示唆
1月24日、産業技術総合研究所、東京工芸大学、九州大学、台湾国立清華大学らの
研究グループは、炭素原子が1個の厚さで六角形の格子状に並んだグラフェンの層
間に高密度でアルカリ金属を挿入する技術を開発し、原子の配置構造を直接観察
することに成功。
【要点】
1.グラフェン層間におけるアルカリ金属の2層構造を発見
2.グラフェン層間のアルカリ金属は、グラファイト表面の層間に特有の拡張性
 により最密充填される
3.電気自動車や通信機器に向けた2層〜少数層グラフェン電極による大容量二
 次電池の開発に期待
【概要】
電池の電極材料である黒鉛(グラファイト)は、グラフェンが層状に重なり、層
間に配置されたアルカリ金属が電子を受け渡すことで、充電・放電を行う。もし、
グラフェン層間に高密度でアルカリ金属を充填できれば、電気容量が向上する。
過去百年にわたり、X線や電子回折の測定を通じて、グラフェン層間には単層の
アルカリ金属しか充填できないと広く認識されており、各層が完全に充填された
状態が理論的な充電極限と考えられてきましたが、層間アルカリ金属の原子配置
を直接観察し、グラフェン層がアルカリ金属原子を単層でしか収容できないのか、
それとも他の技術によって、より高密度または複数層のアルカリ金属を収容でき
るのかを検証する研究報告はばかった。


図.アルカリ金属は2層グラフェンに挿入される際に六方最密充填の2重層を形成

同研究グループは、グラフェンの間にアルカリ金属を高密度に挿入する技術を開
発した。高性能電子顕微鏡により、層間のアルカリ金属原子の配置構造を直接観
察することにも成功する。電極として広く用いられてきたグラファイトには、1
層構造のみが形成される、グラフェン層間のアルカリ金属は、グラファイト表面
のグラフェン層間に特有な層間隔の柔軟な拡張性により、およそ2倍のアルカリ
金属を挿入できる2層構造で最密充填されることを発見。アルカリ金属を2層に
挿入したグラフェンを積層できれば、それを電極材料にしてアルカリイオン二次
電池の大容量化が期待されている。
【成果】
一般にグラファイト電極の作成では、電気化学法を用いて金属原子をグラフェン
層間に挿入。挿入される原子の種類や密度に応じて、グラファイトの電子・光学
特性は変化します。アルカリ金属が各層間を完全に埋め尽くすと、グラファイト
の色が黒から黄金に変わり、低温で超伝導特性が現れる。
多層グラフェンの上からグラフェン層を観察したとしても、原子同士が重なり合
うため、原子の正確な位置関係を解析することは困難です。最小単位となる2層
のグラフェンに挿入した金属であれば、重なり合う原子がないため、金属と炭素
原子の正確な位置関係を知ることが可能(図1a)。
グラフェン層と金属との位置関係を精密に解析するため、まず九州大学の吾郷研
究室で合成した2層グラフェンをTEM観察用グリッドに固定し、次に東京工芸大学
の松本研究室にてアルカリ金属を挿入(図1b)。最後に、低加速電圧STEMを用い
て、産総研の林主任研究員が構造解析を行う。
【展望】
リチウムやナトリウムは軽元素のため、低加速電圧STEMでの観察は困難。計測手
法を検討し、2層グラフェンおよび多層グラフェン中に挿入した軽いアルカリ金
属の原子配列の観察に挑戦。また、この実験ではバッテリーの電気化学法挿入メ
カニズムとは異なる気相挿入を使用しているので、実際のバッテリーの機能を模
倣し、STEMを用いて電気化学的なイオンの動きを明らかにすることでバッテリー
劣化の原因解明を行う。
【掲載論文】
------------------------------------------------------------------------
掲載誌:Nature Communications
論文タイトル:Alkali Metal Bilayer Intercalation in Graphene
DOI:doi.org/10.1038/s41467-023-44602-31038/s41467-023-44602-3
------------------------------------------------------------------------
※低加速電圧走査透過型電子顕微鏡(低加速電圧STEM)
加速電圧 15 kV~60 kVで動作する透過型電子顕微鏡の一つ。集束レンズによっ
て細く絞った電子線プローブを試料上で走査し、おのおのの点での透過電子を検
出することで像を得る装置。低加速電圧にすることで、炭素材料などの試料に与
える電子線損傷を抑えることができ、物質の内部構造や組成だけでなく、表面の
詳細な情報も得ることができる。                                                                            了





グラフェンメソスポンジとは
グラフェンは、熱伝導度、電気伝導度、機械的(引っ張り)強度に優れており、
エレクトロニクス、エネルギー材料など様々な分野で期待されている炭素材料で
ある。そのようなグラフェンの構造体として、グラフェンメソスポンジが知られ
ており、電池の電極活物質等としての利用が期待されている。グラフェンを含む
多孔質炭素材料、とりわけ、グラフェンメソスポンジの製造方法としては、鋳型
粒子の表面に炭素を被覆させた後、鋳型粒子を除去し、炭素材料を高温で焼成し
てグラフェンメソスポンジを製造する方法が知られている。鋳型粒子の表面に炭
素を被覆させる方法としては、化学気相蒸着(CVD)法が知られている。CV
D法において、原料ガスとしてメタン、鋳型としてアルミナナノ粒子を用いて、
鋳型粒子の表面に炭素を被覆させる方法が具体的に開示されているが、鋳型除去
の際にフッ酸による処理又はアルカリでのオートクレーブ処理が必要であり、コ
スト面で不利である。特に、フッ酸は、極めて強い腐食性を有することから取り
扱いが困難であり、工業的用途には適していない。 これに対し、塩酸などに可
溶なアルカリ土類金属であるMgOナノ粒子等を鋳型として用いてグラフェンメソ
スポンジを製造する方法が開発されている。

リチウム空気電池は、現在のリチウムイオン電池の数倍以上のエネルギー密度の
達成が見込まれる次世代蓄電池、カーボン正極や電解液などの劣化が激しく充放
電を繰り返し行えない点が大きな課題であった。今回の研究では、図1のスキー
ムでGMS自立膜を製造。この自立膜をリチウムイオン電池の正極材料に使用する
ことで、以下3点を踏まえた電極設計を可能にした。

•高容量を得るための豊富な細孔容積を確保
•電池を軽くするためにグラフェンの積層を排除
•サイクル寿命を得るためにエッジサイトを削除

本研究グループは、上記の電極設計により従来に無い超高容量とサイクル寿命の
両立に成功。この結果から、「GMSはカーボン正極の1つの理想形だと言える」
としている。via 株式会社3DC 2024.1.17


【掲載誌】
1.AdvancedEnergyMaterials
2.Hierarchically Porous and Minimally Stacked Graphene Cathodes
for High-Performance Lithium–Oxygen Batteries
3.Wei Yu,haohan Shen, Takeharu Yoshii, Shinichiroh Iwamura, Manai Ono, Shoichi
Matsuda, Makoto Aoki, Toshihiro Kondo, Shin R. Mukai, Shuji Nakanishi, Hirotomo
Nishihara
4.First published: 10 November 2023
5.https://doi.org/10.1002/aenm.202303055


特開2023-134066 多孔質炭素材料の製造方法/発明者:砂廣 昇吾 西原 洋知
【概要】
図4のごとく、多孔質炭素材料の製造方法であって、CVD法により、酸化カル
シウムのナノ粒子からなる鋳型の表面に、グラフェンを含む前駆体を形成する被
覆工程と、前記鋳型を酸で溶解して、前記鋳型と前記前駆体とを分離する除去分
離工程と、前記前駆体表面に存在する非グラフェン炭素含有物質を除去する除去
工程とを含む、多孔質炭素材料の製造方法で、ラフェンを含む多孔質炭素材料の
製造方法における不純物に起因すると考えられる、グラフェンを含む多孔質炭素
材料、とりわけ、グラフェンメソスポンジの品質低下を防止し、より高品質なグ
ラフェンメソスポンジの製造を可能とする方法を提供する。


図4.多孔質炭素材料の製造フローチャート(a)、鋳型の出発原料であり鋳型
ナノ粒子となる炭酸カルシウムのSEM画像(b)、炭酸カルシウムに対し85
0℃の熱処理を行い形成された鋳型ナノ粒子である酸化カルシウムのSEM画像
(c)、CVD処理後(C/CaO)のSEM画像(d)、鋳型除去後(CMS
(I))のSEM画像(e)、CMS(I)の熱処理により形成したグラフェン
メソスポンジ(GMS(I))のSEM画像(f)、CMS(I)を空気雰囲気
下350℃で処理した後(CMS(II))のSEM画像(g)、及びCMS(
II)の熱処理により形成したグラフェンメソスポンジ(GMS(II))のS
EM画像(h)である。
表4


【特許請求範囲】
【請求項1】 多孔質炭素材料の製造方法であって、 CVD法により、酸化カル
シウムのナノ粒子からなる鋳型の表面に、グラフェンを含む前駆体を形成する被
覆工程と、 前記鋳型を酸で溶解して、前記鋳型と前記前駆体とを分離する除去
分離工程と、 前記前駆体表面に存在する非グラフェン炭素含有物質を除去する
除去工程と を含む、多孔質炭素材料の製造方法。
【請求項2】 前記除去工程が、前記前駆体を酸化処理することを含む、請求項1
に記載の製造方法。
【請求項3】 前記除去工程が、前記前駆体を280~450℃の温度において
酸化処理することを含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】 前記除去工程が、前記前駆体を280~400℃の温度において
酸化処理することを含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】 前記除去工程の後に、前記前駆体に熱処理を施す熱処理工程を更
に含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】 前記CVD法において、前記前駆体の原料である原料ガスとして
メタンガスを用いる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】 前記多孔質炭素材料の細孔が、前記グラフェンにより形成されて
いる細孔壁を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】 前記多孔質炭素材料が、メソ多孔質炭素材料である、請求項1乃
至7のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】 前記グラフェンが単層グラフェンである、請求項1乃至8のいず
れか1項に記載の製造方法。
【請求項10】前記酸化カルシウムのナノ粒子からなる鋳型が、 炭酸カルシウ
ムから生成されたものである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法。

太陽集熱による炭酸ガス熱分解


図.1 熱分解プロセスの概要(左)と反応性フォームデバイス(右)

1月30日、現状では、太陽光を使った炭酸ガス利用は太陽光発電に基づく水電解
で水素を製造し、この水素を炭酸ガスと反応させてメタン合成をするメタネーシ
ョンが注目されているが、電気を使わず、太陽の熱によって安価に炭酸ガスを分
解して燃料を製造する方法を新潟大学らの日米の研究グループが、太陽集熱によ
る炭酸ガス分解に新反応性物質を使用する技術を開発。
今回,新潟大学とコロラド大学は,キセノンランプによる集光を用いた室内実験
と,米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が保有する太陽炉を用いた実験に
より,反応性物質として酸素を吸蔵・放出する特性を持つセリア(CeO2)および
新たにヘルシナイト(FeAl2O4)のフォームデバイス(多数の「空隙」を有する発
泡体)を利用し,炭酸ガスを酸素と一酸化炭素に分離に成功。

このシミュレーション技術を用いてプラントの解析を実施し,太陽光から合成
燃料までの総合変換効率をセリアについて10%以上に向上できる見通しと,ヘル
シナイトはセリアの2倍以上の反応活性を示すことを実験的に明らかにし,新し
い反応物質として将来性が高いことを確認。この技術により,高温域でセリアが
非常に良好な反応性が示され,セリアによる高効率プラントの概念設計を完成す
ることができた一方で,ヘルシナイトはより低温で高い反応性をもつ。ヘルシナ
イトは安価な鉄とアルミニウムから製造できるため製造コストを劇的に下げるこ
とができると考えられる。研究グループは,高効率な炭酸ガス分解のめどが立っ
たことから,ソーラー燃料製造の低コスト化への応用が期待されている。

※ 詳細な報告書が例示されていないので実用性の判断ができない(例えば、ア
  ルゴンの物質収支は?)。


造色インクで世界最軽量クラスの塗装を実現
ナノ粒子わずか1層分でカラフルな構造色
1月31日、神戸大学の研究グループは,独自に開発した構造色インクを用いるこ
とにより,世界最軽量クラスの構造色塗装が可能であることを実証。

【要点】
1.ナノ粒子をわずか一層塗るだけで、カラフルな構造色を実現。
2.環境・生体への負荷が小さいケイ素からなるナノ粒子を利用。
3.理論上、1平方メートルあたり0.5グラムで塗装できる (世界最軽量クラス)。
4.軽量且つ高耐久性が求められる航空機、船舶、レースカーなどの塗装への応
 用が期待される。

研究グループでは,屈折率が非常に高いケイ素ナノ構造が示すMie共鳴を利用し,
特定の波長の光を強く散乱させることで発色させる手法を開発してきた。特に,
ほぼ真球の結晶シリコンナノ粒子の作製,粒径制御と安定な溶液分散を実現し,
粒径によって発色が変化する構造色ナノ粒子インクを世界で初めて実現した。
今回の研究では,構造色ナノ粒子インクを用いてシリコンナノ粒子が一層だけ
配列した非常に薄い膜を形成し,その発色特性について詳細な調査を行なった。

はじめに,シリコンナノ粒子が六方格子状に配列した構造について,電磁場シ
ミュレーションにより反射率スペクトルを評価した。その結果,わずか1層のシ
リコンナノ粒子単層膜でも反射率が約50%に達し,明るい構造色が得られること
がわかった。また,粒子間の距離をあけて 粒子をまばらに配列すると反射率が
さらに増加した。例えば,粒子間距離を50nmにすると,最大で90%以上の反射率
が得られた。また,さらに間隔をあけて,粒子の体積充填率を10%まで減少させ
ても,反射率は70%を超えることを見出した。これは,個々のシリコンナノ粒子
が非常に高 い散乱効率を有していることに起因し,非常に少ない材料で明るい
構造色が得られることを示している。 この特性を実証するために,ラングミュ
ア-ブロジェット(LB)法により,ガラス基板上にシリコンナノ粒子の単層膜を
形成した。粒子膜は,粒径に依存して紫~橙色の構造色を示した。 この発色は,
斜め45度から観察してもほとんど変化せず,従来の構造色と異な り角度依存性
が非常に小さいことがわかった。全光線反射率測定により反射特 性を評価した
ところ,ピーク反射率は30~50%であり シリコンナノ粒子の単層 膜によって十
分に明るい構造色が実現できることが明らかになった。さらに, シリコンナノ
粒子単層膜を部分的に酸化して疑似的に粒子間の距離を大きくした 試料につい
ても研究を行なった。それにより,基材上にシリコンナノ粒子がまばらに散在
した状態においても,構造色によって着色できることを示した。研究グループ
は,この成果は,従来の塗料よりはるかに少ない量で着色塗装が可能であるこ
とを示しており,例えば,大型航空機の塗装を1/10以下に軽量化でき る可能性
があるとしている。
【掲載論文】
原 題:“Structural CoMonolayer of Mie-Resonant Silicon Nanospheres for loration
D O I : 10.1021/acsanm.3c04689
掲載誌: ACS Applied Nano Materials&





燃えろいい女   1979.4.5
ツイスト  作詞/積極:世田公則


今夜の寸評 :体調をリゲインしたなら、それなりに全力疾走!
昨日は学区町内会老人会で小学生一年生(3クラス)とお遊交流会に参加。そ
なりに学ぶものあり。世話役の永井さんとは長いつきあいだが彼の地域を盛り上
げようとする情熱を感得しそれなりに有意義であった。剣玉担当だったが。視力
の衰えがこんなところに顕れ、少し考えることに。



SCREEN,基板向けAI検査計測ソリューションを設立

 

コメント
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新成長経済理論考 ⑮

2023年12月14日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

                                           

                  浮寝鳥うきねどり 大谷フィーバ 素知らねど
                         

※最近は、ブログのネット検索・編集・翻訳・思索に時間を取られ、短歌は書け
ずにいる。その点、俳句は、季語が頼りになり何とか書け、便利といえば、便利。
究極のミニマリズムがここにあり、それだけでなくキャッチーな見出しの創作に
役立つこともしばしば。

【今夜のひとり鍋:野菜たっぷり餃子鍋



冷凍餃子といえば味の素が定番だったが、今年になり大阪王将の水餃子も販売購
入するようになる(わたし専用、彼女は焼き餃子専用)。美味いね、日本は出汁、
タレ、香辛料が簡単に入手可能、しかし「五香粉」の買い換えはない。それから
豆苗などの切り株は残して家庭栽培し増やすことができ、「小さなSDGs」となる。

 
 
  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era

新成長経済理論考 ⑮
 高付加価値としての再エネ事業の選択と集中



ところで、上図の 産総研「人工光合成技術の現状と太陽光発電との融合」での電力目
標価格は7円/kwhと設定されており、来る時期がくればわたし(たち)の目標価格につい
ての見通しの根拠を算定値を提示してみたい。さて、半導体製造の2つの最新技術を
掲載。

 

サブミクロン配線向けDLTデジタルリソグラフィ技術(DLT)
12月13日、ウシオとAMATは、パッケージへのチップレットやHI(ヘテロジニアス
インテグレーション)のロードマップを加速するための戦略的パートナーシップ
の締結を発表。
人工知能(AI)時代のコンピューティングに求められる先進的基板をパターニン
グするために特別に設計された初のデジタルリソグラフィ装置を共同で市場投入
する。AIの活用が急増し,より高機能で大型のチップへのニーズが高まっている。
AIのパフォーマンス要件が従来のムーアの法則に沿ったスケーリングを上回るペ
ースで高度化していることから,半導体メーカは最先端のパッケージに複数のチ
ップレットを実装するHI技術を採用している。



そのような中,半導体業界は,極細配線や優れた電気・機械特性が得られる,例えばガ
ラス基板のような新材料を使った大型のパッケージ基板を求めており,今回の戦略的
パートナーシップは,こうした移行を加速させるためのものだとする。 新しいデジタルリ
ソグラフィ技術(DLT)装置は,量産レベルのスループットを実現しながら,先進的基板
アプリケーションに求められる線幅2μm以下のパターニングに対応する。



また,ガラスや有機材料製の大型パネルや, ウエハーを含むあらゆる基板上のチップ
レット設計において, 最適な解像線幅を実現することができる。さらに,予想外の基板
の反りという課題を解決しながらオーバーレイ精度を実現するために独自設計されてい
る。 すでに量産用の装置が複数の顧客に出荷されており,ガラスその他の最先端パッ
ケージング基板上で2μmのパターニング製造実証が行なわれているという。 今後,両社
は共同で研究開発と拡張的なロードマップの定義を行ない,線幅1μm以下の最先端パ
ッケージングに向けて継続的なイノベーションを進める。また,ウシオは製造技術および
カスタマーサポートのインフラを活用してDLTの採用を促進するとしている。



3nm相当EUVフォトマスク製造プロセス開発
12月12日、大日本印刷株式会社は、半導体製造の最先端プロセスのEUV(Extreme
Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィに対応した、3ナノメートル(nm: 10-9m)
相当のフォトマスク製造プロセスを開発。

スマートフォンやデータセンター等で使われるロジック半導体の高性能化に伴う、
回路
線幅の微細化ニーズに対応。同社は2020年に5nmプロセス相当のEUVリソグラ
フィ向けフォトマスク製造プロセスを開発し,今回,さらなる微細化のニーズに
対応すべく開発を行なった。 同社が2016年に導入したマルチ電子ビームマスク
描画装置は,約26万本の電子ビームの照射が可能で,複雑なパターン形状でも描
画時間を大幅に短縮できる。今回,この装置の特性を活かした製造プロセスを改
善し,データ補正技術や,EUVリソグラフィ向けフォトマスクの複雑な曲線パタ
ーン構造に合わせた加工条件を最適化した。

同社は新たにマルチ電子ビームマスク描画装置を増設し,2024年下期に稼働を開
始する予定だという。また,EUVリソグラフィ向けフォトマスクなど先端領域の
半導体製造の対応を強化する。 さらに,ベルギーに本部を置く最先端の国際研
究機関imec(Interuniversity Microelectronics Centre)と次世代EUV露光装置向けフ
ォトマスクの共同開発を推進するとしている。 同社では,今回開発した3nm相当
のEUVリソグラフィ向けフォトマスクを世界中の半導体メーカーのほか,半導体
開発コンソーシアム,製造装置メーカー,材料メーカー等へ提供するとともに,
EUVリソグラフィの周辺技術開発も支援し,2030年には年間100億円の売上を目指
す。 また,imecをはじめとしたパートナーとの共同開発を通じて,3nmより微細
な2nm以降のプロセス開発も進めていく。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------


従来の「サステナブル基地局」の写真

 曲がる太陽電池を活用した基地局を検証 
電柱型基地局のポールに巻き付け、敷地面積が少ない基地局で太陽光発電可能に
12月6日、KDDI,KDDI総合研究所,エネコートテクノロジーズは,2024年2月から,曲が
る太陽電池「ペロブスカイト型(ペロブスカイト太陽電池)」「CIGS型(CIGS太
陽電池)」を活用した「サステナブル基地局」の実証実験を群馬県で開始する。

KDDIは,電力などのエネルギー消費を通じて年間約94万トンのCO2を排出しており
,これは一般家庭の約40万世帯分に相当する。基地局に関連する電力使用量は同
社全体の電力使用量の約5割を占めており,基地局の省電力化が重要な課題とな
っていた。 そこで同社は2023年6月9日から,太陽光パネルを活用した「サステ
ナブル基地局」を運用開始した。一方,基地局の多くを占めている電柱型基地局
やビル設置型基地局など,敷地面積が狭く太陽光パネルの敷設が難しい基地局へ
の展開が課題だった。 今回の実証では,「薄い・軽い・曲げやすい」といった
特長を有し,次世代の太陽電池として期待されているペロブスカイト太陽電池を
電柱型の基地局に設置したポールに巻き付ける。

この曲がる太陽電池を巻き付けたポールを電柱型基地局に8本(ペロブスカイト太
陽電池4本,CIGS太陽電池4本)設置する。基地局本体の電柱から少し離した位置
にポールを設置することで,ケーブル配線などへの影響を最小限にし,発電効率
の最大化を図る。 この実証での設置方法による発電効率を測定し,この基地局
の有用性や設置方法を検証する。また,ペロブスカイト太陽電池とCIGS太陽電池
の発電効率や設置上の課題を比較。


曲がる太陽電池を活用した「サステナブル基地局」

曲がる太陽電池による発電で不足している電力は,カーボンフリープランの電力
を活用することで,24時間365日CO2排出量実質ゼロを実現する。発電ができない
夜間や悪天候時も,カーボンフリープランの電力を活用する。ペロブスカイト太
陽電池で発電した電力で商用基地局を運用する実証実験は国内初だという。これ
により,敷地面積の少ない電柱型の基地局でも太陽光発電を可能とし,「サステ
ナブル基地局」の拡大を目指す。



図1.本技術の概念図。可視光によりダイヤモンド中の電子が励起され,その
電子がダ イヤモンドの外に放出されることにより水和電子となり,水和電子に
より CO2 が還元さ れ,CO が生成される様子

ダイヤモンド触媒でCO2を可視光で還元 
12月12日、金沢大学とダイセルは,爆轟法で合成したナノダイヤモンドを基軸と
した独自のダイヤモンド固体触媒を開発し,可視光を当てることで放出される電
子により二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する事に成功。
【概要】
共同研究グループは,爆轟(ばくごう)法で合成したナノダイヤモン ドを基軸
とした独自のダイヤモンド固体触媒を開発し,可視光を当てることで放出される
電子により二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する事に成功。
共同研究グループは,爆轟(ばくごう)法で合成したナノダイヤモンドを基軸と
した独自のダイヤモンド固体触媒を開発し,可視光を当てることで放出される電
子により二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する事に成功。
太陽光に6%程度しか含まれない紫外光をダイヤモンドに当てることで,周囲の
二酸化炭素が還元されることは既に知られていたが,太陽光に最も多く(約50
%)含まれる可視光を用いて同現象が確認できたのは,世界で初めて。

ダイヤモンドは電気を通さない絶縁体として有名,ホウ素を高濃度に含むことで
導電性物質となる。これを利用し,化学的に安定な材料として電気化学分野での
応用研究が盛んに行われてきました。特に,微量の化学物質を検知できる高感度
センサ ーや効率的にオゾン水を生成できる電極として大きな注目を浴びており,
既に複数の企 業によって社会実装が進められています。一方、ダイヤモンドを
二酸化炭素の電解還元 に用いる場合は過電圧が大きく。実用的な分解電圧で還
元するには助触媒金属との複合 や深紫外光などの高エネルギー光の照射が必要
不可欠。
今回,株式会社ダイセル の爆轟合成技術と,金沢大学の化学気相成長(CVD)技
術を組み合わせた,独自のダイヤモンド結晶化技術により,太陽光に最も豊富に
含まれる可視光を吸収して電子を放出 する特殊な結晶構造を持ったダイヤモン
ド触媒を開発し,放出された電子によって二酸 化炭素を一酸化炭素へと還元す
る事に成功。
当技術(太陽光超還元®)は,触媒寿命の長さや所要電力の少なさという観点で,
カーボンネガティブ社会の実現を大幅に近づける革新的カーボンリサイクル技術
として期待。株式会社ダイセルでは,工場から排出される二酸化炭素を各種化工
品原料となる一酸化炭素へと還元するサステナブル技術として,自社の化学プラ
ントにて実証実験を行う事を計画中。


図1.提案されているビーム誘起酸化の 3 つのモード。
(1) 一次電子 (PE) によるガスのイオン化、ここで、高エネルギー PE が酸素
分子 (赤い球) と相互作用して電子をノックアウトし、結果として (1a) のい
ずれかが生じる。直接イオン化または (1b) 解離的イオン化。
(2) 二次によるガスイオン化電子(SE)、ここで、PE は低エネルギー SE が放
出されるような方法でサンプルと相互作用する。 これは次に酸素分子と相互作
用し、(2a) 直接イオン化または解離性イオン化 - (1) と同じ - または (2b)
のいずれかにつながり電子捕獲する。
(3) 原子置換、一時的または永続的な原子置換。ここでは、PEによる炭素原子
(黒い球) の置換により、酸素分子がサンプルを直接酸化する欠陥部位が生じる。


図 6. 600 °C、1 Pa O2 で取得した CB の高解像度 ETEM 画像から決定された
(a) 酸化速度と (b) メカニズム。 電子線量率の増加の影響は、300 keV (➕)
と 100 keV (⬟) の両方の PE エネルギーで示す。 黒い線は、各 300 keV デー
タの平均を直接接続。 飽和効果を示す。 緑色の陰影領域は、低線量の間欠イ
メージングから決定された固有の酸化挙動の範囲を表す。 (b) では、高い電子
線量率で表面酸化の割合が劇的に増加していることに注目。

【関係技術情報】
雑誌名:Carbon
論文名:CO2 reduction by visible-light-induced photoemission from heavily N-doped
     diamond nano-layer
著者名:Taro Yoshikawa, Hitoshi Asakawa, Tsubasa Matsumoto, Kimiyoshi Ichikawa,
      Akira Kaga, Shintaro Yamamoto, Ryosuke Izumi, Mitsuru Ohno, Tomoaki Mahiko,
      Mitsuteru Mutsuda, Satoshi Yamasaki, Norio Tokuda

掲載日時:2023年12月1日にオンライン版に掲載
DOI: 10.1016/j.carbon.2023.118689
URL : https://doi.org/10.1016/j.carbon.2023.11868
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 ゼロ・エネルギー・ビルの普及で温暖化による将来の電力需要増加が約半分
電力消費 ビッグデータと都市気候モデルによる脱炭素技術の導入効果の推定

11月29日、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」)などの共同
研究グループは、極端高温時のエネルギー消費量などへの影響評価の一環として、
首都圏の電力消費量の実態を明らかにするとともに、気候変動に伴う電力消費量
の将来変化を推計。その結果、今後の地球温暖化により、特に都心部のオフィス
街区の電力消費量が大幅に増加する可能性が示された。
【要点】
1.詳細な電力消費ビッグデータと都市気候モデルを用いて将来の電力消費量の
 変化を推計
2.気候変動に伴い首都圏の電力消費量は大幅に増加する恐れ
3.2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素技術導入効果の評価に貢献
【展望】
首都圏に限らず日本全国、さらには世界の各都市の電力消費ビッグデータを用い
て、気候区分や建物の断熱性、エアコン普及率などの条件が異なるさまざまな地
域での将来の電力推計を行う予定。また、産総研が独自に開発している都市気候
モデルを用いた数値シミュレーションを交えて、それぞれの地域に有効な脱炭素
技術の提案につなげたいと考えている。
【掲載論文】
掲載誌:Sustainable Cities and Society
論文タイトル:Decarbonisation technologies can halve the nonlinear increase in electricity d
  emand in densely populated areas due to climate change

著者:Yuya Takane, Ko Nakajima, Kazuki Yamaguchi, and Yukihiro Kikegawa
DOI:10.1016/j.scs.2023.104966

 ゼロ・エネルギー・ビルの普及で温暖化による将来の電力需要増加が約半分に
電力消費ビッグデータと都市気候モデルによる脱炭素技術の導入効果の推定

11月29日、 産業技術総合研究所(「産総研」)らの共同グループは、首都圏の電
力消費
量の実態を明らかにするとともに、気候変動に伴う電力消費量の将来変化
を推計。その結果、今後の地球温暖化により、特に都心部のオフィス街区の電力
消費量が大幅に増加する可能性が示した。

【要点】
1.詳細な電力消費ビッグデータと都市気候モデルを用いて将来の電力消費量の変化を
 推計
2.気候変動に伴い首都圏の電力消費量は大幅に増加する恐れ
3.2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素技術導入効果の評価に貢献。
【概要】
電力消費の変化量の推計は、首都圏の詳細な電力消費ビッグデータと温暖化予測技
術を基に行われた。この推計方法に、産総研が独自開発した都市気候モデルを組み合
わせることで、将来の電力消費量の変化が、脱炭素化技術の普及でどのように変わり
得るかを推定することが新たに可能に。この新たな推定方法で、将来、脱炭素化技術が
普及したと想定した場合、都心部における建物のエアコン使用による電力需要増加が
半分程度に抑えられる可能性が示された。この結果は、電源構成が将来も変わらない
と仮定すれば電力由来のCO2排出量の増加も半分程度に抑えられることを示す。これ
らの技術と推定結果は、2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素技術の導入
効果や暑熱対策のためのヒートアイランド対策技術の評価に役立つ。
【掲載論文】
掲載誌:Sustainable Cities and Society
論文タイトル:Decarbonisation technologies can halve the nonlinear increase in electricity d
 emand in densely populated areas due to climate change
著者:Yuya Takane, Ko Nakajima, Kazuki Yamaguchi, and Yukihiro Kikegawa
DOI:10.1016/j.scs.2023.104966


特徴的な配列を認識してゲノムを切断

動物・植物においてゲノム編集を高効率に実現する新しいツール

11月30日、産総研らの共同研究グル-プは、新しいゲノム編集ツール「AalCas9」を発見・
開発し、特許登録を受けました。深海堆積物から単離された微生物のゲノムにコードさ
れている「AalCas9」は、PAM配列を認識し、ガイドRNAにより、ターゲットDNA配列を切
断する酵素。
【要点】
1.新しいゲノム編集ツールとなりうる遺伝子「AalCas9」を単離
2.ゲノム配列上の特徴的な配列「5’-NNACG-3’」をターゲットにしていることを発見
3.動物細胞・植物においてゲノム編集を実用に足る効率で実施できることを確認
【展望】
「AalCas9」は、「5’-NNACG-3’」という配列を認識する特徴を持つため、ゲノム編集ツー
ルを拡張します。TOPPAN・産総研・インプランタは共同で、本ツールをゲノム編集の基
盤的技術として、事業に展開させることを企図しています。医療・農業・ものづくりなど、
ゲノム編集を基盤としたさまざまな産業の拡大・発展に貢献。

【関連特許】
特許番号:特許第7353602号
発明の名称:ゲノム編集方法およびゲノム編集用組成物
発明者:寺川輝彦3 矢野翼3 光田展隆1 中村彰良1 菅野茂夫1 伊藤誠一郎2 牧野洋一2  
1国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2TOPPAN株式会社、3株式会社インプラン
タイノベーションズ
【概要】
下図1のごとく、核細胞のゲノム内の標的DNA配列を部位特異的に改変する方法であ
って、前記真核細胞中に、 (1)塩基配列5’-NNACNN-3’(「N」は各々、アデニン、
シトシン、チミン、およびグアニンから独立して選択される任意の1塩基)を含むPAM(
プロトスペーサー隣接モチーフ)配列を認識するCasタンパク質、または、当該Casタン
パク質をコードする核酸、および、 (2)ゲノム内の前記標的DNA配列にハイブリダイズ
し得ると共に、前記Casタンパク質と複合体を形成し、前記複合体の前記標的DNA配
列への配列特異的結合を指向することが可能なガイドRNA、または、当該ガイドRNA
をコードする核酸を導入することにより、前記真核細胞のゲノムを前記標的DNA配列に
おいて改変することを含む、真核細胞ゲノム内の新たなPAM配列を認識して当該ゲノ
ムを部位特異的に改変可能なゲノム編集手段を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 真核細胞(但しヒト生体内(インビボ)細胞を除く)のゲノム内の標的DNA配
列を部位特異的に改変するための方法であって、 前記真核細胞中に、 (1)配列番号1
に記載の塩基配列5’-NNACNN-3’(ここで「N」は各々、アデニン、シトシン、チミン、
およびグアニンから独立して選択される任意の1塩基を意味する。)を含むPAM(プロト
スペーサー隣接モチーフ)配列を認識するCasタンパク質、または、当該Casタンパク質
をコードする核酸、および、 (2)ゲノム内の前記標的DNA配列にハイブリダイズし得る
と共に、前記Casタンパク質と複合体を形成し、前記複合体の前記標的DNA配列への
配列特異的結合を指向することが可能なガイドRNA、または、当該ガイドRNAをコード
する核酸 を導入することにより、前記真核細胞のゲノムを前記標的DNA配列において
改変することを含むと共に、 前記Casタンパク質が、配列番号4に記載のアミノ酸配列
と90%以上、又は92%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は
98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項2】 前記Casタンパク質が、アビシコッカス(Abyssicoccus)属菌、好ましくはアビ
シコッカス・アルバス(Abyssicoccus albus)に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記Casタンパク質が核局在化シグナル(NLS)を含む、請求項1に記載の
方法。
【請求項4】 前記Casタンパク質が、エンドヌクレアーゼ活性を有する、請求項1に記載の
方法。
【請求項5】 前記PAM配列が、配列番号2に記載の塩基配列5’-NNACGN-3’または
配列番号3に記載の塩基配列5’-NNACAN-3’を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】 前記ガイドRNAが、1本鎖ガイドRNA(sgRNA)であると共に、crRNAおよ
びtracrRNAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】 前記crRNAが、標的DNA相補鎖と二本鎖を形成することが可能な15~
30ヌクレオチド長のスペーサー配列を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】 前記crRNAが、12~36ヌクレオチド長のステムループを含む、請求項6に
記載の方法。
【請求項9】 前記真核細胞が、動物細胞、植物細胞、又は微生物細胞である、請求項1
に記載の方法。
【請求項10】 前記Casタンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列が、動物細胞、
植物細胞、又は微生物細胞における発現のためにコドン最適化されている、請求項1に
記載の方法。
【請求項11】 請求項1~10の何れか一項に記載の方法に使用するためのゲノム編集
用組成物であって、前記のCasタンパク質、または、当該Casタンパク質をコードする核
酸を含む組成物。
【請求項12】 前記のガイドRNA、または、当該ガイドRNAをコードする核酸を更に含む、
請求項11に記載の組成物。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------

                            
【水素列車 ①】
世界初の「水素エンジン」搭載鉄道車両の開発
11月16日、JR東海はカーボンニュートラル実現に向けた「水素動力車両」の開発
について発表。「水素エンジン車」の活用も検討しているとの方針を示した。水
素エンジン車は、既存のディーゼル車のように、レシプロエンジンなどを動力源
とするもの。自動車業界では、過去にマツダが水素を使用可能なロータリーエン
ジン車を開発したほか、近年はトヨタ自動車が気体および液体の水素を燃料とし
たエンジンを開発し、自動車レース「スーパー耐久」に投入している。鉄道業界
では、水素燃料電池車両はJR東日本の「HYBARI」などの先行例があるが、水素エ
ンジン車の事例はなく、JR東海の取り組みが世界初となる。 同社が開発を進め
る水素動力車両は、燃料電池または水素エンジンと、蓄電池を組み合わせた、ハ
イブリッド車両とする。水素を燃料として使用することで、走行時のCO2排出量を
ほぼゼロに抑えることができる。車両の開発は、同社と日本車輌製造が共同で実
施。車両制御装置は、東芝インフラシステムズが開発する。燃料電池は、トヨタ
自動車製のモジュールを使用。水素エンジンはi Laboが開発する。また、将来の
水素供給体制については、ENEOSと検討を進める。



i Laboが開発した水素エンジン(イメージ)
同社では、水素動力車両の開発にあたり、愛知県の小牧研究施設にある車両走行
試験装置で、模擬走行試験を実施。山間部が多く長距離となる同社の非電化路線
への適合可能性などを検証するとしている。JR東海らは今後、2023年11月に燃料
電池を活用した試験を、2024年度以降に水素エンジンを活用した試験を、それぞ
れ実施する。

模擬走行試験の概要
via 鉄道コム

 風蕭々と碧い時
地球という名の都  ASKA 
2023.01.08 
作詞/作曲:ASKA/澤野 弘之




今夜の寸評: 希望の灯火 どこまでも                             浄土宗 月訓 
              Good deeds you have done for others are certaine to hope

 

コメント
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新成長経済理論考 ⑪

2023年12月06日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。



毎年11月28日は世界で水餃子を楽しく頂きましょう!
Let's Eat Dumplings around the world!
と掲載したが、事業(プロジェクト)の基本骨子が抜け落ちていた(よくあるこ
とだが)。餃子ポケットに入れる具材は地方の具材にあわせ自在に餡・刻み・ペ
ーストなど)を分離製造販売するということで、商品販売の時宜や祝賀・支援を
テーマと入れ付加価値を加え、顧客の要望になどにあわせ製造販売した収入の一
部還元するするというものである。



すべての人・生物のDNA情報を犯罪から守れ!
23andMeはハッカーが690万人のユーザーの先祖データを盗んだことを確認 1
2月01日、遺伝子検査会社23andMeはハッカーが顧客の0.1%、約1万4000人の個人
データにアクセスしたと発表。 同社はまた、ハッカーはこれらのアカウントにア
クセスすることで「他のユーザーの祖先に関するプロフィール情報を含む多数の
ファイル」にもアクセスできたというが、3andMeは何人かは明かしていない。

Genetic testing tool 23andMe has genetic data of 6.9 million people
stolen by hacking

米国証券取引委員会に提出された文書によると、ハッキング攻撃を開始した攻撃
者は、データが漏洩したアカウントの資格情報を悪用して不正アクセスを取得す
る資格情報スタッフィング攻撃を使用したもよう。 これにより、23andMeユーザ
ーの0.1%に相当する約1万4000のユーザーアカウントに直接アクセスできるよう
になったもよう。 そこから、攻撃者は DNA 親戚を使用して、他の何百万人もの
人々の遺伝的プロフィール情報を入手した可能性がある。当社のシステム内でデ
ータセキュリティインシデントが発生したことや、23andMeがこれらの攻撃で使用
されたアカウント資格情報の漏洩元であることを示す兆候はまだないとのこと。
Dec 05, 2023 11:45:00 Verge. spoke.、 via  GIGAZINE


DNA検査による親戚探・犯罪操作(NL66)テレビCMが流れるなど、日本でも消費者
が直接遺伝子検査を受けるDTC遺伝学的検査が一般的になりつつある、
欧米では2006年頃からサービスが始まり、全世界では3500万人以上がこのようなサー
ビスを利用したという。2018年には、遺伝学的検査を利用して1970年代半ばにカリフォ
ルニアで起きた殺人事件の容疑者を特定したことが話題になりました。警察が犯人のD
NAサンプルを解析して、GEDmatchという無料オンライン家系図データベースに登録す
ることにより、『みいとこ(祖父母のいとこの孫)』の関係にある人物をみつけて、系図か
らひとりに絞り込んでいる。
米国では、DTC遺伝学的検査を25人にひとりが利用しており、利用者は自分のデータを
ダウンロードして別のサービスに移すことができるそうです。現在、GEDmatchを利用して
いる人はごくわずか(成人人口の0.5%)だが、Science誌に寄稿した研究グループは、利
用者が4倍になれば、欧州にルーツを持つ人のほとんどにたどり着くことができるとして
いる。 このようなサービスの利用は、親戚探しや犯罪捜査には有効ですが、一方でプ
ライバシーの侵害にもつながると懸念されおり、厳格な法整備とともに、サービスを利用
する個人が、データの意味するところを正しく理解する必要があると言える。
via DNA検査による親戚探し(NL66) ; かずさDNA研究所
 

  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era
再エネ革命渦論 202
 アフタ-コロナ時代 186】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング



進化するAIで非白金族元素電極材料を探し出し
エコな水素の普及のための新規材料開発支援
11月30日、NIMSは、所望の特性を持つ材料をAIと人との連携により短期間で発見
する手法を開発しました。この手法は、水の電解装置に必須とされてきた白金族
元素を用いない新規電極材料の発見を導き、次世代エネルギー“エコな水素”製
造の低コスト化と大規模導入を加速する。
【概要】
1.カーボンニュートラル実現に向け、二酸化炭素を出さないエコな水素を製造
できる水電解装置の大規模導入が求められている。しかし、現在の水電解装置の
特性は高価で希少な白金族元素型の電極触媒材料に依存するため、当該材料の汎
用元素化による水素製造が必須となる。水電解による水素発生には、酸素発生反
応=Oxygen evolution reaction (OER) が伴うが、OERは反応速度が遅いという問題が
あり、これを速めるため電極触媒材料には高価で希少な白金族元素が必須と考え
られていた。そこで、OER電極触媒の低コスト化・大規模化対応に際し、白金族元
素を用いない多元系材料が注目を集めている。しかし、元素の組合せや化学組成
は無限にあり、最適な材料組成を発見するためには、膨大なコスト、時間、人的
資源が必要。
2.NIMS研究チームはデータ数によって予測する手法を変化させて進化すること
で、所望の特性を示す材料を正確に予測するAIを開発。このAIと人が連携するこ
とで、人のみで全候補材料を網羅的に探索すると6年近くかかる3000個程度の候補
から、たった1カ月でOER電極触媒材料に適した新規材料を発見。発見された電極
触媒材料は、Mn、Fe、Ni、Zn、Agという比較的安価かつ豊富な元素で合成できる。
当該材料は、条件によってはこれまでのOER電極触媒材料の中で最もOER活性が高
いルテニウム (Ru) 酸化物を超える電気化学特性をもつ。例えば、今回の新規材
料の中で最も地殻存在量が少ないAgにしても、Ruの100倍近くも多く存在しており
水電解装置の大量生産を実現する電極触媒材料であると考える。
3.人のみでは膨大な時間がかかるより高特性な材料の探索と発見を、短時間の
うちに達成できたという点で、AIが人の能力を拡張した。今後、水電解向け電極
材料開発を筆頭に、様々な電気化学デバイスの高効率化を実現する新材料開発を、
本研究の成果 (AIと人との連携) で加速し、カーボンニュートラル実現のための
実用技術開発につなげる。
【掲載論文】
題目 : Human-Machine Collaboration for Accelerated Discovery of Promising Oxygen
Evolution Electrocatalysts with On-Demand Elements

著者 : Ken Sakaushi, Watcharaporn Hoisang, Ryo Tamura 雑誌 : ACS Central Science
掲載日時 : 2023年11月30日 アメリカ東部時間 午前8:00
DOI : 10.1021/acscentsci.3c01009


図 開発した永久磁石ベースの人工傾斜型多層積層体の模式図(左)と写真(右)
熱マネジメント技術の新たな可能性
磁気によって横型熱電変換を高性能化
11月30日、NIMSは、電流と熱流がそれぞれ直交する方向に変換される“横型”熱電変換
の性能を、磁場や磁性によって大幅に向上できることを実証
【概要】
1.NIMSは、電流と熱流がそれぞれ直交する方向に変換される“横型”熱電変換の性能
を、磁場や磁性によって大幅に向上できることを実証した。さらに、永久磁石材料と熱電
材料を複合化することにより、電流を流すことで冷却したり、熱から発電したりできる「熱
電永久磁石」という新しい機能性材料を開発しました。本成果は、磁石という身近な材料
で熱制御や環境発電を行う指針を提供する。
2.熱電変換技術の応用に向けて研究が進められているゼーベック効果やペルチェ効
果は、熱流と電流が同じ方向に変換される“縦型”熱電効果。縦型の場合、熱電変換効
率が高い一方で、素子構造が複雑になるという短所が指摘されている一方で、横型熱
電効果を用いれば素子構造が簡略化されるため、熱電変換素子の高効率化・低コスト
化・耐久性向上につながると期待されているが、熱電変換効率が実用レベルに達してい
ないなどの問題があります。さまざまな物理現象により駆動される横型熱電変換は、磁
場や磁性によって生じる現象 (磁気熱電効果) と素子構造や電子構造の異方性によっ
て生じる現象に分類され、これまで各現象の研究は独立に進められてきた。
3.NIMSの研究チームは、磁気熱電効果を含む3種の異なる現象を同時に発現させる
複合材料を作製し、横型熱電変換による冷却の高性能化を実現。大きな磁気熱電効果
を示すBi88Sb12合金と大きなペルチェ効果を示すBi0.2Sb1.8Te3合金を交互に積層・接合し
て斜めに切断した複合材料 (人工傾斜型多層積層体) を用いて、磁場をかけることで横
型熱電変換性能が向上し、この増大が3種の現象によるハイブリッド熱電変換に由来す
ることを示しました。さらに、複合材料中の一部を永久磁石に置き換え、磁場がなくても
磁気熱電効果で横型熱電変換性能を向上できることを実証。
4.本研究により、磁石に高性能の熱電冷却・発電機能を付与するための材料設計指
針を確立しました。今後、社会の省エネルギー化に資する熱マネジメント技術やIoT技術
に必要な環境発電への応用展開を目指し、材料・デバイス技術開発に取り組んでいく。
【掲載論文】
題目 : Hybrid Transverse Magneto-Thermoelectric Cooling in Artificially Tilted Multilayers
著者 : Ken-ichi Uchida, Takamasa Hirai, Fuyuki Ando, Hossein Sepehri-Amin
雑誌 : Advanced Energy Materials
掲載日時 : 2023年11月29日
DOI : 10.1002/aenm.202302375


図.異方性磁気トムソン効果の模式図
磁性材料の熱電変換現象を磁化の向きで操る
「異方性磁気トムソン効果」を初めて直接観測」
11月22日、NIMSは、温度差を付けた導電体に電流を流すと温度差と電流に比例した
吸熱・発熱が生じる現象 (トムソン効果) が、磁性体においては磁化方向に依存して異
方的に変化する「異方性磁気トムソン効果」の直接観測に成功。
【概要】
1.NIMSは、温度差を付けた導電体に電流を流すと温度差と電流に比例した吸熱・発
熱が生じる現象 (トムソン効果) が、磁性体においては磁化方向に依存して異方的に
変化する「異方性磁気トムソン効果」の直接観測に成功しました。本研究により、熱電物
性とスピントロニクスの融合領域に関する基礎物理および物質科学のさらなる発展や、
磁気で熱エネルギーを制御する新たな機能の発現が期待できる。
2.トムソン効果は、熱電変換技術の駆動原理であるゼーベック効果やペルチェ効果と
並び、金属や半導体における基本的な熱電効果の一つ。ゼーベック効果やペルチェ効
果に及ぼす磁気の影響は長年研究されてきたが、トムソン効果の熱電変換能は一般的
に小さく、その計測・評価手法も十分に確立されていなかったため、トムソン効果が磁場
や磁性にどう影響されるかは明らかにされていない。そのような状況の中、NIMSは2020
年に非磁性の導電体におけるトムソン効果が磁場によって変化する現象を観測した実
験を報告。今回はさらに精密な熱計測を行うことで、磁性体における異方性磁気トムソ
ン効果の観測に成功した。非磁性体における磁気トムソン効果と磁性体における異方
性磁気トムソン効果は発現機構が異なり、未開拓現象の初めての直接観測例になる。
3.NIMSの研究チームは、ロックインサーモグラフィ法と呼ばれる熱計測技術を用いて
強磁性合金Ni95Pt5に温度差を与えながら、電流を流した際に生じる温度分布を精密に
測定し、磁化方向によりトムソン効果がどう変わるかを検証。その結果、Ni95Pt5合金に
生じる吸熱 (もしくは発熱) 量が、温度勾配・電流と磁化が平行な場合は、それぞれ垂直
な場合よりも大きいことを明らかにした。この振る舞いは磁性体におけるゼーベック効果
やペルチェ効果の測定から予想される変化と一致した。
4.本研究により、異方性磁気トムソン効果の基本的な性質が明らかになり、その計測
・評価技術が確立。今後、異方性磁気トムソン効果に関する物理・材料・機能探索を進
めることで、熱・電気・磁気の相互作用がもたらす新しい物理現象の観測や、電子デバ
イスの効率向上・省エネルギー化に資する熱マネジメント技術への応用展開を目指す。
【掲載論文】
題目 : Observation of the Anisotropic Magneto-Thomson Effect
著者 : Rajkumar Modak, Takamasa Hirai, Seiji Mitani, and Ken-ichi Uchida
雑誌 : Physical Review Letters
掲載日時 : 2023年11月17日
DOI : 10.1103/PhysRevLett.131.206701


New Alchemy Era 
------------------------------------------------------------------------
 Science has always followed a natural rhythm of alternating phases of expansion and
 concentration. Times of unstructured exploration were followed by periods of consoli-
 dation, grounding new knowledge in fundamental concepts. We can only hope that the
  current period of creative tinkering in artificial intelligence, quantum devices and gen-
 etic editing, with its cornucopia of useful applications, will eventually lead to a deeper
 understanding of the world.

                                         via Quanta Magazine
                                                                        "The Uselessness of Useful Knowledge"

科学は常に、拡大と集中の段階を交互に繰り返す自然なリズムに従って。 構造
化されていない探求の時代の後には、基本的な概念に新しい知識を根付かせる統
合の
時代が続いた。 私たちは、人工知能、量子デバイス、遺伝子編集における
創造的ない
じくり回しの現在の時期と、有用なアプリケーションの宝庫が、最終
的には世界のより深
い理解につながることを願うばかりである。 
                        「有用な知識の無価値性」

------------------------------------------------------------------------------------------------------------
歴史の複雑さとは何か
               禍かなパリサイ人よ 陸海をめぐりて汝のゲヘナの子となす
                                                      マタイ伝 23-15


※元来、今日のエルサレム市の城門の外にある、深くて狭い谷底のゴミ捨て場。
そこでは、ごみを処分するために火が燃やされ続け、悪臭を放ち、処刑された
罪人の体や、ふさわしい埋葬をされなかった人体が埋められる場所でもあった
ゲヘナ (Gehenna)とは、ヒンノムの谷をさす。
 

「パレスチナ問題考 ③」後期19世紀 - 1920:
起源 1920 - 1948:イギリスによるパレスチナの委任統治

「パンとワイン」紛争 パレスチナ分割
1948 - 1967:中東戦争
1967 - 1993:第一次インティファーダ
1993 - 2000:オスロ和平プロセス
2000 - 2005:第二次インティファーダ
2005 - 2008:アッバース時代のはじまり
2008 - 2009:ガザ紛争
2010 - 2017:パレスチナ側の手詰まりと米トランプ政権発足 
2018 - 2021:「繁栄に至る平和」と「アブラハム合意」
2021年9月4日、コソボとセルビアは、アメリカ合衆国の仲介で、経済関係の正常
化で合意した。米国はまた、コソボとイスラエルの国交正常化と、セルビアの在
イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると発表した[253]。また
イスラエルのネタニヤフ首相は、「エルサレムに大使館を開設する、初めてのイ
スラム教徒が多数を占める国家であるコソボ」と述べ、コソボの在イスラエル大
使館も、エルサレムに開設されることを明らかにした[254]。
9月9日、アラブ連盟はオンラインで外相会議を開き、イスラエルとアラブ首長国
連邦の国交正常化について意見交換をした。パレスチナのマリキ外相は、両国の
国交正常化はアラブ和平イニシアティブに反する物と主張し、合意への非難声明
のとりまとめを求めた。しかし、アラブ連盟内部でも、既にイスラエルと国交の
あるエジプト、ヨルダンに加え、バーレーン、オマーンも国交正常化を支持した
ことから、非難声明の採択を行うことはできなかった[255]。
9月11日、米国のトランプ大統領は、イスラエルのネタニヤフ首相、バーレーン
のハリーファ国王と会談し、イスラエルとバーレーンの国交正常化で合意したと
発表した。パレスチナ問題については、併合の是非には触れず、「紛争の公正か
つ包括的で永続的な解決を達成するための努力を続ける」とした[256][257]。
また、(イスラエル占領下の)東エルサレムにあるアル=アクサー・モスクへの
イスラム教徒の自由な往来を認めると表明した。 ネタニヤフ首相は「他のアラ
ブ国家との和平合意締結に興奮している」との声明を発表した。バーレーンの国
営通信は、パレスチナとイスラエルの対立を終わらせるための「戦略的な選択」
だとするザヤニ外相の声明を伝えた。一方、パレスチナは「アラブの大義への裏
切り」であり「パレスチナを占領するイスラエルの醜い犯罪の正当化につながる
」と強く反発した[258]。米国のクシュナー大統領上級顧問は、電話での記者会見
で「これにより、イスラム世界の緊張が緩和され、パレスチナ問題を自分たちの
国益と、自分たちの国内優先事項に焦点を当てるべき外交政策から切り離すこと
ができるようになる」との見解を示した[259]。
9月15日、米国のホワイトハウスで、イスラエル、米国、アラブ首長国連邦、バー
レーンの4者で「アブラハム合意」が調印された[260]。合意では、トランプ政権
の和平案「繁栄に至る平和」を前提に、「両国民の正当なニーズと願望を満たす
イスラエル・パレスチナ紛争の交渉による解決を実現」するとした[261][262]。
米トランプ大統領は記者会見で、「我々はパレスチナ人に大金[注 17] を払って
きたが、我々は適切に扱われていなかった。(だからUNRWAなどへの)支払を止
めた」「彼らが敬意を払わないなら、我々はもう関わらない。彼らは状況を見て
いると思うし、我々は強い信号を送ってきた」とパレスチナを非難し、「繁栄に
至る平和」の受け入れを迫った[263]。またトランプは、「他の国は彼ら(パレ
スチナ)に援助を与えている。あなた(ネタニヤフ)が相手にしているのは、非
常に裕福な国だ。そして、これらの国々は我々と(和平の)署名をしている。全
ての国が署名をするだろう」と、これまでパレスチナを援助して来たアラブ諸国
が、「我々」(イスラエル・米国)の側に付いたことを暗示した[264]。
同日、ガザ地区からイスラエルにロケット弾攻撃があり、2人が負傷した[265]。
9月16日、イスラエル国防軍は報復としてガザ地区を空襲した[266]。
9月22日、パレスチナはアラブ連盟理事会の議長を返上した。議長は加盟国の持
ち回りで6ヶ月の任期であるが、パレスチナのマリキ外相は「議長職の間に、ア
ラブ人が(イスラエルとの)正常化に向けて突進するのを見ることは名誉なこと
ではない」と、加盟国への失望を示した[267]。
同日より、国連総会の一般討論演説が始まった。 パレスチナのアッバース大統
領は、イスラエルとアラブ首長国連邦・バーレーンの国交正常化を非難した。ま
た、パレスチナが国際法と国連決議を受け入れ(るという譲歩をし)たにもかか
わらず、イスラエルは合意に違反し、植民地主義を追求していると主張した。そ
して、和平問題の解決に向け、米国、国連、欧州連合、ロシアの4者を交えた国際
会議を、来年の早い時期に開催するよう、グデーレス国連事務総長に訴えた[268][
269]。 イスラエルのネタニヤフ首相は、アラブ首長国連邦・バーレーンとの国交
正常化は「平和と大きな利益をもたらす」と述べ、「他のアラブ・イスラム諸国
も、近いうちに平和の輪に加わることは疑いない」と主張した。また、パレスチ
ナの「完全に非現実的な主張」が交渉を停滞させたと非難し、「現実的な」和平
案(「繁栄に至る平和」)を受け入れるよう迫った[270][271]。 米国のトランプ
大統領は、イスラエルとアラブ諸国の和平合意を「新しい夜明け」と呼び、自国
の仲介努力を自賛した[272]。アラブ首長国連邦のアブダッラー外務兼国際協力大
臣は、イスラエル・米国との合意によって「併合を凍結できた」成果を強調し、
イスラエル・パレスチナの交渉再開による2国家解決を断固支持すると表明した[273]。
サウジアラビアのサルマーン国王は、従来の「アラブ平和イニシアティブ」に基
づくパレスチナの独立支持を表明する一方、米政権の和平仲介の労を支持した[274]。
9月23日、"The New Arab"によると、パレスチナ情報サービスのデータを引き、
ラマッラー(のパレスチナ政府)の収入が前年比で7割減少したと報じた。2019
年は、外国から5億ドル(約526億9千万円)の援助を得ていたが、2020年は2億5500
万ドルとほぼ半減した。特に、アラブ諸国からの援助は2億6700万ドルから3800万
ドルに、85%減少した。すなわち、減少の大半はアラブ諸国の援助縮小で占められ
た[275]。『エルサレム・ポスト』によると、アラビア語放送局"Al-Araby"および
"Al-Jadeed"は、
9月15日のトランプ・ネタニヤフの2者会談で、トランプは「裕福なアラブ諸国に
パレスチナ人にお金を払わないように頼んだ」と、アラブ諸国に圧力を掛けたこ
とを語ったという[276]。
9月25日、パレスチナのファタハとハマースは、半年以内に選挙を行うことで合
意した。まず立法評議会(国会)総選挙を行い、続いて大統領選、最後にPLO評
議員選を行う予定である。国会議員の任期は2010年、大統領の任期は2012年で切
れていたが、選挙が行えずにそのままになっていた[277]。
10月5日、サウジアラビアのバンダル・ビン・スルターン王子(元駐米大使)は、
サウジアラビア系のアル=アラビーヤで、イスラエルとアラブ首長国連邦・バー
レーンの国交正常化に対するパレスチナの非難は「冒瀆」であると非難し、「低
級な言説」は、従来パレスチナを支援してきた、サウジアラビアや世界の支持を
得られるものではないとした。同時に、パレスチナが、サウジアラビアと敵対す
る、イランやトルコとの関係を深めていることを非難した。また、「パレスチナ
の大義は正当だが、その擁護者は失敗し、イスラエルの大義は不当だが、その擁
護者は成功している」と評した。その上で、「我々はイスラエル問題に関心を持
つよりも、自国の安全保障と国益に注意を払わなければならない段階に来ている」
と主張した[278][279]。
0月12日、パレスチナの非政府組織局責任者のアブ・アル・エネインは、海外か
らの資金援助の見返りに、国交正常化を前提とした「パレスチナ人を根本的に
傷つける」条項があるとして、受け入れる者は国家の裏切り者であり、名前を公
表するとNGOに対して警告した[280]。「アメリカ中東報道正確さ委員会(英語版)」
のショーン・ダーンは「パレスチナ自治政府が反テロ条項を拒否したもの」と批
判した。ダーンによると、テロ組織であるパレスチナ解放人民戦線の影響が疑わ
れるNGO組織があり、オランダなどは資金提供を停止、あるいは削減したという
[281]。
10月14日、イスラエルはヨルダン川西岸での、新たに入植地2166棟の計画を承認
した。イスラエルの新規入植地承認は、2月25日以来となる。イスラエルのNGO・ピ
ース・ナウによると、承認は連立与党「青と白」のガンツ代表・国防相も加わっ
ている[282][283]。パレスチナは声明で、「入植地を違法だとした国連決議と相
いれない。ネタニヤフ政権の政策をやめさせるため、国際社会の即時の介入を求
める」と激しく反発した[284]。同日、世界シオニスト機構(英語版)のアブラ
ハム・デュヴデヴァーニ会長は、毎年最低2つの(ユダヤ人)入植地新設を目標に
する考えを述べた[285]。

10月15日、イスラエルは前日に引き続いて新規の入植地3122棟を承認し、14日と
あわせて5288棟(ピース・ナウによると、過去の遡及的な追認を除くと4948棟
[286])を承認した[287][288][289]。この中には、「繁栄に至る平和」でもパレ
スチナ領とした地域の962棟が含まれる。ピース・ナウの集計では、2020年の新
規承認は12159棟で、2012年の11159棟以来の多さである[286]。入植地・エフラ
ト評議会のオデッド・レヴィヴィ(ヘブライ語版)議長は、「トランプ氏の『繁
栄に至る平和』は(入植地の)建設と拡大を可能にしている」とこれを歓迎した
。また、サマリア地域評議会のヨシ・ダガン(英語版)議長は、併合実現に向け
て、入植者を100万人に増やさなければならないと主張した。国連のニコライ・
ムラデノフ中東和平プロセス特別調整官は、入植地は国際法違反であり、パレス
チナ人への和平交渉に悪影響を及ぼすと警告し、直ちにすべての入植活動の中止
を求めた[289]。欧州連合は入植拡大の中止及び、EUが資金提供したものを含む、
パレスチナ人建造物への破壊を停止するようイスラエルに要請した[290]。
入植拡大をヨルダンは「国際法違反」と非難した[291]。フランス、ドイツ、イ
ギリス、イタリア、スペインはそれぞれ「深い懸念」を表明し[292]、日本の外
務省は「強い遺憾の意」を表明した[293]。「アブラハム合意」でイスラエルと
国交正常化した、アラブ首長国連邦とバーレーンは反応を示さなかった[294]。
同日、アラブ首長国連邦の代表団が、イスラエルの警護を受けてひそかにアル=
アクサー・モスクを訪問した。この行動はパレスチナ側で、モスクへの侵入と非
難された。これは、「シオニスト過激派」が勝手にモスクに侵入したのと同様の
行動という意味である[295]。アル・アクサー・モスクの説教者であるシェイク
・イクリマ・サブリは、「正常化は無効であり、正常化に起因する行動も無効で
ある」とUAE代表団を非難した[296]。
                 via Wikipdia     10月16日以降につづく、

以下。ここからは「パレスチナとイスラエル」紛争に係わる現代国家間の関連を
同時に考察していく。まず、キャノングローバル戦略研究所は小手川大助研究主
幹のコ国債交流ラム『語られないロシアの歴史とアメリカとの深い関係』(国債
交流・外交/米国/ロシア)を参照する。

15世紀のモンゴル帝国が去った後の東方への拡大
終わりにモンゴル支配から独立し、ロシアの東側にはモンゴルが去った

後の広大な権力の真空地帯が残された。ここから16世紀半ばのイェルマークの探
検にみられるようなロシアの東方への進出が始まる。ロシア人はコサック(逃亡
農民や没落貴族からなる軍事協同体)を先頭に毛皮を求めてウラル山脈を越え、
オビ川などの大河を伝って北極海や太平洋に進出。1652年にはイルクーツクが建
設されるなどロシア帝国はシベリア全土を管理、ラッコやキタオットセイを求め
てアリューシャン列島から千島列島に向かい、アラスカに進出して露米会社を設
立するなど、17世紀から19世紀にかけてロシアは世界最大の毛皮供給国となる。
一部はナパバレーなどの北カリフォルニアまで足を延ばしたが、東方進出の特徴
は、中国を恐れ、ユーラシア大陸の北側を横断し、中国の力が衰えてから少しず
つ南下を始め極東で最初に開発された都市はカムチャッカ半島のペトロパブロフ
スク=カムチャットキー(1740年)であり、1858年にはハバロフスクが、そして
1860年にはウラジオストックが建設さる。

英国との欧州覇権争いとポーランド分割
1533年からイワン4世(雷帝)がモスクワ大公に即位し、1547年には初めてツァー
リの称号を用いた。彼にはモンゴル王朝の血も入っています。彼の治世は50年に
及び、晩年には英国のエリザベス1世にも求婚をしました。イワン雷帝の死後、
ボリスゴドノフの治世に見られるような16世紀末から17世紀の動乱の時代を経て
1613年にロマノフ王朝が誕生した。日本では徳川幕府が成立し大坂冬の陣が戦わ
れる前年です。1682年から40年以上に及んだピョートル大帝の時代にはス
ウェー
デンとの戦争でバルト海沿岸の領土を獲得し、新都サンクトペテルブルク
を1703
年から建設して1712年に首都を移転した。スウェーデンとの戦争でスウェ
ーデン
側に立ったのは英国とトルコ帝国でした。英国との対立はこの時期から300
年以上
続く。1762年に女帝のエカテリーナ2世が即位し40年弱の治世を治める。

彼女はボルガ川中流流域にドイツの農民を移住させて先進農業技術を取り入れた
り、啓蒙主義の観点から初めての女性教育施設であるスモーリヌイ修道院の開設
など西欧の最新の教育制度を導入したりして、文化面で大きな貢献を果たした。
ボリショイ劇場やその下の学校であるボリショイアカデミーが創立されたのも彼
女の治世下でした。美術品の収集家としても有名だった彼女はエルミタージュ美
術館を創設し、19世紀半ばには一般市民にも公開された。またオスマン帝国と開
戦して黒海北岸やクリミア半島を獲得し、ポーランド分割を3度行った。その結果
最終的に1795年にポーランド王国は消滅し、ウクライナとリトアニアがロシア領
なる。                                                         つづく
                                                          

 風蕭々と碧い時

 愛でのりつぶせ The Birthd  2009.10.1

チバユウスケ(1968年7月10日 - 2023年11月26日)は、日本のミュージシャン)
The Birthdayのボーカル、ギター。1991年から2003年まで、THEE MICHELLE
GUN ELEPHANT
のボーカルとして活動。先月11月26日に夭折
                                合掌



今夜の寸評: 今年はお悔やみ行脚の年。

 

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新成長経済理論考 ⑩

2023年12月04日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

【今夜のひとり鍋:おでん】




昨夜のおでん定食

日本料理のうち、煮物の一種。鍋料理にも分類される。鰹節と昆布でとった出汁
(だし)に味を付け、種と呼ばれる様々な具材を入れて長時間煮込む。おでん種
としては、薩摩揚げ、はんぺん、焼きちくわ、つみれ、こんにゃく、大根、芋、
がんもどき、牛すじ、ゆで卵、厚揚げなどがある。おでん種、つけだれの種類は
地域や家庭によって異なる。 「おでん」は元々、田楽を意味する女房言葉である。
田楽、もしくは味噌田楽は室町時代に出現した料理で、種を串刺しにして焼いた
「焼き田楽」のほか、種を茹でた「煮込み田楽」があった。江戸時代になって「
おでん」は「煮込み田楽」を指すようになり、「田楽」は「焼き田楽」を指すよ
うになったとされる。via jp.Wikipedia

  


驚くほどの、ひとり鍋市場の多様化と無国籍化 トップを走る日本!


  


Anytime Anywhere ¥1/kWh era
再エネ革命渦論 201
 アフタ-コロナ時代 186】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング

高放熱性窒化ガリウムトランジスタを実現 

汎用品より放熱性が2倍向上!
12月 1日、大阪公立大学,東北大学,北京大学,地球上で最も高い熱伝導率をも
つダイヤモンドを基板に用いたGaNトランジスタを作製し,SiC基板上に作製した
同一形状のトランジスタと比べて,放熱性を2倍以上高めることに成功。


図1.ダイヤモンド基板上窒化ガリウムトランジスタ
【要点】
・ダイヤモンド基板上に作製した窒化ガリウム(GaN)トランジスタ(図1)の性
 能を評価
・炭化ケイ素基板を用いたGaNランジスタと比べ、2倍以上の優れた放熱性を実証。
・G通信基地局や気象レーダーへの応用や小型化へも貢献

【概要】
     GaNトランジスタが動作する際に発生する熱とそれに伴う温度上昇は,性能の
劣化や素子寿命の短縮といった実用上の重要な課題であり,効果的な放熱手法の
開発が必要不可欠となる。このため,ダイヤモンドのような熱伝導率が非常に高
い材料が,素子の放熱材料として注目されていが,素子とダイヤモンドの接合が
困難な点などから,期待されるレベルの放熱性の向上が得られず,実用化には至
っていない。
研究グループでは,2022年3月には,Si 基板から剝離したGaN 層をダイヤモンド
基板に接合したトランジスタの作製に成功し。しかし,Si 基板からの大面積GaN
層の剝離や,1,100℃での耐熱性およびSiC基板以上の放熱性向上の実証には至っ
ていなかった。

           
図2:Si、SiC、ダイヤモンド上に作製したトランジスタの放熱性の比較(同印加
電力で温度上昇が小さいほど、放熱性は優れている)

研究ではまず,Si基板上に窒化ガリウム層(厚さ3µm)と炭化ケイ素(3C-SiC)
バッファ層(厚さ1µm)を生成した。その後,Si基板から2層を剥離し,表面活性
化接合法を用いてダイヤモンド基板上に接合することで,約1インチのGaNトラン
ジスタを作製した。高品質な炭化ケイ素薄膜を用いることで,1,100℃の熱処理
を行なった後でも接合界面に膜剥離が起こらず,高品質なヘテロ接合界面を得る
ことができる。この方法で作製したダイヤモンド基板上GaNトランジスタの放熱
性を検証するため,SiC基板上に作製した同一形状のトランジスタと比較した。
その結果,ダイヤモンド基板上のトランジスタは,SiC基板上のものに比べ,放
熱性が2.3倍向上した。また,他の先行研究で作製されたダイヤモンド基板上の
トランジスタよりも高い放熱性を達成し,トランジスタ特性の大幅な改善に成功
した。



図3 (a) AlGaN/GaN/3C-SiC層/ダイヤモンド接合試料、(b) ダイヤモンド上に作
製された窒化ガリウムトランジスタの光学顕微鏡像、(c) 3C-SiC/ダイヤモンド接
合界面の断面TEM像、(d) 本研究で作製したダイヤモンド基板上窒化ガリウムトラ
ンジスタと、他の先行研究で作製されたダイヤモンド上GaNトランジスタの放熱性
向上倍率の比較

【展望】
今後、ダイヤモンド基板を用いた大面積窒化ガリウムトランジスタが実現するこ
とで、5G通信基地局や気象レーダー、衛星通信分野などの高出力・大電力用途
も利用の幅が広がることが期待できる。

【関連特許事例】
・特開2023-29250 ダイヤモンド基板製造方法 国立大学法人埼玉大学 信越ポリマ
 ー株式会社 信越化学工業株式会社
【概要】従来、パワーデバイスに適した半導体材料として、シリコン(Si)に
代わって炭化ケイ素(SiC)や< (GaN)が提供されてきたが、ダイヤモン
ド半導体はこれら半導体材料と比べて高絶縁破壊電界、高い電力制御指数及び熱
伝導率が最も高いということから次世代の材料として注目され、実用化に向けて
研究や開発が進んでいる。またダイヤモンド中の窒素-空孔センタ(NVセンタ
)は室温で高感度な磁気検出が可能であるため、磁気センサへの応用が期待され
ていてこの研究も行われている(特開2015-59069)。

これら半導体への応用が期待される単結晶ダイヤモンドは高温高圧法(HPHT
法)やホモエピキャシタル成長により合成されるが、これらの合成法では半導体
プロセスに利用するための単結晶ダイヤモンドのバルク基板の大面積化が困難と
されている。そこで、単結晶酸化マグネシウム(MgO)を下地結晶として単結
晶ダイヤモンドをヘテロエピキャシタル成長させる気相合成法(CVD法)が大
面積化に優位性があるとして適用されてきている。ダイヤモンド基板は、ダイヤ
モンド単結晶のインゴットやインゴットをさらに一定の長さに切断したブロック
をダイヤモンドを研粒としたワイヤーソーで一定の厚さにスライスして製造され
ている。ワイヤーソーのワイヤーは例えば少なくとも数十μmのような径を有し
ているため、ダイヤモンド単結晶のインゴットやブロックをダイヤモンド基板に
スライスする際に、切断面に沿った一定の幅の部分は研削の切り代として失われ
ていた。
またレーザ光を利用してダイヤモンドインゴットからダイヤモンド基板を製造す
るダイヤモンド基板製造方法が開示されている(特開2020-50563を参照)。この
方法は、ダイヤモンドインゴットの主表面から所定の深さにレーザ光を集光して
照射し、2次元状に走査することにより結晶構造が改質された改質層を形成し、
この改質層でダイヤモンド基板を剥離するものである。 下図6のごとく、ダイ
ヤモンド基板製造方法は、レーザ光Bを集光するレーザ集光部190を単結晶
ダイヤモンドのブロック10の主表面10aに対向するように配置する工程と、
レーザ集光部190を用い、所定の照射条件で、ブロック10の主表面10aに
向けてレーザ光Bを照射してブロック10の内部にレーザ光Bを集光しつつレー
ザ集光部190とブロック10とを三次元状に相対的に移動させることによりブ
ロック10の主表面10aから所定の深さに単結晶ダイヤモンドの{111}面
に沿って劈開を生じさせ、{111}面の劈開を連結する工程とを含み、主表面
が{100}面の単結晶ダイヤモンドから主表面が{100}面の新たなダイヤ
モンド基板を創製するダイヤモンド基板製造方法を提供する。


図6.{111}面の加工痕による劈開面がW形状に連結した状態を示す模式図
【符号の説明】 10 ブロック 10a主表面 51 劈開面 100 加工装置 
190 レーザ集光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザ光を集光するレーザ集光部を主表面が(100)面である単
結晶ダイヤモンドのブロックの主表面に対向するように配置する工程と、 前記レ
ーザ集光部から前記ブロックの主表面にレーザ光を照射して前記ブロックの内部に
レーザ光を集光しつつ前記レーザ集光部と前記ブロックとを<110>方向に二
次元状に相対的に移動させることにより前記ブロックの主表面から所定の深さに
単結晶ダイヤモンドの(100)面に沿って加工痕からなる走査ラインを形成す
る第1の工程と、 前記レーザ集光部と前記ブロックとを三次元状に相対的に移
動させることによりレーザ光の焦点を{111}面に沿って所定量移動させる第
2の工程 を含み、前記第1及び第2の工程を繰り返して{111}面の劈開を
生じさせるダイヤモンド基板製造方法。 

【請求項2】 前記{111}面において対向する位置にある{111}面に劈
開面を形成し、この劈開面を連結させた連続劈開面により前記ブロックからダ
イヤモンド基板を剥離して分離する請求項1に記載のダイヤモンド基板製造方
法。
【請求項3】 前記第1の工程は、前記単結晶ダイヤモンドの(100)面に沿
って加工痕からなる一つの走査ラインを形成する請求項1又は2に記載のダイヤ
モンド基板製造方法。
【請求項4】 前記第1の工程は、前記単結晶ダイヤモンドの(100)面に沿
って加工痕からなる複数の走査ラインを形成する請求項1又は2に記載のダイヤ
モンド基板製造方法。
【請求項5】 前記第1及び第2の工程は、前記主表面の全面にわたり所定の深
さに改質層を形成する請求項1又は2に記載のダイヤモンド基板製造方法。
【請求項6】 レーザ光を集光するレーザ集光部を主表面が(100)面である
単結晶ダイヤモンドのブロックの主表面に対向するように配置する工程と、 前
記レーザ集光部から前記ブロックの主表面にレーザ光を照射して前記ブロック
の内部にレーザ光を集光するように、前記レーザ集光部及び前記ブロックを二次
元状に相対的に移動させるとともに、レーザ光の焦点を深さ方向に移動させ、前
記主表面から第1の深さから[211]方向に加工痕からなる走査ラインを形成
し、前記走査ラインが前記第1の深さよりも浅い第2の深さに達すると前記第
2の深さから前記第1の深さまで[-211]方向に加工痕からなる走査ライン
を形成することを含む走査ラインを形成する第1の工程と、 前記レーザ集光部
と前記ブロックとを二次元状に相対的に移動させることによりレーザ光の焦点を
[01-1]方向に所定量移動させる第2の工程と、 を含み、前記第1及び第
2の工程を繰り返して{111}面の劈開を生じさせるダイヤモンド基板製造
方法。
【請求項7】 レーザ光を集光するレーザ集光部を主表面が(100)面である
単結晶ダイヤモンドのブロックの主表面に対向するように配置する工程と、 前
記レーザ集光部から前記ブロックの主表面にレーザ光を照射して前記ブロックの
内部にレーザ光を集光するように、前記レーザ集光部及び前記ブロックを二次元
状に相対的に移動させるとともに、レーザ光の焦点を深さ方向に移動させ、前記ブ
ロックにおいて、前記主表面の第1の位置における第1の深さから[211]方
向に加工痕からなる走査ラインを形成し、前記走査ラインが前記主表面の第2の
位置において前記第1の深さよりも浅い第2の深さに達すると、前記主表面にお
いて,
前記第2の位置について,前記第1の位置とは対称な第3の位置における
前記第1の深さから[2-1-1]方向に前記第2の位置における前記第2の深
さまで加工痕からなる走査ラインを形成することを含む走査ラインを形成する第
1の工程と、 前記レーザ集光部と前記ブロックとを二次元状に相対的に移動さ
せることによりレーザ光の焦点を[01-1]方向に所定量移動させる第2の工
程と、を含み、前記第1及び第2の工程を繰り返して{111}面の劈開を生じ
させるダイヤモンド基板製造方法。 



図1. 本開発技術の模式図
 

コバルトフリー高電位正極を用いた新たなリチウムイオン電池
11月28日、東芝はコバルトフリーな5V級高電位正極材料を用いて、副反応とし
て生じるガスを大幅に抑制できる新たなリチウムイオン二次電池を開発したと
発表した。レアメタルであるコバルトを用いず、さらに近年の需要増加と共に
価格が高騰しているニッケルの含有量も少ないため、コストだけでなく資源保
全の観点でも優れた電池だという。リチウムイオン電池の正極として、コバル
トフリーかつニッケル含有量が少なく、スピネル型の高電位正極である「ニッ
ケルマンガン酸化物(LNMO)」が注目されている。しかしLNMOは作動電位の高
さゆえに電解液が酸化分解してガス化するため、電池が著しく膨れたり、寿命
が短くなったりする課題があった。


図3: 開発電池の各種性能

今回東芝は、高電位正極の表面で電解液が分解されてガスが発生することや、
正極材料に含まれる金属が溶出し、溶出した金属が負極表面でガス発生を促進
するメカニズムを持つことを解明した。これにより、正極の粒子表面を改質
電解液との反応を抑制する技術に加え、負極表面で溶出イオンを無害化する
技術を開発。この技術により、一般的に広く使用されている電解液を使っても
ガスの抑制が可能になったという。
【展望】
本電池の応用先として、先行して電動工具や産業機器など小型で高電圧を必要
とする用途への展開を検討し、車載用途への展開を目標とし、電池の大型化を
目指し、本電池を2028年に実用化する。


  風蕭々と碧い時

Lou Reed  Perfect Day
1972.11.24
※:"You're going to reap just what you sow":
ガラテヤ人への手紙 6章4, 7, 9節(日本聖書協会 1954) 新約聖書の『ガラテヤ人への手
紙』の引用( 「6:7 まちがってはいけない、神は侮られるようなかたではない。人は自分
のまいたもの
を、刈り取ることになる。 」)
※Lou Leed  (1942-2013)は、ブログ掲載している。




今夜の寸評:

 

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新成長経済理論考 ⑨

2023年12月03日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。



   千早ちはやぶる 神代かみよ(/rt>もきかず 龍田川たつたがはからくれなゐに 水くくるとは  

                                       在原業平 『古今集』秋・294

【訳】さまざまな不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえも、こんな
ことは聞いたことがない。龍田川が一面に紅葉が浮いて真っ赤な紅色に、水をし
ぼり染めにしているとは。
※竜田川は、紅葉の名所、現在の奈良県生駒郡斑鳩町の竜田山ほとりを流れる川。

          冬もみじ 星のブランコ くくりおり
                          

※ 1585(天正13)
年、伊国・河内国に大和国を加増されて、羽柴秀長が合計100万
石で郡山城に入る交野市、生駒市、法隆寺、竜田川、高取城などの周辺は幼い頃
のバックヤードであるが、紅葉観賞で近々訪問したい。



   

豆ミネストローネひとり鍋
Bean minestrone solo pot
【材料】
蒸し大豆(または水煮)、
ブロッコリー60g、玉ねぎ1/2個、べーコン1枚、ソーセ
ージ2本、にんにく(みじん切り) 1/2片、オリーブオイル大さじ1/2、塩、こしょ
う①:コンソメスープの素(頴粒)小さじ11/2、トマトジュース1カップ、ローリ
エ1枚【作り方】
玉ねぎが透明になったら①と残りの具材を入れて煮る。塩とこしょうて昧を調え
る。
※こんばんは「おでん鍋」(揚げはんぺんはノドグロ)あったが後日、「おで
ん鍋」を取り上げたい。



フェルマーの料理 第7話
超高級ホテルで行われるパーティーのコース料理のコンペに勝った岳(高橋文哉)
は、レストラン「K」を代表してフルコースをまとめ上げることに。しかし この
パーティーは数学界で権威ある楠瀬正美賞の受賞パーティー。かつて数学オリン
ピックで圧倒的な才能の差を見せつけられ、トラウマ的存在である広瀬(細田佳
央太)が、この賞の受賞者であることを知り、岳はとてつもないプレッシャーに
支配される。 パーティーを1週間後に控えたある日、なんと広瀬は「K」の厨房
に突然訪問するる。その日の営業終了後、岳は海(志尊淳)に促され、広瀬との
関係や数学者の夢を諦めた経緯を全員に告白。それを機に厨房に一体感に包まれ
る。海は「みんな統率して、完璧を超えろ」と岳に指示を出す。一方、渋谷(仲
村トオル)や淡島(高橋光臣)と密会を重ねていた海は残酷な現実を知らされる

岳は、広瀬に料理の素晴らしさに気付いてもらうべく、フィボナッチ数列を使っ
た料理を作り出した。それでも食べない広瀬に対し「料理は数学とつながってる
んだ」「宇宙の真理に挑戦しないことになるけど良いの?」と告げると、広瀬は
「確かにそうだ」とついに料理を口にする。

フィボナッチ数を一辺とする正方形 ウィキペディア日本語版のメインページ(
2007年〜2012年)で使われていたイメージ画像もフィボナッチ数列を利用してい
た。 フィボナッチ数(フィボナッチすう、英: Fibonacci number)は、イタリ
アの数学者レオナルド・フィボナッチ(ピサのレオナルド)に因んで名付けられ
た数である。 フィボナッチ数列(フィボナッチすうれつ:Fibonacci sequence)
(Fn) は、次の漸化式で定義される: F0 = 0,F1 = 1,Fn+2 = Fn + Fn+1 (n ≥ 0)
第0~22項の値は次の通りである: 0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89,
144, 233, 377, 610, 987, 1597, 2584, 4181, 6765, 10946, 17711, …(オンラ
イン整数列大辞典の数列 A000045) 1202年にフィボナッチが発行した『算盤の
書』(Liber Abaci) に記載されたことで「フィボナッチ数」と呼ばれているが、
それ以前にもインドの学者であるヘーマチャンドラ (Hemachandra) が韻律の研
究により発見し、書物に記したことが判明している フィボナッチ数列の一般項
は次の式で表される:

出典:
Wikipedia
※ 本当に面白いドラマである。

歴史の複雑さとは何か
「パレスチナ問題考 ②」後期19世紀 - 1920:
起源 1920 - 1948:イギリスによるパレスチナの委任統治
「パンとワイン」紛争 パレスチナ分割
1948 - 1967:中東戦争
1967 - 1993:第一次インティファーダ
1993 - 2000:オスロ和平プロセス
2000 - 2005:第二次インティファーダ
2005 - 2008:アッバース時代のはじまり
2008 - 2009:ガザ紛争
2010 - 2017:パレスチナ側の手詰まりと米トランプ政権発足 
2018 - 2021:「繁栄に至る平和」と「アブラハム合意」

2020年6月23日、ロイターによると、「米政府当局者と協議に詳しい関係筋」の情
報として、米国のクシュナー大統領上級顧問、オブライエン大統領補佐官(国家
安全保障担当)、バーコウィッツ中東担当特使、フリードマン駐イスラエル大使
の4人が、イスラエルによる併合を承認するかどうかの協議を開始した。トラン
プ政権は併合を承認する方向だが、「イスラエルの急激な動き」を容認すればパ
レスチナを協議に参加させられなくなることを恐れ、エルサレムに近い複数の入
植地の(イスラエルの)主権承認から段階的に検討しているという。
6月24日、国連安保理のオンライン会合で、国連のグテーレス事務総長は「イスラ
エル政府に対し、併合計画の放棄を求める」と呼びかけた。ベルギー、イギリス、
エストニア、フランス、ドイツ、アイルランド、ノルウェーの欧州7か国は共同声
明で、「国際法の下、併合は、われわれのイスラエルとの親密な関係に影響を及
ぼすことになる。また併合をわれわれが承認することはない」と警告した。アラ
ブ連盟のアハメド・アブルゲイト事務局長は併合について、「将来のいかなる和
平の見通しをも破壊」することになると批判した。一方、米国のポンペオ国務長
官は記者会見で、「イスラエル人がこれらの地域に主権を拡大するという決断は、
イスラエル人がなすべき決断だ」と併合を擁護した[218]。 6月26日、ガザ地区か
らイスラエルにロケット弾攻撃があった。6月27日未明、イスラエル国防軍は報復
として、ハマースの施設を空襲した[219]。 7月1日、イスラエル・ネタニヤフ政
権が予告した、ヨルダン川西岸の一部を併合する手続開始日を迎えた。6月30日に
発表されたパレスチナ政策調査研究所(英語版)のパレスチナ世論調査によると
米国トランプ政権の「繁栄に至る平和」には88%が反対した。代案を出した上での
和平交渉の再開は、賛成36%、反対53%だった。オスロ合意破棄は71%が支持した。
新型コロナ支援物資受け取り拒否は、賛成49%、反対41%だった。他方、アッバー
ス大統領の進退は、58%が辞任を要求した。次期大統領にふさわしい人物としては、
ハマースのハニーヤが49%、アッバースが42%の支持だった[220][221]。他方、ユ
ダヤ人入植地では、併合を見越した不動産投機がブームとなり、入植地の物件販
売が飛躍的に伸びているという[222]。
7月19日、フランス通信社が「関係筋」の情報として、パレスチナは、ヨルダン川
西岸のイスラエル併合を「希望する」と述べたパレスチナ人住民数人を逮捕した
と伝えた。ただし、パレスチナ側は逮捕の事実を否定している。記事によると、
6月にイスラエルのテレビ番組に匿名で出演したパレスチナ人が、イスラエル市民
権取得への期待や、パレスチナ自治政府の腐敗などを理由に挙げたという[223]。

7月20日、イスラエル国防軍は、パレスチナ赤新月社が用意した新型コロナ対策の
食料を、イスラエル側との調整を行っていなかったことを理由に没収した。エル
サレム旧市街で、感染予防のために自宅待機している世帯に配布される予定だっ
た。一方で、このころ国連の仲介で、(ハマースが実効支配する)ガザ地区から
イスラエル国内での医療に必要な手続きを一時的に緩和することが決まった[224]。

7月29日と8月13日のイスラエルのクネセト外交・防衛委員会では、「C地区の戦い
」が議題となった。すなわち、ヨルダン川西岸のC地区を自国領とする認識の元、
「パレスチナ人によるC地区の乗っ取り」への対策が審議された[225][226][227]。
審議では、政府答弁でイスラエル軍がパレスチナ人農民のオリーブの木を42000
本伐採したり、700台以上のショベルカーなどを没収したことを「非常な抑止力と
なっている」と自賛した。審議ではC地区全域の併合、ユダヤ人入植者200万人計
画などが発言された。パレスチナ人住民を「ウイルス」「領土テロ」「がん」と
中傷する議員もいた。入植者団体のレガビム(英語版)は、オンライン公聴会で
パレスチナ人が「イスラエル全土に触手を伸ばしている」と主張し、C地区全体
で69000軒あるという「違法建築物」への処分を主張した[228][229][230]。

8月12日、イスラエルはガザ地区に認めている沿岸漁業海域を15海里(27.78㎞)
から8海里に削減し、ガザ地区への物資の搬出入に使われる検問所を閉鎖した。
風船爆弾などの攻撃に対する報復措置としている[231]。
8月13日、米国の仲介で、イスラエルはアラブ首長国連邦との国交正常化に合意し
たことを発表した(アブラハム合意)[232][233]。これは、従来のアラブ連盟が
「アラブ平和イニシアティブ」で示した、イスラエルが占領地明け渡しを履行し
た上での国交正常化という方針の根本的な転換だった。 イスラエルのネタニヤフ
首相は記者会見で、米国より合意の条件として、ヨルダン川西岸の併合の「一時
停止」を求められたとしたが、「ユダヤ・サマリア[注 9] に主権を適用し、米
国と完全に協調するという私の計画に変更はない」と、将来の併合を進める計画
に変わりは無いとする見解を示した[234]。一方、アラブ首長国連邦のムハンマド・
ビン・ザーイド・アブダビ皇太子は、「パレスチナ領土のさらなるイスラエル併
合の停止に合意した」として、将来についてはイスラエル側と見解の相違を見せ
た[235]。 国交正常化交渉でパレスチナの領土問題が協議されたにもかかわらず、
当のパレスチナに事前の連絡は無く、協議に加わることもできなかった[236][237]。
パレスチナのアッバース大統領は「パレスチナの人々に対する攻撃だ」と国交正
常化を非難し、マルキ外相は駐アラブ首長国連邦大使の召還を発表した[238]。
ハマースのマシャアル前政治局長も、国交正常化を「我々の国民と、パレスチナ
の大義に後ろから刺すようなもの」と非難した[239][240]。また、ハマース関係
筋によると、ハマースのハニーヤ政治局長と、アッバース大統領は非公式に協議し、
「パレスチナの全勢力は一丸となり国交正常化を拒否する」ことで一致したとい
う[241]。 しかしネタニヤフ首相は意に介さず、自らの方針である「平和のため
の平和」「力による平和」の正当さを自賛した。これは、従来の和平交渉での「
土地と平和の交換」を否定する主張で、パレスチナへの占領地(イスラエルの見
解に拠れば、固有の領土)返還を行わず、一方的に屈服させることが平和に繋が
るという意味である。その上で、領土問題を「人質に取った」パレスチナを無視
してアラビア諸国と国交を結ぶことで、パレスチナを従わせることが平和に繋が
るとする見解を示した[242]。さらに、ネタニヤフは自らの「ネタニヤフ・ドクト
リン」の説明として、エフード・ヤアリの「パレスチナとの泥沼の交渉に引きず
り込まれるよりも、パレスチナは後回しにしてアラビアはじめ諸外国との国際関
係を構築し、パレスチナの拒否権を奪う」「(パレスチナの声明は)怒りよりも
欲求不満を示している。アブ・マーゼン(アッバース)らはもはや、アラビア諸
国にイスラエルと敵対するよう命令することはできない」とする論説を引いた
[243][244]。
一方、イェシャ評議会のエルハヤニ委員長は「もしネタニヤフが入植地へのイス
ラエルの主権適用を諦めたのなら、(首相から)交代させる必要がある」と不満
を表明し、入植地の早期併合を訴える右翼による散発的な抗議デモも行われた[
245][246]。C地区全域のイスラエル併合法案提出など、クネセトにおける活動も
行われている[247]。 アラブ首長国連邦のアンワル・ガルガッシュ(英語版)外
務担当国務大臣[注 16] は、ネタニヤフ首相の発言について「イスラエルの(国
内)政治についてはよく分からない」「短期間の(併合)停止では無いと思う」と
問題にはせず、改めてパレスチナ・イスラエルの両者に交渉に戻るよう呼びかけ
た[248]。 イスラエル・アラブ首長国連邦の国交正常化は、日本を含め多くの国
が歓迎の意志を示し、あるいは賛否そのものを示さなかった。明確に批判したの
はイラン、トルコ、シリア(アサド政権)のみであった。パレスチナ問題につい
ても、イスラエル非国交国を含め、多くはパレスチナの独立や2国家共存への支持
を表明したのみで、先の3ヶ国以外で明示的にイスラエルやUAEに遺憾や懸念を示
した国は、ルクセンブルク(後に撤回)、南アフリカ共和国[249] のみに留まっ
た。 同じく8月13日、イスラエル国防軍は、ガザ地区のハマースの拠点を空襲し
た。ガザ地区からの風船爆弾などに対する報復措置としている。また、イスラエ
ル国防省は、報復措置としてガザ地区への燃料の輸送を中止すると発表した[231]。
イスラエル軍による空襲は、8月26日までほぼ連日行われた[250]。

一方、イェシャ評議会のエルハヤニ委員長は「もしネタニヤフが入植地へのイス
ラエルの主権適用を諦めたのなら、(首相から)交代させる必要がある」と不満
を表明し、入植地の早期併合を訴える右翼による散発的な抗議デモも行われた
[245][246]。C地区全域のイスラエル併合法案提出など、クネセトにおける活動
も行われている[247]。 アラブ首長国連邦のアンワル・ガルガッシュ(英語版)
外務担当国務大臣[注 16] は、ネタニヤフ首相の発言について「イスラエルの(
国内)政治についてはよく分からない」「短期間の(併合)停止では無いと思う
」と問題にはせず、改めてパレスチナ・イスラエルの両者に交渉に戻るよう呼び
かけた[248]。 イスラエル・アラブ首長国連邦の国交正常化は、日本を含め多く
の国が歓迎の意志を示し、あるいは賛否そのものを示さなかった。明確に批判し
たのはイラン、トルコ、シリア(アサド政権)のみであった。パレスチナ問題に
ついても、イスラエル非国交国を含め、多くはパレスチナの独立や2国家共存へ
の支持を表明したのみで、先の3ヶ国以外で明示的にイスラエルやUAEに遺憾や懸
念を示した国は、ルクセンブルク(後に撤回)、南アフリカ共和国[249] のみに
留まった。 同じく8月13日、イスラエル国防軍は、ガザ地区のハマースの拠点を
空襲した。ガザ地区からの風船爆弾などに対する報復措置としている。また、イ
スラエル国防省は、報復措置としてガザ地区への燃料の輸送を中止すると発表し
た[231]。イスラエル軍による空襲は、8月26日までほぼ連日行われた[250]。

8月26日、『ハアレツ』はイスラエル国防軍第933"ナハル"歩兵旅団(英語版)の
兵士が、ヨルダン川西岸のカドゥム村に少なくとも3個の爆発物を仕掛けたと報じ
た[251]。国防軍は、「数年前から暴力的な暴動が起きており、スタングレネー
ドを抑止力のために置いた」と主張した。
8月30日、イスラエルのネタニヤフ首相は、エルサレムで米国のクシュナー大統領
上級顧問らと会談した。ネタニヤフは共同記者会見で「もはやパレスチナに(イ
スラエルとアラブの和平進展を)拒否する権利はないと理解すべきだ」と主張し、
クシュナーは「パレスチナにも現実的な提案をしている」「彼らに和平を実現す
る意思があれば、そのチャンスはある」と主張した[252]。 (この項つづく)
                            via   jp.Wikipedia
ここで、同時に「ユダヤ問題」も考えていく。







Anytime Anywhere ¥1/kWh era
再エネ革命渦論 200
 アフタ-コロナ時代 186】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング

光ピンセットで熱が誘起するすべり流れを検出
121日、京都大学の研究グループは,温度勾配を持つ流体中に置かれたマイクロ
子の表面近傍に,光ピンセットで流れを検出するトレーサーを留めるという独
自手法で
熱浸透すべり流の発生を検出。

【要訳】
液体中の微粒子の周囲の熱浸透流は、微粒子の表面近くの小さな粒子、つまりトレー
サーの分布を観察および分析することによって特徴付けられる。 まず、① 光ト
ラッピングレーザーを使用して、微粒子の外周近くの円形経路に沿ったトレーサー
の動きを局所化。 ②次に、液体内に全体的な温度勾配が生じると、もともと均一
に分布していた円形経路上のトレーサーが微粒子の高温側に集まり、粒子に沿っ
て熱に向かう流れを示しす。③ トレーサーの分布をさらに分析すると、表面から
の距離に応じて流れの大きさが減少し、④)微粒子の表面特性が変化すると流れの
大きさが変化がわかる。

これらの結果は、①観察された流れが微粒子の表面に沿った熱誘起滑り流れであ
ることを示す。② 次に、流体方程式の単純な滑り境界条件を仮定し、 (i)>微粒
子の熱泳動速度と (ii) 微粒子周囲の熱浸透流の 2 種類の実験データに基づいて
滑り係数の大きさを評価 。 2 つのアプローチの結果は量的に一致している。
また、既存の研究における滑り流れの理論モデルとの比較も行っている。



図1..
(a) 不均一に加熱された流体に浸されたターゲット微粒子の周囲の熱誘起流れを
調査するための提案された方法の概念。 トレーサーは微粒子の周囲に光学的に捕
捉され、周囲の流体が加熱されたときに流れ検出器の役割を果たす。 (b)、(c)
実験の概略図。実験では、ターゲット微粒子をマイクロ流路内に配置する。 (b)
側面図。マイクロチャネルは、上面がポリジメチルシロキサン(PDMS)、下面が
ガラス基板で構成される。 高さ17μmのマイクロ流路の上面に直径7μmの目的粒
子を固定化する。 加熱レーザーはターゲットの中心から水平方向にL=18μm離れ
た位置に照射される。 (c) テストセクションの底面図 (つまり、カメラビュー)。
半径 R の円形経路上の走査トラッピング レーザーは、ターゲット微粒子の近くに
蛍光トレーサーを閉じ込める。

【概要】
熱泳動する粒子の表面に誘起される熱浸透すべり流は,微小粒子の温度勾配方向へ
の 泳動現象である熱泳動の 主要なメカニズムのひとつと考えられている。 熱泳
動は,分子やコロイドなどの微小粒子分離,濃縮,分析技術への応用が期待され
ており,そのメカニズムの理解が課題となっている。熱泳動するマイクロ粒子(
直径 7µm)の表面近傍に生じる熱浸透すべり流を調べるうえで,ふたつの鍵がある
。ひとつ目は,流れの駆動源となる温度勾配の形成。熱浸透すべり流は温度勾配
に比例すると考えられており,その比例係数はすべり係数と呼ばれる。熱浸透す
べり流はすべり係数が非常に小さい(=流れが非常に遅い)ので,実験的に検出
するためには強い温度勾配が必要。研究では,集光レーザーが水に吸収され局所
的に発熱する光熱効果を用いてこの温度勾配を形成した。 得られた温度勾配の大
きさは 1K/µmを超え,これは1mm の距離に対して1000℃の差に相当する勾配の大
きさになる。ふたつ目は,発生する熱浸透すべり流の評価方法。熱浸透すべり流
はマイクロ粒子の表面近傍で発生すると考えられるが,粒子表面から離れると減
衰してしまう。つまり,熱浸透すべり流を観測するためには,粒子表面近傍の狭
い領域を正確に計測する必要がある。研究では,光ピンセットによりトレーサー
運動をマイクロ粒子表面近傍に制限することで,表面近傍の高温側への流れの発
生を検出した。また,粒子表面からの距離や,粒子表面のゼータ電位に対する流
れの強さの依存性を調べた。



【展望】
熱泳動のメカニズムの理解に関する基礎的な知見が得られただけでなく,分離,濃縮,
分析など,熱を利用する微小物質輸送の工学的応用において,設計上の重要な因子(
例えば表面電位)を実験的に評価する方法の方針が得られたことになるとしている。

【掲載論文】
“Thermo-osmotic slip flows around a thermophoretic microparticle characterized by optical
 trapping of tracers”
  DOI:10.1103/PhysRevApplied.20.054061


図 あきらかにらかになった光回復酵素の反応の様子

復酵素による損傷DNA修復反応解明
反応中間体立体構造の時系列観察で新たな酵素学の扉を開く
12月1日、理化学研究所(理研),台湾中央研究院,台湾大学,独フィリップ大学,大阪
大学,東北大学 ,京都大学は,X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」と「Swis-
sFEL」を用いた時分割結晶構造解析によって,紫外線によって損傷したDNAを修復す
る光回復酵素の動的構造を解明

【概要】
紫外線がDNAに当たると,ピリミジン塩基(シトシンまたはチミン)が連続した箇所でピリ
ミジン二量体という構造ができることがある。なかでもシクロブタン型ピリミジン二量体
(CPD)は,細胞内で紫外線によって発生する代表的な損傷DNA。このような損傷が生
じると,DNA複製や転写の妨げとなり,細胞死や突然変異,がん化など,細胞にさまざ
まな弊害をもたらす。DNA光回復酵素は,紫外線曝露により生じるCPDを修復する。

この酵素は,反応に青色の光を必要とする。まず,酵素の反応中心にあるフラビン補酵
素(FAD)がフォトン(光子)を捉えると,近傍のアミノ酸残基から電子を受け取って酸化
型(FADox)から還元型(FADH-)に変化し,酵素によるDNA修復の準備が完了する。
この反応は,光還元反応と呼ばれている。DNAはCPD部位で二重らせん構造が変形し
ており,DNA光回復酵素がそれを見つけてCPDを活性中心に収納する。この状態で酵
素のFADH-が新たなフォトンを捉えて,電子をCPDに転移することでDNAが修復される
。 このような反応経路は明らかになっていたものの,損傷DNAが修復される最中の
DNAおよびタンパク質の立体構造は分かっていなかった 研究グループは,還元状態の
古細菌のDNA光回復酵素のタンパク質を,CPDを持つDNAと暗所嫌気下で混ぜて結晶
化し,反応直前の酵素―DNA複合体の結晶を準備した。この結晶に反応のトリガーとな
る青色光を当て,ピコ秒からサブミリ秒の時間差でSACLAまたはSwissFELのビームライ
ンからX線自由電子レーザーを照射し,回折光を検出した。

回折光から得られる数万のイメージデータから,タンパク質と修復DNAの立体構造を決
定し,反応開始後の時間が異なるスナップショットを集めた。その結果,光回復酵素によ
り,DNA光回復酵素が損傷DNAを修復する際の全ての原子メカニズムを,リアルタイム
で解明した。研究グループは,疾患の原因にもなるDNA損傷の修復過程に関する理解
を深め,立体構造に基づくより合理的な人工酵素や薬剤の設計に寄与する成果だとし
ている。

【展望】
光回復酵素は原核生物から真核生物まで幅広い種で保有されている基本的なDNA修
復酵素。この酵素の反応における中間体の性質や構造を経時的に詳細に解析すること
で、基礎化学の理解に大きく貢献できる。
ピリミジン二量体は、皮膚がんの一種メラノーマの原因となる可能性が示唆されている。
今回の研究は光回復酵素による損傷DNAの修復過程を完全に解明した。これにより、
DNA修復活性がより高い人工酵素の作成など応用研究への道も開けた。 また、原子
レベルで酵素反応の全過程を直接調べることが可能となり、新たな酵素学への扉を開
いた。
今後、酵素の真の活性状態である反応中間体の構造に基づいて、合理的に触媒や薬剤
を設計するための第一歩となるもの。

【掲載論文】
"Visualizing the DNA repair process by a photolyase at atomic resolution", Science,
10.1126/science.add7795新規タブで開きます


単一コロイド量子ドットの電気特性評価 
人工原子デバイスの応用に前進
12月1日, 東北工業大学,東京大学,東北大学,東京農工大学,理化学研究所は,
半導
体コロイド量子ドット1つを用いた単一電子トランジスタ(Single-Electron
Transistor: SET
を作製し,コロイド量子ドット1個の電気伝導の詳細な評価を行
なうとともに,SETの室温
動作も実現した。


図11個のコロイド量子ドットを用いた単一電子トランジスタ(SET)の試料構造
(a)間隔がナノメートルサイズの金属電極(ナノギャップ金属電極)と電極間
に分散したPbSコロイド量子ドットの電子顕微鏡写真。コロイド量子ドットは直
径5ナノメートル程度。左下の線の長さが40ナノメートルを表す。(b)PbSコロ
イド量子ドット1個を用いたSETの試料構造と測定回路を示す模式図。ソース・ド
レイン電極間に電圧をかけ、量子ドットを介した電流を測定する。ゲート電極に
電圧をかけることで量子ドットを流れる電流を制御できるトランジスタ構造となっ
ている。

【概要】
コロイド量子ドットを光電デバイスへ応用するには,その光学的・電気的性質の
理解と制御が重要となるが,特に1個の極微小量子ドットの電気的性質に関する
評価は非常に困難だった。 量子ドット1個の電気的性質の評価と制御ができるデ
バイスとして、単一電子トランジスタ(SET)がある。1個の量子ドットを電子の
通り道として用い,ここにゲート電圧を加えることで,電子1個分に相当する電
流を制御する。SETは,量子ドット1個の電気的性質を評価・制御できるだけでな
く,量子力学に基づいて超高速計算や絶対安全な情報の伝達などを担う量子情報
処理のキーデバイスとしても注目されている。 SETでは,量子ドットのサイズを
小さくするほど,量子力学的な効果が顕著になり,高温動作も可能となる。しか
し,量子ドットのサイズが小さくなるほど量子ドット1個を流れる電流の検出と
制御が難しくなるため,これまでSETは,サイズが100nm程度の量子ドットで作製
されることが多く,室温動作するSETの報告は限られていた。 研究グループは,
数nm程度のギャップを有する金属電極(ソース・ドレイン電極)の上から,市販
のPbSコロイド量子ドット溶液を滴下し,金属電極の微小なギャップに1個のPbS
コロイド量子ドットを捕獲した構造を作製した。さらにゲート電極として導電性
のシリコン基板を用いることで,SETを作製した。市販の高品質PbS半導体コロイ
ド量子ドット溶液により,量子ドットの分散が溶液処理でできる。


(a)直径3.6ナノメートル、(b)4.8ナノメートル、(c)8.7ナノメートルの単
一PbS コロイド量子ドットSETにおいて、低温で観測された電気伝導特性。電子が
1つずつ量子ド ットを介して流れることを示す菱形構造(クーロンダイヤモンド)
が観測された。量子ドット のサイズによって、クーロンダイヤモンドの大きさが
大きく変化する様子が観測された。


図3 SETの室温動作と電子軌道に依存した伝導度の変化
(a)直径4.8ナノメートルの単一PbSコロイド量子ドットトランジスタにおいて
室温で観測されたクーロンダイヤモンド特性。室温でもクーロンダイヤモンドが
観測されたことで、素子が室温動作することが示された。(b)(上図)電流が量
子ドット中のどの電子軌道を介して流れるかで、伝導度が大きく変化することを
示す実験結果。量子ドット中の電子軌道に依存して、量子ドット中の電子の波動
関数の広がり(下図の赤い領域)が変化する。これにより、電極と電子の波動関
数との距離(下図の黒い矢印)が変化することで電流値が大きく変化することが
わかった。

このSETの電気伝導特性は,量子ドットのサイズに応じて特性が大きく変化した。
特に,量子ドットのサイズが5nm以下のSETは,電子間の相互作用が室温の熱エネ
ルギーと比べても非常に大きくなる結果,室温でも動作した。半導体コロイド量
子ドットを用いたSETで室温動作を実現したのは,これが初めて。 さらに,電流
が量子ドット中のどの電子軌道を介して流れるのかが電流値に大きく影響するこ
とや,電子のスピンに依存した電気伝導である近藤効果をコロイド量子ドットを
用いたSETでは初めて観測した。 コロイド量子ドットにおける電気伝導のメカニ
ズムの解明と,これを用いた太陽電池などの光電デバイスの高
性能化に寄与する
ことが期待される成果だとしている。
【掲載論文】
雑誌名:「Nature Communicatrons」
論文タイトル:SinglePbScolloTdalquantumdottransTstors
著者:KenJiShibata,MasakiYoshrda,Kazuhrko Hirakawa, Tomohiro otsuka, Satria
Zulkarnaen BTsrT、and YoshihTro lwasa DOにhttps://doi.org/10.1038/s41467-023-43343-7


※連日驚くばかりの技術情報が洪水のように届く。
                                 


 風蕭々と碧い時
The Beatles Now And Then

Mission; Impossible

今夜の寸評:

 

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新成長経済理論考 ⑥

2023年11月29日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

 
 
Anytime Anywhere ¥1/kWh era
【再エネ革命渦論 198  アフタ-コロナ時代 185
技術的特異点でエンドレス・サーフィング


メドビジランス株会社 - YouTube
健康管理と入退室管理がまとめて行える指輪型デバイス
ヘルスケアデバイスなどの設計/製造を手掛けるMedVigilance(メドビジランス)
は「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15~17日、パシフィコ横浜)にて、指輪型ヘ
ルスケアデバイス「Fy-Ring(ファイリング)」を展示。Fy-Ringは、加速度セン
サーと赤外線センサーを搭載し、指にはめているだけでヘルスケアに関わるデー
タを取得できるデバイスだ。加速度センサーから歩数を測定して消費カロリーを
計算し、赤外線センサーから睡眠状態と心拍数、動脈血酸素飽和度を測定して、
結果はスマートフォンのアプリ上で確認できる。NFC(近距離無線通信)チップ
を搭載していて、セキュリティキーとしても使用できる。企業で導入すれば、従
業員の健康管理や入退室管理をまとめて行えるという。充電はワイヤレス形式で、
「満充電状態から充電切れまで、約2週間使い続けられる。防塵/防水性能は最
も上位の等級であるIP68で、入浴中も使用できる。スマートウォッチなどは邪魔
に感じて睡眠時には外してしまう人も多いが、より小さい指輪型ならば使い続け
やすいのではないか。Fy-Ringは「EdgeTech+ AWARD 2023」にて、JASA特別賞を
受賞している。選評によると、高齢化社会にマッチした製品で、ヘルスケアだけ
ではなく、医療機器としての高いポテンシャルを評価したという。MedVigilance
は現在、Fy-Ringの医療機器認定取得を目指す。


「Fy-Ring」via EE Times Japan

プラズモンでテラヘルツ波の検出感度向上
11月27日、東北大学と理化学研究所(理研)は,インジウムリン系高電子移動度
トランジスタ・ベースのテラヘルツ波検出素子において,プラズモン流体非線形
整流効果に加えてゲート・チャネル間ダイオード電流非線形性を重畳した新たな
検出原理プラズモニック三次元整流効果が発現することを発見し,それによって
従来性能を一桁以上上回る電流検出感度を得ることに成功。
【概要】
インジウムリン系化合物半導体高電子移動度トランジスタ(High-Electron-Mobilitity
Transistor; HEMT
)をベースとし、非対称二重回折格子ゲート構造を有するプラズ
モニック検出素子を試作し(図2)、試作素子のゲート端子から検出信号を読み
出すという従来の検出方法とは異なる方式(図1(c))を検討。


テラヘルツ波は電波と光波の中間に位置する振動周波数を持った電磁波であり、
物質を構成する分子の振動周波数と重なることからほぼすべての物質が固有の吸
収特性を示すなど、他の電磁波にはないユニークな特徴をもつ。そのため、「見
えないものを見る」安心・安全のための分光・イメージングや、超高速無線通信
など、さまざまな学術・産業分野でテラヘルツ波を利用する技術の開発が急速に
進展。超スマート社会の実現に必須となる情報通信サービスの飛躍的な向上には、
テラヘルツ波を利用する次世代超高速無線通信である6Gや7Gの技術開発が必須。

しかし、トランジスタをはじめとする電子デバイスやレーザをはじめとする光デ
バイスの開発は、テラヘルツ帯での動作は本質的な物理限界のために困難を極め
特に、6Gや7Gの無線信号の受信手段として不可欠な、室温で動作し小型集積化が
可能で高速応答かつ高感度なテラヘルツ波検出素子の実現にはさらなる性能向上
が求められる
。半導体電界効果トランジスタの電子チャネル内に励起される二次
元電子群の荷電振動量子(二次元プラズモン)は、その流体的振る舞いに起因す
る強い非線形整流効果と、電子走行時間に律速されない高速応答性から、従来型
電子デバイス/光デバイスでは困難な室温で動作する高速応答・高感度なテラヘ
ルツ波検出素子(プラズモニック検出素子)を実現する動作原理として注目され
ている
。特に、非対称二重回折格子ゲート構造と呼ばれる独自のトランジスタ電
極構造を導入した検出素子(図1(a))では、プラズモンをテラヘルツ波と効率よ
く結合できる。

非対称二重回折格子ゲート構造を有するプラズモニック検出素子の従来の動作原
理は、以下のとおり。まず、一方のゲート端子(ゲート1)には、その直下のチ
ャネル領域に高い電子密度が形成されるようなバイアスを印加してプラズモン領
域を形成し、もう一方のゲート端子(ゲート2)には電子密度が十分低くなるよ
うなバイアスを印加して高抵抗領域を形成。入射されたテラヘルツ波によってゲ
ート1直下のプラズモン領域にプラズモンが励起され、その流体非線形整流効果
による光電流が生成。そして、光電流が高抵抗領域に流れ込んで光起電圧に変換
され、回折格子ゲートの各周期で生成された光起電圧が足し合わされます。その
結果、大きな光起電圧が検出信号としてドレイン端子に出力(図1(b))。この動
作原理では、素子の内部抵抗を非常に高くする(典型的には100 kΩ程度)こと
で検出信号を大きくできるという利点がある一方、素子の出力インピーダンスを
高速伝送系で標準となる50 Ωに整合させることができず、次段との信号配線間
で検出信号が多重反射されることによって波形歪みが発生し、検出信号の大きさ
(検出感度)と波形歪みにはトレードオフの関係があり、超高速無線通信への実
用化において大きな障壁となる。

方法及び成果】
その結果、①ゲート端子に強い正のバイアスを印加することにより、二次元プラ
ズモンの流体非線形整流効果に加えて新たにゲート・チャネル間ダイオード電流
非線形性を重畳するという新たな検出原理“プラズモニック三次元整流効果”が
発現することを発見。②そしてこの新原理を適用することによって、従来性能を
一桁以上上回る大幅な電流検出感度の向上に成功。さらに、本動作原理に従えば、
③素子の出力インピーダンスを高速伝送系で標準となる50Ωに整合させることが
可能になり、高速変調信号の検出においても多重反射による波形歪みの問題を劇
的に解消できる効果も得られることを実証。
これらの結果は、従来の動作原理における課題を克服し、超高速無線通信への実
用化の道を一気に拓く。次世代6G&7G超高速無線通信の実現へ向けた画期的な成
果。
まず、試作した非対称二重回折格子ゲート型インジウムリン系HEMTプラズモニック
検出素子(図2)に対して、高強度テラヘルツパルス光源であるis-TPG(injection
-seeded Terahertz-wave Parametric Generator
)を用いて中心周波数0.8 THz、ピーク
電力243 W、パルス幅150 psのテラヘルツパルスを入射し、素子のゲート2端子か
ら出力される光起電圧の時間応答波形を測定。測定には広帯域オシロスコープを
用い、素子のゲート端子からオシロスコープまでは50Ω伝送路系で接続。また、
全ての実験を室温下で行った。

素子のゲート2端子へ印加するバイアスを負から正に変化させて光起電圧出力応
答波形を測定しました。その結果、図3(a)に示すとおり、ゲートバイアスが正方
向に上昇するとともに光起電圧のピーク値は指数関数的に増大。光起電圧波形の
ピーク値をゲート2バイアスの関数としてプロットした図3(b)は、素子のゲート2
-チャネル間電流のゲート2バイアス依存性が示すダイオード電流特性(図3(c))
とよく一致していることから、この巨大な光起電圧向上はゲート・チャネル間ダ
イオード電流非線形性に関係していることが示唆された。この実験結果は、以下
のように説明できる。まず、入射テラヘルツ波によって高バイアスを印加したゲ
ート2の直下のチャネル内にプラズモンが励起され、流体非線形性によってテラヘ
ルツ波の周波数で振動する基本波成分だけでなく、その2倍や3倍の周波数で振動
する高調波成分も生成される。これらの振動波はチャネル面内方向(水平方向)
のポテンシャル振動といえる。ゲート2バイアスを強く正方向に印加するとゲー
ト2-チャネル間のダイオード特性は順方向バイアスとなって指数関数的な電流電
圧特性を示す。テラヘルツ波が本素子に照射されると、このダイオード非線形電
流電圧特性により、ゲート2-チャネル間、すなわち垂直方向に入射テラヘルツ
周波数とその高次高調波成分が光電流として生成され、これらの光電流成分によ
り、チャネル内の水平方向のプラズモンが励振され、プラズモンの非線形整流効
果が生じます。その結果、垂直方向のダイオード整流効果が水平方向のプラズモ
ン整流効果と重畳されることとなり、巨大な光起電圧が生じる。

この巨大整流効果は、水平方向の振動であるプラズモンの流体非線形性に垂直方
向のダイオード非線形性が重畳された整流効果であることから、プラズモニック
三次元整流効果と名付けました。また、この物理描像の簡易的な定式化を行った
結果、実験的に得られた指数関数的な光起電圧の増大が説明でき、実験結果を理
論的にも検証に成功した。

一方で、正のバイアスを印加した場合の時間応答波形には、パルス幅150 psの入
射テラヘルツパルス波に対応する出力パルス波形の後に、10 ns以上続くすそ引
き波形が観測された。このような遅い応答は無線通信においてデータ帯域を律速
する要因となり、解消する必要がある。このすそ引き波形の原因は、従来型HEMT
構造(図4(a))において、チャネル内電子がゲート電極にトンネル輸送される際
に、ゲート・チャネル間に存在するn型インジウムアルミニウムヒ素キャリア供
給層に伴うドナー準位に電子が長時間トラップされるためではないかという仮説
を立てた。そこで、キャリア供給層をゲート・チャネル間の電子トンネル輸送経
路から除外すべく、チャネル層の下部に移設した「逆HEMT」と呼ばれる層構造(
図4(b))を持つ素子を試作し、上記のテラヘルツ波検出測定を行った。その結果、
逆HEMT構造を持つ素子ではすそ引き波形が完全に解消されており、上述の仮説を
立証するとともに、無線通信用途には逆HEMT構造を持つ素子が優位であることを
示した(図4(c))。


図3(b)のピーク光起電圧をもとに電流検出感度のドレインバイアス依存性を算出
した結果、従来型HEMT構造を持つ素子では最大0.49 A/Wの検出感度が得られた(
図5)。この検出感度は、従来のドレイン端子から出力光起電圧を読み出す方式
における検出感度を一桁以上超える値です。また、ショットキーバリアダイオー
ドなどの既存の電子走行型テラヘルツ波検出素子(0.8 THzにおいて0.3~0.4 A/W)
と比較しても高い検出感度です。今回は、増幅器用途で用いられるHEMTのヘテロ
エピタキシャル層構造を流用して素子試作・実証実験を行ったため、ゲート-チ
ャネル間が順方向バイアスとなる通常のトランジスタ動作では用いない強い順バ
イアス印加時のダイオード特性の非線形性は考慮しない設計による素子における
実験結果とも言えます。今後、三次元整流効果を最大限に活用し、なおかつ低い
バイアスあるいはゼロ・バイアスでも動作する最適なデバイス設計を行えば、逆
HEMT構造によって高速応答性を維持したままで、さらにテラヘルツ検出感度を向
上できると期待される。

【展望】
今回得られたテラヘルツ検出感度特性は、6G&7Gクラスの次世代超高速テラヘル
ツ無線システムの受信機に求められる100メートル程度の伝送に十分な室温動作可
能のテラヘルツ検出素子を実現できるレベルにあると評価できる一方で、上述の
とおり三次元整流効果を活用したプラズモニック検出素子にはさらに性能改善の
余地があり、今後さらに性能向上を進めていけば、次世代超高速無線通信6G&7G
の伝送距離をキロメートルレベルに延長することも十分に期待される。



温度効果による電子散乱の概念図

強磁性半導体が示す特異なふるまいの謎を解明
新しい第一原理計算手法が導き出したメカニズムとは
11月15日、産業技術総合研究所・大阪大学・東京大学の研究グループは、強磁性
半導体の一つである(Ga,Mn)Asが示す「特異な振る舞い」について、新たに開発
した第一原理計算手法を用い、その原因を解明。
【要点】
1.従来の第一原理計算では困難であった、「有限温度における電気伝導特性」
 が予測可能な新しい第一原理計算手法の開発に成功し。
2.30年もの間未解明であった、強磁性半導体(Ga,Mn)Asの電気伝導特性が特異
 な温度依存性を示す原因を新手法を駆使して明らかに。
3.今回開発された新手法は強磁性半導体以外の材料系にも適用することができ
 るので、あらゆる分野において材料開発の時間短縮や低コスト化に貢献する。
【概要】
Ga,Mn)Asは、「低温で金属的な振る舞い」「高温で半導体的な振る舞い」をそれ
ぞれ示すなど、変わった電気伝導特性を備えた強磁性半導体である。ただ、こう
した特異な振る舞いをする原因については、これまで解明されていなかった。研
究グループは今回、新たに開発した「有限温度における電気伝導特性を予測可能
な第一原理計算手法」を用い、(Ga,Mn)Asにおける特異な振る舞いの解明に取り
組んだ。強磁性半導体中では、温度が上昇すると「原子振動」や「スピンゆらぎ
」が生じる。これらによって電子が散乱される効果を考慮すれば、有限温度にお
ける物質の特性を計算することができる。そこで研究グループは、コヒーレント
ポテンシャル近似(CPA)と呼ばれる手法を用い、温度効果を第一原理計算に取
り込んだ。また、線形応答理論も利用して、電気伝導特性を計算。Ga,Mn)Asの結
晶内部では、Ga原子の位置を置き換えたMn原子(置換型原子)と、本来の原子位
置の隙間に侵入するMn原子(格子間原子)が自然に発生する。今回の研究で、こ
れら2種類のMn原子は、電気伝導特性に大きく影響していることが判明した。特
に低温域では、格子間Mn原子で生じるスピンのゆらぎが、電気伝導を大きく妨げ
る役割を果たしていた。これに対し高温域では、主に電気伝導を担うAsの電子状
態が、原子振動で変化し、抵抗が小さくなることが分かった。


(Ga,Mn)Asの結晶構造,上図は温度-電気抵抗率の計算結果、下図は半導体GaAs
と強磁性半導体(Ga,Mn)Asの結晶構造  出所:東京大学他
【展望】
第一原理計算を用いて強磁性半導体という複雑なスピントロニクス材料において
実験値を定量的に再現することに世界で初めて成功しました。加えて電気伝導特
性の温度依存性が生じるメカニズムを解明できたことは、強磁性半導体の応用開
発につながる重大な成果。さらに今回開発された新手法は、強磁性半導体以外の
材料系にも適用することができるので、あらゆる分野において材料開発の時間短
縮や低コスト化に貢献する。
【論文情報】
雑誌名: APL Materials
題 名: Theoretical Study on the Origin of Anomalous Temperature-dependent Electric
              Resistivity of Ferromagnetic Semiconductor

著者名: Hikari Shinya*, Tetsuya Fukushima, Kazunori Sato, Shinobu Ohya, and Hiroshi
              Katayama-Yoshida
DOI:10.1063/5.0165352 URL:https://doi.org/10.1063/5.0165352





Google 世界初の技術を使った地熱発電所を稼働開始
11月28日に、2030年までに100%カーボンフリー電力での運営を実現するとの目
標を掲げているGoogleが「強化地熱システム」を採用した地熱発電所の運転をア
メリカ・ネバダ州で開始。強化地熱システムを用いた地熱発電所の稼働は世界初。
通常の地熱発電は、温泉や間欠泉のような熱水の利用が容易な場所に建設される
ことが多いため、記事作成時点では世界で生産されるクリーンエネルギーのごく
一部に過ぎない。また、地下から水をくみ上げる関係上、地盤沈下などのリスク
もあある。一方、今回ネバダ州で稼働を開始した「Enhanced geothermal systems(
EGS:強化地熱システム)」は、乾燥した岩盤に穴を空けて注水し、高温にしてか
ら地表に戻す「人工温泉」で発電するため、地熱はあっても熱水がない場所でも
利用可能。また、天候や時間帯に左右されやすい風力発電や太陽光発電に比べ安
定したエネルギー供給が可能なほか、特に水が再利用されるという点はネバダ州
のように水不足が発生しやすい地域では重要。



Fervo Energyのティム・ラティマーCEOによると、出力は750世帯分に相当の3.5MW
(メガワット)で、当初想定していた5MWに届いていないものの、調整を行えばより
高い出力が見込める。ラティマー氏は、固い岩盤を地下深くまで掘削するのにか
かる初期費用や、十分な熱が得られないリスクと表裏一体の新技術は「エネルギ
ー投資の欠けている中間」だと説明。
尚、Googleは、2023年9月にも別の地熱発電プロジェクトであるProject InnerSpace
との提携を発表しています。また、Fervo Energyは2026年に400MW規模の地熱発電
プロジェクトを稼働させる予定。
※圧倒する行動力に雑棒



購続している『環境ビジネス』秋季号(2023)の特集記事から
ライオン株式会社ぼ小差によると、子どもの1日の歯みがき回数は、1回から2回
へ増やすことでむし歯になる子どもは4分の1にまで激減(調査期間:50年)。
そして市場は4倍に拡大。
また、実のところ、日本のCO2排出のうち、家庭からの排出が約16%を占める。こ
れも生活習慣を変える事で、CO2削減も可能。製品のライフサイクルでは家庭での
CO2排出量が約60%を占める。



ライオン製品のライフサイクル(原材料調達から、製品を使用し、廃棄されるまでの
一連の過程)で最もCO2排出は生活者の商品の使用場面で約60%を占め。その内
訳をみると水の使用によるCO2排出は半分以上を占める
意外に思うかもしれないが家庭で使う水道水は、浄水場で作られ、ポンプの力で
家庭に送られ、最後に下水処理が行われる。一連の過程で膨大な電力が使われるた
め、水の使用によりCO2排出されている。ライオン製品が使われる場面(洗濯、食器
洗い、掃除、入浴、洗顔、歯みがき等)に、水は欠かせない。
※1932年から続いている「全国小学生歯みがき大会」は国内外累計約246万名以上の
子どもたちが参加。


【ウイルス解体新書】
第4章 シン感染症対策
第1節 新薬開発と後遺症対策
1-1 国内コロナワクチと海外コロナワクチ開発の現状に学ぶ

第一三共開発のmRNAコロナワクチン
国内製薬会社が開発 初のmRNAワクチン
承認後 早ければ12月上旬から自治体へ発送 ▶2023年11月28日 NHK 首都圏ナビ

「第一三共」は新型コロナウイルスのオミクロン株の派生型、「XBB」系統に対
応するワクチンを開発し、ことし9月、厚生労働省に承認申請した。国内の製薬
会社が開発したものとしては、初めてのmRNAワクチン。mRNAはたんぱく質の「設
計図」にあたる遺伝情報で、ワクチンを体内に投与すると、体内で新型コロナウ
イルスが感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質が作られ、これに対
する免疫の働きで抗体が作る。 ファイザーやモデルナが開発したmRNAワクチン
は、ウイルスのスパイクたんぱく質全体が作られるが、第一三共のワクチンは、
スパイクたんぱく質の中でも、ヒトの細胞と結合するRBD=受容体結合ドメイン
という部分だけが作られるため、設計図となるmRNAの長さがより短くなっている。
第一三共によると、mRNAの長さが短いため、製造工程で品質を管理しやすいほか、
変異ウイルスに対応してmRNAを作り直す作業が進めやすいといった利点がある。

11月27日に開かれた厚生労働省の専門家部会では、有効性が確認でき、安全性に
も重大な懸念はないとして使用を認めることを了承した。 厚生労働省によりま
すと、国内の新型コロナウイルスのワクチン接種は、これまで海外の製薬メーカ
ーのものが使われ、国産のワクチンとしては、ことし8月に、「第一三共」が開発
した従来株のワクチンが承認されたが、実際の接種では使われていない。今回の
「XBB」系統対応ワクチンについて、厚生労働省は製造・販売を承認したあとに
140万回分を購入することでメーカーと合意したと発表。 承認後、早ければ12月
上旬から自治体に配送されるということで、国産のワクチンが初めて実際の接種
で使えるようになる。

 風蕭々と碧い時
1978.03.25 
主人公 さだまさし



 

April Shpwers  Thw Jolson Story
●  今夜の寸評: わたしは生成AIです。時折、リアル・ヒューマンです。
        今朝、寝起きに思いついたジョークで彼女に挨拶しました。

 

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光触媒と急速充電器

2023年11月19日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。

 
 
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【再エネ革命渦論 195 アフターコロナ時代 185
技術的特異点でエンドレス・サーフィング

Power Delivery(PD) 対応・小型で高性能な充電器 
通常、充電器battery charger)とは、二次電池を充電するために使用する機器で
化学電池のうち、使用後に外部から電力を供給する事によって逆反応を起こし、
使用する前の状態に復帰する事が可能なものを二次電池と呼び、この操作を二次
電池の充電と呼ぶ。その充電をするための装置のこと。 二次電池の種類ごとに異
なった充電器がある。 その構造はさまざまで、単純な例では、たとえば自動車の
バッテリー用の充電器は、変圧器と整流器と電流計成り立つている。最近のリチ
ウムイオン二次電池用の充電器では、商用電源から充電用の直流電力を作り出す
電源装置と、電池の充電を制御する充電制御回路からな構成されているが、スマ
ートフォン向けの急速充電器市販されている。

また、現在,市販されているEV には2つの充電方法があり、普通充電は,家庭用
電源のコンセントから100Vまたは200Vで充電するもので,EVの電池容量により12
時間~ 24時間程度の充電時間を要する。急速充電は,専用の急速 充電器でEVの
電池に直流で充電する方法で,50kW出力の急速充電器では5分間で40km程度、10
分間で60km 程度の走行分が充電できる(2011年時点)。そもそも「急速充電」の
定義は定まっておらず、適用装置・機種・業種で変わり、そもそも、急速充電と
普通充電は「おもな利用タイミング」が違っている。EVの充電を充電器の設置場
所で分類すると、自宅で行う「家充電」と、外出先で行う「外充電」の2種類に
分けられ、急速充電器には規格があり、代表的な規格は世界で4種類です。この
うち世界96カ国でおよそ5万基2)の充電器が設置されている国際規格が「CHAde
MO
(チャデモ)方式」。このほかの規格としては、中国が主体となっている「
GB/T方式」や欧米主導の「CCS」、テスラ社の独自充電規格「スーパーチャージャ
ー」などがある。日本ではCHAdeMO方式が採用されており、さまざまな充電器メー
カーからCHAdeMO方式に対応している充電器が発売されている。

ところで、ここででは、"RE100エネルギー" を電源として、分散した様々な電気
器機装置・部品(パワーデバイス)に超高性能な急速充電器を接続する実現可能
な持続可能な事業を構想をする。それはさておき、高出力で電力をデバイスに供
給できる充電器。特に、USB Type-CポートUSB PDに対応するさまざまなスマー
トフォンの急速充電に利用できる。

窒化物半導体エピタキシャルウェハとは
窒化物半導体を用いたパワーデバイスは、これからの低炭素社会を支えるグリー
ンデバイスとして期待されている。NTT-ATは窒化物半導体エピタキシャルウエ
ハの製造技術により、省エネルギー化の早期実現に貢献する窒化ガリウム(GaN
)に代表される窒化物半導体は、現在広く用いられているSiパワーデバイスの限
界を超えた高出力、高耐圧、高周波、低損失の動作が可能な次世代パワーデバイ
スとして大きく期待されている。



例えば、シリコン(Si)、サファイア(Al2O3)、シリコンカーバイト(SiC)、
窒化ガリウム(GaN)基板上に結晶成長する技術を有しており、窒化物系に使われ
るすべての基板に対応できます。複数の基板種を用いた開発検討を併行して進め
られ、大切な時間を無駄にしない。 適用例 USB小型急速充電器/ LED街路灯/携
帯基地局用パワーデバイス/ 車載用パワーデバイス/ 家電用パワーデバイス/
耐環境デバイス

電子機器を持ち歩くとなると、どうしても給電・充電が必要です。しかし、機器
ごとに異なるACアダプターを持ち歩くとなると、重いし荷物も多くなってしまう。
通勤や旅行などで、困ったことはありませんか? そんなお悩みを解決するのがNT
T-ATの次世代半導体技術の窒化ガリウム(GaN)エピタキシャルウェハ製FETを搭載
した小型急速充電器。USBポートに対応しており、この1台で、スマートフォン・
タブレット端末・ノートパソコンなどを素早く充電可能。ノートパソコンの充電
には、ノートパソコンが Power Delivery(PD) 対応であることが必要。スイッチ
部にNTT-ATのGaN技術を採用m従来のシリコン充電器に比較しエネルギー効率に優
れ、高出力を維持したまま小型軽量化を実現した。窒化ガリウムに代表される窒化
物半導体は、これからの低炭素社会を支えるグリーンデバイスとしてとして、大
きく期待されている。

【関連特許事例】
特開2020-17551 株式会社エネルギー応用技術研究所 他
【概要】
図1のごとく、急速充電制御手段が備えるパワー半導体23は、サファイア基板
23aと、サファイア基板上に形成された窒化ガリウムパワートランジスタ23
1とを備えており、窒化ガリウムパワートランジスタ231の素子外面には、急
速充電制御手段における電力変換によって生ずる熱を放出させる放熱手段232
が接合されることで、急速充電器を著しく小型化することが可能な蓄電モジュー
ルおよびこの蓄電モジュールを急速充電するための蓄電モジュール急速充電シス
テムを提供する。

図1、本発明の実施の形態1に係わる蓄電モジュールの概要を示す配線図
【符号の説明】 
1 蓄電モジュール 1A 蓄電モジュール(電気自動車用蓄電モジュール) 1B
蓄電モジュール(パーソナルコンピュータ用蓄電モジュール) 1C 蓄電モジュ
ール(スマートフォン用蓄電モジュール) 1D 蓄電モジュール(電動工具用蓄
電モジュール) 1E 蓄電モジュール(携帯用蓄電モジュール) 2A 蓄電モジ
ュール急速充電システム(電気自動車急速充電システム) 2B 蓄電モジュール
急速充電システム(パソコン急速充電システム) 2C 蓄電モジュール急速充電
システム(スマートフォン急速充電システム) 2D 蓄電モジュール急速充電シ
ステム(電動工具急速充電システム) 2E 蓄電モジュール急速充電システム(
携帯用蓄電装置急速充電システム) 2F 蓄電モジュール急速充電システム 10
第1の蓄電手段 20 第1の急速充電制御手段 23 パワー半導体 231 窒化
ガリウムパワートランジスタ 23a サファイア基板 232 放熱手段 26 人
工知能 30 冷却ユニット 40A 電力貯蔵装置(電気自動車の急速充電用電力
貯蔵装置) 40B 電力貯蔵装置(電気機器の急速充電用電力貯蔵装置) 42
第2の蓄電手段 50 車両(電動式移動体) 60 パーソナルコンピュータ(通
信用移動体) 70 スマートフォン(通信用移動体) 80 電動工具 90 電気
機器 90A 空調服

【特許請求範囲】
【請求項1】 第1の蓄電手段と、 電力変換用のパワー半導体を有し、外部から
供給される電力に対して電力変換を行って前記第1の蓄電手段の急速充電を行う
第1の急速充電制御手段と、 を備えた蓄電モジュールであって、 前記パワー半
導体は、サファイア基板と、前記サファイア基板上に形成された窒化ガリウムパ
ワートランジスタとを備え、前記窒化ガリウムパワートランジスタの素子外面に
は、前記第1の急速充電制御手段における電力変換によって生ずる熱を放出させ
る放熱手段が接合されている、蓄電モジュール。
【請求項2】 前記パワー半導体は、分極超接合を採用したパワー半導体である、
請求項1に記載の蓄電モジュール。 【請求項3】 前記放熱手段は、前記窒化ガ
リウムパワートランジスタの素子外面におけるソース領域とドレーン領域の少な
くともいずれかに接続され、前記サファイア基板に対して遠ざかる方向に延びて
いる、請求項1または2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】前記第1の急速充電制御手段は、前記第1の蓄電手段との一体設計
によって前記第1の蓄電手段の充電特性を考慮した急速充電のための電圧および
電流の制御が可能であるように構成されている、請求項1ないし3のいずれか
1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】 前記第1の蓄電手段は、少なくともリチウムイオン電池と、電気二
重層キャパシタと、リチウムイオンキャパシタのいずれかを含む、請求項1ない
し4のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】 前記第1の急速充電制御手段は、前記第1の蓄電手段の充電履歴に
基づき前記第1の蓄電手段の充電条件を最適に制御する人工知能を有している、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】 前記第1の蓄電手段と前記第1の急速充電制御手段は、少なくと
も車両を含む電動式移動体または携帯電話器を含む通信用移動体に組込まれるよ
うに構成されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】 前記第1の蓄電手段から出力される直流電力の電圧を調整して出
力する電力変換器をさらに備える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の蓄
電モジュール。
【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の蓄電モジュールと、前
記蓄電モジュールと電気的に接続可能な第2の蓄電手段を有する電力貯蔵装置で
あって、前記蓄電モジュールが接続された状態では前記第2の蓄電手段から前記
蓄電モジュールへの電力供給が可能なように構成されている電力貯蔵装置と、を
備えた蓄電モジュール急速充電システム。
【請求項10】 前記電力貯蔵装置の前記第2の蓄電手段は、前記第1の蓄電手
段よりも蓄電容量が大であり、前記第2の蓄電手段から出力される直流電力に
よって複数の前記蓄電モジュールを同時に充電することが可能である、請求項9
に記載の蓄電モジュール急速充電システム。
【請求項11】 前記電力貯蔵装置に貯蔵される電力は、再生可能エネルギーに
よって発電された電力である、請求項9または10に記載の蓄電モジュール急速
充電システム。
※ 電源のワイヤレス送受電システムの分散信用によるこの種の事業は「SDGs」
 として全国・世界展開されることが約束されている。



SDGs事業に欠かせないもう1つの新興技術
光バイオ触媒でアンモニアと水素を同時合成 
11月12日、九州大学グループは,従来のシアノバクテリアの生体機能の一部の代
謝系を,光触媒を用いて代替することと,生成したアンモニアの代謝を抑止するこ
とにより,常温,常圧下で窒素と水からアンモニアと水素の合成に成功。

【要点】
1.肥料の合成やグリーン⽔素の輸送媒体としてアンモニアが期待されているが
 アンモニアの 合成時に厳しい反応条件下での合成となり、多くのCO₂の発⽣を
 伴う。⼀⽅で、バイオ触媒 では温和な条件で合成できるが、⽣成速度が遅い。
2.当該研究では⽣体触媒の機能の⼀部を光触媒と電⼦伝達系を組み合わせるこ
 とで、改善し、 光バイオ触媒による常温常圧での窒素と⽔からアンモニアと
 ⽔素の合成に成功した。
3.
今回の成果は、再⽣可能エネルギーの普及に貢献し、カーボンニュートラル
  エネルギー社会の実現に寄与するとともに、⾷糧⽣産に必要不可⽋な肥料の価
  格の低下などに寄与し、持 続可能な社会の実現に貢献できる。

【概要】
アンモニアは肥料や工業原料として広く使われる有用な化学薬品で,近年はグリ
ーン水素の運搬の媒体としても期待されているが,400℃,200気圧以上という高
温,高圧下で,窒素と水素を用いて合成されており,エネルギー多消費のプロセ
スだった。一方で,ニトロゲナーゼという酵素では,常温,常圧下で空気中の窒
素を活性化し,アデノシン三リン酸(ATP)をエネルギー源として水からアンモ
ニアを合成するが,反応速度が非常に遅く,⻑時間の反応を⾏なうことができな
い。今回,無機光触媒としてのチタニア(TiO2)と電子伝達系としてのメチルビ
オロゲン(MV)を用いて,光触媒の光励起で発生した電子を,MVを通してシアノ
バクテリアというバクテリアの細胞内のニトロゲナーゼに直接,伝達することで
大気中の窒素と水から従来の生体システムに比べ82倍という高い速度で,常温,
常圧下において水素とアンモニアの合成を行なうことができることを見出した。


この生成速度は,従来の報告と比べても40倍以上の生成速度になる。さらに,シ
アノバクテリアの培養条件を最適化し,ニトロゲナーゼを含むヘテロシスト細胞
を増加させたことで,比較的,早い反応速度でのアンモニアと水素の合成を実現
することができた。 今回は,シアノバクテリアという生きている細胞内の酵素へ
光触媒で発生した電子を直接,MVの電子伝達系を用いて伝達することで,100時
間以上の長期にわたり反応を行なうことができた。新しいアンモニアと水素の人
工光合成の手法として期待される。

【展望】
今後は,アンモニアの生成速度をさらに向上させることを目的に,他のタイプの
ニトロゲナーゼの応用と長期安定性の向上,電子伝達系の高速化,無機光触媒の
可視光応答化による太陽光エネルギー変換効率の向上などを行なうとしている。
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【⽤語解説】
(※1) ニトロゲナーゼ リゾビウム (Rhizobium) 属(根粒菌)など窒素固定を⾏
う細菌が持っている酵素。⼤気中の窒素をアン モニアに変換する反応を触媒する。
N2 + 8H+ + 8e- + 16 ATP → 2NH3 + H2 + 16ADP + 16Pi 極めて酸素に弱く、酸
素に触れると数分間で不可逆的に失活する。そのため、本酵素を有する⽣物には
それぞれ空気中の酸素からニトロゲナーゼを隔離する機構が⾒られる。
(※2) シアノバクテリア 酸素を発⽣する光合成(酸素発⽣型光合成)を⾏う原核
⽣物。 酸素発⽣型光合成は、植物の光合成と基 本的に同じものである。 シアノ
バクテリアの祖先は30〜25 億年前に地球上に出現し、初めて酸素発⽣ 型光合成
を始めた。
(※3)光触媒 光を照射することにより触媒作⽤を⽰す物質の総称。TiO2 などが
代表的な光触媒で、光により、電荷分 離した電⼦とホールによる還元および酸化
反応を⾏う。
(※4) アンモニア 分⼦式が NH3で表される無機化合物。常圧では無⾊の気体で
特有の強い刺激臭を持つ。 ⽔に良く溶けるため、⽔溶液(アンモニア⽔)として
使⽤されることも多く、化学⼯業では基礎的な窒 素源として重要である。
※ いずれも、研究の中核にあり、具体的な事業プランの構想は後日掲載したい。

歴史の複雑さとは何か

後期19世紀 - 1920:
起源 1920 - 1948:イギリスによるパレスチナの委任統治
「パンとワイン」紛争 パレスチナ分割
1948 - 1967:中東戦争
1967 - 1993:第一次インティファーダ
1993 - 2000:オスロ和平プロセス
2000 - 2005:第二次インティファーダ
2005 - 2008:アッバース時代のはじまり
2008 - 2009:ガザ紛争
2010 - 2017:パレスチナ側の手詰まりと米トランプ政権発足 
2018 - 2021:「繁栄に至る平和」と「アブラハム合意」
2018年1月3日、米国のトランプ大統領はTwitterで「(和平)協議の一番難しい
分のエルサレムを議題から外した。だが、パレスチナ人には和平を協議する意
志が
ない。今後、膨大な支援額を支払う理由などあるだろうか」と、パレスチナ
に対
する報復を示唆した[121]。

1月14日、パレスチナのアッバース大統領はファタハ中央委員会で演説し、「
トラ
ンプ大統領の和平案は『世紀のびんた』だ」と非難した。アラビア語で「合意案」
と「びんた」の発音が似ていることから来た表現で、それほど侮辱的な内容とい
う意味である[122][123]。
1月16日、アメリカ合衆国国務省は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA
に対して1月上旬に支払う予定だった拠出金1億2500万ドル(約138億円)のうち
6500万ドルを凍結すると発表した。国務省のナウアート報道官は「(凍結は)誰
かを罰することを狙ったものではない」「UNRWAの資金が最善の使い方をされて
いるか確認する必要がある」と主張した[124]。
3月、イスラエルのテレビ局『Channel 10 News』によると、サウジアラビアのム
ハンマド皇太子はニューヨークのユダヤ人指導者との会合に出席し、パレスチナ
に対して「(米国の)和平案の受け入れを開始するか、"黙っている "べき」との
見解を示した。また、「過去40年間、パレスチナ指導者は何度も何度も機会を逃
し、与えられたすべての申し出を拒否してきた」と非難し、パレスチナ問題より
もイラン対策の方が緊急の課題であるとの見解を示した[125]。この発言は前年12
月の『ニューヨーク・タイムズ』の報道を裏付ける内容で、アラブの指導者がイス
ラエル寄りに舵を切ったことを示していた[126]。
3月30日、ガザ地区で、パレスチナ難民の帰還を求める大規模なデモが行われた。
数万の群衆がイスラエル軍と衝突し、パレスチナ側は少なくとも16人が殺害され
た。イスラエル軍は、パレスチナ側が先に発砲したと主張した[127]。
4月15日、アラブ連盟は、イスラエルによるエルサレムの首都宣言を「無効で違
法」と批判した。しかし、米国の名指しは避け、具体的な制裁なども決議されな
かった[128]。
5月9日、イスラエル国防軍は「ユダヤ・サマリア[注 9]」に命令1797を布告した[
129]。これは、イスラエル軍が「違法」と判断した新築建造物(未完成または竣
工6ヶ月以内または居住30日以内の建造物)を、従来の司法手続きを省略して、
96時間以内に異議申立が無ければ一方的に破壊できる内容である。軍律自体は、
ユダヤ人入植者も対象となるが、パレスチナ人住民の建築許可が困難な現状で、
パレスチナ人を主要な標的にした内容であると『ハアレツ』のアミラ・ハス記者
は指摘した[130]。
5月14日、米国は在イスラエル大使館をエルサレムに移転した[131]。ガザ地区で
はパレスチナ人による大規模な抗議集会が暴動に発展し、イスラエル軍が発砲し
た。パレスチナ側によると、5月15日時点で55人が殺害され、約2700人が負傷し
た[132]。
5月18日までに、パレスチナ側の死者は61人にのぼり(3月30日 - 5月13日の死者
を含めると、118人)[133]、2014年のガザ侵攻以来、1度の衝突では最多の死者と
なった。パレスチナのアッバース大統領は、「本日またしても、我が民に対する
虐殺が続く」とイスラエルを非難し、3日間の服喪を発表した。国連のフセイン
人権高等弁務官は、「イスラエルの発砲で何十人が死亡し、数百人が負傷したの
は、衝撃的だ」と、「甚だしい人権侵害」を非難した。一方、イスラエルのネタ
ニヤフ首相は「テロ組織ハマスは、イスラエル破壊の意図を宣言し、この目的達
成のため国境フェンス突破を目指して何千人を送り込んでいる。我々は自分たち
の主権と市民を守るため、引き続き断固たる行動をとる」と主張した。米ホワイ
トハウスのラージ・シャー報道官は、「大勢が悲劇的に死亡した責任のすべては
ハマスにある」とイスラエル支持を表明した。クウェートは、国連安保理での調
査を要求したが、米国の反対で採決はできなかった。
6月16日、イスラエル国防軍は、ガザ地区から風船爆弾(正確には「風船焼夷弾」
)を飛ばした集団を攻撃したと発表した。ガザ地区を実効支配するハマースの治
安当局によると、ドローン(小型無人機)の攻撃を受け、2人が負傷した。イスラ
エル南部消防当局によると、発火物を取り付けた風船や凧による火災は、3月30日
以降だけ約300件を超えるという[134]。
8月24日、米国国務省高官によると、トランプ政権はパレスチナへの約2億ドル(
約222億円)の経済支援を撤回し、他の用途に資金を振り向けることを明らかにし
[135]
8月31日、米国のナウアート報道官は、UNRWAへの資金拠出を停止すると発表した。
従来、UNRWA予算の1/3~1/4程度を米国が負担していたが、1月に行った拠出額の
削減に留まらず、それが全く途絶えることになった。ナウアートはUNRWAの運営に
「修復不可能な欠陥」があると指摘し、パレスチナ難民の子供達に対しては「国
連機関を通じない直接支援などを検討する」と表明した。UNRWAは、パレスチナ難
民を、1948年のイスラエル建国当時の難民及びその子孫と定義しており、その数
は2017年1月現在で534万人に上る。米国はこの中から、子孫を難民から外すよう
に主張していた。子孫を外せば、いずれ難民は全員死亡して居なくなるからであ
る。これはイスラエルの意向を反映したものだが、UNRWAは応じていなかった。
UNRWAの予算は当面、EU、日本など約40ヶ国の拠出金の増額で凌ぐことになった。
9月11日、米国国務省は在パレスチナ総代表部の閉鎖を発表した。ジョン・ボル
トン大統領補佐官は、9月10日の講演で「米国は常に、友人で同盟国のイスラエ
ルの側に立つ」「パレスチナがイスラエルとの意味ある直接交渉への一歩を拒否
し続ける限り、総代表部を開くことはない」と主張していた]。
9月12日、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2017年にパレスチナ自治区の失業率
が27%を超え、農業生産も11%減ったとの報告書をまとめた。国際援助の減少やイ
スラエルによる経済封鎖が理由としている。パレスチナの失業率は、世界最悪水
準にあるという。また、ガザ地区では2008年からのガザ侵攻で生産的資本蓄積の
6割が失われ、2014年のガザ侵攻では、残っていた生産的資本の85%が失われた。
世紀の変わり目(2001年)と比較して、実質所得は3割減り、2018年初めの電力
供給は、1日平均2時間であった[142][143]。 一方、この間のイスラエルの経済
成長は順調だった。2000年の第二次インティファーダ勃発当初こそ国内総生産(
GDP)は0.2%pointのマイナス成長を記録したが、2006年のレバノン侵攻、2009年と
2014年の2度のガザ侵攻は、イスラエルの経済に大きな影響は与えず、国内総生産
3-5%point前後の成長を続けた[144][145][146]。治安対策による検問強化など
でパレスチナ人のイスラエルでの就労は減少したが中国などからの出稼ぎ労働者
で補うことができた。他方、パレスチナの対外貿易の8割はイスラエルで占められ
紛争下においてもむしろイスラエルからの輸入は増えた。こうした事情で、イス
ラエルでは経済面においても、パレスチナと和平の必要がなくパレスチナはイス
ラエルに依存せざるを得ないという認識が浸透していった[147]。
2018年の1年間では、パレスチナ側は290人(うち、子供56人)、イスラエル側は14
人(うち、子供0人)が紛争で殺害された[148]。
2019年2月13日 - 2月14日、米国主催でポーランドで中東の安保問題を協議する
閣僚級会議が開催された。主としてイラン包囲網を策したもので、イスラエルと
アラブ諸国が一堂に会する異例の機会となった。パレスチナは「(米国和平案に
よる)パレスチナの大義を終わらせようとする試み」を警戒し、アラブ諸国にボ
イコットか、少なくとも派遣する代表の格下げを呼びかけた[149]。イスラエル首
相府は協議後、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビアの出席者のオフ
レコ発言をYouTubeに公開した。公開は手違いであるとしてすぐに削除されたが、
シリア駐留のイラン軍に対するイスラエルの攻撃を「自衛権の行使」と擁護した
り、イスラエル・パレスチナ問題より、イランをより大きな脅威という前提で、
イスラエルとより近い関係にあるといった発言があった[150][151]。 3月22日
米トランプ大統領はTwitterで 「今こそ米国は、ゴラン高原のイスラエルの主権
を認める時が来た」と表明した。従来は米国を含め、ゴラン高原はシリア領と認
識し、イスラエル領有を公認した国家・政権は存在しなかった
[152][153]。
3月25日、米国は、ゴラン高原をイスラエル領と正式に承認した[154]。
米国・トランプ政権では、2017年11月から、トランプの娘婿であるジャレッド・
クシュナー大統領上級顧問が中心になって、ディナ・ハビブ・パウエル大統領副
補佐官、デービッド・フリードマン駐イスラエル大使らと共に、新たな和平案の
腹案を練っていた[155]。クシュナーらはいずれも親イスラエルで知られ、従っ
てイスラエルに有利な案が取り沙汰された。これまでに報道された和平案の内容
も、それを裏付けるものだった。一方、クシュナーの相談を受けた、元外交官の
アーロン・デービッド・ミラー(英語版)によると、クシュナーは「イスラエル
人とパレスチナ人にも歴史の話をするなといった」と述べ、白紙で一から和平案
を作る考えを示した[156]。
6月25日 - 26日、米国主催でバーレーンで行われた会議「繁栄に向けた和平(繁
栄に至る平和)」で、まず「経済部分」の素案が発表された。パレスチナ・エジ
プト・レバノン・ヨルダンへの約500億ドルの投資を目玉としたが、出資者が誰
になるかは、アラブ諸国の出資に期待するとした。パレスチナ側は「パレスチナ
に国家樹立を諦めさせるための買収劇である」として出席をボイコットした。イ
スラエル側は直接の出席はしなかったが、代わりに民間のビジネスマンを出席さ
せた[157]。 同日、クシュナーは「アルジャジーラ」の取材に応え、トランプ政
権は従来と「異なる」アプローチをしており、その一つがパレスチナの財政的コ
ミットメントの優先だと説いた。また、アラブ諸国は2002年に採択された「アラ
ブ和平イニシアティブ」をパレスチナ問題の基本線としていた。これは原則とし
て、安保理決議242に基づく要求である。しかしクシュナーは、それは不可能だと
主張しイスラエルの立場との妥協をすべきだと主張した。また、エルサレムをイ
スラエルの首都と公認したことを、「主権国家であるイスラエルには、首都を決
める権利がある」と改めて擁護した[158]。
11月4日、ヨルダン川西岸の、150以上のユダヤ人入植地を管理するイェシャ評議
会の次期委員長に、デイビッド・エルハヤニ(ヘブライ語版)が選出された。エ
ルハヤニは「併合の時が来るまでに パレスチナ人によるC地区の乗っ取りを防ぎ
(我々の)インフラ改善要求を、積極的に行う必要がある」と、入植地の早期の
イスラエル併合を主張した[159]。占領地のC地区は本来、パレスチナに移管され
るはずであったが、イスラエルでは固有の領土という認識の元、永続的な支配が
公然と主張されるようになっていた。
11月6日、UNRWAのクレヘンビュール事務局長が、職権濫用の疑いで事実上の辞職
に追い込まれた[160]。 11月18日、米国のマイク・ポンペオ国務長官は記者会見
で、ヨルダン川西岸のイスラエル入植地は、国際法に反しているとは認識しない
との見解を示した。これは従来の政府見解を変更するものであるが、ポンペオは
1981年にレーガン元大統領が示した見解を正当としたと述べた[161]。イスラエル
のネタニヤフ首相は、米国の方針転換を「歴史の過ちを正す」ものだと歓迎した。
PLOのアリカット事務局長は、「世界の安定と安全、平和」を危険にさらすものと
批判した[162]。
12月1日、イスラエルのナフタリ・ベネット国防相は関係当局に ヘブロンの内側
にあるユダヤ人入植地を拡大するよう指示した。このことで、ユダヤ人入植者を
800人から倍増させるとしている[163]。 
via   jp.Wikipedia
                                               この項つづく

※ 兎にも角にも「吐き気をもよおしながら画像(大量殺人)とニュースをこなし
 
理解しようと考えつづけているが...



マルクス解体 プロメテウスの夢とその先
斎藤幸平/ 竹田真登
講談社(2023/10発売)

 資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー! 
 人新世から希望の未来へ向かうための理論。 英国で出版された話題書
  Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語
 版! いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎
 藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してき
 た。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義
 の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまで
 の研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる
 新たな議論を提起する書。

目次
第一部 マルクスの環境思想とその忘却
第一章 マルクスの物質代謝論
第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想
第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判
第二部 人新世の生産力批判
第四章 一元論と自然の非同一性
第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力
第三部 脱成長コミュニズムへ
第六章 マルクスと脱成長コミュニズム 
MEGAと1868年以降の大転換
第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ
------------------------------------------------------------------------  
 

      第一章 マルクスの物質代謝論 第一章
      物質代謝論と環境危機
  マルクスの環境問題への関心については、マルクス主義者を自称するよう
 な人たちさえも長らく否定的であった。マルクスの社会主義思想は、自然の
 支配を目指す反エコロジー的なプロメテウス主義によって特徴づけられると
 非難されてきたのである。実際、少なからぬ20世紀のマルクス主義者たちも、
 環境保健主義を本質的に反労働者階級的で、上流中産階級のイデオロギーに
 すぎないと考え、さらなる技術革新と経済成長による労働者階級の物質的利
 害の促進を擁護してきたのであった。
  一方、アラル海の環境破壊(綿花栽培等のための泥流により、東北地方と
 同じくらいの面積のあった湖が10分の1にまで干上がり、20世紀最大の環境
 破壊とぃわれる)やチェルノブイリの原発事故に代表されるソ連体制下で生
 じた深刻な環境破壊を前に、環境保護主義者たちは「社会主義」では持続可
 能な社会を構築できないという確信を強めていった。その結果、20世紀後半
 には「赤」(社会主義陣営と「緑」(環境運動陣営の間に重大な対立が生じ
 ることになったのである。
  しかし、21世紀に入り、こうした状況は変わりはじめている。「マルクス
 のエコロジー」への関心が高まりつつあるのだ。ソ進に実在した社会主義体
 制がどれほどの環境破壊を引き起こしたとしても、その崩壊と資本主義の「
 勝利」がもたらしたのは、さらに深刻な惑星規模の環境危機であった。しか
 も環境問題の解決を市場メカニズムに委ねようとするやり方が十分な効果を
 発揮せず、環境危機が深まり続けていることから、マルクス経済学を含めた
 異端派とされるアプローチに関心が集まるようになっているのだ。また、ソ
 連が崩壊し、旧来のマルクス主義のドグマはその影響力を失っている。その
 結果、「党派的論争や分裂的な政治的思誠によって閉ざされることなく、理
 論的・概念的問題を議論できる知的地平と省察の揚が聞かれた」のである。
 マルクス主義の内外におけるこのような状況が、21世紀におけるマルクスの
 エコロジーの「再発見」をもたらしたのだ(第一節)。
  この再発見への道を固めたのは、ハンガリーのマルクス主義者メサーロシ
 ュ・イシュトヴアンの「社会的物質代謝」論であった。『資本を超えて』や
 『社会的制御の必要性』で展開されたメサーロシュの物質代謝論を検討する
 ことで、マルクスの環境思想の中心概念である「物質代謝の亀裂」を「経済
 学批判」との関連で、展開できるようになるだろう(第二節)。こうした作
 業を経れば、「物質代謝の亀裂」を三つの異なる次元に分類し、資本主義が
 引き起こす問題を多角的に分析できるようになる(第三節)。また、亀裂の
 三次元に対応する形で、物質代謝の亀裂を転嫁するやり方に九二つの次元か
 おることが判明するだろう。この転嫁のかかげで、資本は経済危機や環境危
 機に直面しても、危機からの回復力を弾力的に発揮することができるのであ
 る。
  しかし、「亀裂の転嫁」は、資本主義的蓄積の根深い矛盾を決して解決す
 ることはできない。むしろ、転嫁は新たな問題を生み出し、より広範な規模
 で矛盾を激化させるだけである(第四節)。そして、これこそ口-ザ・ルク
 センブルクが『資本蓄積論』(1913年)で問題視していた資本の限界であり、
 実際、彼女は物質代謝概念を使って、グローバルな不等価交換を分析したの
 だった。
  興味深いことに、その際、ルクセンブルクはマルクスを批判しながら、こ
 の概念を導入している。けれども、実は、彼女の物質代謝論はマルクス自身
 の理解と重なるところが多いのだ。その意味でルクセンブルクの批判は、マ
 ルクスの物質代謝論が20世紀初頭にはすでに歪めらられていた事実を示唆し
 ており、この概念がその後忘却されていく未来をすでに暗示しているのであ
 る。

    第-接 「マルクスのエコロジヽ-」の抑圧
  1970年代以降、マルクスの「プロメテウス的態度」は、繰り返し非難
 されてきた。「世界に対するマルクスの態度は、常にそのプロメテウス的推
 進力を保持し、人間が自然を征服することを称賛していた」(潔斎竃と言と
 いうのである。こうした批判にはマルクス主義に精通する研究者たちも同調
 していた。例えば、マルクス主義の歴史に詳しいレシェク・コワコフスキは、
 「マルクスのプロメテウス主義における典型的な特徴は、自然的なものへの
 関心の欠如である」と述べている。コワコフスキのような批判者たちに言わ
 
せれば、マルクスは自然の限界を無視し、技術による  自然の支配を追求し
  ていた。マルクスは「技術の産業的体系と人間の自然に対する支配のプロジ
  ェクトに対して、およそ無批判であった」というのである。
   さらに、賛本主義のもとでの生産力の発展こそが人類解放のための物質的
  基盤を提供するという、「史的唯物論」の楽観的想定も問題視された。環境
  保護主義者たちは、現存社会主義のもとで起こった深刻な環境破壊を理由に、
 マルクスの「「生産力主義的」「プロメテウス的」歴史観」はまったく受け
 入れられるものではないと非難したのだ。当然のことながら、ソ連の崩壊は、
 マルクスヘの批判の声を増幅しただけだった。
  結果として、マルクスが「生産力主義」だというイメージは今日でも広く
 残ったままである。ジェイムソンは、「マルクス自身が技術により合理化さ
 れた未来に対して情熱的に肩入れしていた」と指摘する。ジェイムソンがそ
 うした肩入れをむしろ肯定しているのに対して、アクセル・ホネットは、マ
 ルクス主義が「自然支k Naturbeherrschung」を求めて生産力が単線的に発展
 することを前提する「技術決定論」である点を非難している。
  また、「生産力主義」のせいで、マルクス主義において環境の問題が周縁
 化されてきたのも必然だと、ナンシー・フレイザーは考える。彼女によれば、
 「写ルクスの思想は〕資本主義社会における不平等を構造化する原理・軸と
 してのジェンダー、環境、政治的力を体系的に考えることができない利害や
 前提として考えることができないのは言うまでもない」。スヴェン目エリッ
 ク・リードマンも、マルクスの伝記のなかで、彼は「現代的な意味で環境問
 題を意識した人物」ではなかったと結論づけたのだった。ただ、幸いなこと
 に、このような見解がすべてではない。リードマンらの消極的評価の対極に
 あるのが、『マンスリー・レビュー』のポール・バーケットとジョン・ベラ
 ミー・フオスターや、『資本主義自然社会主義』のジェームズ・オコナーや
 ジョエル・コヴェルミシェル・レヴィらによる議論である。この2つのジャ
 ーナルは、それぞれ「物質代謝の亀裂」と「資本主義の第二の矛盾」という
 概念を軸として、マルクス主義のアプローチが環境危機を資本主義的生産様
 式の矛盾の現れとして理解するために有用であることを説得的に示したので
 ある。
  とりわけ、フォスターとバーケットの研究は、マルクスがまさに「現代的
 な意味で環境を意識した人物」であった事実をはっきりと論証した点で、一
 般に高い評価が与えられている。具体的には、ドイツの化学者ユストウス・
 フォン・リービッヒが『農芸化学』(1862年)で展開した掠奪農衆論をマル
 クスがどのように受容したかを注意深く分析することによって、マルクスの
 物質代謝論の重要性を明らかにしたのだ。フォスターらによると、マルクス
 は資本主義のもとでの「物質代謝の亀裂」を人間と自然の関係における疎外
  の現れとして把握すると同時に、自然の普遍的な物質代謝における深い裂け
  目を修復するためには、社会的生産の質的転換が必要であることを明示化し
  たのである。フォスターらの研究がなぜ重要かといえば、エコロジーがマル
  クスの資本主義批判の構成要素であると示すことで、マルクスのポスト資本
  主義社会像も「環境社会主義」として再解釈できるようになったからだ。こ
 の「環境社会主義」の構想は、赤と緑の間にある長年の敵対関係の克服に向
 けた大きな希望をもたらした。だからこそ、「物質代謝」概念は一躍、「花
 形概念」として注目されるようになったのである。
  スターらの議論を踏まえると----その有用性や科学的妥当性はひとまず横
 に置くとしても----少なくとも「マルクスのエコロジー」が存在しているこ
 とはもはや明らかである。むしろ、マルクスの環境思想がこれほど長い間無
 視され、否定され続けてきたのが不思議なほどである。ひとまずここでは、
 そのような周縁化か生じた理由の一つを挙げておきたい。
                            この項つづく

 ※ 11月20日。TBS『情熱大陸 経済思想家/齋藤幸平
』が出演していた。感想
   はこれからだ。
  

  風蕭々と碧い時

 

●  今夜の寸評: 酒を断ち一週間。天使の声が聞こえた。彼女が一緒にビールが
         飲みたいと。そこで缶ビール(金麦)を一口飲むことに(笑)・
         禁酒が効いたのか、体調も回復。クイズ番組も、すらすら正解。
         三十代前半の冴えを再現?
 

 

コメント
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スウィングとシャッフル

2023年11月15日 | ネオコンバーテック

    

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。 

                  どんぐりの袴大小七五三     百合山 羽公


                                           

百合山 羽公うこう(1904年9月21日 - 1991年10月22日):
俳人。静岡県浜松生。
1923年、「ホトトギス」の句座に参加、「破魔弓」(「馬酔木」の前身)に入会。
1929年、24歳で「ホトトギス」巻頭。20年来の句友である相生垣瓜人と共宰る。
1974年、句集『寒雁』ほかで第8回蛇笏賞受賞。句集は他に『故園』『樂土』。

『由来』
1681年12月24日に館林城主である徳川徳松(江戸幕府第5代将軍である徳川綱吉
の長男)の健康を祈って始まったとされる説が有力である。現在では全国で盛ん
に行われているが、江戸期は関東圏における地方風俗であった。やがてこの儀式
は京都、大阪でも行われるようになり、だんだんと全国に広まっていったという。
via Wikipaeia

 

 


Anytime Anywhere ¥1/kWh era

再エネ革命渦論 192 アフターコロナ時代 185
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   特異点真っ直中 ㊿+31
 


2028年,光通信機器・デバイス市場62兆円超に 
11月9日、富士キメラ総研は,データセンター間接続や通信キャリアの光インフ
ラ構築,欧米におけるFTTxの整備,6G通信基地局の設備投資の伸びなどにより,
今後の需要増加が期待される光通信関連機器・デバイスの世界市場を調査し,そ
の結果を「2023 光通信関連市場総調査」にまとめた。この調査では,光通信関
連機器5品目,光コンポーネント・デバイス(光コンポーネント,光アクティブ
デバイス,光パッシブデバイス,光ファイバー・光回路デバイス,その他デバイ
ス)36品目,光測定器・関連機器4品目の市場について,現状を調査し,将来を
予想するとともに,関連アプリケーションの市場についても捉えた。

2023年はFTTxやデータセンターへの投資が落ち込んでいることから,伸びは鈍化
するとみられるが、中長期的にはデータセンターへの投資回復,6G通信の基地局
投資の活発化などに伴う投資増加が期待されるとともに,高速対応製品の比率上
昇が伸びを後押しすることなどから,2028年の市場は60兆円を突破すると予想。
光通信関連機器は,光伝送装置,ルーター,L2・L3スイッチ,PONシステム,サー
バーが対象。特にサーバーの規模が大きいという。現在,一時的にデータセンタ
向けが落ち込んでいるものの,2024年以降の投資回復,また,高価格なAIサーバ
の需要増加により,引き続き市場をけん引するとみる。 光伝送装置はデータセ
ンタ相互接続向け,L2・L3スイッチはデータセンター内通信向けが増えており,
継続的な伸びを予想する。PONシステムは,2023年は中国を中心に需要が落ち込
んでいるが,欧米を中心にG-PONの導入,10G-PONへの移行需要は大きく,2024年
以降は中国市場の回復とともに堅調な推移が期待されるという。

光コンポーネントは,出荷数量の増加に加え,高速化に対応するため各光トラン
シーバーなどの製品単価が上昇していることで市場が拡大している。データセン
タでの通信高速化を背景に100G以上のクライアント側光トランシーバーが,100G
未満からの置き換えを受け伸びるとみる。また,2022年頃から800Gのクライアン
ト側光トランシーバーやAOC(アクティブ光ケーブル)の本格採用も始まっている。
光アクティブデバイスは,2023年は規模の大きいLDチップ(DML・EML)が過剰在
庫などを要因に落ち込んでいるが,データセンター向けの回復などにより2024年
は伸びに転ずる。

また,光トランシーバの多レーン化,高速LDの採用増加が中長期的な伸びの追い
風になるとする。 HB-CDMやCOSA・IC-TROSAは次世代のライン側光トランシーバ
に搭載されるため,データセンター相互接続で使用される400G ZRなどを中心に
伸びが期待されるとしている。光パッシブデバイスは,ライン側で用いられるWS
Sモジュールが好調である。
レンズ関連は,2023年はボールレンズや非球面レンズは苦戦しているが,プラス
チックレンズはAIサーバーでの需要が増えている。中長期的には,シリコンレン
ズの採用拡大やSiPhやCo-Packaged Optics(CPO)採用の影響がポイントとなる。
光ファイバ・光回路デバイスでは,規模の大きい光ケーブルはデータセンタ向け
が伸び悩んでいるため,本格的な需要回復は2024年以降と予想される。光ファイ
バは,2023年は中国のFTTx需要の減少や,データセンタ向けの投資減により縮小
するとみられるが,2024年以降は投資回復により堅調な伸びが期待される。

POFは,通信や装飾・照明,センサなどで採用されており,需要増加が続いてい
る。光コネクターはデータセンターなどインフラ投資の回復により,2024年以降
は順調に伸びるとみられるという。その他のデバイスには,仮想化技術や生成AI
などでの採用がけん引して好調な品目がみられるとしている。 デジタルコヒー
レントDSPは400G ZRなどの小型製品への搭載開始や,800G LRなどクライアント
光トランシーバーへの採用開始により需要が増えるとみられるという。PAM用
ICは800Gなど,高速光トランシーバーやAOCなどでの採用増加により伸びている。

イーサネットスイッチチップは,サーバーとつなぐ下部階層のスイッチ機器の増
加により,スマートNICは増大するCPUへの負荷を低減するためのオフロード処理
ニーズが高まっているため,堅調な伸びが期待されるとしている。 光測定器・
関連機器は光デバイスやコンポーネントの市場と連動している。光スペクトラム
アナライザー,オシロスコープ,BERTは主に光トランシーバーの製造ライン検査
やR&Dに用いられるため,光トランシーバーの生産動向や高速光トランシーバの
開発状況などの影響を受け,2023年の市場は縮小を予想する。2024年以降は横ば
いで推移するとみられるという。 このうち光ファイバーは,2022年は,前半はFT
Txやデータセンター向けの順調な設備投資を受けて好調だったが,後半は投資が
落ち着いたことから需要は減少した。新型コロナウイルス感染症流行時の通信量
増大を受けて,通信キャリアをはじめとした多くのユーザが在庫確保を進めたこ
とから市場在庫が過剰になっていた面があったものの,輸送費の増加や原材料価
格の高騰を受けて製品価格が上昇したことにより,市場は拡大した( 以下、後略)。

光合成の電子受容体量の調節機構を解明
11月13日、電力中央研究所らの共同研究グループは、光合成の電子受容体量を調
節する仕組みを世界に先駆けて明らかにした。光エネルギーを化学エネルギーに
変換する光合成は、植物の成長の根幹となる現象です。光エネルギーによって葉
緑素(クロロフィル)から取り出された電子は受容体(NADP+)に受け渡されて
NADPHという物質で一時的に保存されます。この受容体量が光環境によって変化
する現象は1959年に発見されましたが、その生理現象の全体像はいまだに解明さ
れていない。光が当たる昼間の葉緑体内部で受容体の合成が促進される現象が、
葉緑体ストロマ内のpH制御によって調節される仕組みを明らかにした。


図1.光合成による光エネルギーの保存
光合成では葉に光が当たると葉緑体内で電子伝達経路が駆動し、受容体であるNADP+
が還元されてNADPHが生産されます。このNADPHが還元力として使用されることでC
O2を固定し、糖やデンプンが合成される。
【要点】

1.葉緑体内部の受容体量の変動と合成活性特性の計測

図2.無傷葉緑体単離の様子(左)と葉緑体破砕液に含まれる電子受容体合成
活性のpH依存性(右) 葉緑体に照射する光強度に比例して合成活性が高まると
共に、反応液のpHがアルカリ性の時に活性が増大するという結果が得られた。

2.電子伝達経路と受容体合成の関係を解明


図3.サイクリック電子伝達活性と受容体現象の関係

3.サイクリック経路と受容体分解の関係を解明


図4.本研究の成果から考えられる光照射時の受容体量調節の仕組み
光によって電子伝達経路(ETC)が駆動することで受容体合成酵素が活性化し(ETC
からNADKへの矢印)、この時にサイクリック電子伝達経路(CET)の働きによってp
Hがアルカリ性に調節されることで受容体合成が促進され(CETからNADKへの矢印)、
受容体分解が抑制されます(CETからNADPPへのTバー)。受容体が増加すること
で光エネルギーを化学エネルギーとして保存する経路(LET)が充分に駆動され
るようになり光合成出力が高まります(LETからの矢印)。

【概要】
光合成において葉緑素(クロロフィル)から取り出された電子は受容体(NADP+
に受け渡されてNADPHという物質で一時的に保存される。この受容体量は光環境に
よって変化するが,その全体像は解明されていない。NADP+は細胞に広く存在し,
光合成以外の反応にも利用されるため,研究グループは光に応答した受容体の変
動が葉緑体で起こると証明した。また,受容体の合成酵素の活性には光が必要で,
アルカリ性のpHで活性が増大することを明らかにした。光合成の電子伝達経路は,
受容体がなければ電子が渋滞して動けないが,サイクリック電子伝達経路という
もう一つの経路が電子を受容体に渡すことなく系内を循環し,葉緑体内のpH勾配
を光がある時の状態に保ちATPを合成する。阻害剤で全ての電子伝達を止めると
光があっても受容体は合成されない一方,サイクリック電子伝達経路を阻害した
時にも受容体の合成が抑制された。また,サイクリック電子伝達経路を欠損する
変異体では受容体合成が顕著に遅延し,光に応答した速やかな受容体の増加に
はこの経路の駆動によるpH勾配が重要と分かった。植物の葉に光を当てた後に遮
光すると,受容体量は徐々に減少する。この時,遮光前に強光を照射してサイク
リック経路を亢進すると受容体の減少は遅延した。同様に,この経路の亢進変異
では受容体の減少が遅延し,欠損変異体では減少が加速した。また,受容体の
分解活性は弱酸性から中性のpH条件で活性化し,アルカリ条件では消失していた。
従って,遮光によって生じる葉緑体内部のpH変化と受容体分解酵素の活性特性が
一致することが分かった。さらに,遮光時に葉緑体内のpHを調節するイオン輸送
体の欠損変異体でも同様の遅延が観察されたことから,葉緑体内部の受容体量が
光環境に依存したpH変化によって調節されることがわかった。 
以上から,光によって電子伝達経路が駆動することで葉緑体ストロマのpHが受容
体を合成しやすい環境に調整され,受容体量が増加して光合成出力が増大すると
考えられた光が遮られた環境ではサイクリック電子伝達経路によってpHが維持
され,数分間は次の光まで待機するが,循環可能な電子が尽きると,葉緑体スト
ロマのpHは受容体を分解しやすい環境に調整されて減少することが分かってきた
研究グループはこの知見が,光合成出力の改善によるバイオマス増産のみならず
有害植物の成長抑制に資する新たな農薬開発にもつながる重要な成果である。


図5.間質 pH 条件による NADP プール サイズ調節の仮説モデル

暗所では、NADK (NADをリン酸化) は不活性になり、さらに、間質の pHもNADK
活性にとって好ましくない。 さらに、間質のpHはNADPP 活性 (NADPを脱リン酸
化) にとって比較的有利。その結果、葉緑体のNADPプール サイズは、暗所では
基礎レベルになる。照射されると、CETは最初にプロトン(H)ポンピングによっ
て、NADK活性には有利(CETからNADKへの矢印)、NADPP活性には不利(CETからNADPP
へのTバー)である間質pHを調整するように駆動され、NADKはさらに調整される。
光化学電子伝達連鎖 (ETC) 依存性の酸化還元修飾によって活性化されます (ETC
から NADK への矢印)。 これらの修飾により、NADから NADPへのリン酸化が
促進され、NADPプール サイズが増加し、LETが優先的に駆動される (見やすくす
るためにLETからNADKへの矢印は省略されている)。 LETとCETはしばらく明るい
条件下で駆動し続け、十分な量の電子プールが間質に蓄えられるようにする (LET
からNADP酸化還元変換への矢印)。一時的なシェーディングの下では、LETが停止
し、PSIIからの電子伝達の欠如により光化学によってNADPHが生成されなくなり
、NADPレベルが増加。 間質内の電子プールの還流は数分間 CETを駆動し続け、
間質の pHをNADPP活性にとって好ましくない状態に保つ。 間質の電子プールが
枯渇すると、CETも停止し、間質のpHが NADPP活性に有利になり、NADPが NAD
に変換され、NADPプールのサイズが徐々に減少する。
【展望】
これまでに、光合成活性の改善や最適化のためのシミュレーションでは、電子受
容体の変動はあまり考慮されてなかった。受容体の量は、実験室内の光環境によ
り変動するため、適切な評価が困難であったが、変動する光環境に応答した受容
体増減の仕組みが解明され、光合成出力の改善によるバイオマス増産のみならず
有害植物の成長抑制に資する新たな農薬開発にもつながる。また、光合成活性の
制御要因の一つとするこのように、受容体量調節仕組みに関与する酵素遺伝子な
ど、未だ明らかになっていない構成要素を同定することは、新たな植物科学理論
に基づく成長制御技術の開発に寄与すると考えられるため、さらに詳しく研究を
進めてその機能を解明する
【関係技術情報】
掲載誌:Nature Communications 
原 題:Adjustment of light-responsive NADP dynamics in chloroplasts by stromal pH 
D O I  :10.1038/s41467-023-42995-9 

※将来的には、光合成成長自動制御及び遺伝子編集(農薬)技術への展開による
惑星制御科工学(農林水産業振興)への貢献に繋がるものと考える。


ステレオビジョンで農作物サイズを屋外計測
11月9日、岡山大学発ベンチャーのビジュアルサーボは,AI手法を用いた画像処理
方法により,野菜や果物などの任意不定形対象物でも,位置・寸法の計測を可能
にする手法を開発。
【概要】
空間計測センサーとして市販され,一般に用いられている画像情報と距離情報を
組み合わせたRGB‐D画像を用いる空間計測手法は,距離計測に赤外線が用いられ
ている。太陽光に含まれる赤外線が外乱として働くためRGB‐D画像を用いた屋外
での計測は,難しいという問題があった。岡山大学発ベンチャーのビジュアルサ
ーボは,ステレオビジョンを用いた空間計測について研究を続け,任意対象物の
3次元位置姿勢を計測するコンピュータビジョン構築に成功し,泳ぐ魚の寸法計
測などを行なってきた。この画像計測方法は,左右複眼カメラに同じ対象物が写
っていれば,その位置・姿勢・寸法の計測が可能であるという特長があり,その
アイデアは,ビジュアルサーボ所有の特許で権利化されている。今回,AI手法を
用いた画像処理方法により,野菜や果物などの任意不定形対象物でも,位置・寸
法の計測が可能となった。農業用ロボットは,屋外の光環境が変化しても計測結
果が変化しない計測特性が求められる。性能を確認するために野菜,果物,日用
品を16種用意し,寸法を実測すると共に,屋外の日向(照度約52,000 lx)および
日陰(1,530 lx)の光環境で対象物の寸法と3次元位置を計測し,日向と日陰の照
度差に影響されない位置・寸法の計測を実証した。上記の結果より,果物・野菜・
日用品の寸法と3次元位置を屋外で非接触での空間計測が可能なこと,寸法計測
結果は,屋外の日向・日陰の照度環境に影響されないこと,補正後の寸法平均誤
差は1mm以下,標準偏差は3mm程度であることが分かった。研究グループは,収穫
時に果物の熟度などの計測・寸法に基づく仕分け作業なども可能な多機能ロボッ
トの開発を進め,2023年度中に農場でのフィールドテストを開始する予定


脚注1.時変光環境外乱
光の入射角度や照度などの光環境の時間的変化は、画像処理装置への入力画像を
変化させる。この入力画像の変化は、コンピュータ内に予め記憶された基準画像
と入力画像の差を乖離させるため画像処理結果に誤差を生じさせる。また基準画
像と同程度の光環境で画像が撮像されることを前提とした画像処理プログラムの
正常動作に悪影響を与え、外乱として作用する。このような光環境の時間的変化
を、時変光環境外乱と呼ぶ。
【関連特許】(審査請求前)
1.特開2023-152481 突起状面マーカー、並びに該突起状面マーカーを用いた水
 中ロボットの誘導システム 株式会社ビジュアルサーボ
【要約】
下図2のごとく、面マーカーMは、複数のコーン体3と、該コーン体3をその上
面に固定・載置する略平面状の格子体4を備え、コーン体3は、その頂点が上方
側に、その底面が格子体4側に位置するように、格子体4に固定・載置され、か
つ格子体4上における複数コーン体3の配列は、上面視で不規則なランダム状に
設定されるとともに、コーン体3は、その上下方向に貫通する複数の貫通穴7を
有する略面状に構成され、面マーカーMが設置される位置は、少なくとも地球基
準の緯度及び経度に相当する位置情報と関連付けられている、自律型水中ロボット
を目標地点までスムーズかつ効果的に案内・誘導することに寄与し得る、ロボッ
ト航走位置に関する位置情報を提供する優れた面マーカーを提供することを目的
とする。 
【符号の説明】
1・・・ドッキング装置 2・・・発光立体3次元マーカー(ドッキング用)
3・・・コーン体(錐状突起体) 4・・・格子体(基台部) 7・・・貫通穴
8・・・支持フレーム体 11・・・下方複眼カメラ(撮像手段) 13・・・前
後進・旋回スラスター(航走推進手段) 15・・・コンピュータ(制御手段)
40・・・ハニカム体(基台部) S・・・誘導システム V・・・自律型水中ロ
ボット M、M1~Mn・・・突起状面マーカー T・・・充電ステーション(ド
ッキング対象物)
------------------------------------------------------------------------



マルクス解体 プロメテウスの夢とその先
斎藤幸平/ 竹田真登
講談社(2023/10発売)

 資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー! 
 人新世から希望の未来へ向かうための理論。 英国で出版された話題書
  Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語
 版! いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎
 藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してき
 た。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義
 の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまで
 の研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる
 新たな議論を提起する書。

目次
第一部 マルクスの環境思想とその忘却
第一章 マルクスの物質代謝論
第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想
第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判
第二部 人新世の生産力批判
第四章 一元論と自然の非同一性
第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力
第三部 脱成長コミュニズムへ
第六章 マルクスと脱成長コミュニズム 
MEGAと1868年以降の大転換
第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ
------------------------------------------------------------------------  
 
本日は先回のつづき。
     まえがき
   しかし、一元論は失敗したプロメテウス主義を人新世に蘇らせ、自然へのさ
 らなる介入を正当化することになりかねない。このような「地球構築主義 ge-
    
oconstructivism」のアプローチは、人新世においてはすでに自然に対する人間
 の介入が多くなり過ぎていると主張する(Ncyray: 2019)
。それゆえ、環境破
  壊を恐れて介入を止めようとする訴えは無責任であり、より酷い大惨事を招
  くというのだ。地球構築主義によれば、人間の解放につながるかはともかく、
  人類生存の唯一の道は、惑星全体をさらに徹底的に改変することによる地球
  のスチュワードシップしかないという。この新しいプロメテウス主義は、ポ
  スト資本主義の未来像を刷新しようとするマルクス主義者たちにも影響を与
  えている(Mason 2015; Smicek and Williams 2016; Bastani 2019)。
そこで本書の
 第二部では、マルクスの「方法論的二元論」と「物質代謝の亀裂」を擁護し
 ながら、入新世におけるさまざまな一元論とプロメテウス主義に応答してい
 きたい。
  現代の一元論とプロメテウス主義の理論的限界を批判的に検討したうえで、
 本書の第三部では晩期マルクスのポスト資本主義像をエコロジカルな視点か
 ら再検討していく。MEGA研究によって新たに浮かび上がってくるのは、
 マルクスが1868年以降、自然科学、人文科学、社会科学の学際的研究を
 通じて、理論的な大転換----アルチュセール的な意味での「認識論的切断」
 Ahthusser 2005)----を成し遂げたという事実だ。マルクスが最終的に獲得し
 たポスト資本主義像は、「脱成長コミュニズム」と呼ぶべきものなのである。
 脱成長コミュニズムの理念は、「資本主義リアリズム」を克服することを可
 能にしてくれる。晩期マルクスに立ち返ることでこそ、人新世における未来
 社会の積極的な展望を提示することができるようになるのだ。これこそまさ
 に、今日私たちがマルクスを読むべき理由である。
  しかし、もし実際にマルクスが脱成長コミュニズムを提唱していたのなら、
 なぜこれまで誰も指摘しなかったのか、そしてなぜ、マルクス主義は生産力
 主義的な社会主義像を支持してきたのだろうか、と疑問に思うかもしれない。
 だが、実はその理由は簡単で、「マルクスのエコロジー」が長い間無視され
 てきたからである。
  したがって、マルクスの脱成長コミュニズムを再構成するためには、まず
 マルクスのエコロジーの周緑化の歴史を系譜学的にさかのぼる必要かある。
  もちろん、この系譜はマルクス自身から始まる。第一章では、MEGAで
 公刊された自然科学に開するマルクスのノートを参照しつつ、「物質代謝の
 亀裂」の三つの次元と技術によって媒介される地球規模での時間的・空間的
 「転嫁」を展開していく。資本蓄積にとって自然の収奪が必須の前提だとい
 う洞察は、その後、ローザ・ルクセンブルクによって深められる。彼女は『
 資本蓄積論』において、資本主義の周縁部における人々や環境に対する破壊
 的作用を物質代謝論を用いて問題視していたたのだ。
  とはいえ、ルクセンブルクは「物質代謝」という概念を取り上げる際、そ
 れをマルクス批判として定式化したのだった。彼女の批判は、マルクスの物
 質代謝論が当時でさえも十分に正しく理解されていなかったことを示唆して
 いる。このような誤解は、マルクスの著作の多くが未公刊であり、ルクセン
 ブルクもそれらを利用できなかったため、仕方のない側面もある。しかし、
 それだけが原因ではなく、労働者階級のための体系的な世界観として「マル
 クス主義」を確立しようとしたエングルスのマルクス解釈に端を発している
 のだ。
  そこで、第二章では、マルクスの物質代謝概念がどのように歪められてい
 ったかを辿るために、エングルスの編集した『資本論』とMEGAで公刊さ
 れたマルクスの経済学草稿、および抜粋ノートとを比較し、エングルスがマ
 ルクスの物質代謝論をどのように受容したかを明らかにしていく。この考察
 によって、マルクスとエングルスの間にはとりわけ物質代謝の扱いに関して、
 微妙ではあるが、しかし理論的には決定的となる相違かおることが判明する
 だろう。そして、まさにこの違いのせいで、エングルスはマルクスの環境思
 想を正しく理解することができず、物質代謝の概念は、マルクスの死後に周
 縁化されることになってしまったのだ。
  こうした周緑化の過程は、1920年代の西欧マルクス主義の理論的展開に
 もはっきりと記録されている。よく知られているように、西欧マルクス主義
 は、マルクスとエングルスを厳密に区別して両者の理論的差異を強調してい
 た。その際には、エングルスが弁証法を自然の領域へ不合理に拡張したこと
 が、ソ連正統派マルクス主義の機械論的社会分析の原因であると非難された
 のである。しかし、エングルスに対する厳しい批判にもかかわらず、西欧マ
 ルクス主義者たちは、マルクスが自然についてほとんど論じていないという
 本的な前提をソ連正統派マルクス主義と共有していた。まさにそのような思
 い込みによって、西欧マルクス主義はマルクスの物質代謝論と環境思想の重
 要性を無視する結果になってしまったのである。
  けれども第三章で論じるように、西欧マルクス主義の創始者であるルカー
 チは、西欧マルクス主義の一面性を反省し、物質代謝の概念に着目した例外
 的な人物であった。たしかに『歴史と階級意識』のなかで、ルカーチはエン
 グルスの自然の取り扱いを批判し、西欧マルクス主義に絶大な影響を与えた。
 だが、ルカーチは『追従主義と弁証法』という1925-26年に書かれた
 末発表草稿において自然の問題に取り組み、それを物質代謝論として展開し
 たのである。この草稿は長い間知られていなかったため、『歴史と階級意識
 』におけるルカーチの意図は正しく理解されず、理論的一貫性の欠如や曖昧
 さを繰り返し批判されてきた。しかし『追従主義と弁証法』を読めば、ルカ
 ーチの人間と自然の関係の取り扱いには、社会的なものと自然的なものを区
 別するマルクスの「方法論的二元論」との連続性かあることが判明する。ル
 カーチの物質代謝論は「形態」と「素材」が織りなす「非デカルト的」二元
 論であり、それは、現代の一元論とは一線を圃す資本主義批判を可能にする。
 にもかかわらず、ルカーチの物質代謝論はソ連正統派マルクス主義と西欧マ
 ルクス主義の双方によって拒絶され、ここでも「マルクスのエコロジー」は
 周縁化されてしまったのである。その結果マルクスの方法論的二元論が今日
 でも正しく理解されていないため、物質代謝の亀裂という概念は依然として
 さまざまな批判に晒され続けている。第四章では、これらの批判に応答する
 ために、ジェイソン・w・ムーアの「世界-生態 world-ecology」や、二-ル
 ・スミスとノエル・カストリーの「自然の生産」に代表されるマルクス主義
 版の一元論を取り上げる。両者のアプローチには明確な理論上の違いはある
 ものの、これらの一元論的な資本主義理解が示すのは、マルクスの方法論に
 関する誤った理解が、生産力主義という問題含みの帰結を生み出すというこ
 とである。
  第五章で論じるように、マルクスの方法論に対する無理解は、近年のプロ
 メテウス主義の復権にもつながっている。現代のユートピア・マルクス主義
 者は、マルクスの『経済学批判要綱』を引き合いに出して、情報通信技術(
 例えば人工知能(AI)、シェアリング・エコノミー、モノのインターネット
 (IIT))と完全自動化を組み合わせた「第三次産業革命」(Rifkin 2014
  によって、人間は労働の苦役から解放され、資本主義の市場メカニズムを廃
  棄できると主張する。けれども、技術が約束する夢のような未来社会を吹聴
  しながらも、その本質は、古いプロメテウス主義の反復に過ぎない。この根
  強いプロメテウス主義と決別するためには、1850年代に書かれた『要綱
  』ではなく、1860年代になってから使われるようになった「実質的包摂
  」 概念に着目する必要がある。この概念に着目することで明らかになるの
 は、資本主義のもとでの技術発展に対するマルクスの見方に大きな転換があ
 ったという事実である。そのことがはっきり現れているのが、『資本論』に
 おける彼の「資本の生産力」に対する批判である。この批判によってマルク
 スは、資本主義における生産力の発展が、必ずしもポスト資本主義への物質
 的基盤を準備するものではないとはっきりと認識するようになったのである。
  しかし、生産力の将来的発展に対する楽観的な支持を撤回したことによっ
 て、マルクスは新しい困難に直面することになった。生産力の増大が資本主
 義のもとで果たす進歩的な役割に疑問を呈し始めると、マルクスは必然的に
 自らのそれまでの進歩的な歴史観に異を唱えざるをえなくなったからだ。第
 六章では、晩期マルクスにおけるこの自己批判の過程を再構築していく。こ
 の理論的危機に着目することによってのみ、なぜマルクスが『資本論』の続
 刊を完成させようとするなかで、自然科学と前資本主義社会を同時に研究し
 なければならなかったかが明らかになるだろう。しかも、これら2つの領域
 を集中的に研究することで、ついにマルクスは1868年以降に、もう1つ
 の決定的なづフダイムシフトを経験することになる。1881年にマルクス
 がヴェラ・ザスーリチに送った手紙はこうした観点から再解釈されなくては
 ならない。この手紙には彼の非生産力主義・非ヨーロッパ中心主義の未来社
 会像が刻印されており、それは、「脱成長コミュニズム」として特微づけら
 れるべきものなのである。
  多くの人は脱成長コミュニズムという本書の結論に驚くに違いない。これ
 まで、マルクスのポスト資本主義の展望をこのような形で提示した人物は誰
 もいなかったからだ。しかも、脱成長とマルクス主義は長いあいだ敵対関係
 にあったのでなおさらだ。しかし、もし晩期マルクスがラディカルに平等で
 持続可能な社会を求めて、定常経済や脱成長の理念を受け入れたとしたら、
 両者の間には新たな対話の空間が生まれる。そのような新たな対話を実りあ
 る形で始めるために、最終章では『資本論』や他の著作を脱成長の観点から
 再検討していく。つまり、第七章では、『資本論』を越えて先に進むための
 試みとして『資本論』を再解釈していく。そうすることで、これまでは生産
 力主義の表明だと見なされてきた箇所についても、まったく異なった新しい
 解釈を提示できるようになるだろう。とりわけ『ゴータ綱領批判』における
 「協働的富 genossenschamicher Reichtum」の持つ「ラディカルな潤沢さ」は、
 ポスト稀少性経済における非消費主義的な新しい生活様式を示唆しており、
 それこそが人類世における地球規模の環境危機を前にして、安全かつ公正な
 社会を実現させるコミュニズムの基盤になるのである。
                            この項つづく

 風蕭々と碧い時

1978年8月5日 たそがれマイ・ラブ 
大橋純子(1950.4.26~2023.11.9)
作詞:阿久悠、作曲・編曲:筒美京平 



●  今夜の寸評: スウィングとシャッフル
スイングは、えばよく使われるのはジャズ。拍表だけでなく拍裏にもアクセント
をつけ演奏したり、タイミングをずらして前ノリ、後ノリを加える。跳ねるシ
ャッフルよりもややおとなしく、音を切らずに滑らかに繋いでノリを生み出す
イメージ。

シャッフルのリズムといえば3連符を均等配置した単純なもの。アメリカのブル
ース、カントリーをはじめ、なんと皆さんに馴染みのある日本の民謡・童謡で
も普通に使われる。拍表にアクセントを付けて縦に跳ねるように歯切れよく演
奏する、楽しい印象の曲が簡単に作れるのが特徴。








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バッテリ-薄膜事業渦論 ①

2023年06月12日 | ネオコンバーテック


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
愛称「ひこにゃん」。

     


 
【再エネ革命渦論 134: アフターコロナ時代 333】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
  特異点真っ直中 ⑰
ここ数年の科学技術進展に驚く昨今。今日も気になる事例を摘出。

特集|最新ペロブスカイト太陽電池特許技術 2022~2023年度③
❏ 特開2023-080071 基板コーティングのためのガスクッション装置およ
技法 カティーバ, インコーポレイテッド

※尚、本券の転載は、半導体製造技術のお浚い文章になってしまう
が、『薄膜バッテリー革命』の意義の理解を深めるために転載する。
【概要】
材料層が、電子デバイスの1つ以上の機能もしくは非機能層を提供
するため等に、基板上に形成されることができる。1つのアプロー
チでは、そのようなデバイス上のフィルム層は、限定ではないが、
化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着、スパッタリング、電子ビーム蒸
着、および熱蒸着を含むいくつかの技法のうちのいずれかを使用し
て、部分的に、基板上への一連の薄いフィルムの真空堆積を介して
製作されることができる。しかしながら、このような真空処理は、
比較的、(1)複雑であり、概して、そのような真空を維持するた
めに、大型真空チャンバおよびポンプサブシステムを伴う;(2)
そのようなシステム内の材料の大部分が、概して、堆積チャンバの
内部の壁および固定具上に堆積させられ、より多くの材料が、概し
て基板上に堆積させられるよりも無駄にされるので、堆積させられ
る原材料が無駄にされる;および、(3)壁および固定具を開放し
て、蓄積した無駄な材料を一掃するために、真空堆積ツールの動作
を頻繁に停止することを伴う等、維持することが困難である。概し
て利用可能なシリコンウエハよりも表面積が広い基板の場合、これ
らの問題は、さらなる課題をもたらす。

ある用途では、特定のパターンでフィルムを堆積させることが望ま
しくあり得る。別のアプローチでは、ブランケットコーティングが、
基板を覆って堆積させられることができ、所望のパターン化を達成
するために、フォトリソグラフィが考慮されることができる。しか
し、種々の用途では、そのようなフォトリソグラフィプロセスは、
既存の堆積フィルム層を損傷し得る。真空堆>積技法を使用するとき
に堆積層を直接パターン化するために、いわゆるシャドウマスクが
使用されることができる。そのような場合のシャドウマスクは、例
えば、金属シートから製造されることができる、堆積領域のための
切り抜きを伴う物理的ステンシルを備えている。シャドウマスクは、
概して、堆積に先立って、基板に整列させられ、それと近接または
接触して配置され、堆積中、定位置で保たれ、次いで、堆積後に除
去される。シャドウマスクを用いたそのような直接パターン化は、
真空ベースの堆積技法に実質的な複雑性を追加し、概して、基板に
対して正確にマスクを取り扱い、位置付けるための追加の機構およ
び固定を伴い、(シャドウマスク上に堆積させられる材料からの無
駄により)材料の無駄をさらに増加させ、シャドウマスクを継続的
に一掃し、交換する保守の必要性をさらに増加させる。そのような
薄いマスクは、広いエリアにわたって機械的に不安定であり、処理
されることができる基板の最大サイズを制限し得、したがって、こ
の場合、再度、概して利用可能なシリコンウエハよりも表面積が広
い基板に対して、これらの問題は、特に困難である。

本教示による囲まれたコーティングシステムの実施形態は、例えば、
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、OLED照明、有
機光起電池、ペロブスカイト太陽電池、プリント回路基板、ならび
に有機および無機半導体デバイスまたは回路によって限定されない
が、広範囲の技術分野内の種々の装置およびデバイスの製造におい
て、基板のコーティングのために有用であり得る。 本発明者らは、
とりわけ、印刷技法を使用し、基板の特定の領域を覆って液体イン
クを堆積させ、液体インクを処置して、液体インクを凝固させて固
体層を提供するようにすること(そのよな印刷中に少なくとも部分
的にガスクッションを使用して基板を支持すること、液体インクの
処置中に少なくとも部分的にガスクッションを使用し基板を支持し
続けることを含む)によって等、大気圧またはその付近における周
囲圧力で、固体層が基板上に形成されることができることを認識して
いる。本発明者はまた、とりわけ、このようにして、遅延を短縮す
ること、例えば、ハンドラによる係合中に基板への機械的損傷を低
減させること、もしくは本教示のコーティングシステムの種々の実
施形態によって提供される固体層の一様性を高めることのうちの1
つ以上のことのため等、いくつかの取り扱いステップが削減され得
ることも認識している。

本教示のコーティングシステムの実施形態で行われることができる
種々のプロセスは、そのような印刷の後および液体インクの処置の
前に特定の持続時間にわたって基板を保持すること(行われる種々
のプロセス中、少なくとも部分的にガスクッションを使用して、基
板を支持し続けることを含む)を含むことができる。

本発明者らは、とりわけ、(処理されている基板上に堆積させられ
るかまたは処理されている基板を備えている、1つ以上の種と最小
限に反応性であるか、または非反応性であるガスであって、特定純
度レベルを有する、そのようなガスを含む雰囲気を含むような)制
御された環境を提供するように構成されるエンクロージャ(囲い込
み)を有する、システムを使用して、印刷技法および他の処理動作
を実行できることを認識している。

そのような特定の純度レベルはまた、例えば、限定されないが、酸
素、オゾン、および水蒸気、ならびに種々の有機溶媒蒸気等の本教
示のコーティングシステムの実施形態を使用して製造されるデバイ
スの種々の材料および構成要素に反応する種の制御された最大不純
物濃度を含むこともできる。特定の純度レベルまで種々の反応種を
制御することは、製作中に基板上に製作されている材料およびデバ
イスの劣化を防止し、製作後にそのような材料またはデバイスの劣
化を後に引き起こし、加速し、または促進し得る、製作中に基板上
に製作されている材料およびデバイスへの不純物の取り込みを低減
もしくは防止し、または欠陥を阻止もしくは抑制することができる。
制御された環境内で特定の粒子状物質レベルを維持するため等に、
粒子状物質制御も提供されることができる。

エンクロージャの配列が、個々に維持され制御された環境を有する
それぞれのモジュールを含むことができるか、または、モジュール
のうちの1つ以上のものが、制御された環境を他のモジュールと共
有することができる。ガス精製、温度制御、溶媒排除、または粒子
状物質制御等の設備は、モジュールの間で共有されることができる、
もしくは専用の様式で提供されることができる。本教示によるガス
精製の種々の実施例は、水蒸気、酸素、オゾン、ならびに有機溶媒
蒸気等の種々の反応性大気ガスを含む種々の反応種に対するレベル
を、1000ppmまたはそれより低く、例えば、100ppmま
たはそれより低く、10ppmまたはそれより低く、1.0ppm
またはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維
持することを含むことができる。 電子または光電子デバイス等の種
々のデバイスは、1つ以上のフィルム層を提供する処理技法を使用
することを含み、有機材料を使用して製造されることができる。有
機光電子デバイスは、他のディスプレイ技術と比較して等、増進し
た電力効率および増進した視覚性能を提供するとともに、それらの
比較的薄い平面構造により、体積に関してコンパクトであり得る。
そのようなデバイスは、競合技術と異なり、機械的に可撓性(例え
ば、折り畳み可能または曲げ可能)、もしくは光学的に透明であり
得る。有機光電子デバイスの用途は、例えば、一般的照明バックラ
イト照明源としての使用、または電子発光ディスプレイ内のピクセ
ル光源もしくは他の要素としての使用を含むことができる。

有機光電子デバイスの種類の1つは、例えば、小分子、ポリマー、
蛍光またはリン光材料等の電子発光有機材料を使用して光を生成す
ることができる、有機発光ダイオード(OLED)デバイスを含む。
実施例では、印刷動作は、有機材料を含む液体インクをインクジェ
ット印刷することを含むことができ、液体インクを処置することは、
液体インクを硬化させて固体層を提供するために、紫外線(UV)
光等の光に液体インクをさらすことを含むことができる。UV照射
を含むような硬化プロセスは、架橋結合反応を誘発し、それによっ
て、パターン化固体層を形成することができる。

例えば、パターン化固体層は、基板上に製作される発光デバイスま
たは他のデバイスの少なくとも一部を被覆することができる。固体
層は、カプセル化構造を形成する層のスタックに含まれるような基
板上の特定の領域をカプセル化することができる。 本明細書に説明
されるシステムおよび技法は、さまざまな異なる基板構成を処理す
ることを支援するように使用されることができる。例えば、フラッ
トパネルディスプレイデバイスは、少なくとも部分的に、本明細書
に説明されるシステムまたは技法を使用して製作されることができ
る。そのようなフラットパネルディスプレイデバイスは、有機発光
ダイオード(OLED)フラットパネルディスプレイを含むことが
できる。いくつかのOLEDフラットパネルディスプレイが、基板
上で処理されることができる。「基板」という言葉または「製作さ
れている基板」という語句の使用は、概して、OLEDデバイスを
含むことができるような処理中のアセンブリを指す。本明細書の実
施例は、特定のパネル幾何学形状またはサイズに制限される必要は
ない。

例えば、そのようなシステムおよび技法は、約37センチメートル(
cm)×約47cmの寸法を含む長方形の幾何学形状を有する等、
第2世代(「Gen 2」)サイズを有する、基板上のディスプレイ
デバイスの製作を支援するように使用されることができる。本明細
書に説明されるシステムはまた、約61センチメートル(cm)×約
72cmの寸法を含む長方形の幾何学形状を有する等、第3.5世
代(「Gen 3.5」)基板サイズを有する、基板上のディスプレ
イデバイスの製作を支援するように等、若干大きい基板幾何学形状
に使用されることもできる。本明細書に説明されるシステムはまた、
約130cm×150cmの寸法を有する「Gen 5.5」、また
は約195cm×225cmの寸法を有する「Gen 7」もしくは
「Gen 7.5」基板に対応する基板サイズを有する、基板上のデ
ィスプレイデバイスの製作を支援するように等、さらに大きい基板
幾何学形状に使用されることもできる。例えば、Gen 7またはG
en 7.5基板は、8枚の42インチ(対角寸法)または6枚の4
7インチ(対角寸法)フラットパネルディスプレイにシンギュレー
トされる(例えば、切断または別様に分離される)ことができる。
「Gen 8」基板は、約216×246cmの寸法を含むことがで
きる。「Gen 8.5」基板は、約220cm×250cmの寸法
を含むことができ、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46
インチフラットパネルを提供するようにシンギュレートされること
ができる。

本明細書に説明されるシステムおよび技法を使用して、Gen8.5
を超え<る寸法が支持されることができる。例えば、本明細書に説明
されるシステムおよび技法を少なくとも部分的に使用して、約28
5cm×305cmまたはそれを超える寸法を有する「Gen 10」
基板が製作されることができる。本明細書に説明されるパネルサイ
ズは、概して、ガラス基板に適用可能性があるが、ディスプレイデバ
イス製作、具体的には、印刷技法を使用して1つ以上の層を形成す
ることを含むことができる、OLEDディスプレイ製作で使用する
ために好適な任意の材料の基板に適用されることができる。例えば、
種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料、例えば、
ポリイミドが、使用されることができる。例えば、本願は以下の項
目を提供する。
                               (中略)

図2のごとく、コーティングが、基板上に提供されることができる。コーティン
グの製作は、ガスクッションを使用してコーティングシステム内で基板を支
持しながら、基板の特定の領域内において固体層を形成することを含む
ことができる。例えば、液体コーティングは、基板がガスクッションによっ
て支持されている間に、特定の領域を覆って印刷されることができる。基
板は、パターン化液体を印刷した後、特定の持続時間にわたって保持さ
れることができる。基板は、ガスクッションを使用して保持されている間に
、処置ゾーンに運搬されることができる。液体コーティングは、ガスクッシ
を使用して基板を支持し続けながら、固体層を提供するように処置される
とができる基板コーティングのためのガスクッション装置および技法の

供。



図2 概して、2つ以上の印刷ゾーンおよび処置ゾーンを含むことが
できる
ようなコーティングシステムの少なくとも一部の平面図の実
施例図

【発明を実施するための形態】

図1は、概して、コーティングシステム2600の少なくとも一部
分の平面図の実施例図。システム2600は、上向きの基板の第1
の側等の基板の特定の領域内に固体層を提供するように構成される
ことができる。固体層は、特定のパターンで形成される等、基板の
少なくとも一部を被覆することができる。システム2600は、各
々が、第1の側の反対側の基板の第2の側に提供される加圧ガスを
使用するガスクッション配列を少なくとも部分的に使用して、基板
を支持するように構成されるようなゾーンの配列を含むことができ
る。例えば、固体層は、基板を覆ってパターン化またはブランケッ
ト被覆されることができ、発光デバイス(例えば、ディスプレイま
たは照明パネル)、光吸収デバイス(例えば、光検出器または太陽
電池)、プリント回路アセンブリ、または他の電子デバイスもしく
は回路の一部を被覆することができるか、またはその一部として含
まれることができる。

図1.コーティングシステムの少なくとも一部の平面図の実施例図

コーティングシステム2600は、基板の特定の領域の上に液体コ
ーティングを堆積させるように構成される(例えば、ブランケット
またはパターン化液体コーティングを提供する)インクジェットプ
リントヘッドを含むことができるような印刷システム2000を含
むことができる。例えば、印刷システム2000は、基板上の特定
の場所の上へのインク滴の確実な配置のための装置を含むことがで
きる。そのような装置は、プリントヘッドアセンブリ2501、イ
ンク送達システム、加圧ガスを提供するプラットフォーム(例えば
、浮揚式「テーブル」)等の基板支持装置、ローディングおよびア
ンローディング装置、ならびにプリントヘッドの管理用の設備のう
ちの1つ以上のものを含むことができる。
図1の例証的実施例では、印刷システム2000は、ライザに取り
付けられるようなブリッジ2130を含むことができる。ブリッジ
は、第1のキャリッジアセンブリ2301および第2のキャリッジア
センブリ2302を支持することができ、そのようなキャリッジは、
ブリッジ2130に沿った少なくとも1つの軸(例えば、「X軸」
)において移動可能である。第1のキャリッジアセンブリは、本質
的に低粒子生成であり得る線形空気ベアリング運動システムを使用
して等、ブリッジ2130を横断するプリントヘッドアセンブリ2
501の移動を制御することができる。実施例では、第1または第
2のキャリッジアセンブリ2301または2302のうちの1つ以
上のものは、その上に搭載された垂直(例えば、「Z軸」)移動プ
レートを有することができる。実施例では、第1および第2のキャ
リッジアセンブリ2301および2302の各々は、プリントヘッ
ドアセンブリを搬送することができる。図1に示されるような別の
実施例では、第1のキャリッジアセンブリ2301は、プリントヘ
ッドアセンブリ2501を搬送することができ、第2のキャリッジ
アセンブリ2302は、基板コーティング動作の監視もしくは点検
用のカメラ2303等の1つ以上のカメラを搬送することができる。

プリントヘッドアセンブリ2501等の各プリントヘッドアセンブ
リは、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に搭載された
複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバ
イスは、例えば、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体または
電子接続を含むことができるが、それらによって限定されず、各プ
リントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズでインクを
放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。例
えば、プリントヘッドアセンブリ2501は、約1~約60個のプ
リントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイ
スは、各プリントヘッドデバイスの中に約1~約30個のプリント
ヘッドを含むことができる。プリントヘッド、例えば、工業用イン
ジェットヘッドは、例証的実施形態によると、約0.1ピコリッ
トル(pL)~約200pLの液滴体積を放出することができる約
16~約2048個のノズルを有することができる。上記のように、
印刷動作は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スロットダイコー
ティング(パターン化または非パターン化)、もしくはスクリーン
印刷等の1つ以上の液体コーティングプロセスを含むことができ、
液体インクは、有機材料(例えば、モノマーまたはポリマー)もし
くは無機材料のうちの1つ以上のものを含むことができ、キャリア
流体を含むことができる。液体インクの処置は、露光(例えば、紫
外線、赤外線、もしくは可視光のうちの1つ以上のものを含む)、
加熱もしくは冷却、周囲よりも高い圧力もしくは真空のうちの1つ
以上のものを含むことができる。そのような処置は、キャリア流体
の除去(例えば、真空乾燥または真空焼き付けを含むような乾燥も
しくは真空焼き付けのうちの1つ以上のもの)、化学反応(例えば、
架橋結合、または1つの化合物から別の化合物への化学転換)、も
しくは高密度化(例えば、真空焼き付けを含むような焼き付け)の
うちの1つ以上のものを通して、固体層を提供するために、液体イ
ンクの凝固をもたらすことができる。別のアプローチでは、固相材
料が、噴射を通して基板上に堆積させるために熱的に蒸発させられ
ることができる。さらに別のアプローチでは、材料が、キャリア液
体中に溶解させられるか、または別様に懸濁させられることができ、
材料を含む層は、線を形成するようにノズルから基板上に流体状態
で連続流を分注すること(いわゆる「ノズル印刷」または「ノズル
ジェット」)、および線パターン化層を提供するためのキャリアの
後続の蒸発によって形成されることができる。

 領域2100は、(例えば、領域2100に向かった矢印によって
示されるように)液体コーティングを印刷する前に、第1のゾーン
Z1の領域2100中への基板の配置を可能にするため等に、ハン
ドラ(例えば、移送ロボット)によってアクセスされることができ
る。次いで、基板は、少なくとも部分的に、第1のゾーンZ1の領
域2100中等で加圧ガスによって支持されることができる。印刷
システムは、第1のゾーンZ1の中、印刷動作中または後等に基板
の浮揚「飛行高度」をより精密に制御するための加圧ガスおよび真
空の組み合わせを提供するような、第2の領域2200を有するこ
とができる。圧力のみまたは圧力および真空の組み合わせを使用す
ることのさらなる議論が、以下の図7の例証的実施例に関して提供
される。 

図1を再び参照すると、基板は、少なくとも部分的に、第1のゾー
ンZ1内に位置する浮揚式テーブルを使用して、運搬されることが
できる。そのような運搬は、以下の実施例でさらに議論されるよう
に、ローラもしくはグリッパ(例えば、真空グリッパ)のうちの1
つ以上のものの使用を含むような基板の機械的係合によって、増強
または別様に促進されることができる。第1、第2、または第3の
ゾーンZ1、Z2、もしくはZ3のうちの1つ以上のものは、少な
くとも部分的にガスクッションを使用して、基板を連続的に支持す
るように構成されることができる。例えば、印刷動作後に、基板は、
矢印を含む曲線によって示される経路に沿って等、第2のゾーンZ
2を介して等、処置システム3000の一部として含まれる第3の
ゾーンZ3に運搬されることができる。そのような運搬は、少なく
とも部分的に運搬中、および処置を通して、ガスクッションを使用
して基板を支持し続けることを含むことができる。処置システム
3000は、基板上に固体層を提供するために、液体コーティング
(例えば、印刷された液体インク)を処置することができる。
(以降は割愛)

❏ 特開2023-72638 シクロブタンベースの正孔輸送材料を含む光
起電デバイス カウナス ユニバーシティ オブ テクノロジー他

【要約】
図2のごとく、シクロブチル部分を含む正孔輸送化合物に関連し作
製される有機正孔導体、および正孔輸送材料。加えて、そのような
正孔輸送材料または正孔輸送化合物を含む光電子および光電気化学
デバイス、特に光起電デバイス、有機-無機ペロブスカイト膜、層
化された光起電デバイス、p-nヘテロ接合、色素増感太陽電池、
有機太陽電池、および固体太陽電池で、合成後の精製のための凝華
段階を必要としない、適切なエネルギーレベルを有する新しい正孔
輸送有機化合物、および光起電デバイスを提供。
また、開示されたHTM化合物を使用して作製されたペロブスカイ
ト太陽電池モジュールは、30.24cmのアクティブ面積で、1
9.0%を超える効率の記録を呈した。


図2.化合物V1244、V1366およびV1321に対応する
化合物1、5および7、ならびにスピロOMeTADが、正孔輸送
材料として調査される、光電池の電流-電圧曲線図

❏ 特開2023-71376 電性ペースト及びその硬化物からなる電極を
備えた太陽電池セル 東洋アルミニウム株式会社
【特許請求範囲】
銀コート酸化物粒子を含む導電性粒子と、エポキシ系硬化性樹脂と、
硬化剤と、を含有することを特徴とする導電性ペーストで従来の導
電性ペーストよりも更に電極と透明導電膜との接触抵抗を低減する
ことができる導電性ペーストを提供。
【請求項1】  銀コート酸化物粒子を含む導電性粒子と、エポキシ
系硬化性樹脂と、硬化剤と、を含有 することを特徴とする導電性ペ
ースト。
【請求項2】  前記銀コート酸化物粒子は、酸化物粒子の表面に銀
コート層を備えており、前記酸化物 粒子がシリカ粒子及び/又はア
ルミナ粒子である、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項3】  前記導電性粒子は、更に銀粒子、銅粒子及び銀コー
ト金属粒子からなる群から選択され る一種以上を含む、請求項1又
は2に記載の導電性ペースト。
【請求項4】  前記銀コート酸化物粒子は、体積平均粒子径D50
が0.1μm以上10μm以下であ る、請求項1~3のいずれかに
記載の導電性ペースト。
【請求項5】  固形分として、前記銀コート酸化物粒子を0.5~
90質量%、銀粒子、銅粒子及び銀 コート金属粒子からなる群から
選択される一種以上を0~95質量%、残部が前記エポキ シ系硬
化性樹脂及び前記硬化剤である、請求項1~4のいずれかに記載の
導電性ペースト 。
【請求項6】  太陽電池セルの透明導電膜の表面の一部に請求項1
~5のいずれかに記載の導電性ペー ストの硬化物からなる電極を
備えた太陽電池セル。

❏ 特開2023-36564 ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法、
並びに界面が低欠陥化されたニッケル酸化膜およびニッケル酸化膜
の界面処理方法 国立研究開発法人物質・材料研究機構 
【要約】
図1のごとく、透明導電層、ホール輸送層、ペロブスカイト層、電
子輸送層、ホールブロッキング層および裏面電極が順次形成されて
おり、ホール輸送層は無機ニッケル酸化物(NiOx)からなり、
ペロブスカイト層側のホール輸送層の表面の少なくとも一部が物質
X-nPACzで覆われているペロブスカイト太陽電池で、光電変
換効率が高いペロブスカイト太陽電池の提供。

❏ WO2019/182058 Sn系ペロブスカイト層及び太陽電池の製造方
国立大学法人京都大学
【要約】
Sn系ペロブスカイト化合物を含む溶液を基板に塗布する工程と,
基板に貧溶媒を塗布する工程と,基板をアニール処理する工程と,
をこの順で含むペロブスカイト層の製造方法であって,貧溶媒は,
45℃以上100℃以下である,方法で 平坦性に優れたスズ系ペロ
ブスカイト化合物を用いたペロブスカイト層の製造方法や,その製
造方法により得られたペロブスカイト層を用いたペロブスカイト型
太陽電池製造方法の提供。  

❏ 特開2022-183700 太陽電池セル、多接合型太陽電池セル、及び
太陽電池セルの製造方法 パナソニックホールディングス株式会社
【要約】

図1のごとく、太陽電池セル10が、結晶性シリコン基板11の第
1主面上に設けられるn型の第1非晶質シリコン層13、第1非晶
質シリコン層13の第1主面上に設けられる非晶質酸化物シリコン
層14、及び非晶質酸化物シリコン層14の第1主面上に設けられ
るn型の微結晶シリコン層15を備えるようにする。第1非晶質シ
リコン層13、非晶質酸化物シリコン層14、及び微結晶シリコン
層15における酸素原子濃度が、厚さ方向に関して非晶質酸化物シ
リコン層14内で極大値を有するように。受光面に微結晶シリコン
層を有して、光電変換層に到達する光を大きくでき、曲線因子も大
きくし易い太陽電池セルの提供。

図1 第1実施形態の太陽電池セルの厚さ方向の模式断面図

【符号の説明】 10,110 太陽電池セル、 11,111 結晶性
シリコン基板、 12,112 第1パッシベーション層、 13,1
13 第1非晶質シリコン層、 14,114 非晶質酸化物シリコン
層、 15,115 微結晶シリコン層、 16,116,213,313
第1透明電極、 22,122 第2パッシベーション層、 23,
123 第2非晶質シリコン層、 24,124,215,315 第2
透明電極、

❏ 特開2023-007189 インクジェットヘッド、インクジェットヘッ
ドの製造方法及び印刷装置 パナソニックIPマネジメント株式会社

【要約】
図1Aのごとく、インクジェットヘッド10は、ノズル12が形成さ
れたノズルプレート11と、ノズル12に連通する圧力室14と、
圧力室14を加圧する加圧部30と、加圧部30で発生されたエネ
ルギーを圧力室14に伝える振動板17とを備える。ノズルプレー
ト11の外表面11aには、フッ素が添加されたダイヤモンドライ
クカーボン膜からなる撥液膜50が形成され、経時的に安定した撥
液性を維持する。


図1A インクジェットヘッドの構成を示す断面模式図
【符号の説明】9 印刷装置 10 インクジェットヘッド 11 ノズ
ルプレート 12 ノズル 14 圧力室 17 振動板 30 加圧部
50 撥液膜

6月11日、日曜 7:30 -8:00 MBS毎日放送の「がっちりマンデー!!
★せまい業界第20弾!儲かる破壊業界」をみていると、株式会社
日建が地雷を破壊する技術で森の厄介者を破壊
      

図7従来例の草刈機が取付けられた油圧ショベルの構造を表す側面図   
❏ 特開2018-164454 草刈機 株式会社日建
【要約】
図1のごとく、ケーシングボディ28の片側に固定櫛刃45と可動
櫛刃46と可動櫛刃を動かす油圧シリンダからなるレーキグラップ
ル44を一体としてケーシングボディ28のブラケット50に着脱
ボルト51で着脱自在に設けた建設機械のアームに着脱可能なもの
であり、草刈刃を有する回転ドラムと、回転ドラムを回転可能に支
持するとともに収納するケーシングボディとを有する草刈機において
、レーキグラップルを設ける場合に、各部を分解せずに簡単に外す
ことができるものであり、しかも取り付けた場合には草刈機に単独
にかつ安定して取付けることができる。

図1.正面図                    図2.側面図
【符号の説明】
1…下部走行体 2…上部旋回体 3…スイングポスト 4…作業装置
5…トラックフレーム 6…駆動輪 7…従動輪(アイドラ) 8…履
帯(クローラ) 9…ブレード 10…旋回輪 11…ブーム 12…
アーム 13…草刈機 14…ブーム用油圧シリンダ 15…アーム用
油圧シリンダ 16…作業具用油圧シリンダ 20…背骨フレーム 2
1…横フレーム 22…面板 23…開口 24…レーキ 26…草刈
刃 26a…取り付けブラケット 26b…刃 26c…ボルト 27
…回転ドラム 28…ケーシングボディ 29…取付用ブラケット 30…
筒状体 31…側板 32…補強リブ 33…軸受 34A…開口 34
B…開口 35…ゴム垂れ 37…ゴム垂れ 44…レーキグラップル
45…固定櫛刃 46…可動櫛刃 47…油圧シリンダ 48…レバー
49…基盤 50…ブラケット 51…着脱ボルト



画像:Metor LakeのEコアをベースに作られた「Blue Sky Creek」の
ウエハー。プロセスはMeteor Lakeと同じ「Intel 4(7nm)」だが、P
owerViaを適用している。

インテル 裏面電力供給技術「PowerVia」のテストに成功
6月5日、同社がCPUのトランジスタ密度向上に寄与する裏面電力供給
技術「PowerVia」のテスト実装に成功したことを報告。PowerVia
開発により同社が掲げる「2030年までに1パッケージに1兆個のトラ
ンジスタを詰め込む」という目標の実現に近付く。 流通しているC
PU
のトランジスタは「下から順にトランジスタや配線を積み上げる」
というピザ作りに似た方式で生産されている。現行のCPUではピザ作
り的な製法でも問題が生じることはないが、チップの微細化が進んだ
ことで電力供給システムが処理システムのボトルネックになる事態
が発生する。ボトルネックを解消するために、チップメーカー各社
は電力供給システムをチップの裏側に搭載する「裏面電力供給技術
」の開発を進めています。Intelも裏面電力供給技術「PowerVia」の
開発を進めており、2023年6月5日には開発中のCPU「Meteor Lake」の
Efficient Core(Eコア)にPowerVia技術を投入するテストに成功。



PowerViaを用いたCPUでは電力効率が上昇し、トランジスタ密度も向
上するとのこと。インテルはPowerViaによるトランジスタ密度向上
について「ムーアの法則の約束がふたたび実現した」「インテルl
が2024年にPo
werViaを製品に導入すれば、競合他社は同社に対し『
2年の遅れ』を喫することになる」と述べている。尚、2023年6月11日
~16日に京都で開催される「VLSI Symposium」でPowerViaの詳細を発
表する。

風蕭々と碧いの時代


John Lennon Imagine

J-POPの系譜を探る:2004年代



今夜の寸評:(いまを一声に託す)        夢を実現する
                 その方法はいくつもあるよ!


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ネオビジネスマン考 ④

2023年05月25日 | ネオコンバーテック



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。

                         


           虚無僧に 吠えかかる 桐の花
                                                夏目 漱石

          桐の花 老い迫れども 吾ゆかん
                            宇

 リブアイステーキ

ロングドライブがたたり彼女の左足の痛みが激しく治療・養生にはいる。
パート先の離職手続きを終え、近くのココス大藪店でお肉が食べたいと
いうので、お抱え運転手として同伴。二人で戴いたランチがこの「リブ
アイステーキ」部位としては霜降りではないが、サーロインよりかぶり
がなく、フィレより脂身が多いが筋肉が丁寧に切除されていれば上級品
となり大変おいしく頂けるが、ここもタッチパネル入力され入力要領が
分からず目も悪い、この眼精疲労は、スーパーマーケットなどの日用品
の購入にも影響しトラブルの元凶となり、疲労量に相乗するというわけ。
何とか工夫をしなけばと、俳句にその思いを認めておいた。


5月22日、株式会社矢野経済研究所は、パワー半導体の世界市場の調査を
実施し、市場概況や採用動向、個別メーカの設備投資計画や製品戦略を
明らかにした。ここでは、2030年までの世界市場規模予測について公表。
【展望】
2030年のパワー半導体の世界市場規模(メーカ出荷金額ベース)は 369
億8,000万ドルに拡大すると予測する。2024年以降も IoT (Internet of  Th-
ings
)の 普及拡大、脱炭素社会実現に向けて、情報通信や民生、産業、
自動車の各分野でパワー半導体の需要は堅調に推移する見込みである。
特に、自動車分野は2026年~2028年頃に向けてEV(電動化)、ADAS/A
D
(先進運転支援システム/自動運転)、E/Eアーキテクチャ(統合ECU
による集中制御、車両におけるECUやセンサ、アクチュエータの設計・
構成)、IVI(次世代車載情報通信システム)、コネクテッドカーの開発
が同時に進んでおり、クルマ一台あたりのパワー半導体搭載金額が急激
に増加する見通しである。 SiCパワー半導体では、パワー半導体メーカ各
社の設備投資が活発化しており、各国による次世代半導体政策が強化される
ため、供給量は増加して搭載用途も広がる見込みである。 SiCパワー半導体
市場をけん引するのは、新エネルギー(太陽光/風力発電)機器やEV用インバ
ータ向けSiCパワーモジュールであり、特に2026年~2027年頃に投入される新
型EVにおいてSiCを適用したインバータの採用が進む見込みであり、バッテリ
容量が大きく800V給電システムを採用するハイエンドEV(高級・大型EV)向け
の需要が伸長する見通しである。2030年のSiCパワー半導体の世界市場は、
パワー半導体世界市場の17.4%を占める64億5,000万ドルに成長すると予測。

     




Graphene Revolution



※グラフェンとして知られる驚くべき素材と、その未来への変革的な影
響について探る。二次元格子状に配列された炭素原子の単層であるグラ
フェンは、「驚異の素材」とされる優れた特性を備える。その強度、導
電性、柔軟性により、エレクトロニクス、エネルギー貯蔵、航空宇宙、
医療などの業界が再構築されている。この魅惑的な探求でグラフェンと
その応用の無限の可能性を切り開き高付加価値事業の扉を開こう。


 【再エネ革命渦論 126: アフターコロナ時代 325】

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
 
特異点真っ直中 ⑧
レーザーを用い、グラフェン膜をナノ精度で加工
グラフェン膜の表面洗浄なども可能!



左図1.レーザー照射により穴あけ加工されるグラフェン膜のイメージ
図、右図2 (a) 実際のレーザー加工系の構成図。(b) グラフェン膜上に
32個のレーザースポットが形成される。(c) 多点穴あけ加工されたグラ
フェン膜の画像。穴が開かない程度の低いエネルギーのレーザーが照射
された領域を、高性能の電子顕微鏡で観察したところ、グラフェン膜表
面の汚染物が除去されていることが判明。


右図3、走査透過電子顕微鏡法で取得したレーザー加工したグラフェン
膜の画像。黒い領域は穴が開いている。白く写っているものは表面の汚
染物。


図4.高倍率で取得した透過電子顕微鏡法による画像。赤色の領域は穴
が開いている。青色の領域は汚染物。矢印で示した箇所に原子欠陥が存
在する。


グラフェンを利用するナノデバイスの開発を加速する要素技術!

5月29日、東北大学の研究グループは、フェムト秒レーザーを用い、グラ
フェン膜を100nm以下というナノ精度で加工することに成功したと発表。
レーザー照射の条件を調整すれば、グラフェン膜の表面洗浄や、数ナノメ
ートルの細孔および原子レベルの欠陥形成などに応用も可能となる。
【要点】
1.世界で最も薄い素材である炭素原子1層分のグラフェン膜を、レーザ
 ーで微細加工することに成功
2.レーザーの照射条件を調整することで、グラフェンの表面洗浄や、
 原子レベルの欠陥形成などにも応用の可能性があることを発見
【概要】
優れた物理特性をもつことから「夢の素材」として知られるグラフェン
----2004年に初めて原子1層のグラフェン膜が単離されて以来、次世代の
半導体素材として盛んに研究がなされ、グラフェンを使ったトランジス
タ、透明電極、センサーなどの実証が報告されてきたが、これらのデバ
イスを社会実装に導くには、グラフェン膜をマイクロメートル(マイク
ロ=100万分の1)からナノメートル(ナノ=10億分の1)のスケールで効
率的に加工する技術を必要とする。マイクロ/ナノスケールの素材加工・
デバイス製造には、一般的にナノリソグラフィ集束イオンビーム法
用いられる
。しかし、これらの手法は装置が大掛かりであったり、加工
/製造に長い時間を要したり、操作が困難であったりと、基礎研究・開発
の現場では利用しづらいものでした。また、グラフェンデバイスの性能
は僅かな表面状態の変質によって大きく変化するため、化学的な修飾や
結晶構造の大きな乱れが生じやすいこれらの手法の適用には限界があっ
たが、従来のナノ技術注2では論文などで提案される種々のグラフェンデ
バイスを効率的に作製することは困難。これはグラフェンが極限的に薄
いシート状の素材であり、また、表面の汚染や構造の変質に敏感で、デ
バイスの特性を損なわずに加工・製造困難であった。東北大学多元物質
科学研究所の上杉祐貴助教、小澤祐市准教授、佐藤俊一教授、大学院工
学研究科知能デバイス材料学専攻の門口尚広大学院生(研究当時)、同
専攻の小林哲郎大学院生、金属材料研究所の長迫実助手らの研究グルー
プは、フェムト秒レーザー注3を使って炭素原子1層分の厚さからなるグ
ラフェン膜を、100ナノメートル(ナノ=10億分の1)以下の精度で加工
することに成功。また、レーザー照射したグラフェン膜を高性能の電子
顕微鏡注4で観察したところ、表面の汚染物が除去され、数ナノメートル
の細孔や原子レベルの構造変化を生じさせることができることを発見す
る。研究グループは、これまでに厚さ 5~50ナノメートルのシリコン系
薄膜を、フェムト秒レーザーを使って微細加工する独自技術の開発。
この手法を極限に薄い原子1
層分のグラフェン膜に適用することで、膜
を破損することなく、多点穴のパターニング加工を施すことに成功(上
図1, 2)。レーザーのエネルギーと照射回数を適切に制御することで、
使用したレーザーの波長(520ナノメートル)よりも小さな直径70ナノメ
ートル程度の微細穴から、原理的には直径1ミリメートル以上の開口まで、
自在な加工を施すことができると考えられる
これらの知見は、グラフェン素材のエンジニアリング手法の確立に役立
つとともに、次世代半導体産業や量子科学産業の開拓を加速する研究成
果である。
関連論文】
タイトル: Nanoprocessing of self-suspended monolayer graphene and defect
        formation by femtosecond-laser irradiation

著者: Naohiro Kadoguchi*, Yuuki Uesugi*, Makoto Nagasako, Tetsuro Kobayashi,
      Yuichi Kozawa, Shunichi Sato

*責任著者: 東北大学大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻 修士課
程学生 門口尚広(2023年3月修了), 東北大学多元物質科学研究所 助
教 上杉祐貴
掲載誌: Nano Letters
DOI: 10.1021/acs.nanolett.3c00594

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2021.9.22 田中貴金属

IDTechEx の最新レポート
Sustainable Electronics Manufacturing: 2023-2033 」では、
プリント基板 (PCB) や集積回路 (IC)の製造における環境への影響が、
革新的な材料の選択と加工方法によってどのように削減できるかを検討
。これには、低温処理の実施、余分な無駄なステップの排除、可能な場
合には材料のリサイクルと再利用、長期的な可能性が予見される新しい
アプローチの採用が含まれ、IDTechEx は、10 年以内に PCB の 20% が、
ドライ エッチング、印刷、低温はんだコンポーネントの取り付けなどの
より持続可能な方法を使用して製造されるようになると予想する。この
レポートでは、サムスン、IBM、インテル、東芝、アップル、デルなど、
多くの有名電子機器メーカーが費用対効果が高く持続可能な対策を講じ
るために何を行っているかを調査。

この調査で取り上げる持続可能な製造方法 このレポートは、エレクトロ
ニクス製造の持続可能な方法を評価し、プリント基板と集積回路内の革
新に焦点を当てる。また、持続可能なイノベーションがフレキシブル エ
レクトロニクスの新時代をどのように推進できるかを評価し、効果的な
長期持続可能性の向上を実現できるさまざまな材料と製造プロセスを取
り上げる。さらに、PCB および IC 製造のバリューチェーンの各主要段
階をカバーし、イノベーションから恩恵を受けることができる領域を特
定。これらは、排出量、材料、水の消費量だけでなく、実装の拡張性と
コスト効率の観点からも比較。分析では次の領域を網羅。



『目次』
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1. 全体概要 2. はじめに 3. 市場見通し 4. プリント基板の最新持続可
能な製造手法 4.1. デザインのオプション 4.2. 基板の選択肢 4.3. パ
ターン形成と金属被膜化 4.4. 構成部品接合 4.5. 耐用年数 5. 集積回
路の持続可能なイノベーション 5.1. ウェハー作製 5.2. 酸化膜形成
5.3. パターン形成と表面ドーピング 5.4. 金属被膜化 5.5. 耐用年数
6. 企業概要


図1.
繰り返し充放電が可能な全固体空気二次電池
放電速度15Cの発電実験で、30回繰り返し充放電を確認
5月19日、山梨大学と早稲田大学の研究グループは、繰り返し充放電が可能
な「全固体空気二次電池」を開発した。酸化還元反応する有機化合物とプロト
ン伝導性の高分子薄膜を組み合わせ実現。空気二次電池は、空気中の酸素
(正極活物質)と金属(負極活物質)、イオン伝導性の電解質からなる。他の二
次電池に比べ、極めて高い理論エネルギー密度を持つ。ただ、液体電解質を
用いると液体の漏れや蒸発、発火などの心配がある。また、酸素や水分により、
負極活物質が劣化することも課題となっていた。  
【要点】
1.水素イオン(プロトン)を可逆的に取り込みできる有機化合物とプロトン伝
 導性の高分子薄膜を組み合わせて、繰り返して充放電できる全固体空気二
 次電池を開発
2.本研究で開発した全固体空気二次電池の概念図。負極活物質にジヒドロ
 キシベンゾキノンまたはその高分子体、電解 質膜にプロトン伝導性高分子
 ナフィオンを用いることで、薄型で安全な全固体空気二次電池を構築出来る。 
 一定速度(放電レート15C)における発電で、30 サイクル繰り返し充放電可能
 なことを確認
3.小型軽量で液漏れや発火の危険性がなく折り曲げても使える可能性があ
 るため、モバイル機器な どへの応用が期待できる

(1)これまでの研究で分かっていたこと
繰り返し充放電が可能な二次電池は携帯機器や電気自動車など様々な分
野に応用されており、小型軽量化、高容量化、低コスト化を目指した研
究が世界的に活発に進められています。なかでも正極の活物質に空気中
の酸素を使う空気二次電池は、他の二次電池と比べて著しく高い理論エ
ネルギー密度を持つことから注目を集めている。これまでの空気二次電
池は負極活物質としてリチウムなどの金属、電解質として非水系の有機
電解質溶液が主に用いられているが、負極活物質の劣化や電解液の漏れ
出しなど多くの課題がある。固体電解質を用いた全固体空気電池も提案
されているが、負極の課題は解決されていない。最近、負極活物質に酸
化還元活性な有機化合物を用いた空気二次電池がいくつか開発された(
Li et al., Chem, 5, 2159-2170, 2019: Oyaizu et al., Chem. Commun., 56, 4055-4
058, 2020
)が、高分子電解質膜との組み合わせによる全固体空気二次電
池はこれまで存在していませんでした。

(2)今回の研究で新たに実
現しようとしたこと、明らかになったこと


図2. 本研究で開発した全固体空気二次電池の概念図。負極活物質にジヒド
ロキシベンゾキノンまたはその高分子体、電解質膜にプロトン伝導性高分子
ナフィオンを用いることで、薄型で安全な全固体空気二次電池を構築出来る。
尚、Cレートとは、充電及び放電のスピードのことです。定電流充放電測定の
場合電池の理論容量を1時間で完全充電(または放電)させる電流の大きさを
1Cと定義する。

有機化合物を用いた電極と固体電解質から成る空気二次電池に挑戦しした。
負極活物質としてプロトン伝導性高分子薄膜(ナフィオン)、正極として白金触
媒を含むガス拡散電極(活物質は酸素)を組み合わせた全固体空気二次電池
の可能性を検討し、その結果、原理の実証に成功した。

(3)今回、新しく開発した手法
負極活物質であるジヒドロキシベンゾキノンの酸化還元反応を促進し、
電解質膜との界面でのプロトン
移動を円滑に進めるために、電子伝導性
材料(カーボン粉末)とプロトン伝導性高分子(ナフィオン)を
混合し
た負極構造を設計・構築した。電流電位測定により負極での反応とその
可逆性を確認し、充放
電、レート特性、サイクル特性を評価した。さら
にジヒドロキシベンゾキノンを高分子化したところ
負極活物質の利用率
が40%以上向上し、全固体空気二次電池の容量も8倍以上向上すること
を見出し

本研究により開発した「全固体空気二次電池」は繰り返して充放電する
ことができ、一定速度(放電レ
ート15C)における発電で、30 サイクル
充放電可能。


図3.高分子化したジヒドロキシベンゾキノンを負極活物質に用いるこ
とにより
30
回繰り返して安定に充放電出来る(クーロン効率は充電容量
に対する放電
容量の比率

(4)研究の波及効果や社会的影響
リチウムイオン二次電池の性能や耐久性は日々向上しているが、リチウ
ム資
源は限られており、また、液体電解質を用いた課題(漏れ出し、蒸
発、発火の
危険性など)は本質的に解決が困難です。本研究で開発した
全固体空気二
次電池は安全な有機レドックス化合物とプロトン伝導性高
分子薄膜を用いて
おり、
これら物質はそもそも水分が含まれた状態で用
いており水や酸素で電
極が劣化することが無く。極めて安全性に優れて
いる。また、高分子化合物
の特徴を活かしてフレキシブルなデバイスに
できる可能性もあります。今後、
構成材料の高性能化・最適化や耐久性
などを改善することで。携帯電話や小
型電子デバイスなどモバイル機器
用電源としての応用が期待される。


研究グループは今回、有機化合物を用いた電極と固体電解質から成る全
体空気二次電池を開発することにし、負極活物質として有機レドック
ス化合物
(ジヒドロキシベンゾキノンおよびその重合体)を、電解質と
してはプロトン伝導
性高分子薄膜(ナフィオン)を、正極には白金触媒
を含むガス拡散電極(活物
質は酸素)をそれぞれ用いた。 具体的には、
負極活物質の酸化還元反応を
促進し、電解質膜との界面におけるプロト
ン移動を円滑に行うため、電子伝導
性材料(カーボン粉末)とプロトン
伝導性高分子(ナフィオン)を混合した負極構
造としている。

【関連論文】
雑誌名:Angewandte Chemie International Edition
論文名:All-Solid-State Rechargeable Air Batteries Using Dihydroxybenzoquin-
one and Its Polymer as the Negative Electrode
DOI:10.1002/anie.202304366


5月18日、NTTアノードエナジー株式会社と有機系太陽電池技術研究組合は、
建物構造の制約や耐荷重で、太陽光発電を導入できないといった課題を改善
するため、ペロブスカイト太陽電池を用いた太陽光発電システムに関する共同
研究を、有機系太陽電池技術研究組合(以下、RATO)と4月から開始した。ま
た、ペロブスカイト太陽電池システム構築に必要なエンジニアリング技術の早
期獲得を図り、普及拡大を推進することで地方自治体、企業のカーボンニュー
トラル実現に貢献する。
【背景】
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、太陽光発電や風力発電の導
入拡
大が期待されています。そうした中、太陽光発電の主流となってい
るシリコン系
太陽電池は耐荷重や建物構造の制約で、一部の建物では導
入できないといっ
た課題がある。ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ
柔軟性が高い
特長から、この解決策として注目され、また、日本政府が
主導するGX実行会
議(2022年12月27日) ※4において、ペロブスカイト太
陽電池の2025年までの技
術確立および早期社会実装が議論されるなど、
官民を挙げての研究・
開発が進んでいるが、太陽光発電システムとして
の研究開発事例が少なく、
社会実装に向けてのエンジニアリング技術の
確立は必要不可欠となっている。
 NTTアノードエナジーは、ペロブスカ
イト太陽電池の研究・開発に取り組む複数企業で構成されているRATOに
参画し、太陽光発電の構築などに関するノウハウを共同研究に生かすこ
とで、新たな太陽光発電システムの開発に協力していく。
【展望】
ペロブスカイト太陽電池は、耐荷重や建物構造の制約でこれまで太陽光発電
パネル(設備)の設置が難しかった公共施設や都市部の建物等への導入が期
待でき、またNTTアノードエナジーは、今回の共同研究で獲得した技術や知見
を活用し、ペロブスカイト太陽電池の社会実装を通じて、地域におけるエネル
ギーの地産地消を含む再生可能エネルギーの普及拡大をさらに推進し、2050
年カーボンニュートラルの実現をエンジニアリングでも支援していく。



世界最高性能の日射遮蔽膜を開発
世界最高性能の日射遮蔽膜= 近赤外反射率53%と太陽熱カット
5月22日、名古屋大学の研究グループは,高い近赤外反射性能をもつ新
しい透明導電体ナノシート(Cs2.7W11O35−d)を発見し,これをガラス上に
コートすることで,世界最高性能の近赤外反射率53%と遮熱効果を示す
日射遮蔽膜(太陽熱カットフィルム)の開発。
【要点】
1.高い近赤外反射性能をもつ透明導電体ナノシーを発見

2.ナノシートコートガラスで世界最高性能の近赤外反射率53%と太陽熱
 カットを実現

3.建築物、自動車の高性能遮熱エコガラスへの応用


【概要】
ITOなど従来の日射遮蔽膜は,希少金属の利用やの製造コストなどの問題
がある。また,近赤外光吸収による遮蔽効果の特性向上には,膜厚やキ
ャリア濃度を増大させる必要があり,可視光透過性が低下するというト
レードオフの問題点があった。研究グループは,高い近赤外反射性能を
もつ新しい透明導電体ナノシート(Cs2.7W11O35−d:dは酸素欠陥量)を発見,
環境にやさしい水溶液プロセスにより世界最高性能の日射遮蔽膜の開発
に成功し,上記の問題点を一掃した。 層状構造を持つ酸化タングステン
の層状構造を層1枚までにバラバラに剥離することで,酸化タングステン
ナノシート(Cs2.7W11O35)を合成。ナノシートは,水に分散したコロイド
水溶液として合成できるため,室温,水溶液プロセスで薄膜を製造でき
る。 研究グループで開発した高速・液相薄膜作製法(単一液滴集積法)
で単層膜を作製。単層膜作製の操作を繰り返すことで,ナノシートの厚
み単位で膜厚を精密に制御した多層膜を作製した。 作製したCs2.7W11O35
ナノシート単層膜,多層膜は透明半導体であり,透明導電体の利用のた
め,酸素欠陥の導入によるキャリア注入を試み,酸素欠陥が導入された
還元型ナノシート膜(Cs2.7W11O35−d)を作製した。 この還元型ナノシート
膜の表面層へのキャリア注入が実現し,膜厚1−50nmの超薄膜ながら,ITO
に匹敵する優れた導電性(シート抵抗:2.2×102Ω/☐)を示すことを確認
した。また,優れた近赤外反射特性と可視光透過性を示し,膜厚(積層
数)とともに近赤外反射特性が向上することを確認した。特に,膜厚50
nm(積層数20層)の超薄膜は,高い可視光透過率(71%)を維持しつつ,
世界最高性能の近赤外反射率53%を実現した。検討の結果,金属−半導体
ヘテロ構造が重要であり,表面の金属層(キャリア注入層)で効率的に
近赤外光が反射されていることが明らかになったという。夏場にサーモ
グラフィによる遮熱試験を行なったところ,還元型ナノシート膜では,
ナノシートコートなしの石英基板に対してマイナス16℃という優れた遮
熱効果を確認した。研究グループは,開発した日射遮蔽膜は,建築物,
自動車の窓ガラスに適用することにより,冷房負荷削減,空調の省エネ
ルギー化を実現するキー技術としての発展が期待されるとしている。
【関連論文】
雑誌名:ACS Nano
論文タイトル:Gigantic Thermal Shielding in 2D Oxide Nanosheets
著者:Hirofumi Tsunematsu, Yue Shi , Eisuke Yamamoto , Makoto 、Kobayashi
Tomohiro Yoshida, Minoru Osada  

DOI:10.1021/acsnano.3c00815
URL:https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acsnano.3c00815

風蕭々と碧いの時代


John Lennon Imagine

J-POPの系譜を探る:1997 年代





あいみょん 愛の花

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)
立つ鳥跡を濁さず
It is simply common courtesy to clean up after yourself;
a bird does not foul the nest it is about to leave;
on leaving a place、one should see that all is in good order.
➲ Leave everything neat and tidy when you go.



無理が祟って、彼女の足の痛みが酷くなり。負荷を懸けられなくなる。
その後様態と行動をみていて、諺・箴言が過ぎる。

 

コメント
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さぁ!自信をもって進もう⑪

2023年04月07日 | ネオコンバーテック

 

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。



【覚えておきたい詩歌:俳句編①】

     三椏みつまたの花三三が九三三が九     稲畑 汀子

驚きに満ちた一句。「三三が九」のリフレインが心地よい。くちずさん
でいて、思わず楽しくなりてくる。実際三椏の木は、枝が三つずつに分
かれているのだが、それを掛け算のよう、と発見した作者は、さぞかし
嬉しかったのではなかろうかと推す。 
                 浦川 聡子 月刊 俳句界 2023.4 
                「わたしがくちずさみたくなる俳句」

稲畑 汀子(いなはた ていこ、1931年1月8日 - 2022年2月27日)は、神
奈川県出身の俳人。俳人高浜年尾の娘、俳人高浜虚子の孫。『ホトトギ
ス』名誉主宰、日本伝統俳句協会名誉会長。

浦川 聡子(うらかわ さとこ、1958年12月12日 - )は、日本の俳人、
編集者。 山形県生まれ。千葉大学教育学部音楽科卒業。音楽の教科
書専門の出版社に勤務の後[要出典]、1985年から88年にかけて『俳
句四季』(東京四季出版)の編集に関わり、俳句と出合う。1986年
より石寒太主宰「炎環」に在籍。1990年『俳句倶楽部』「女流・句
会実況中継」特集をきっかけに、若手の超結社グループ「雛の会」
を結成。同年、現代俳句協会新人賞佳作。1992年、同賞佳作。1993年
「管楽器の闇」にて現代俳句協会新人賞受賞。1994年「炎環」同人。
2007年より大峯あきら代表「晨」に同人として参加。2015年、俳句
会「オリーブの会」を発足、主宰[要出典]。学生時代よりアマチュ
アオーケストラ(弦楽器)に所属、音楽を題材とした作品に定評が
ある。via Wikipedia 
※ 記載に誤りがありました。お詫び申し上げます。2023.4.20


気候変動や環境保全は、いまやアートの展示でも重要なテーマだ。2021
年春、パリの中心部にオープンした現代アートの美術館プルス・ドゥ・
コメルスーピノー・コレクション(建築家の安藤忠雄氏が改修を手掛け話
題になった)では、今秋まで、環境をテーマにした特別展「Avantl'orage(嵐の
前)」を開催している。本展の背景には、「現在の気候変動の後に大惨事(嵐
)がやってきて、世界は一変するかもしれない。それを逃れるには、一人
ひとりが人間と自然との関係を改めて問い、地球を守ることは緊急の課
題だと意識することが必要だ」との思いがあり、Avantl'orageには約20人の
アーティストが参加した,ブログ巻頭絵画はチョーク画は刻々と変化す
る雲はアーティストたちは自然のもろさを表現している。一方で、大壁
画があるメインホールには、フランスの森で落雷に遭って切り倒さなけ
ればならなかった木々を配置した庭園が広がっていたり、別の展示室に
は黄金色に光る7つの大きなマユが吊るされていて、災否には終わりがあ
リ自然が再生することも思い出させてくれる。ときには、エコについて考
えながらアート鑑賞するのもいいものだと紹介されている。
via 環境ビジネス 2023年春季号



【思い出の南イタリア:青の洞窟の三毛猫④】









シチリア島に到着し迎えてくれたのは、色とりどり花々でとりわけ六月
のジャスミンが(檸檬などの柑橘系も含まれる)、透き通る青い空と碧
い地中海の境界で咲き誇り匂う。ここにバイキングや中東・北アフリカ
の民族が住み着いた理由と歴史がわかるというのである。そして、日差
しがきつく、暑がりの彼女は相当堪えたもの、シチリア檸檬ジュースは
リゲインするにはぴったりだったと繰り返し話している。それもその筈。


カルタジローネの大階段

シチリアには魅力的な食材が溢れ、山の幸と海の幸に恵まれ、レモン、
オリーブ、オレンジ、アーモンド、チーズ類、ワインなど多くの名産品
揃い、食事が楽しい。イタリア料理に欠かせないオリーブやトマト、ナ
ス、オレガノ、バジリコ、ワイン造りなどは、シチリアを通してイタリ
ア全土に伝播する。伝統的料理には、ひよこ豆の粉を練ってペースト状
にして揚げたパネッレ、魚介のクスクス(トラーパニ地方)、ナスやズ
ッキーニ、ピーマン、セロリなどを甘酢ソースで味付けしたカポナータ、
モッツァレラなどを中に詰めたリゾットの団子を揚げたライスコロッケ
のアランチーニなどがあり、歴史上の支配者の影響をもとに、滋味あふ
れる野菜や果物、個性的なチーズ、新鮮なシーフードなどの食材に恵ま
れ、シチリアの料理はダイナミックで味付けのはっきりした味わいが特
徴的。また、ば、アーモンドの粉で作るマジパン菓子、カッサータ、ジ
ェラートやグラニータなどのアイスクリームのすべてがアラブのお菓子
と紹介されいるから驚く。

 Yellow bellied Marmots 
  
季節と生物 乱れ始めたリズム
温暖化によって生物の活動時期に変化が起きている
⮚2023.3.29 NATIONAL GEOGRAPHIC
昨今の寒暖差の大きさに驚いているが、これは温暖化に関係している
だろうと思い始めているが、この雑誌もこの異変を取り上げている。「
季節に応じて変化する生き物たちのライフサイクル。しかし、その時期
が、しだいにずれてきている。それは人間にとって何を意味するのだろ
うか」と。
研究グループは、1962年から、群れで暮らすリス科のキバラマーモットの
行動を調査。だが近年では、地球温暖化がいかに季節にずれを生じさせ、
マーモットの健康に影響を与えているかについても注意を向ける。毎年
春が来るとマーモットは冬眠から目覚める。交尾し、出産し、ひと夏か
けて食べ物をおなかいっぱいに詰め込むと、再び冬眠する。涼しく、爽
やかな夕暮れ時、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校を目指すコナー
・フィルソンは、金属製のケージのわなに迷い込んでいた生後11カ月の
雄のキバラマーモットを暗色の袋に収める。アンカーと名づけたそのマ
ーモットの成長具合を調べるため、同大学の修士課程で学ぶマッケンジ
ー・スカーカが、DNAの採取キットでアンカーの口内から細胞の試料をか
き取った後、その小さな足のサイズを測った。マーモットの行動は変わ
りつつある。気候変動で冬眠からの目覚めが約1カ月早まり、その分、早
くから食べ物を探さなくてはならない。だが、アンカーの状態から、大
半のキバラマーモットは依然として体が大きく、健康に育っていること
がわかる。早めに活動し始めることで採食する時間が増え、以前より脂
肪を付けたり、多くの子を産んだりしている。季節がずれていることは
、今のところ、マーモットには有利に働いているようだ。だがそれは、
ほぼ確実に例外的なこと。自然界ではタイミングがすべてだ。鳥の初鳴
きから、テッポウエビがハサミを打ち鳴らして出す破裂音まで、すべて
の重要な生態学的現象は季節の移ろいとともに始まり、終わる。だが、
長い時間をかけて進化し、研ぎ澄まされてきたそのパターンが今、気候
変動によって変わりつつある。そしてそれにより、ほぼすべてのものの
ありようが再構築されると結ばれる。さて、わたしたち人類はこの気づ
きにどうのように対応していくのか?大変面白い季節に入った。

     

 


【再エネ革命渦論 111: アフターコロナ時代 310】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!



図1. 図1(a)は、プラズマ処理に使用可能なSi基材上の元のBNNT
SEM画像である。図1bは、本発明の一態様に係るプラズマシステムの概
略図
 

特表2010-510168 官能化窒化ホウ素ナノチューブ  ザ リージ
ェンツ
オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【要約】
BNNTの表面を修飾するためにプラズマ処理を使用した。一例では、アミ
ン官能基が含まれるように、BNNTの表面をアンモニアプラズマを用いて
修飾した。アミン官能化は、従来不可能であった、BNNTをクロロホルム
に対して可溶性にすることを可能にした。チオール末端有機分子を用い
るアミン官能化BNNTのさらなる官能化も実証した。金ナノ粒子は、溶液
中のアミン官能化とチオール官能化の両方の窒化ホウ素ナノチューブ
(BNNT)の表面で自己集合した。このアプローチは、高官能化BNNTの調
製に対する、ならびに他のナノスケール材料との集合および一体化用の
ナノスケールテンプレートとしてのそれらの使用に対する基礎を構成す
る。
【請求範囲】
1. 窒化ホウ素ナノチューブと、 窒化ホウ素ナノチューブの表面に付
 着している第1の有機分子とを含む構造。
2. 第1の有機分子が、アミン、カルボキシル、イミン、ヒドロキシル、
 およびニトリルからなる群より選択される、請求項1記載の構造
3.第1の有機分子がアミンである、請求項1記載の構造。
4.第1の有機分子に結合している第2の有機分子をさらに含む、請求項
 1記載の構造。
5.第2の有機分子が3-ブロモプロパノイルクロリドを含む、請求項4記
 載の構造。
6.第2の有機分子がチオールを含む、請求項4記載の構造。
7.チオールが3-メルカプトプロピオン酸を含む、請求項6記載の構造。
8.第2の有機分子に付着しているナノ分子をさらに含む、請求項4記載
 の構造。
9.ナノ粒子が、Au、Ag、Pd、CdS、CdSe、Pt、Co、CoPt、Cu、および
 ZnSからなる群より選択される、請求項8記載の構造。
10.金ナノ粒子が、4-ジメチルアミノピリジンで安定化されている金ナ
 ノ粒子を含む、請求項9記載の構造。
11.ナノ粒子の自己集合で官能化されている窒化ホウ素ナノチューブ。
12.ナノ粒子の自己集合が、ナノ粒子のほぼ単層を構成する、請求項11
 記載のナノチューブ。
13. a)窒化ホウ素ナノチューブを提供する工程と、 b)プラズマ発生器
を備えたチャンバに窒化ホウ素ナノチューブを導入する工程と、 c)
 チャンバ内のアンモニアプラズマに窒化ホウ素ナノチューブを曝露し、
 それによりアミン官能化窒化ホウ素ナノチューブを形成する工程とを
 含む、窒化ホウ素ナノチューブを修飾する方法。
14. i)0.3Pa未満または0.3Paとほぼ同等の圧力までチャンバをポンピ
 ングする工程と、 ii)チャンバにアンモニアガスを流し込む工程と、
  iii)窒化ホウ素ナノチューブに-100Vのバイアス電圧を印加する工程
 と、 iv)プラズマ発生器に電力を印加する工程とを含む方法を用いる
 ことによって、アンモニアプラズマがチャンバ中で生成される、請求
 項13記載の方法。
15.アンモニアガスを流し込む工程が、およそ400Paの圧力下、およそ10
 sccmの速度でガスを流し込むことを含む、請求項14記載の方法。
16.バイアス電圧を印加する工程が、約-50Vと-200Vとの間のバイアス
 電圧を印加することを含む、請求項14記載の方法。
17.バイアス電圧を印加する工程が、約-100Vのバイアス電圧を印加す
 ることを含む、請求項14記載の方法。
18.電力を印加する工程が、約100Wと500Wとの間(およそ200W)の電力
 を印加することを含む、請求項14記載の方法。
19.電力を印加する工程が、約200Wの電力を印加することを含む、請求
 項14記載の方法。
20..d)アミン官能化窒化ホウ素ナノチューブと液体3-ブロモプロパノ
 イルクロリド試薬とを組み合わせて混合物を形成する工程をさらに含
 む、請求項13記載の方法。
21.d)アミン官能化窒化ホウ素ナノチューブと脱イオン水とを組み合わ
 せて懸濁液を形成する工程と、 e)3-メルカプトプロピオン酸、N-
 3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩、お
 よび4-ジメチルアミノピリジンの脱イオン水溶液を懸濁液に加えて
 混合物を形成する工程とをさらに含む、請求項13記載の方法。
22.a)窒化ホウ素ナノチューブを提供する工程と、b)プラズマ発生器を
 備えたチャンバに窒化ホウ素ナノチューブを導入する工程と、c)プラ
 ズマに窒化ホウ素ナノチューブを曝露し、それにより官能化窒化ホウ
 素ナノチューブを形成する工程と を含む、窒化ホウ素ナノチューブを
  修飾する方法。 23.i)0.3Pa未満または0.3Paとほぼ同等の圧力までチ
  ャンバをポンピングする工程と、 ii)チャンバにガスまたはガス混合
  物を流し込む工程と、 iii)窒化ホウ素ナノチューブに負のバイアス
  電圧を印加する工程と、 iv)プラズマ発生器に電力を印加する工程と
 を含む方法を用いることによって、プラズマがチャンバ中で生成さ
 れる、請求項22記載の方法。
24.ガスまたはガス混合物が、アンモニア、H2+N2、CH4+O2、CH4+N2、
 H2O、およびN2+O2からなる群より選択される、請求項23記載の方法。
25.d)官能化窒化ホウ素ナノチューブと液体3-ブロモプロパノイルク
 ロリド試薬とを組み合わせて混合物を形成する工程をさらに含む、請
 求項22記載の方法。
26.d)官能化窒化ホウ素ナノチューブと脱イオン水とを組み合わせて懸
 濁液を形成する工程と、e)3-メルカプトプロピオン酸、N-(3-ジ
 メチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩、および
 4-ジメチルアミノピリジンの脱イオン水溶液を懸濁液に加えて混合物
 を形成する工程とをさらに含む、請求項22記載の方法。
27.アンモニアガスまたはH2+N2ガス混合物のいずれかがアミン官能化
 窒化ホウ素ナノチューブを形成する、請求項24記載の方法。
28.CH4+O2ガス混合物がカルボキシル官能化窒化ホウ素ナノチューブを
 形成する、請求項24記載の方法。
29.CH4+N2ガス混合物がイミン官能化窒化ホウ素ナノチューブを形成
 する、請求項24記載の方法。 30.H2Oガスがヒドロキシル官能化窒化
 ホウ素ナノチューブを形成する、請求項24記載の方法。
31.N2+O2ガス混合物がニトリル官能化窒化ホウ素ナノチューブを形成
 する、請求項24記載の方法。
32.工程cの後に、ナノチューブとナノ粒子とを組み合わせる工程をさら
 に含む、請求項22記載の方法。
33. 有機溶媒中に分散している官能化窒化ホウ素ナノチューブを含む、
 安定な溶液。

✔わたし(たち)はどのような特許案件を調べるかというと、「持続可
能可能性の能力」と「環境リスク評価」いう側面を必ず加味しながら行
っている。本件は「黒の革命」「ナノテク」そして「デジタル革命基本
6則」から考察している。また、半導体技術のナノテクである表面の科
学修飾及び官能化で、わたし(たち)が提唱する「ネオコンバーテック」
のコア技術の事業化でもある。☈
【概要】
近年、ナノスケール材料の合成および特徴づけのために相当な研究努力
が、それらの新規の機械特性、電子特性、熱特性、および化学特性を行
われ、なかでも、炭素と窒化ホウ素の両方のナノチューブが、それらの
卓越した固有の特性により関心を集める。カーボンナノチューブ(CNT)
を用いる多くの開発を可能にした主要な特徴は、カーボンナノチューブの
表面を化学修飾または官能化できることであり、これによりCNTを、ある
範囲の溶媒に可溶化させ、ホスト材料と一体化させて複合材料を形成し、
また、溶液中および基材上の他のナノスケール材料と集合させることが
可能となる。また、これらの前進により、CNT系材料を、新規の知覚用途、
電子用途、触媒用途、および材料用途の開発に使用することが可能にな
った。CNTについては著しい発展があったが、窒化ホウ素ナノチューブ
BNNT)およびそれらと、他のナノスケール材料との一体化については
進歩が比較的少なかった。

窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)は、円筒状構造を有し、優れた機械特
性および熱特性を示す。金属特性または半導体特性のいずれかを示し得
るカーボンナノチューブとは対照的に、BNNTは、均一の広いバンドギャ
ップ(約5.5eV)を有する半導体である。さらに、BNNTは高い耐酸化性
を有し、構造的に安定であり、大部分の化学物質に対して不活性で ある。
各種の材料およびデバイス用途にBNNTの固有の特性を活用する手法を見
出すことが有用であると考えられる。これを行うには、小分子、ポリマ
ー、ナノ粒子、および薄膜を用いる官能化を含む、BNNTの表面修飾が
有用であると考えられる。BNNTの修飾、例えばBNNTの表面上での高密
度の官能基の発生は、ナノスケールテンプレートとしてのこれらの材料
の使用において、および化学および生化学用途での組立品、電子デバイ
ス部品、または複合材料を形成するための、他のナノスケール材料との
それらの一体化において、大きな潜在的可能性があると思われる。
ナノスケール材料の集合および組織化に使用されてきた1つの戦略は、
特定の官能基を使用する方向性自己集合である。したがって、ナノスケ
ール材料の表面官能化が、溶液中および基材上でそれらの集合体を制御
する上で大きな関心の対象となる。例えば、機械的補強用複合材料中の
成分としてBNNTを使用しなければならない場合、BNNTと他の複合材料(
例えばエポキシまたはポリマー)との間の界面が重要である。ナノチュ
ーブの表面化学官能性を変更することで界面を変化させることができる。
同様に、BNNTの1つまたは複数の外層上またはその中に異質の元素また
は化学種を加えるか、埋め込むか、または置換することで、ナノチュー
ブに電荷を移動して、その電子構造を変化させ、したがってその電子特
性、光学特性、さらには磁気特性を変化させることができる。例えば、
BNNTにドープできるとすれば、それらの電導度を変更できるであろう。
しかし、内表面も同様に操作可能であり、これにより(機械的変形また
は電荷移動を介して)チューブ外側の化学反応性もまた変化する。

BNNT表面を官能化できるとすれば、BNNTを各種溶媒に可溶化できる。
BNNTを溶媒に可溶化、分散、または懸濁させる能力は、それらの精製
を助けるだけでなく、BNNTを含むナノスケール構造物を形成するため
の新規プロセスに道を開くと考えられる。現在に至るまで、十分に結晶
化したBNNTの表面の固有の低い化学反応性は、溶液をベースとする反
応を特に無効にする。BNNTの比較的非反応性の外側を修飾するには、
非平衡条件での反応性処理が必要であろう。通常の技術は、微細加工に
おいて固体表面の修飾、エッチング、および重合に広く使用されている
グロープラズマ処理である。プラズマがラジカル、イオン、およびクラ
スターなどの電気活性種を含むこと、ならびに、プラズマ条件を正確に
制御でき、結果として、この技術はBNNTなどの一般に非反応性の基材
上に反応性表面官能基を導入する上で大きな潜在的可能性を有する。


【発明の概要】
本件は、窒化ホウ素ナノチューブと窒化ホウ素ナノチューブの表面に付
着している第1の有機分子とを含む構造、ナノ粒子の自己集合で官能化さ
れている窒化ホウ素ナノチューブ、および窒化ホウ素ナノチューブを修
飾する方法を提供する。
【図面の説明】
【図2】(a)元のBNNTおよび(b)アンモニアプラズマ処理BNNTの壁面
の高解像度TEM画像およびフーリエ変換画像(挿入図)を示す。スケール
バー、4nm。

図3.アミンで官能化されたBNNT(AF-BNNT)の概略図

図4. (a)元のBNNT、(b)アミン官能化BNNT、(c)遊離BPC分子、お
よび(d)BPC分子で修飾されたアミン官能化BNNTのFTIRスペクトルを示す。

図5.先行するアンモニアプラズマ処理が(a)ある場合、および(b)
ない場合での、BPCで処理された単離BNNTの電子エネルギー損失スペク
トルを示す。

図6.アミン官能化BNNT(左側)および元のBNNT(右側)をクロロホル
ム中に含むバイ アルの、5時間静置後の写真を示す。

図7.図7(a)は、どのようにして3-メルカプトプロピオン酸(MPA)
でアミド形成を介してBNNTが官能化されるかを示す概略図である。図7
(b)は、チオールで官能化されたBNNT(MPA-BNNT)の概略図である。


図8.(a)未修飾BNNT、(b)アミン官能化BNNT、(c)遊離3-メルカ
プトプロピオン酸(MPA)、および(d)MPA官能化BNNTのFT-IRスペクト
ルを示す。

図9.MPA分子からのSの存在を示す、MPA-BNNTのEDS(エネルギー分散型
X線分光法)スペクトルである。

図10.どのようにして金ナノ粒子が(a)アミン官能化BNNTおよび(b)
チオール官能化BNNTの表面で自己集合し得るかを示す概略図である。

図11.DMAPで安定化した金ナノ粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)画像で
ある。 

図12.DMAP-Auナノ粒子と組み合わせた後の元のBNNTを示す低解像度TEM
画像である。

図13.異なるアミン官能化BNNTの表面で自己集合した、DMAPで安定化し
た金ナノ粒子の典型的な低解像度TEM画像を示す。図示するBNNTの長さは
約750nm(a)、1μm(b)、600nm(c)、および100nm(d)である。


図14.アミン官能化BNNTの表面で自己集合したDMAP-Auナノ粒子のHR-TEM
(高解像度透過型電子顕微鏡)画像である。


図15.異なるMPA修飾BNNTの表面で自己集合した、DMAPで安定化した金ナ
ノ粒子の典型的な低解像度TEM画像を示す。図示するBNNTの長さは約750nm
(a)、2μm(b)、160nm(c)、および180nm(d)である。

図16.図16(a)は、MPA-BNNTの表面で自己集合したDMAP-Auナノ粒子の
明視野TEM画像である。図16(b)、16(c)、16(d)は、図16(a)に示
す同一区域の元素マップである。図16(b)はBマップである。図16(c)
はCマップである。図16(d)はNマップである。図16(e)は、(a)中の
材料のEEL(電子エネルギー損失)スペクトルである。

❏さて、このようにナノ・サブナノレベルでのハイブリッド表面現象の
科学・工学の新規な事業化(ビジネス)として「水問題の解決」として、
先日掲載したフッ素化ナノカーボンによる高性能なコンパクトで持続可
能な「機能・脱塩水や超純水製造」システムの提供が、第一目標である
ことをここで吐露しておきたい。


図1.本シミュレーションによって完全に同定されたコバルト水酸化物
中の水素位置(H1~H10
 まで付番)。 その他、青丸はコバルト原子、赤
丸は酸素原子、茶丸は炭素原子を表している。


蓄電材料の充電特性、スパコンの模擬実験で解明
固体素材の内部構造を明らかに
2月9日、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は、スーパーコンピュ
ータを用いたシミュレーション技術により、高性能蓄電材料の充電特性
を解明した。備蓄効率をさらに高める材料の開発につながる。
【要点】
1.発電した電力をロスなく内部に備蓄できる固体素材の研究開発が盛
 んに進められている。
2.これまで、高い備蓄効率を示す材料が発見されているが、なぜ高効
 率が実現されるのかというメカニズムが不明であった。これは、その
 メカニズムを解析するための根本情報である固体素材の内部構造を実
 験的に解明することが困難なことによるものである。
3.スーパーコンピュータによるシミュレーションを用いて、この素材
 の内部構造を明らかにし、高い備蓄効率が実現する理由を解明した。
 これにより、更なる備蓄効率の高効率化に向けた改良につながることが
 期待される。




三菱電機 断層イメージング技術を開発
隠れたものをミリメートル精度で可視化する断層イメージング
4月4日、世界初、三菱電機は,300GHz帯のテラヘルツ波を用いて,一方
向から一回の照射により任意の深さで対象物の断層イメージングを行なう
業界初の技術を開発。同社は,複数のアンテナ素子を規則的に配置した
テラヘルツアレー型センサを使用し,断層イメージを数ミリメートル
の解像度で生成するセンシング技術を開発。生体への影響が少ない300GHz
帯テラヘルツ波を用いた撮像を行ない,対象物の断層イメージングが可
能なことを実証。従来は,各アンテナ素子からの信号の位相を調整して
物理ビームを形成し,測定対象に物理ビームをさまざまな角度から複数
回照射することで対象全体を撮像していたが,今回,一方向から一回の
照射で反射波の測定を行ない,その測定データをもとに仮想空間上で複
数地点に焦点を合わせたバーチャルビームを形成する,「バーチャルフ
ォーカスイメージング技術」を新たに開発。一度の測定で広範囲の断層
イメージを生成することで,移動する物体も撮像でき,セキュリティー
ゲートや生産ライン上での非破壊検査への適用が可能。また,従来の物
理ビームイメージング技術では,物理ビームを形成する際に余分なビー
ムによるゴーストと呼ばれる誤検出が発生するため,これを解消するた
めに多数のアンテナ素子を有する大型な装置が必要だったが,今回,広
帯域な信号を有するテラヘルツ波により,周波数毎に異なるビーム形状
(マルチモード)の形成が可能となり,得られた測定データに対し周波
数ごとにバーチャルビームを形成し,複数のイメージを合成する「マル
チモードビームフォーミング技術」を開発。周波数の異なるイメージを
合成することで誤検出を低減し,装置の小型化が可能になる。

【ウイルス解体新書 166】



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第1節 国の動向と対策の特徴
第2節 生物多様性と新興感染症リスク 五箇公一※
この3年間のコロナ禍から私たちが学ぶべきこと
第7節 新型コロナウイルス
コロナに日本社会「うまく対応」57%、「支出」「ストレス」増加
⮚2023.4.5 讀賣新聞オンライン
新型コロナウイルスの感染拡大から3年となったのに合わせ、読売新聞
社は全国世論調査(郵送方式)を実施した。日本の社会が新型コロナに
うまく対応できていると「思う」57%が、「思わない」41%を上回
り、初めて逆転した。個人については、感染拡大により支出やストレス
が増加したことが明らかになった。 新型コロナを巡る政府の対応を「評
価する」は60%で、郵送調査で初めて6割に達した。新型コロナの感
染症法上の分類を季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げること
に「賛成」は54%で、半数を超えた。一方、コロナ禍の生活で増減し
たものを10項目で聞いたところ、「増えた」のは「支出」49%が最多。
「仕事でのストレス」42%、「家族と過ごす時間」33%、「家庭での
ストレス」32%が続いた。「減った」のは「収入」27%が最も多かっ
た。社会全体ではコロナの感染拡大に対応できたものの、個人の生活に
大きな負担が生じていた。 コロナ収束後も社会に定着した方がよいと思
うもの(複数回答)は、「手洗いの徹底」77%、「公共の空間での換気
や消毒」63%、「在宅勤務などのテレワーク」45%などの順だった。

 出所:讀賣新聞
第9節 感染予防・検査・治療
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
終 章 備えあれば憂いなし
----------------------------------------------------------------

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


J-POPの系譜を探る:1980年代】
1980年、アイドルブームが到来! 松田聖子、河合奈保子、柏原芳恵、田
原俊彦、近藤真彦など続々歌手デビュー。 そして1979年秋にスタートし
た『3年B組金八先生』主題歌の「贈る言葉」が大ヒット。 1981年、レコ
ード大賞で大賞、金賞、作曲賞、作詞賞、編曲賞と総なめにした「ルビ
ーの指環/ 寺尾聰」。 TBS系『ザ・ベストテン』では12週連続1位とい
う最長記録を打ち立てる。



曲名:ダンシング・オールナイト 1980年  唄:もんた&ブラだーズ
作詞:水谷 啓二 作曲:もんたよしのり   歌謡曲

1971年にソロ歌手としてデビューするも思うようなヒットを出せなかっ
たもんたよしのりがレコード会社と再起をかけた思いで結成したバンド・
もんた&ブラザーズのデビュー曲。 当時、もんた本人は「売れるわけな
いやん」とすっかり弱気になっており、これが最後のレコーディングに
なるだろうと思っていたが、発売前から有線放送で火がつき各地で第1位
を獲得。オリコンシングルチャートでも同年5月最終週付第19位に登場、
翌週第4位まで上昇。翌々週に同チャートで第1位を獲得、そこから10週
連続で第1位を独走した。TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』でも通算7週
第1位を獲得。 1980年代(集計期間:1979年12月 - 1989年11月)オリコ
ンチャートシングル売上ランキング第1位。累計売上は200万枚[2]。 年
末には第11回日本歌謡大賞で放送音楽特別賞、第13回全日本有線放送大
賞で大賞を獲得。第22回日本レコード大賞でも金賞を受賞、賞レースで
数々の賞を獲得。

 

 

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さぁ!自信をもって進もう⑩

2023年04月05日 | ネオコンバーテック

 

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。



【思い出の南イタリア:青の洞窟の三毛猫③】





イタリア・シチリア島にある世界遺産の町として有名な「シラクーサ」
は、太宰治の小説『走れメロス』の舞台となった町でもある
。ギリシャ
時代にはアテネと同じぐらい繁栄していた。また、古代ローマ時代に征
服された後、9 世紀にアラブ時代となりパレルモが首府になるまでは、
シチリア島のなかで最も重要な町であったという。そんなシラクーサの
町では、格安のオープンバスに乗って点在する名所を楽々制覇するのが
おすすめという。紀元前3世紀にシラクーサで生まれた天才科学者である
アルキメデスに捧げられたのが、ここ「アルキメデス広場」です。広場
の中央には、ギリシャ神話の『アレトゥーサの伝説』を表現する、19世
紀末にジュリオ・モスケッティによって彫刻された「アルテミスの噴水
」がある。

アルキメデス広場

     

 


【再エネ革命渦論 109: アフターコロナ時代 308】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!


曲がる太陽電池、30年までに普及 政府が公共施設に導入
2023/4/3 2:00 日本経済新聞 電子版
政府は「曲がる太陽電池」を2030年までに普及させる方針を打ち出す。
国内企業の量産を支援し、公共施設や駅、学校などで導入する。壁にも
貼れ、コストも低減できるため太陽光発電の設置箇所が増える。従来の
太陽光パネルはほぼ中国製のため、次世代型の国産化で中国依存を減ら
す。政府は 4日にも関係閣僚会議を開き、再生エネの導入拡大に向けた
実行計画を取りまとめる。岸田文雄首相が関係省庁に対応するよう指示
する。計画の柱の一つが「ペロブスカイト型太陽電池」と呼ぶ次世代パ
ネルの30年までの実用化だ。従来のシリコン製に比べて軽くて、折り曲
げられるのが特徴だ。ビルの壁や曲がった屋上に貼れる。政府が企業な
どと一体となって供給網の構築や普及を後押しする方針を明確にする。
これまで開発面で企業を支えてきたが、量産技術の開発や生産体制の整
備を支援する。政府 が新たに発行する「GX(グリーントランスフォーメ
ーション)経済移行債」で調達する資金 を充てる。GX移行債による資金
支援の先行事例にする。



積水化学工業のペロブスカイト型太陽電池の壁面設置のイメージ
NEDO提供

ペロブスカイト型の普及は経済安全保障上の意味合いも大きい。主原料
となるヨウ素は 日本が世界で第2位の生産量がある。供給網を日本でつ
くりやすい。太陽光の拡大を進める中で供給網の混乱で輸入ができない
事態を防ぐ。 太陽光パネルの設置場所の拡大は脱炭素の懸案の一つ。
政府は30年度に国内発電量に占める太陽光の比率を14〜16%にする目標
を掲げる。21 年度の太陽光の比率は8.3%にとどまる。10年で2倍近くに
する必要がある。 既存の太陽電池の普及が進み、山間部が多い日本で
はこれから設置できる場所に限りがある。今は発電できない場所を使う
ことが欠かせない。政府はこれまで主に次世代型を開発面で支えてきた。
脱炭素技術を支援する「グリーン イノベーション基金」を通じて企業
を後押ししてきた。政府が新たにまとめる再生エネの導入拡大に向けた
実行計画は開発にとどまらず、需要・供給の両面から普及期に産業競争
力を高める対策を重視したのが特徴だ。ペロブスカイト型は再生エネの
「ゲームチェンジャー」になるとも指摘される。導入量の見通しなどが
明らかになれば、さらに普及に弾みがつく可能性がある。

がる太陽電池、世界初の量産 日本開発も中国新興先行
2022年7月19日 2:00 (2022年7月19日 5:10更新)
中国のスタートアップが新型太陽電池の大型パネルで世界初の量産を始
めた。薄くて曲がる「ペロブスカイト型」と呼ばれるタイプで、製造コ
ストは既存の3倍だが、将来シリコン型の半分まで下げられる可能性があ
る。スマートフォンへの搭載を想定する。もともと日本人研究者らが開
発した技術で、国内電機大手は新規投資に消極的なこともあり中国が量
産で先行。

ペロブスカイト型太陽電池とは 製造コスト、半額程度に
2023年4月3日 2:00
ペロブスカイト型太陽電池;「ペロブスカイト」と呼ばれる特殊な結晶
構造を持つ物質を材料に使う太陽光パネル。2009年に桐蔭横浜大学の宮
坂力特任教授が発明した。重さは現在、主流となっているシリコン型の
10分の1で、折り曲げられるのが特徴だ。材料を塗って乾かすだけという
簡単な製造工程のため従来の半額ほどで製造できると期待されている。



建物の壁や湾曲した屋根などにも設置できる利点がある。電気自動車(
EV)やドローンに搭載して、電気を「自給自足」しながら動かす活用の
仕方も想定される。どれだけ太陽光を電気に変換できるか示す変換効率
は高まってきており、積水化学工業や東芝は15%を達成した。シリコン型
は20%を超えるものがある,
日本発の技術だが、量産化では海外勢が先行
する。
ポーランドのスタートアップ、サウレ・テクノロジーズが2021年5月に
工場を開設した。中国の大正微納科技も22年7月に江蘇省で量産を始めた。
生産規模はまだ小さく、今後、どれだけ歩留まりをあげて大量に生産で
きるかが競争のカギを握っている。
【脚注】
※注:結晶シリコン系のもの直射日光しか変換できないが、ペロブスカ
イト系や有機化合物系、或いは、無機半導体化合物系の太陽電池は散乱
光も取り込めるため変換効率が高くなる特徴をもつ。
【関連情報】
曲がる太陽電池、30年までに普及 政府が公共施設に導入
積水化学大阪本社の入居ビル改修 外壁に新型太陽電
太陽電池、次の「本命」 積水化学や東芝25年にも事業化
【関連特許】
※ 特開2022-173561 塩素化塩化ビニル系樹脂 積水化学工業株式会社ka
【要約】
パルスNMRを用いて30℃でSolid Echo法で測定し、1Hの
スピン-スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、最小二乗法により緩和時間
が短い順にA30成分、B30成分の2成分に由来する2つの曲線に波
形分離して得た、B30成分の緩和時間TBと、200℃で5分間加熱
した後におけるB30成分の緩和時間T5Bとの比[T5B/TB]が
96%以上、120%以下である、塩素化塩化ビニル系樹脂で、得られ
る成形体が優れたヒートサイクル性及び耐候性を有する塩素化塩化ビニ
ル系樹脂、並びに、該塩素化塩化ビニル系樹脂を用いた成形用樹脂組成
物及び成形体を提供する。
【効果】
065 電池装置としては、ニッケルマンガン電池、リチウム電池、空気亜
鉛電池等の一次電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電
池等の二次電池、シリコン系太陽電池、色素増感太陽電池、ペロブスカ
イト型太陽電池等の太陽電池、固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料
電池、リン酸型燃料電池、固体酸化物型燃料電池等の燃料電池等が挙げ
られる。 電池装置用部材としては、バッテリーケース、バッテリー冷却
用ウォータージャケット、水素タンクカバー、コネクタ、絶縁用シート
等が挙げられる。
66 上記成形体は、ヒートサイクル試験前後の寸法変化率が0.01~
2%であることが好ましい。 なお、上記ヒートサイクル試験前後の寸
法変化率は、幅13mm、長さ127mm、厚み:3.2mmの試験片
を、100℃で30分間放置するサイクルを5回繰り返した後の寸法を
測定し、ヒートサイクル前からヒートサイクル後での寸法変化率を算出
することで測定することができる。
67 上記成形体は、撓み試験で加熱前後の撓み量[加熱前-加熱後]が
0.01~1mmであることが好ましい。 上記撓み試験は、例えば、
幅13mm、長さ127mm、厚み:3.2mmの試験片を用い、JI
S K7195に準拠した方法で加熱(但し、加熱温度:90℃、加熱時
間:30分)前後の撓み量を測定し、加熱前後の撓み量変化率を算出す
ることで行うことができる。
【発明の効果】
本発明によれば、得られる成形体が優れたヒートサイクル性及び耐候性
を有する塩素化塩化ビニル系樹脂、並びに、該塩素化塩化ビニル系樹脂
を用いた成形用樹脂組成物及び成形体を提供できる。また、得られる成
形体は、色調、光沢を長期間に渡って維持することが可能なものとなる。

※ 特開2022-152729 太陽電池の製造方法及び太陽電 積水化学工業株式
会社
【要約】
図3のごとく、複数の太陽電池セルは、隣接する太陽電池セル同士が直
列に接続しており、基材上1に透明電極2を製膜し、透明電極を切削加
工する工程(1)と、切削加工された透明電極上に光電変換層3を製膜
する工程(2A)と、リフトオフによって透明電極の基材側とは反対側
の界面を剥離しながら光電変換層を除去し、光電変換層に切削溝を形成
する工程(2B)と、切削加工された光電変換層上に電極を製膜し、電
極の切削加工を行う工程(3)とを有し、光電変換層は、一般式R-M
-X3(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカ
ルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含
む太陽電池の製造方法で光電変換層の切削加工を良好に行うことができ
、光電変換層を挟む上下の電極の電気的接続を安定して確保することが
できる太陽電池の製造方法の提供。

図3.従来のレーザーパターニングによって光電変換層に切削溝を形成
したときの状態を模式的に表した断面図
【符号の説明】 1 基材 2 透明電極 3 光電変換層
【発明の効果】 65 光電変換層を挟む上下の電極の電気的接続を安定し
て確保することができ、光電変換効率を向上させることができる太陽電
池の製造方法を提供できる。また、本発明によれば、該太陽電池の製造
方法により得られた太陽電池を提供することができる。

※ 特開2021-15902 ペロブスカイト太陽電池用封止剤及びペロブスカイ
ト太陽電池 積水化学工業株式会社
【要約】
光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカ
リ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される
有機無機ペロブスカイト化合物を含有する積層体を被覆した後又は該積
層体の周囲に封止壁を形成した後、硬化させることにより該積層体を封
止するためのペロブスカイト太陽電池用封止剤であって、主鎖に特定の
式で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10
万以下であるポリマーと、脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有
するモノマーと、光ラジカル重合開始剤と、吸水性フィラーとを含有し
、溶剤を含有しない保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性に優
れるペロブスカイト太陽電池用封止剤、及び、ペロブスカイト太陽電池
の提供。
【特許請求範囲】
【請求項1】 光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び
/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。
)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する積層体を被覆し
た後又は該積層体の周囲に封止壁を形成した後、硬化させることにより
該積層体を封止するためのペロブスカイト太陽電池用封止剤であって、
主鎖に下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が
5000以上10万以下であるポリマーと、脂環式骨格と(メタ)アク
リロイル基とを有するモノマーと、光ラジカル重合開始剤と、吸水性フ
ィラーとを含有し、溶剤を含有せず、 前記主鎖に下記式(1)で表され
る繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であ
るポリマーと前記脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノ
マーとの合計100重量部に対して、前記脂環式骨格と(メタ)アクリ
ロイル基とを有するモノマーの含有量が30重量部以上90重量部以下
であり、かつ、前記吸水性フィラーの含有量が5重量部以上60重量部
以下であり、 E型粘度計を用いて25℃、2.5rpmの条件で測定さ
れる粘度が1Pa・s以上1000Pa・s以下である ことを特徴と
するペロブスカイト太陽電池用封止剤。
【請求項2】脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマー
は、イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタジエ
ンジメタノールジ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項
1記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
【請求項3】脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマー
は、イソボルニルメタクリレート及び/又はジシクロペンタジエンジメ
タノールジメタクリレートであることを特徴とする請求項2記載のペロ
ブスカイト太陽電池用封止剤。
【請求項4】吸水性フィラーは、平均一次粒子径が0.5μm以上5μ
m以下であり、比重が1.5g/cm以上3.3g/cm以下である
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のペロブスカイト太陽電池用
封止剤。
【請求項5】吸水性フィラーは、酸化カルシウムであることを特徴とす
る請求項1、2、3又は4記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
【請求項6】吸水性フィラー以外の他のフィラーを含有することを特徴
とする請求項1、2、3、4又は5記載のペロブスカイト太陽電池用封
止剤。 【請求項7】他のフィラーとして、タルク及び/又はシリカを含
有することを特徴とする請求項6記載のペロブスカイト太陽電池用封止
剤。
※ 特開2023-44167 電池の電極形成方法、膜電極アッセンブリーの製造
方法、膜電極アッセンブリー、燃料電池または水電解水素発生装置 エム
テックスマート株式会社
【要約】
図1のごとく燃料電池や水電解水素発生装置用3層膜電極アッセンブリー
は電解質膜に一種類の電極スラリーを作成しそのままロールやスロット
ノズル等で一層塗布し、またはスプレイ等で積層し乾燥させて電極を形成
していた。スロットノズルによる液膜塗布ではスピードを速くできるが
燃料電池の特にカソード極では表面積を広くできず電極にメソポーラス
などの電極形成を行うことは難しかった。一方スプレイ塗布方法ではメ
ソポーラスなどの電極形成ができたが生産スピードと高価な電極触媒の
塗着効率が低く大きな課題になっていたが、液膜塗布装置で高速で高塗
着効率を確保し、次いで粒子発生装置で必要により粒子を液膜中に潜り
込ませ、また積層することで電極表面積の広いポーラスな構造の高性能
の電極を形成する。
 
図1.実施の形態に係るロールto ロールシステムで移動する対象物に
液膜塗布の代表的なスロットノズルによる塗布と粒子塗布による積層塗
布の略図
【符号の説明】
1、21、31、41、 スロットノズル(液膜塗布装置) 2、22、
92a 、92b、102 粒子発生装置 3、23 加熱(吸着)ロール
4、5、24、25,211 巻き出し装置 6、26、212、230、
270 巻取り装置 27 マスク 28 バックフィルム 31a 、41a
上ヘッド 31b、 41b、51b 下ヘッド 64、74、84、94、1
34 対象物 103 ロール(ロールコーター) 104 、204 PEM
(対象物) 105、205、 250 通気性基材 109 一次スプレイ
流 110 二次スプレイ流(微粒子流) 106、260 MEA 72、1
31、601、702、801、931 液膜塗布層 132、602、
603、803 粒子塗布層 151、152、201、202、 ガイド
ロール(ニップロール)



KPRとは川崎事業所でのプラスチック原料化事業の略称
廃プラスチックのリサイクルで目指す循環経済
"化学の力で社会を変える"をパーパスに世界トップクラスの機能性化学
メーカを目指すレゾナック(旧社名:昭和電工)。  
2023年1月、昭和電工と昭和電エマテリアルズが統合し、新会社として新
たなスタートを切る。 同社の川崎事業所で長く取り組んできた、廃プラ
スチックのケミカルリサイクル・システムである。 水素源を求め廃ブラ
スチックに着
目する。廃プラスチックを熱分解することで 分子に戻し、
ほぼ全量を新たな製品と して蘇らせるレゾナックのケミカルリサイクル。
同社川崎事業所では、2003年から、使用済みプラスチックを有効活用する
画期的なリサイクルプラントが稼働。川崎事業所では戦前から肥料や繊
維 の原料となるアンモニアの製造・販売を行ってきた。庚プラスチック
のアンモニア原料化事業(KPR:川崎プラスチックリサイクル)は、アンモニ
アの原料となる水素を得ることを主目的としている。



※日揮グループが推進する「ガス化ケミカルリサイクル」では、廃プラ
スチックをガス化し、メタノールやアンモニア、プロピレン、オレフィ
ンなどの化学品や化学製品に利用可能な合成ガスへと転換するため、汚
れや不純物が混入した難リサイクル性プラスチックでも、石油由来のバ
ージン品と同等の化学原料にリサイクルが可能。また同時に地産地消の
水素製造も可能なため、廃プラスチックのリサイクル率の向上、高度循
環型社会の構築だけでなく、水素社会の実現にも貢献する。

同社基礎化学品事業部KPR推進室の伊東浩史氏が解説によると「水素をど
う得るかは、アンモニア事業の歴史そのもの。一般的には、化石燃料で
ある石油の分解ガスから水素を得るのがオーソドックスな手法だが、当
初から既に化石燃料が近い将来枯渇するという話もあり、降って湧いた
話ではない 。原料ガスを得る未来が先細ると予見 した先達が水素源の可
能性を採っていたところ、廃プラスチックに注目したのが、このリサイク
ルプラントの始まりである。水素はアンモニアに、二酸化炭素は炭酸ガ
スに 前述のKPRは、廃プラスチックをガス化し、水素と二酸化炭素の合成
ガスを製造。


水素をアンモニアの原料に、二酸化炭素はプラントに隣接するグループ
会社のレゾナック・ガスブログクツヘ送り、ドライアイスや液化炭酸ガ
スに加工して外販するという事業だ。ガス化炉の中で少量の酸素と蒸気
を制限しながら供給し、高温高圧の状態で廃プラスチックをガス化し合
成ガス を取り出す。このガス化技術は、UBEと荏原製作所がNEDOの委
託で実証したものを技術導入し、2003年からレゾナックが本格稼働させ
る。稼働開始当初はトライ&エラーの連続であったが、20年継続Lてきて
今では経済的にも成り立つ形で廃プラスチックのケミカルリサイクルを
実現している。川崎串某所で稼働する廃プラスチックのガス化ケミカル
リサイクルノラントは世界でもここだった。20年近く長期にわたリ安定
運転し、これまでの処理量は100万トンに上る.廃プラスチックから原料
を作り出しているという意味では、世界でも唯一のブラントとなる。

KPR(ガス化手法)工程
1.使用済みプラスチックを分別収集(圧縮梱包)
ご家庭から出されるプラマークの付いた使用済みプラスチックを自治体
が分別収集し、圧縮梱包する。

2.破砕成形設備にて減容成形
収集された使用済みプラスチックはレゾナック川崎事業所へ運ばれ、投
入コンベアーにより破砕機に投入される。破砕した使用済みプラスチッ
クは異物を除去した後、成形機により小さな固まり(成形プラ)に加工
される。


3.ガス化設備にて合成ガスを製造
2つのガス化炉を通ってプラスチックは合成ガスになります。プラスチ
ックの固まりは「低温ガス化炉」と「高温ガス化炉」という2つのガス化炉
の中で温度と圧力を調整され、水素と二酸化炭素の合成ガスとなる。レ
ゾナックガス化プロセスは合成ガス生成過程で回収されるスラグ、金属
類、塩、硫黄は、全て「資源」として有効利用されるゼロエミッション型
リサイクル設備。


4.合成ガス中の水素からアンモニアを製造
ガス化設備で作られた水素と二酸化炭素の合成ガスは、アンモニア製造
設備へ運ばれ、合成ガスから水素を取り出し、その水素を利用してアン
モニアが作られます。二酸化炭素は隣接している工場にてドライアイス、
液化炭酸ガスとして出荷されている。




世界の資源再生に貢献
同社で生産している水素については自宗消費のほかに、川崎地区のコン
ビナートの近隣各社にも販売している。2018年には川崎キンクスカイフ
ロント東急REIホテルの燃料電池向けに、低炭素水素として供給を開始。
環境意識が高まる中、新たな供給先も増えている、KPRは、廃フラステッ
クという一旦地上に出て製品加工されたものを回収し、水素と炭酸ガス
として世の中に有用なものに生まれ変わらせているスキームとなってい
る。石油から作られたものを回収し、本来新たな石油を必要とする製品
の原料にする。それを事業として成り立たせているのがKPRで、一度製品
化されたものを資源として再利用しているという意味で真のリサイクルであり

経済的にも成り立されるという面ではサーホキラューエコノミーそのも
のを体現していると言える。
川崎事業所では現在、製造するアンモニアの50%を廃プラスチック経由。
残りを都市ガス由来で作っているか、将来的にほ100%廃フラスチック由
来にすることを目指す。能力増強に向けての技術課題や原料プラスチッ
クの調達方法など、まだ課題は多いが現時点では2030年までの実現を目
指して造んでいる.また、KRRプロセスとそのノウハウを外部にも広め
ていけるのではと考える。そうしたことも含めて.世界中の資源再生に
大きく貢献させたい意向である。via 環境ビジネス 2023年春季号
【関連情報】
※ 特開2017-154920 アンモニア除去設備及び除去方法、水素ガスの製造
装置及び製造方法、燃料電池並びに輸送機 昭和電工株式会社
【要約】
水素ガス及びアンモニアを含有する混合ガス中のアンモニアを除去する
アンモニア除去設備であって、n個(nは3以上の整数)のアンモニア
除去装置と、前記n個のアンモニア除去装置を環状に接続する少なくと
もn本の連結配管とを含む環状構造、前記n個のアンモニア除去装置の
各々に前記混合ガスを供給する少なくともn本の供給配管、及び前記n
個のアンモニア除去装置の各々から排出する処理ガスを排出させる少な
くともn本の排出配管、を有する、アンモニア除去設備で、アンモニア
除去装置の取替頻度又は再生頻度を少なくすることが可能であり、また
アンモニア除去装置の破過によりアンモニア濃度の高いガスが精製済み
ガスに混入することを未然に防ぐことが可能なアンモニア除去設備等を
提供する。


【符号の説明】
11、12、13 アンモニア除去装置 20A、21、22、23、
24 アンモニア濃度測定装置 31 水素ガス精製装置 32 アンモニ
ア分解装置 50、50A、50B ア ンモニア除去設備 60 水素ガ
ス製造装置

  風蕭々と碧い時代


 Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1978・79年代】



曲名:みずいろの雨 (1978・79年) 唄:八神純子 ニューミュージック
作詞:三浦徳子 作曲:八神純子

「みずいろの雨」(みずいろのあめ)は、1978年9月5日に発売された八
神純子の5枚目のシングル。シングルセールスは60万枚を記録。八神のシ
ングルでは最大のヒット曲で代表曲であり、多数の歌手によりカバーさ
れている。

1988年、10月に開局したばかりの東京のFMラジオ局、J-WAVEが「J-POP」
の発祥となった。J-WAVEは「多文化的」「スタイリッシュ」な街・六本
木に存在しており、当初は邦楽を全く放送していなかった[1]。しかし
1988年の年の暮れ[2]、同社常務・斎藤日出夫(2012年より社長)がレ
コード会社の邦楽担当者らと共に、J-WAVEで邦楽を流そうという企画が
発足する。レコード会社側も「洋楽しか流さないJ-WAVEが流した邦楽に
は希少性があり、それを集めたコンピレーション・アルバムを出す」な
どと言った目論見もあったという。 この際に「日本のポップス」をど
う呼称するのかが検討され(斎藤日出夫によれば、いつまでも和製○○な
どと言っていてはいつまでもオリジナルを越えられないという点があった
)、ジャパニーズ・ポップス、ジャパン・ポップス、シティ・ポップス、
タウン・ポップスなどが検討されたが、「ジャパニーズ・ポップスにせ
よ、ジャパン・ポップスにせよ、頭文字はJだ。そしてここは、J-WAVEだ
」という意見が出され、Jの文字を用いることとされた。ジャーナリスト
の烏賀陽弘道によれば、当時1985年に日本専売公社が民営化され日本た
ばこ産業=JTになった時代であり、1986年に浜田省吾がアルバム『J.BOY』
を発表、1987年に日本国有鉄道が分割民営化されJRに、日本を表す「J」
という文字が定着してきた時期であったことも一因とされるのではない
かとしている。いずれにせよこれが「J-POP」という語の誕生の瞬間で
あり、この時点ではあくまでJ-WAVE内部のみでの呼称であった。関係者
の証言により異なるが、1988年末か1989年初頭頃のことである。
via ip.Wikipedia


 

 

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さぁ!自信をもって進もう⑨

2023年04月03日 | ネオコンバーテック

  

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。

【思い出の南イタリア:青の洞窟の三毛猫②】





青の洞窟(あおのどうくつ、Grotta Azzurra)はイタリア南部のカプリ島
にある海食洞であり、観光名所]。 「青の洞窟」と呼ばれる洞窟は、こ
この他にもいくつかが存在し、カプリ島の周囲の多くは断崖絶壁であり、
そこには海食洞が散在。「青の洞窟」は、そのうちの一つ。この洞窟に
は、洞窟のある入り江から手漕ぎの小船に乗って入って行くが。入り口
は狭く、半ば水中に埋もれている。船頭は入り口に張られた鎖を引いて
小船を洞窟内へと進めるが、その際に乗客は頭と体を船底に沈めること
が必要で、天候や波の状態により、進入不可能である場合もる。そのよ
う恐怖?スリルな経て一艘のボート乗り込む観光体験が魅力。
ところで、「大地の真ん中」を意味するラテンの mediterraneus メディ
テッラーネウス(medius 「真ん中」 + terra 「土、大地」)に由来する
地中海ってなんだと考えることがあったが、その形成史は約2億年前ない
し約1億8000万年前、パンゲア大陸が南のゴンドワナ大陸と北のローラシ
ア大陸へと分裂し始め, テチス海が誕生。テチス海は現在の地中海の原
型の古地中海(琵琶湖の形成史を思い浮かべる)。テチス海は、地殻変
動が繰り返され現在のユーラシア大陸やアフリカ大陸が形成されていく
中で、カスピ海や黒海を切り離す形で縮小。中新世末期のメッシーナ期
(7.246±0.005百万年前 - 5.332±0.005百万年前)には一時的に大西洋
との間で断絶が起き、596万年前から533万年前にかけてメッシニアン塩
分危機が起こり、テチス海は塩湖化しながら縮小もしくは完全に干上が
った時期が確認され、533万年前、再び大西洋とジブラルタル海峡で繋が
ると、200年以上かけて海水が流れ込むザンクリーン洪水によって、地中
海が形成され、塩湖からの影響で地中海は現在も大西洋より塩分濃度が
高くなっていると説明される。 NHKなどで「地学史的見える化」もされ
ており、面白く科学的な「視聴覚学習」ができる。
----------------------------------------------------------------
世界で最も危機的な海⁉「地中海」の生態を解説
➲ https://youtu.be/EDdbldRqTPU
The Formation of the Mediterranean Sea 
➲ https://youtu.be/rHbAp39B9BM
--------------------------------------------------------------

     

 


 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!


3月31日、兵庫県立大学らの研究グループは、有機色素の新しい化学修飾
の手法を開発し,電気化学発光を飛躍的に向上させることに成功。
【要点】
1.有機物の蛍光色素に分子レベルで防護具(プロテクター)を装着さ
せる電気化学的な手法を開発し、発光強度を最大で156 倍まで向上させ
ることに成功
2.分子レベルの防護具が、鍵となる色素の中間体を安定化し、副反応
に伴う分解を抑制するメカニズムを明らかにした
3.有機色素材料の開発に新たな設計指針を与え、次世代の臨床診断用
医薬品やディスプレイなどの応用展開


図1 (a) 本研究の概念図. (b) 分子レベルでの防護具を装着さる前後で
のECL スペクトルの変化. (c) 有機 半導体ユニットが一次元配列した結
晶構造と修飾電極上でのECL の生成のイメージ図.



ペロブスカイト太陽電池世界市場,2035年に1兆円
結晶シリコン太陽電池と重ね合わせたタンデム型が牽引
3月30日、それによると,新型・次世代太陽電池の研究開発は,日本で
も関心が高まっているが,商用化は海外が先行している。有望アプリケ
ーションとして,BIPV(建材一体型太陽電池)やBAPV(建物据付型太陽
電池),既存の太陽電池と組み合わせたタンデム型太陽電池,IoTデバ
イス用のセンサー電源などが注目されている。また,商用化ではDSCや
OPVが先行しているが,参入企業数が多く,実証やサンプル出荷が進ん
でいるPSCの伸びが期待されるとする。 PSCは,一部で商用化が進んで
いるものの,実証段階のメーカーが多いとする。用途としては,IoTデ
バイスやBIPVのほか,結晶シリコン太陽電池に重ね合わせることで発電
効率向上が期待されるタンデム型が有望。 タンデム型は,結晶シリコ
ン太陽電池の高付加価値化製品としての展開や既存の生産ラインを活用
した生産体制の確立などが可能なことから,大手の結晶シリコン太陽電
池メーカーによる開発も増えているという。 量産に向けて,欧州/中国
メーカーを中心に動きが活発化しており,パイロットラインの稼働と生
産技術の検証などを経て,2020年代半ばに量産が本格的に進むとみる。
特に中国メーカーは大企業や政府機関の支援を受けて,GW規模の生産体
制構築に向けた資金調達と設備投資を進めているといい,今後はタンデ
ム型がけん引することで市場が拡大し,2035年には1兆円を予測した。
DSCは,ほかの新型・次世代太陽電池と比べて,いち早く商用化が進み,
IoTデバイス用のセンサー電源として,メンテナンスフリーの利便性を
訴求する製品が展開されているという。量産化については,既存のアモ
ルファスシリコン太陽電池や一次電池に対してコスト優位性がなく,製
品あたりの搭載容量が小さいことが課題だとする。 そのため,近年は,
デザイン性や軽量,ポータブルといった特徴を活かしたコンシューマー
向けの電子機器や充電器での搭載など,新規用途の開拓が進められてい
る一方,変換効率や電圧の点で優位にある,PSCへ開発の軸足を移す企業
も増加。 OPVは,印刷技術を応用したフィルム基板の製品を中心に大面
積化と低コスト化が図られており,海外メーカーが量産化を進めている。
軽量・薄膜・フレキシブルという特性を生かして屋根材や壁材・窓材と
いったBIPV向けが多くを占めており,屋外での長期利用(20年間)も想
定した製品開発と商用化が進んでいる。また,耐久性よりも透明性やデ
ザイン性を重視した製品として,室内用窓フィルムや衣料品,タペスト
リーなどでも採用されているとしている。 富士経済は,新型・次世代
太陽電池の世界市場を調査し,その結果を「2023年版 新型・次世代太陽
電池の開発動向と市場の将来展望」にまとめた。この調査では,色素増
感太陽電池(DSC),有機薄膜太陽電池(OPV),ペロブスカイト太陽電
池(PSC)といった新型・次世代太陽電池の市場の現状を捉え,将来を予
測するとともに,参入企業20社の商用化や商用化から量産化・事業化に
向けた見通しを展望。


 トヨタの「プリウスPHEV」には高性能太陽電池がよく似合う
3月28日(水) カネカは,同社が開発した結晶シリコン太陽電池(ヘテ
ロ接合バックコンタクト型)が,トヨタ自動車の「新型プリウスPHEV
のルーフガラス部分に採用されたことを公表。今回採用された製品は,
同社の世界最高水準の変換効率を誇る結晶シリコン太陽電池技術(結晶
シリコン太陽電池として世界最高水準の変換効率26.7%を達成)を用い
ており,また表面に配線のないバックコンタクト構造によって,自動車
用ガラスに近い意匠性を実現した。



これら同社独自技術による高い変換効率と優れた意匠性に加え,曲面状
の設計による自動車ボディへの装着が可能となった点が評価され,トヨ
bZ4Xに続き,今回の太陽電池が採用される。 これはプリウスにおけ
る第2世代の「ソーラー発電システム」となるもので、トヨタによると
1年間でEV走行1,250km分に相当する電力を生み出すという。また,充電
スタンドがない駐車場や災害等で停電した場合でも,太陽光さえあれば
充電ができる。ソーラーパネルで発電した電力は,駐車中は駆動用バッ
テリーへ充電し,走行だけでなくエアコンなどさまざまな機能に電力を
供給する。走行中は補機バッテリー系統に給電することで駆動用バッテ
リーの消費を低減する。
【関連情報】
※ 特開2020-113687 太陽電池モジュール及びその製造方法 株式会社カ
ネカ
【要約】図1のごとく、曲面部を含む太陽電池モジュール10は、受光
面側封止材113及び裏面側封止材114で挟まれた充填材層112に
太陽電池ストリング111が埋め込まれたプレモジュール11と、プレ
モジュール11に重なるように配置されてプレモジュール11と複合し
た樹脂製の形状保持部材12とを備えることで、曲面部を含む太陽電池
モジュールの軽量化を図る。

【符号の説明】10 太陽電池モジュール 10’プリフォーム 11 プ
レモジュール 11’ 積層体 111 太陽電池ストリング 111a 太
陽電池セル 112 充填材層 112a 受光面側部分 112a’ 受光
面部分形成材 112b 裏面側部分 112b’裏面部分形成材 113
受光面側封止材 114 裏面側封止材 12 形状保持部材 13 接着層
13’ 接着剤 20 ラミネーター 30,40 金型 31,41 第1型
32,42 第2型

※ 特開2023-046212 太陽電池及び太陽電池製造方法 株式会社カネカ
【要約】この発明の一態様に係る太陽電池1は、陽極層21と、正孔輸
送層22と、ペロブスカイト化合物を含み、前記正孔輸送層22と接す
る光電変換層23と、電子輸送層24と、陰極層26と、をこの順番に
備え、前記正孔輸送層22は、2種類のカルバゾール化合物分子により
形成される単分子膜であり、前記2種類のカルバゾール化合物分子は、
カルバゾールの窒素原子に同じ炭素鎖が結合し、ベンゼン環の置換基の
みが異なることで、電変換効率が高い太陽電池及びその製造方法を提供
する。

図1 実施形態に係る太陽電池の層構造を示す模式断面図
【符号の説明】 1 太陽電池 10 基材 11 半導体基板 12 第1半
導体層 13 第2半導体層 20 ペロブスカイト太陽電池部 21 陽極
層 22 正孔輸送層 23 光電変換層 24 電子輸送層 25 バッファ
層 26 陰極層 31 裏面収集電極 32 表面収集電極 33 反射防止


【特集|最新カラーディスプレイ製造技術技術 Ⅰ】
1月開催の米国での国際展示会「CES 2023」では、有機ELOLED)デ
スプレー機器のピーク輝度が飛躍的に向上した。TV、モニター用途で
性能向上に大きく貢献したのは、韓国Samsung Display(SDC)製量子ド
OLED(QD-OLED)の第2世代技術とマイクロレンズアレー(MLA)を
実装した韓国 LG Display(LGD)の白色OLED(WOLED)の第3世代技術で
ある。両技術の競い合いの結果、ピーク輝度がついに2000nitsに到達。
ピーク輝度はこのところ急激に上昇している。2022年時点ではLGDW
OLED
1000nitsSDCQD-OLED1500nitsだった。同年後半に発売さ
れたスマートフォン「iPhone 14 Pro/Pro Max」のピーク輝度は、周辺照度
センサー対応で過去最高の2000nitsHDR表示で1600nitsに達していた。
これらOLEDの輝度向上の背景には、一昨年発売のタブレット端末、ノ
ートパソコン、そしてテレビなどに導入された新技術「ミニLEDバック
ライト(Mini-LED BL)」あるいは「マイクロLEDディスプレー(μLE
D
)」技術の台頭がある。両LED技術は1000nit以上の高輝度が最大の特徴。
CES 2023では、Mini-LED BLを用いた液晶ディスプレー(LCD)搭載の
TVがさらに輝度を増していた。例えば、Samsung8K解像度のQN900C
デルでピーク輝度4000nit、中国HisenseがULED Xモデルで2500nitsをそれ
ぞれアピール。
----------------------------------------------------------------
マイクロLEDとは、mLED、μLEDとも呼ばれる、LEDを用いたフラットパ
ネルディスプレイ技術である。パネル内の各画素、RGBそれぞれの背面
100μm角以下の微小なLED素子を個別配置し、個々の輝度を精密に制
御することでメリハリのある映像を描き出す究極のディスプレー技術。
有機ELディスプレーと同等以上の画質を実現しながら、エネルギー効率
と輝度に優れ、焼き付きや劣化の心配もないなど、数々の利点を兼ね備
えている。


マイクロLEDテレビの実用化は
2016年、ソニーが業務用マイクロLEDディスプレイを発売し話題を集め
た。韓国サムスンも追随し、2021年にマイクロLEDテレビを販売開始。し
かしその価格は1億7,000万ウォン(17,185,238円)
と極めて高額であり、
現時点ではマイクロLED搭載の消費者向けテレビの実用化はなされていな
が、大手メーカー間で活発化する技術競争により、低廉化は遠い未来で
はないと目されており、10年以内のマイクロLEDテレビの実用化も予想さ
れていまる。
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【関連情報】
※ 特開2022-061027 マイクロ発光ディスプレイ装置及びその製造方法
三星電子株式会社
【要約】図4のごとく、マイクロ発光ディスプレイ装置及びその製造方
法に係り、該マイクロ発光ディスプレイ装置は、マイクロ発光素子、マ
イクロ発光素子に電圧を印加する駆動トランジスタ、駆動トランジスタ
のゲート電極に連結されるスイッチングトランジスタを含み、スイッチ
ングトランジスタのソース領域またはドレイン領域が露出されるように、
第1ビアホールが具備され、駆動トランジスタのゲート電極が、第1ビ
アホールに具備され、駆動トランジスタのゲート電極が、スイッチング
トランジスタのソース領域またはドレイン領域に接触するように構成さ
れるマイクロ発光ディスプレイ装置及びその製造方法を提供する。


図1 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置を概略図
図2 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の回路構
成図

図3.例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の概略的
な回路レイアウト図

図4.図3のA-A線断面図

【符号の説明】101 電源駆動部 102 スキャン駆動部 103 デ
ータ駆動部 110,210 基板 120,220 第1半導体層 125,
225 発光層 128,230 第2半導体層 131,235 第1電極
130 第1活性パターン 140 第2活性パターン 132,145
ソース領域 133,143 チャネル 135,141 ドレイン領域 1
54,241 インプランテーション領域 147,148,159,2
36,243,255 絶縁層 153,248 第1ビアホール 160,
260 第2ビアホール 152,155 ゲート電極 178 金属ライン
AL 活性パターン層 LEA 発光素子アレイ ML1 第1金属層 ML
2 第2金属層


図6 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の第1金
  属層の回路レイ アウト図
図7 図6のB-B線断面図
図8 図6に図示された第1金属層におけるビアホール構造図
図9 図8のC-C線断面図 
図10 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の第28
属層の回路レイアウト図
図11 図10のD-D線断面図を図示した図である。
図12  例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の第1
ビアホール構造図
図13  図12に図示された構造と比較される比較例図
図14  例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の第2
ビアホール構造図
図15  図14に図示された構造と比較される比較例図
図16  例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造
方法図
図17  例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造
方法図
図18  例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造
方法図
図19 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図
図20 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図
図21 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図
図22 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図である。
図23 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図
図24 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法を図示した図である。 【
図25 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図
図26 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方
法図
図27 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
図28 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
図29 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用さ
れた例示図
図30 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
 図31多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
図32 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
図33 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
図34 
多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用され
た例示図
図35 多様な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置が適用さ
れた例示図。
【発明の効果】 例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置
は、マイクロ発光素子のサイズを小さくし、PPI(pixel per
inch)を増加させることができる。例えば、同一の配線ラインとス
ペースとでPPIを増加させることができる。また、例示的な実施形態に
よるマイクロ発光ディスプレイ装置は、同一サブピクセル内の相対的に
広いキャパシタ面積を確保し、キャパシタ容量を増大させることができ
る。
例示的な実施形態によるマイクロ発光ディスプレイ装置の製造方法は、
PPIを増加させることができる方法を提供することができる。

                          この項つづく

完全人工光型植物工場を導入化
3月23日、三菱ケミカルグループは,三菱ケミカルアクア・ソリューシ
ョンズ(MCAS)の完全人工光型植物工場「AN(アン)」が販売開始後初
めて,福井県おおい町に建設予定の植物工場に導入され,2023年10月よ
り栽培を開始する。 気候変動の影響を受けにくい植物工場は,農産物の
安定供給の手段として,近年ますます注目を集めており,また,コロナ
禍でテイクアウトやデリバリーなどの中食利用が増えたことにより,安
定した品質で,菌や異物が少なく洗浄等の手間が削減できる野菜へのニ
ーズが増加している。 「AN」は,MCASがクレオテクノロジーと共同開発
した完全人工光型植物工場システム。「AN」は「Agriculture Next」か
ら命名されたもので,太陽光を用いずに閉鎖された空間で,人工光,空
調設備,培養液の制御が可能な水耕栽培等により,計画的な周年生産を
行なうことができる次世代型の閉鎖型植物工場システムだとする。 この
システムでは定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し,作業
者が栽培室内に入らずに収穫まで行なうことができるため,作業者の負
担や異物の混入リスクを低減。 また,レタス(フリルレタス,バタビア
レタス,ロメインレタス等)に最適な栽培環境を自動的に制御でき,大
きく,葉肉が厚く,シャキシャキとした高品質レタスの安定栽培が可能
で,業務用やカット野菜などに適しているとする。さらに,この工場で
栽培されたレタスは菌数が102~103/gであり,菌数の変化,バラつきが
少ない(菌数は検査会社による測定値)という。 「AN」が初導入され
る植物工場は,本社を大阪市に置くタガヤスが,福井県おおい町に建設
予定の大型植物工場。タガヤスが野菜の生産・販売などの事業運営を行
ない,MCASはタガヤスに対し,種子・培地・液肥の販売,栽培指導を行
なうとしている。


三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社(MCAS)について MCAS
は植物工場システムの開発・販売のパイオニア。薄膜水耕(NFT、Nutri-
」ent Film Technique
)法の葉菜類水耕栽培システム「ナッパーランド™」
の開発・販売をはじめ、トマトやキュウリのNFT法の植物工場システムの
販売を行っています。また、育苗専用人工光装置「苗テラス™」は苗生産
業や農業従事者・企業、研究機関などに使っていただいており、国内で
累計500台以上を販売しています。「ナッパーランド™」と「苗テラス™」
を組み合わせた太陽光利用型植物工場システムは、全国120か所、中国
25か所の累計販売実績があります。➲ https://www.mcas.co.jp/



  風蕭々と碧い時代


 Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1977・78年代】
党風
 中国女

「東風」(トンプウ、Tong Poo)はイエロー・マジック・オーケストラ (
YMO) の楽曲。作曲は坂本龍一。1978年にリリースされたアルバム『イエ
ロー・マジック・オーケストラ』に収録されている。坂本龍一の代表作
の一つで、曲のタイトルはジャン=リュック・ゴダール監督の映画「東
風」から取られている。また、当時メンバーの行き着けの中華料理店の店
名でもあった。また、イギリスではシングルカットされていたため、YMO
のロンドンライヴでは盛り上がった。『パブリック・プレッシャー』の
バージョンはロンドンでのライヴの音源であるため、盛り上がり方が確
認できる。坂本が北京交響楽団(zh:北京交响乐团)をイメージして書い
た曲である。当時文化大革命後に毛沢東の詩に曲をのせたレコードを購
入し、その中に気に入った曲があり、参考にしている。アメリカでリミ
ックスされた『イエロー・マジック・オーケストラ (US版)』では「Ye-
llow Magic (Tong Poo
)」と改名され、吉田美奈子のヴォーカルが中間部に
加えられた。このヴォーカルはアルバム制作時にすでに収録されていた。
日本向けプロモーション用・海外12インチシングル用の「Special DJ Co-
py
」ヴァージョンでは吉田のヴォーカルがミックスされている。 高橋幸
宏はこの曲に対して「ドビュッシーの影響とか露骨に出していて、こっ
ちもそのへんは勉強させてもらった」と発言。 坂本のアルバム『BTTB(
通常版)』ではピアノ連弾によるセルフカヴァーが行われた。

イエロー・マジック・オーケストラ (Yellow Magic Orchestra) は、日本
の音楽グループ。1978年に結成。通称、Y.M.O.(ワイ・エム・オー)。
【メンバー】
坂本 龍一(1952年〈昭和27年〉1月17日 - 2023年〈令和5年〉3月28日)
は、日本の作曲家、編曲家、ピアニスト、俳優、音楽プロデューサー。
東京都出身。 世界的に活動した日本人ミュージシャンである。その音楽
性は幅広く、クラシック音楽が根幹にあるものの、民俗音楽、ポピュラ
ー音楽(特にテクノポップ)にも造詣が深かった。愛称は「教授」。晩
年は環境や憲法に関する運動にも積極的に参加していた。 (キーボード
・シンセサイザー・コーラス)スタジオミュージシャンとして活動(大
滝詠一や山下達郎のアルバムに参加)した後、YMOに参加。YMOでは松武
秀樹とともにレコーディングにおいて楽曲を構築する重要な役割を果たし
、またライヴでは楽曲のアレンジを一手に引き受けた。YMO散開後は映画
音楽で成功するなど、ソロ活動を展開している。幼少時よりピアノと作
曲を学び、東京芸術大学作曲科、同大学院を修了、音楽の素養のベース
にはクラシック音楽がある。「教授」という愛称は大学院時代に高橋が
名付けたもの。2023年3月28日死去。71歳没
細野晴臣(エレクトリックベース・シンセベース・コーラス)エイプリ
ル・フール、はっぴいえんど、ティン・パン・アレーを経て、YMOを結成。
YMOのリーダー・プロデューサーであり、シンセサイザーとコンピュータ
を用いるYMOの音楽スタイルを打ち出した。宗教や民俗学など神秘主義的
な趣味があり、それらもYMOに影響を与えている。ライヴではほぼベーシ
ストに徹し、曲によってはシンセサイザーをベース代わりに演奏してい
た。YMO散開後は特にアンビエント、エレクトロニカ等のジャンルを取り
入れている。
高橋幸宏(ドラムス・ボーカル)サディスティック・ミカ・バンド、サ
ディスティックスを経てYMOに参加。1978年6月21日のオムニバス・アル
バム『PACIFIC』収録の「コズミック・サーフィン」や、1979年のMAKOTO
HIGHLAND BAND『INJECTION』など、コンピューターのビートと同期した
上で、グルーヴを生み出すドラムを初めて演奏したドラマーとなった。
YMOの楽曲では、大半の楽曲でリード・ボーカルを担当。ファッション
・デザインの技能を生かしてYMOではステージ衣装のデザインを手掛けた。
YMO散開後はソロ活動とともに、様々なミュージシャンとのコラボレーシ
ョンやプロデュース業を展開している。音楽の方向性の相違などで険悪
になりがちだった細野と坂本の間を取り持つ立場でもあった。サディス
ティック・ミカ・バンド時代、ロキシー・ミュージックの前座としてロン
ドンでライヴを行ったことがあり、結成当時メンバーで唯一、日本国外
でのライヴを経験していた。2023年1月11日死去。70歳没。



「ラストタンゴ・イン・パリ」「1900年」で知られるイタリアのベルナ
ルド・ベルトルッチ監督が清朝最後の皇帝・溥儀の生涯を映画化し1988
年・第60回アカデミー賞で作品賞をはじめとする9部門に輝いた歴史大作。
溥儀の自伝「わが半生」を原作に、激動の近代史に翻弄された彼の人生
を壮大なスケールと色彩豊かな映像美で描き出した。「イヤー・オブ・
ザ・ドラゴン」のジョン・ローンが成長した溥儀を演じ、「アラビアの
ロレンス」などの名優ピーター・オトゥールが少年時代の溥儀を導く英
国人教師役で出演。坂本龍一が甘粕正彦役で出演したほか音楽を手がけ、
日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞している。

※ 坂本龍一の訃報に接し、急遽、このシリーズの今夜のテーマ年代を
1977年から1978年に変更した。昨年他界した実弟よりひとつ年下である。
中国プランとの第1回現地出張した年でもあり、この時期、映画「ラス
トエンペラー」と音楽グループ「YMOは深く心に残った。有り難うご
ざいました。
                             合掌


● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう⑨

統一選挙、このように難題が山積した年はないと考える者(たち)と
って、これほどまでに「政治」の重要性を感じることは少ない。1つ
注文がある。教育国債等(双頭の狗鷲「未来国債)の有効需要喚起国債
の発出を確約しないならわたし(たち)は信任しない。



沿岸監視の無人航空機/潜水艇を搭載した無人母艦
自走式機雷処分用弾薬(EMD)を水中に投入したり、無人航空機(UAV)
が離着陸できるよう甲板を取り付けられたりする。寸法は長さ8.8m×幅
3.05m×高さ6.35m(マスト展張時)。重さは約6トン。ディーゼルエンジ
ンで駆動する。
昨年の2月24日のロシア・プーチンによるウクライナ侵攻により、第二次
世界大戦終結及び朝鮮動乱につづく、米ソ中代理戦争、冷戦構造の崩壊
に見えたロシアによる平和共存体制を自ら打ち破る蛮行の及び、中露朝
三国による準戦争体制的緊張を強いられることとなlり、このブログで
も領海侵犯などの沿岸部への監視体制強化の一案を掲載している。今回
の新聞はそれに呼応するものとなっているので掲載する。

 三菱重工業は防衛・セキュリティーの総合展示会「DSEI Japan」(
 2023年3月15~17日、幕張メッセ)で、水上無人機(USV: Unmanned
  Surface Vehicle
)の試作機を披露した(図1)。沿岸警備や自国の領
 海への不法侵入、海賊行為、密輸などのリスクを監視する。自律航
 行だけでなく、遠隔操作にも対応する。このUSVには周辺を監視す
 るカメラやセンサーが装備されているが、無人航空機(UAV:Unma-
  nned  Aerial Vehicle
)用の着艦甲板を取り付けて上空から監視したり
  潜水艇(UUV:Unmanned Undersea Vehicle)を水中に投入したりでき 
  り、海上、海中、上空からの監視を無人で実現する母艦である。こ
  た海上、海中、上空からの情報は、同社が開発した自律無人機ネッ
  ーク型監視システム「CoasTitan」に集約する。例えば、UAVが決め
  たエリアを哨戒する際、カメラ映像でAI(人工知能)が不審船など
  見すると、自動的に対象を追尾するという。さらにUSVは自走式機
  分用弾薬(EMD:Expendable Mine Disposal System)を水中に投入し、
  を処分した後、船に引き上げる機能も持つ。 USVの寸法は、長さ
  8m×幅3.05m×高さ6.35m(マスト展張時)である。重さは約6トン。
  ーゼルエンジンで駆動する。
 ➲2023.03.28 内田 泰、日経クロステック/日経エレクトロニクス

   

前回も保有や行使の是非に当たっては、緻密な行使想定シミュレーショ
ン及びリスク評価並びに結果公開を経てから保有すべきものとの原則提
示している(手続き論の詳細は割愛)。              

 





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太陽から降り注ぐ恵み

2023年03月14日 | ネオコンバーテック

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。



【誰も住みたくなる街:満天星躑躅で持続可能な街】
今年で3年目になるがやっと重い腰を上げる。といっても前から植えら
れものは(サルスベリ、サツキ)はそのまま。また花やハーブも共存さ
せ、平均丈は1メートル。ドウダンツツジ、秋は赤で統一し、冬春夏は
それどれの色合いで彩る。



ドウダンツツジは、ツツジ科ドウダンツツジ属の植物。「ドウダン」は、
枝分かれしている様子が昔、夜間の明かりに用いた灯台の脚部と似通っ
ており、その「トウダイ」から転じたもの。満天星の表記は本種の中国
語名の表記をそのまま引用し和名のドウダンツツジの読みを充てたもの。



春に咲く小さな鈴形の花は愛らしく、秋には燃えるように赤く染まる紅
葉が楽しめ、季節の移ろいを告げてくれる花木です。みずみずしい葉も
美しく、枝ものとしてインテリアに飾っても素敵な、用途の幅広い植物。




この爽やかな葉と枝のグ
リーンな姿はインテリアとし人気。また水が
汚れにくく、長持ちし暑さにも強く、寿命も2週間程。切り花にする
際は、木が水を吸い上げやすいように、切り口に十字に割りを入れ、
水が腐らないようにこまめに取り替えて見映えを保ち、枯れ葉や乾燥
により縮れた葉があれば適宜取り除き、大きな枝をそのままダイナミ
ックに飾ることも、細かく切って小さめの花瓶に飾ることもできる、
剪定の際に切った枝を利用することが進められている。

※ 参考情報:花と紅葉が楽しめる! ドウダンツツジの特徴や種類・
 育て方を解説、GardenStory (ガーデンストーリー)

     





 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング

宣言!”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”





 日・米の水素-水素化ホウ素核融合初観測 人工太陽開発
核融合科学研究所(岐阜県土岐市)は米核融合スタートアップのTAE
テクノロジーズ(カリフォルニア州)と共同で、軽水素(普通の水素)
とホウ素という新たな燃料の組み合わせによる核融合実験に成功した
ことを好評。将来の実用化を目指す核融合発電では一般に、燃料に重
水素と三重水素(トリチウム)を使う想定だが、今回の方法は放射線
である中性子が発生しない点で優れている。ネイチャー コミュニケー
ションズ誌に掲載された最新の研究によるとクリーンで豊富な先進的
水素化ホウ素燃料を核融合エネルギーに利用する可能性があるという。
フットヒルランチ(カリフォルニア州)2023年3月2日 /PRNewswire/ --
世界各地で核融合開発者が核融合エネルギーの商用化を競う中、TAE
Technologiesは、豊富で環境に配慮した燃料である水素化ホウ素(別
名p-B11またはp11B)による最もクリーンでコスト効率の高い電力供給
方法を他社に先駆けて追及している。


via CISION

本日、同社は日本の核融合科学研究所(NIFS)と共同で、世界で初め
て磁場閉じ込め核融合プラズマでの水素化ホウ素核融合実験という画
期的な研究成果を公表。ネイチャー コミュニケーションズ誌に掲載さ
れた査読付き論文(「First measurements of p11B fusion in a magnetically
confined plasma
」)では、NIFSの大型ヘリカル装置(LHD)の実験に
よる水素化ホウ素の核融合反応の結果を説明しています。本論文では、
LHDプラズマ中での水素化ホウ素融合に必要な条件を実現するための
実験作業と、アルファ粒子として知られるヘリウム原子核などの水素
化ホウ素反応の生成物を測定するためのTAEの検出器の開発について
こう話す。


図1.実験装置
(左) ヘリオトロン プラズマの一部を切り取った LHD 真空容器を示
3D CAD モデル。 (右) LHD セパラトリクス近くの PIPS 検出器、
最後の閉じたフラックス表面 (tan) の一部、およびプラズマの下に位
置する PIPS 検出器に到達する、計算されたアルファ粒子の軌道 (緑
色の曲線) を示す CAD 画像。


via  J-Stage「核融合炉開発の展望」


YouTube 【日米】水素・ホウ素の『核融合』実験が成功しました!

この発見は、長年にわたる国際的な核融合共同研究を反映しており、
最もクリーンで、最もコスト競争力があり、最も持続可能な核融合用
燃料サイクルである水素化ホウ素を用いた商業用核融合発電を開発す
るというTAEの使命における画期的な出来事。ネイチャー コミュニケ
ーションズ誌の論文では、核融合炉の炉心を製造する上での課題は、
D-Tよりもp11Bの方が大きいですが、原子炉の工学ははるかにシンプル。
簡単に言うと、p11Bによる核融合への道は、下流の工学的課題と現在
の物理学的課題を交換するもの。物理学的課題は克服できる。水素化
ホウ素アプローチは、TAEの技術共同創設者であるNorman Rostoker
士の「目的を念頭に置く」という哲学から生まれる、商業的な核融合
エネルギーに対するTAEの中核的なビジョンの一部。このように、真
にクリーンで豊かな、コスト競争力のあるエネルギーを目指すという
ビジョンが、TAEを、成長著しい核融合企業とは一線を画す存在にし
ている。この反応は正味のエネルギーを生成していないが、非中性子
融合の実行可能性と水素化ホウ素への依存を示すものである。

✔前回の<レモン>でプラスチック合成や炭化水素系燃料製造技術に注
目し「ホウ化水素シ-ト」を考察してみたら、今夜は「水素化ホウ素
核融合」が飛び込み、急遽考察に入ると、2030年を目標に実用化への
挑戦を開始するという研究グループの新星が誕生、それも、日本人も
絡んでいる。なんとも面白い時代だが、核融合は1990年前後の常温核
融合ヒーバーを回想させる。件のJ-Stage「核融合炉開発の展望」参照。
ここはのめり込みを避け、当初通り「太陽光利用炭化水素系化合物製
造」を”持続可能な製造能力”をコアとして考察を続ける。



出所:環境ビジネス 2023年 冬季号(上図、願クリック) 

最新人工光合成技術動向
※特開2022-129732 二酸化炭素還元触媒、二酸化炭素還元装置、およ
び人工光合成装置 株式会社豊田中央研究所 学校法人東京理科大学
【概要】
これまで、高活性である金属錯体触媒は、レニウム(Re)、ルテニ
ウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の希少な元素を用いたり、配位
子の化学構造が複雑であった。二酸化炭素還元技術の実用化のために
は、大量の触媒が必要となることから、資源量が豊富な中心金属と合
成のプロセスが簡便なシンプルな構造の配位子からなる金属錯体の開
発が望まれていたが、二酸化炭素還元触媒は、二酸化炭素還元に要す
る過電圧が高く、性能のさらなる改善が求められていた。電子供与性
の置換基を有するポリピリジンが第6族~12族の金属イオンのうち
の1つに1分子以上配位した金属錯体であり、電気化学的または光触
媒的な二酸化炭素還元反応を触媒する、二酸化炭素還元触媒で、有機
溶媒中および水系溶媒中において、低いバイアスにおいて電気化学的
または光触媒的な二酸化炭素還元反応を進行させることができる二酸
化炭素還元触媒、それを用いた二酸化炭素還元装置および人工光合成
装置の提供。
※ 特開2021-107298 Fe含有複合化合物粒子、その製造方法及びFe
含有複合化合物電極 <株式会社豊田中央研究所
【概要】
Fe含有複合化合物粒子は、β-FeOOH結晶相と、前記β-Fe
OOH結晶相の周囲を覆う3価のNi含有化合物とを含み、前記Fe
含有複合化合物粒子全体におけるNi元素とFe元素との原子数比(
Ni元素/Fe元素)は0.01~0.5であり、前記Fe含有複合
化合物粒子表面におけるNi元素とFe元素との原子数比(Ni元素
/Fe元素)は、前記Fe含有複合化合物粒子全体におけるNi元素
とFe元素との原子数比(Ni元素/Fe元素)の1.5倍以上であ
る中性領域の溶液中で優れた酸化触媒活性を示すFe含有複合化合物
粒子の提供。
※ 特開2021-63246 還元反応用電極、還元反応用電極の製造方法、お
よび還元反応用電極を用いた反応デバイス
【概要】
図1のごとく、基材12と;炭素繊維と炭素との複合基材と、Ru錯
体モノマーとN,S,Bのうち少なくとも1つを含む5~9員環構造
を有する複素環式芳香族化合物とを含んで構成されたRu錯体ポリマ
ーとを含む触媒層16と;を有し、触媒層16におけるRu錯体ポリ
マー中のRu錯体モノマーの含有量は、3.35×10-6mol/
cm2を超え、6.70×10-6mol/cm2未満の範囲であり
複素環式芳香族化合物の含有量は、1.32×10-6mol/cm2
を超え、2.64×10-6mol/cm2未満の範囲である、還元反
応用電極10である。Ru錯体ポリマーを用いた大面積化、高出力化
が可能な還元反応用電極、その還元反応用電極の製造方法、およびそ
の還元反応用電極を用いた反応デバイスを提供する。

図1

 図2

【符号の説明】 1 人工光合成装置、3 二酸化炭素還元装置、10
還元反応用電極、12,20 基材、14 接着層、16 触媒層、18
酸化反応用電極、22 酸化触媒層、24 セパレータ、26 流路、
28 収容部、30 太陽電池セル。
--------------------------------------------------------------

図1人工光合成の概念図(出所:EMIRA

トヨタ系研究所が世界最高水準の高効率を達成
さらなる大型化にも期待できる新たなセル構
2021年4月22日、日本政府は2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を
2013年度比で46%削減するという新たな目標値を発表。従来の目標値
はパリ協定後に国連に提出した26%(同年度比)であり、大幅に上方
修正されたことになるに。目標達成にはあらゆる分野で技術革新が必
要となるが、その中で社会実装されればCO2削減に大きく貢献すると
期待されるのが人工光合成。トヨタグループの一社である株式会社
豊田中央研究所が(1)水から電子を抽出する酸化反応と、(2)抽出
した電子でCO2を還元して有機物(ギ酸)を合成する還元反応という
2つの反応を組み合わせた人工光合成技術を開発。同じく水素キャリ
アとして注目されるアンモニアの沸点が摂氏約マイナス33度の常温常
圧で気体になってしまうのに比べて、ギ酸の沸点は摂氏約101度と水
に近い。さらに常温常圧で液体という性質から扱いやすさの点でギ酸
が優位だが、当時は原理の実証段階にあり、太陽光エネルギーの変換
効率はわずか0.04%。これは植物(スイッチグラス)の変換効率の1/5
程度の数値。その後、豊田中研は2015年に1cm角サイズの人工光合成
セルにおいて植物を超える4.6%の変換効率を達成。社会実装に向けて
大きく前進する。


図2 装置と原理図 ※生成されるギ酸は、水素キャリアの一つとし
  て使用を想定。

世界最高の変換効率を実現した新たなセル構造
しかし、人工光合成セルの変換効率を低下させずに、実用サイズに拡
張させなければならないが、単純にセルを拡張しただけでは、電極の
電気抵抗が大きく、加えてギ酸合成に必要なCO2の供給不足から太陽光
エネルギーの変換効率が低下する。開発した技術では、人工光合成の
プロセスを(1)光を電子に変化する太陽電池、(2)水を電気分解す
る酸化電極、(3)水素イオンと電子とCO2でギ酸を生み出す還元電極
の3つの装置を組み合わせた方式が採用(上図2(右)参照)。
新たに開発されたセル構造の概念図。ポイントは、酸化電極と還元電
極の組を5組並列に接続したこと。太陽光パネルの変換効率は15%、そ
の発電エネルギーの約1/2をギ酸として貯めておくことが可能。その結
果、実用太陽電池サイズ(36cm角)のセルを用いた実証実験で、クラ
ス世界最高となる太陽光エネルギー変換率7.2%の数値を達成する。
図1.

【符号の説明】 1 人工光合成装置、3 二酸化炭素還元装置、10
還元反応用電極、12,20 基材、14 接着層、16 触媒層、18
酸化反応用電極、22 酸化触媒層、24 セパレータ、26 流路、
28 収容部、30 太陽電池セル。

※ 特開2020-25497 再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動
方法、および、メタノール製造方法 国立大学法人東京工業大学 大阪
瓦斯株式会社
【概要】
タンガスの有効利用という観点からも、たとえば、排水処理設備や埋
立地等から大気放散しているバイオマス由来低質メタンガスを有効利
用する技術が求められている。この中で、メタンは二酸化炭素よりも
温室効果の高い気体であるが、上記の低質メタンは硫化水素などの不
純物を含んでいるため、既存の無機触媒への利用は困難という実情で
ある。また、持続可能なエネルギーを用いたメタン/メタノール変換
である無機触媒によるメタン/メタノール変換は高温・高圧反応であ
るため大量のエネルギーが必要であるとされている。一方、微生物を
用いたメタン/メタノール変換は無機触媒に比べては低コストである
が、微生物の酵素反応のためには電子源となる高価な還元剤が必要で
あり、継続的に反応を維持するにはコスト的に釣り合わない。そのた
め、より低コストでクリーンなエネルギーで駆動する反応系を構築す
ることが望ましい。非特許文献(Methane Hydroxylation Using Light
Energy by the Combination of Thylakoid and Methane Monooxygenase. RSC
Advances 2014, 4 (17), 8645-8648
.)によるとチラコイドによるNAD+
(還元剤)の光還元を利用することで、水から得た電子がNADH、
NQO(quinone oxidoreductase)、キノンプール、pMMOへと順に
受け渡されることでメタン酸化反応が進行する(図5参照)ことが、
明らかになっている。すなわち、チラコイドとpMMOとは、別々の
膜上の反応系に独立して存在しており、チラコイドに位置する光合成
反応タンパク質PSII(PSII)で光生成した電子をNAD+を
介してpMMOの位置する膜に伝達することで最終的にメタンを酸化
しメタノールを製造するものであるがし、電子伝達経路が複雑となる
ため、よりシンプルな反応系の構築が求められていた。またさらに、
安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法が求められて
いた。メタンモノオキシゲナーゼと、光合成反応タンパク質PSII
とを、キノンプールを内包する状態に保持したことで、よりシンプル
で、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法となる(
たとえばメタンからメタノールを生産する)。

【図2】再構成膜によるメタン酸化反応を示すグラフ


【図5】非特許文献1(従来)による光酸化反応駆動系の模式図


【図6】本発明の光酸化反応駆動系の模式図
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【日本化学会賞】
分子連結系光電荷分離の学理構築とエネルギー・生物学的応用
Molecular Photoinduced Charge Separation for Science and Energy and
Biological Applications
今堀博京都大学教授
1.分子連結系を用いた光電荷分離に関する学理構築
光合成,太陽電池,光触媒において,太陽エネルギー変換を効率良く
行うためには,ドナー(D)・アクセプター(A)系において,いかに
効率良く長寿命の光電荷分離状態を生成するかが鍵となる。今堀氏は,
ドナーとしてポルフィリン,アクセプターとしてフラーレンを用いた
分子連結系において電子移動の再配列エネルギーが小さいことを実証
し多段階電子移動系に展開して,人工光合成分野における数々の世界
記録を打ち立てた。
一方,上記の研究成果はマーカスの古典的な電子移動理論に基づく精
緻な分子設計,合成,物性評価,解析により実現されたものである。
今堀氏は,振動,回転,ゆらぎなどの原子核の運動やそれらの集団運
動に対して,電子やスピンの振る舞いが時間発展的にどのように動的
に関与するのかに興味を持ち,研究を推し進めた。例えば,架橋構造
を工夫することで,D・A 間電子的相互作用を連続的に変化させたポ
ルフィリン・フラーレン連結系を構築した。詳細な物理化学的測定お
よび解析の結果,光励起電子移動で生成する一重項電荷分離状態を,
三重項電荷移動状態を経て,三重項電荷分離状態に高速かつ高効率で
変換することに成功した。これは,分子構造の回転,ゆらぎを通して,
3 次元的な分子軌道を有するフラーレンと平面的なポルフィリン間の
スピン軌道相互作用が増強された結果であることを明らかにした。
 また,単分散ポリチオフェンとフラーレンをオリゴフェニレンで架
橋した有機薄膜太陽電池のモデル分子連結系を構築した。時間分解電
子スピン共鳴分光法により,D・A 界面で電荷分離状態が生成し,さ
らにホールがポリチオフェン主鎖に沿って,非局在化していく様子を
明らかにした。そしてポリチオフェンのアルキル側鎖の集団運動によ
り,エントロピーが増加し,クーロン力に打ち勝って電荷解離が促進
されることを提案した。
このように動的効果を導入することで局所励起状態,電荷移動状態,
電荷分離状態を相互に自在に操れれば,有機太陽電池,有機電界発光
素子などのさらなる高機能化が期待できることから,多様な光機能開
拓の契機となった。

2.有機太陽電池における分子構造・太陽電池特性相関解明
今堀氏は分子設計の観点から,分子構造と太陽電池特性の詳細な相関
を独自性の高い手法で解明してきた。例えば,ポルフィリンが極めて
高いモル吸光係数を400 nm および550 nm 付近に示すことに着目し,
ポルフィリン! 系の非対称拡張により,ポルフィリンの吸収特性と太
陽光分布を合致できることを提案した。ポルフィリンへのD・A置換基
の導入,置換型メチレン構造を介した非対称な縮合環化を組み合わせ
ることで,非対称! 拡張ポルフィリン系色素増感太陽電池として最高
のエネルギー変換効率を達成した。また,今堀氏は金属,半導体表面
上に有機分子が密に自己組織化単分子膜を形成する場合,傾いて配向
することに着目し,酸化チタン電極上に吸着した増感色素の傾きと太
陽電池特性との相関を初めて解明した。具体的には,増感色素と酸化
チタン電極との電子のやりとりは増感分子が酸化チタン電極表面へと
傾いているため,空間を通して起こることを実証した。
 一方,有機薄膜太陽電池に関しては,化学修飾されたフラーレン誘
導体の異性体効果は知られていなかった。今堀氏は異性体を分離・精
製することで,その異性体構造と有機太陽電池特性の相関を明らかに
した。さらに,非フラーレンアクセプターにおいて,会合性の大きな
! 共役系をコア部位に用いることで,溶液中よりも膜中において長い
寿命を有する励起一重項状態生成に成功した。有機薄膜太陽電池の高
効率化には電圧損失を抑制することが重要であると言われており,励
起状態の長寿命化は電圧損失を抑制する独自の戦略につながると期待
される。
3.光を用いた細胞制御工学の開拓
D・A 連結分子における光電荷分離状態は10 6 V/cm と細胞の静止膜
電位10 5 V/cmを一桁上回るナノ電場を発生できる。今堀氏はD・A連
結系を細胞膜に導入し,光を照射すれば,膜電位を制御できるとの仮
説を打ち立てた。実際に,D・A 連結分子を生きた細胞の細胞膜に導
入し,光照射を行ったところ,膜電位の低下とイオンチャンネルタン
パク質の阻害が観測された。また,神経細胞の脱分極による発火にも
成功した。さらに,複数のカチオン性置換基をD・A 連結分子に導入
することで,人工細胞膜中での光電荷分離効率の最高値86% を達成し
た。光を用いた遺伝子工学はオプトジェネティックスとして近年注目
を集めており,今後精神疾患などの医学的治療への応用が期待される。 

以上のように,今堀博氏の世界を先導する光電荷分離に関する業績は
,新たな「光電荷分離ワールド」を切り開いており,多彩な光機能開
拓に広がりつつある。一方で,精緻で独創的な分子設計により,有機
太陽電池の高効率化,細胞機能制御に関する新しい分野を築きつつあ
る。よって,同氏の業績は日本化学会賞に値するものと認められた。
via CHEMISTRY & CHEMICAL INDUSTRY , Vol.76-3 March 2023
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 人工光合成で低濃度CO2から生分解プラ合成
3月9日、大阪公立大学の研究グループは,人工光合成技術を活用し,
廃棄アセトンの約70%を生分解性プラスチック原料である3-ヒドロキシ
酪酸に変換することに成功する。生分解性プラスチックの中でも,水
に不溶かつ強度のあるポリエステルとして包装材等によく使われてい
るポリヒドロキシ酪酸は,3-ヒドロキシ酪酸を重合して得られる。研
究グルプは以前の研究で,二酸化炭素とアセトンから高効率で3-ヒド
ロキシ酪酸を合成できることを報告。研究段階にある二酸化炭素を資
源とする技術の多くは,出発原料として炭酸水素塩,炭酸塩または高
純度の二酸化炭素が使用されている。これをより一層実用化へと近づ
けるためには,二酸化炭素の濃縮過程を経ずに,火力発電所や製鉄所
等からの排ガスに含まれる数%~20%の低濃度二酸化炭素を直接利用す
ることが経済的に望まれている。 また,アセトンは水および油との
混和性が非常に優れているため,除光液や染み抜きなど日常的に使用
する化学薬品や,実験器具の洗浄など広く用いられており,廃棄され
た大量のアセトンの再資源化も求められている。研究グループでは,
以前報告した3-ヒドロキシ酪酸を合成する人工光合成技術に,油性イ
ンクを処理した廃棄アセトンと,火力発電所等からの排ガス相当の低
濃度二酸化炭素を出発原料とし,太陽光と同等の可視光を1日照射す
ることで,アセトンの約70%を3-ヒドロキシ酪酸に変換することに成
功した。この成果は,二酸化炭素を削減するだけでなく,廃棄資源を
再利用しながら生分解性プラスチックを作る革新的な方法となること
が期待される。研究グループは今後,実際に実験室で出てくるアセト
ン廃液や排ガスを原料として利用できる人工光合成技術への展開を目
指す。
【要約】
1.廃棄アセトンと排ガス相当の低濃度CO2から生分解性プラスチック
 原料を合成
2.二酸化炭素と結合させたアセトンからの収率は約70%
3.廃棄資源を再利用する革新的な人工光合成技術へ、大きな一歩。

✔ 人工光合成も2030年には実用化の目処が立っているものと考える。
  正確に言うと、持続可能水と二酸化炭素と光還元触媒を主流とし
  て、再エネ電力水電解の水素と二酸化炭素を使用して、化成品、
  有機溶剤などを持続可能な製造能力な製造システムである。従っ
  て次回のテーマは、持続可能な製造能力な水素濃縮・貯蔵・供給
  システムに移り本シリーズは完結。


図1 マルチモード光ファイバを用いた長距離伝送の動向、
  および本成果の位置づけ

NTT 10空間多重光信号を空間モード多重増幅中継 
従来の10倍以上の長距離・大容量光ネットワークの実現へ貢献
3月6日、日本電信電話株式会社は、これまでの光ファイバと同じ直径
を保ちながら伝送容量を10倍に拡大可能な空間モード多重光ファイバ
による、世界最長(1300 km)の10空間モード多重信号の光増幅中継伝
送に成功。本成果により、従来技術では困難であった10以上の空間多
重数拡張と長距離伝送の両立が可能になるため、光ファイバあたりの
伝送容量の飛躍的な向上を見込む。これにより、将来的なクラウドサ
ービス拡大などにより増大する通信トラヒックを収容可能なペタビッ
ト級の超多重スケーラブル光ネットワークの実現に貢献する。また、
NTTが提唱するIOWN構想・Beyond 5G/6G時代を支える大容量光ネットワ
ークの実現に貢献する次世代の伝送基盤技術として期待する。今回の
成果は、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催される光通信技術
に関する国際会議OFC2023(The Optical Networking and Communication
Conference & Exhibition
)の伝送部門において査読委員から最も高く評
価されたトップスコア論文として採択され、3月6日(現地時間)に発
表される。なお、本研究成果の一部は,国立研究開発法人情報通信研
究機構の「Beyond 5G研究開発促進事業」の委託研究(採択番号01001
)により得られたもの。 
【要点】
1.空間モード多重中継増幅器に適用可能な拡張巡回モード群置換技
 術を研究開発し空間チャネル間の伝送特性偏差を平準化することで、
 従来記録の10倍以上の伝送距離に相当する、世界最長の1300 kmにわ
 たる10空間モード多重光伝送実験に成功。
2.上記の増幅中継技術を適用することにより、これまでの光ファイ
 バと同じ直径のMMFを用いて10以上の空間多重信号を長距離伝送でき
 ることを世界に先駆けて示した(図1)。



【展望】
今後、線路技術や光増幅技術などの関連技術分野と連携のもと、10空
間モード多重級の光信号を効率良く処理可能なMIMO信号処理を用いた
システム実現技術の確立をめざ。これにより、将来的なクラウドサー
ビス拡大などにより増大する通信トラヒックを収容可能なペタビット
級の超多重スケーラブル光ネットワークの実現に貢献。また、NTTが
提唱する2030年代のIOWN構想・Beyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤
の実現を推進していく。


SCREEN 直接描画装置のラインアップ拡充
SCREENホールディングスは,ICパッケージ基板やFOPLP(FOWLPの製造
方法をウエハーよりも大きなパネルに適用した半導体パッケージ)な
どに対応した,次世代パターン用直接描画装置「LeVina(レビーナ)」
の2μm対応モデルを開発し,2023年7月に販売を開始する。

キヤノン,前工程向け半導体露光装置を発売

キヤノンは,前工程向け半導体露光装置の新製品として,50×50mmの
広画角と0.5µmの高解像力を両立するi線ステッパー「FPA-5550iX」の
販売を開始。

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine   



J--POPの系譜を探る1968年代】

ザ・テンプターズ The Tempters  神様お願い (1968年3月5日発売)  
ソロ:萩原健一 作詞・作曲:松崎由治 ※ J-POP(ジェイ-ポップ、英: Japanese
Popの略で、和製英語)は、日本で制作されたポピュラー音楽を指す言葉で
あり、1989年頃にその語と概念が誕生した後、1993年頃から青年が歌唱す
る曲のジャンルの一つとして広く認識されるようになった。 つまり   J、-POP
以前と以後の違いは、BPM(テンポ)の速さや洋楽の影響を受けたメロディ・
コード進行・リズムにある。特に、昭和歌謡の時代の邦楽と比較して、歌詞
の構造が解体された代わりにグルーヴが洗練された作品は増加した。なお、
一般的な音楽ジャンルとは異なり、その先に「J-POP」という言葉を定義し、
それに既存の楽曲を当てはめる所から入っていったもので、発生した音楽
ジャンルではない(via Wikipedia)。 ここでは、和製ポップス、グループ・サ
ウンズ(フォークソングを含む)とする。

テンプターズ(誘惑者達)などのグループ・サウンズジと----ジャッキー吉川
とブルーコメッツ、ザ・スパイダース等----呼び始めたのは1967年3月からだ
という説もあるが、ビートルズ 「ハロー・グッドバイ」 ドアーズ 「ハートに火を
つけて」、007は二度死ぬ[英]、ベストセラー 五木寛之、『蒼ざめた馬を見よ
』、大江健三郎、『万延元年のフットボール』、有吉佐和子『華岡青洲の妻』、
多湖輝『頭の体操』がある。 (弊ブログ 2020.12.07 「太陽は沈み太陽はまた
昇る」) その大江健三郎氏が今月3日他界された。享年八十八。
                                          合掌

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)ひとつの言葉が励みとなる
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